今朝の気温は真冬並みの0℃。あの日も雪が舞い寒かったろう。
13年前の3月11日。その寒さの中で9日間も祖母と津波で崩壊した
家屋の中で過ごし救出された石巻の高校生(当時)の「失敗談」が
今朝の社会面に載る。
救助隊に担架で運ばれる時、警察官の後ろに多くの記者が見えた。
大津波警報にも大丈夫だろうと避難しなかった「マヌケな高校生」と
書かれるだろうと思った。
ところが「祖母を救った高校生」など英雄扱いの記事に戸惑った。
英雄なんかじゃない、避難の失敗者なんだとの思いが長く続いた。
大学を出て地元石巻の街づくり会社に就職。「あの時の安部君?」
とすぐバレた。やがて誘われるまま語り部として当時のことを話せる
ようになった。
毎日毎日遺体を収容していた救助隊が9日ぶりに生きた人間を発見し
「奇跡」と語った警察幹部の講演も聴いた。
昨年、地元の震災伝承に取り組む社団法人に転職。「失敗」を
ちゃんと語り継いで行こうと決めた。昨年12月、新潟で講演した
直後の能登地震。一緒に伝承に取り組みたいと思っている。
「進んだ復興 縮む人口」、朝刊では被災地の沿岸43市区町村の
人口減少が平均12.7%に及ぶことを報じている。
震災から3年後の2014年に訪れた石巻のスナップから2枚。
燃えながら北上川を彷徨ったクレーン台船の解体が始まっていた
日和山から眺める何もなくなった石巻の海岸地帯