村の水車番

水車小屋のおじさんは見た?  山村のくらしは、今日も快調!

手負いの唐獅子

2024年05月04日 | Weblog
わが家は祖父の代から鯉を飼っていたようである・・・
祖父の時代には、鑑賞と言うより食用が目的だったらしい・・・

父の代から観賞用の錦鯉を飼うようになったが・・・
何しろ観賞用と言っても・・ビニール袋入りの稚魚を買って来て・・
田植えを済ませたばかりの田んぼに放し,
刈り取り前に大きくなった鯉を池に移していた・・・

大雑把な養鯉法なのでよく死ぬこともあったが・・・
勿体ないからと父は焼魚や煮魚にして食卓に乗せていた・・・

子供ながらに・・錦鯉の紅白の煮魚や焼魚は嫌だった・・・
刺身となるともっと嫌だった・・・泳いでいた頃の姿が目に浮かんでなかなか口に入りにくかった思い出がある・・・

私の代になってからは、毎年半夏市などに来る鯉屋さんから補充の鯉を飼って放していたが・・・
鯉を飼う趣味は趣味の中でもお金がかかる・・貧農には続かないことを悟って地区内の鯉の池がある農家に全部譲り渡した・・・

鯉を飼っていた頃・・・古顔の鯉はアオサギなどの襲撃も上手くかわすが補充したばかりの若鯉は格好のアオサギの餌食になり・・・いつも傷ついていた・・・

その頃、石屋さんの倉庫にあった壊れた唐獅子の片割れを戴き、アオサギよけに池のほとりに座らせていたのが今も残っている・・・

今では皐月の陰に埋まっているが・・なんとなく我が家の守り獅子の様な風格がある・・・
お宝など何もないわが家だが・・傷ついた手負いの唐獅子は我が家のお宝になっている・・・

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