遅ればせながら、済州島が舞台のドラマ『サムダルリへようこそ』を観終えました。

今日はその感想などをちょこっと書いてみたいと思います。

 

『サムダルリへようこそ』は韓国のテレビ局JTBCで去年12月から今年1月にかけて放送されたドラマです。

現代は『웰컴투 삼달리(ウェルカムトゥー・サムダルリ)』

全16話で、Netflixでも公開されています。

 

↓Netflixの公式ページ

 
「サムダルリ」というのは済州島に実際にある地名。
漢字では「三達里(삼달리)」と書きます。
西帰浦市城山邑の1地区です。

 

 

この地図を見ると分かる通り、城山は西帰浦市のいちばん東に位置しています。

城山はオルム(山)の中でも最も有名な「城山日出峰(ソンサンイルチュルボン/성산일출봉)」があることで有名。

ドラマの背景にも「城山日出峰」がしばしば登場します。

 

ただし、ドラマにおける「サムダルリ」はあくまで架空の集落のようです。

隣町という設定の「ナムダルリ(남달리)」は実際には存在しない場所ですし、撮影も城山やその北の旧左(クジャ)を中心にしつつ済州島全体で行った様子。

ちなみに、済州大学に近い所では「済州大病院」「観音寺(クァヌムサ/관음사)」が撮影場所として使われています。

「観音寺」はドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でもロケ地になってましたね。

 

その他、キョンアさんが昔よく泊まっていたゲストハウスが出てきたり、見覚えのある海岸が出てきたりと、ドラマを見ながら撮影場所を当てるのも毎回楽しみでした。

 

↓このサイトにロケ地が詳しく紹介されています

 

以下、ドラマの内容をざっくり。

物語は主人公チョ・サムダル(조삼달)がソウルから故郷である済州島へ帰るところから始まります。

彼女はそこで以前付き合っていた同級生のチョ・ヨンピル(조용필)に再会。

過去のいきさつなどを交えつつ、二人がもう一度恋愛を始めるところまでが描かれます。

ものすごいざっくりですが。

 

ちなみに、男性主人公の名前「チョ・ヨンピル」は、日本でもなじみのある歌手チョー・ヨンピル(趙容弼)から来ています。

サムダルとヨンピルの母親がどちらもチョー・ヨンピルの大ファンだったという設定なんですね。

そのため、ドラマでもチョー・ヨンピルの歌が挿入歌として何度も登場します。

 

チョー・ヨンピルといえば、日本では演歌を歌う外国人のおじさんというイメージですよね(?)。

でも、韓国では演歌・歌謡曲系だけでなく、ロック・ポップ・バラードなど多様な歌を歌うシンガーソングライターというイメージのようです。

実際、ドラマではチョー・ヨンピルのポップなほうの曲が主にフィーチャーされています。

 

↓挿入歌の一つ「꿈(夢)」。歌詞もいいです

 

済州島が舞台ということで、済州島を象徴する要素もいくつか登場します。

まず、主人公のお母さんが海女という設定で、海で仕事をしている場面が頻繁に出てきます。

海女が水面に顔を出して呼吸する時に出す特殊な音「スンビソリ(숨비소리)」(日本語では「磯笛」というようです)や、採集作業に使う「テワク(태왁)」という道具もドラマのポイントの一つとなっています。

 

またヨンピルは気象庁で働く気象予報士という設定で、気象庁が公式に発表する済州島の天気予報がいつも外れることを嘆いていますが、これは済州島の天気予報が実際にしょっちゅう外れることに対する皮肉だと思います。

済州島は漢拏山(ハルラサン)や海風の影響を受けるせいか、天気予報がかなり当たりにくいんですね。

だから地元の人たちは、空の様子を見て「明日は雨だ」などと自分で予想していますが、ヨンピルの人物像も済州島のそういう部分にヒントを得たものでしょう。

 

それから、済州島の方言もドラマの雰囲気を作る重要な要素として現れます。

ただ役者の人たちは済州島出身ではないので、外国人の僕が聞いても「だいぶ違うなぁ」というレベル。

最初の数話は違和感しかありませんでした。後半へ行くにつれて慣れていきましたが。

済州島の方言は標準韓国語とかなり違うので、済州の出身者でなければ自然に使うのはかなり難しいんですね。

それもあってか、ドラマでは主人公の両親や海女など一部の人たちだけが話しています。

 

とはいえ済州島関係者以外であれば、済州島の風景も相まって済州島っぽい魅力を全体的に感じられる構成になっていると思います。

済州島関係者から見ると「済州島に似たパラレルワールド」みたいな感じで、それはそれで面白いかもしれません。

 

ドラマを観た全体的な感想としては、主人公二人の演技がしっかりしているので安心して観られるなぁと思いました。

特にヨンピルは「そんな奴いねぇだろ」とつっこみたくなるような善人なのですが、俳優のナチュラルな演技でその極端なキャラ設定がうまく薄まっている感じがしました。

あと、個人的にはサムダルの同級生の一人ワン・ギョンテのキャラと俳優の演技がピッタリハマっていてよかったです。

 

済州島が舞台のドラマ「サムダルリへようこそ」、興味のある人はぜひ観てみてください。

 

※次は土曜日に更新します

 

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↓ドラマのちゃんとした紹介