エンゼルスタジアムは大谷選手に有利?不利?について調べよう
外野にある岩の造作物が印象的なエンゼルススタジアム。
大谷選手のホームランが出るたびに花火も上がるため、ぱっと見てエンゼルスタジアムを判別できる人も多いのではないでしょうか。今回は、知ってそうで知らないエンゼルスタジアムについて調べてみましょう。
観客席の配置が独特なスタジアム
座席配列のイラストが下記の通りです。5階建てですが、いわゆる外野席数が極端に少ないことが分かりますね。日本の球場では、基本的にライトスタンドがホーム側、レフトスタンドがビジター側のことが多いですが、レフトには観客席がほぼ存在していません。左右に分かれて観戦するスタイルですね。
左右非対称のいびつな形が特徴
何といっても特徴的なのが、左右非対称な形。レフト方向には119mもありますが、ライト方向は111.8mしかありません。7m以上も違いがあるのです。そのため、左打者に有利だったと思われがちですが、最近までは左打者に不利な構造でした。その要因がフェンスの高さ。フェンウェイパーク(レッドソックスのホームスタジアム)のレフトにある11.3mものグリーンモンスターが有名ですが、エンゼルススタジアムのライトフェンスも5.5mと、そこそこの高さがありました。そのため、ライト方向でもホームランが出にくい球場となっていました。
ホームランが出にくかったスタジアム。野球の人気がいまいちなアナハイムで、お客さんをもっともっと呼びたい球団が動きます。やはり野球の醍醐味のホームランを見せることが手っ取り早いということで、2018年のシーズンからライトスタンドを低くする改修が加えられました。
この改修、とても簡単に済ませられます。下の写真の部分、かつては広告部分(白く光っている部分)もフェンスの一部として扱われていましたが、この広告部分をスタンドとみなしてしまおうというのが、2018年の改修でした。そこで、(手早く終わらせるためか)広告とフェンスの間に黄色いラインが引かれることになりました。こうして、この「黄色いライン」の上に着弾したらホームランとなったのです。
ただ、これが非常に分かりにくくて、必ずしも評判の良いものとはなっていないようです。一瞬、フェンスに当たってグランドに戻ってきたかに思える打球が、実はホームランだったということがしばしば起こるようになったのです。TVでも何回か見かけましたね。もう少し解説なり入れてくれないと、初見ではなかなか分かりません。
改修は大谷選手に有利になった
見てきたように、ライトとレフトのフェンス高が2.4mで統一されました。そのため、現在ではライトとレフトの違いは、距離の違いだけになっています。左バッターは引っ張った方が力が伝えられるので、当然のように左打者有利なスタジアムに生まれ変わりました。大谷選手は調子の良いときはセンター方向のホームランが多いですが、今シーズン後半戦はライト方向のホームランが多く出ています。決して大谷選手の入団に合わせて改修した訳ではないと思いますが、こうした運を持ち合わせていることも、大谷選手は他人と違う星のもとに生まれたものかも知れませんね。
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