【解説】MLBのロースターとは?2WAYの持つ意味を解説

メジャーリーグは、1球団に180名が所属する巨大組織です。当然ながら、その誰もがメジャーデビューをできる訳ではありません。ルーキーリーグを始まりとするマイナーリーグの各段階を経て、メジャー契約を勝ち取るのも一苦労です。ここではメジャー昇格を勝ち取り、試合に出れるようになる(アクティブロースター入りする)までを解説していきましょう。

拡大ロースターに入って、はじめてメジャーリーガー

180名がAAA~Rのマイナーリーガーとして登録できますが、その中で勝ち残るのは、わずかに40名。年間に換算すると、僅かに5名前後となります。メジャー契約の年俸はマイナートップ(AAA)の10倍以上と別の機会で紹介しましたが、まさに狭き門です。メジャー契約をすると拡大ロースター(40人枠)に入ります。その後、試合に出るためには、さらにアクティブロースター(26人枠)に入る必要があります。

このアクティブロースターですが、大型契約選手等のレギュラー陣で埋まっているのがほとんど。26人枠と言っても、20人前後はお決まりの選手で埋まっています。健康な状態のマイク・トラウトや大谷翔平が外れることは、まず考えられませんよね。そのため、若手がチャンスを得ることができるのは、年間でせいぜい数枠しかありません。せっかく拡大ロースター入りをしても、結局アクティブロースターに登録されずに終わってしまう選手もいます。チャンスを掴むだけでも大変だということが分かりますよね。メジャー契約選手が故障者リスト(IL)入りをしてアクティブロースターから外れたときなど、誰がアクティブロースター入りをするのか注目してみてください。

セプテンバー(9月)コールアップの制度について

このままだと、強いチームや故障者の少ないチームは、若手が一向にデビューできない状態になります。そこで考え出された制度がセプテンバーコールアップ。2021年は、9月より2名のアクティブロースター追加(28名枠)が認められています。この制度の活用が若手の最大のチャンス。翌シーズンに本格的にデビューするプロスペクトのお披露目の機会にもなります。特に、弱小チームでも、ベテランの契約解消をせずに若手の出場機会を与えることができるようになるので、多くのプロスペクトの試用期間となります。

アクティブロースターは、投手数13人以内

アクティブロースター入りする段階になっても、大きなハードルとして待ち構えているのがポジションです。投手は13人以内でしか登録ができません。先発が5人ローテーションであれば、リリーフで8人。先発が早々に打ち込まれたりるすと1試合で7人8人も投手をつぎ込むことが多々あります。投手が13人しか登録できないのは、毎日試合があるメジャーではタイトな人員数ですね。

貴重な2WAYプレイヤー枠

ここで貴重になるのが2WAYプレイヤー枠。アクティブロースターの26名上限は変えることができませんが、投手とはカウントされません。多くのチームは炎上に備えてピッチャーの枠を最大まで入れてますが、2WAY選手がいると、実質14名まで投手をアクティブロースターに入れることができるようになるのです。これが大谷選手のような選手が、チーム編成上の厚みをもたらせることになり、多くの2WAYプレーヤーの誕生が期待されています。この起用法のルールが変更されたからこそ、大谷選手は歴史を変えている、と言われるのです。チーム編成の観点から、大谷選手の立ち位置を見てみても面白いですね。

 2WAYプレーヤーの条件
 当シーズン内、または直前1シーズン内で以下を達成したもの
  ・投手として20イニング以上投げている
  ・野手または指名打者として3打席以上出場した試合が20以上ある

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