蕩減の真の意味

「償い」ではなく「赦し」

「蕩減」を「ゆるし」と解釈するのがキリスト教

2024年05月17日 | 資料

Wikipedia - 蕩減(韓:탕감 , tang-gam)
(朝鮮起源の漢字語)借金を全部帳消しにすること。借債を悉く免除してやること。remission。
「蕩」の字義は「すっかり無くする。『蕩尽/掃蕩』」。
韓国では一般に金融用語として「債務の減免」の意味で使われ、頻繁にマスコミに登場する。[탕감]
また韓国語聖書で負債や罪の「ゆるし」の訳に用いられており、韓国のキリスト教会の説教でも頻繁に用いられる。

 

■ 韓国キリスト教系NEWSサイト「NEWS & JOY」より.

<蕩減の比喩について>

私たちが最初に赦された者だから(マ18:21〜35)
ペテロが赦しについて尋ねたとき、イエス様は七度だけではなく、七回ずつ七十回でも赦しなさいと蕩減の比喩を語られた。

1。蕩減の比喩は何か

罪の赦しの比喩であるが、人間は死刑宣告を受けた罪人であることが聖書の証だ(ローマ1:32)。アダムの堕落に彼の子孫である人間は神の前に出ることができない罪の負債を追った存在だった。律法でも義とされることがない無気力な僕、罪の奴隷であった。

蕩減とは返済できない借金を全部削除してあげることを意味する。傷も垢も無いイエス様の十字架の事件は蕩減の証であり赦しのしるしであり、神様の何の条件もない愛であった。

この真理(イエス•キリスト)に目覚め信じる者が律法の僕、罪の奴隷から解放され真に自由である神の息子として保証の救いを受けた者である(ローマ8:15〜17)。

2。十字架の蕩減原理はどのような負債をも赦す力がある

何をもっても赦されない罪の負債を蕩減された感激があり、私たちが赦せない罪は無いということだ。神様が私に施して下さるその愛を考えれば七回ではなく、七十回赦しなさいというイエス様の教訓は、真理の名言である。

しかし、神様に赦された私たちが兄弟の罪を赦せない愚かさを犯している。私が犯した罪に対しては、神様に寛容を祈り他人が私に犯した罪に対しては、度量に狭い心で復讐心に燃える利己的な私たちの心構えをイエス様は当時、律法信仰(歯には歯を、この目には目)を、蕩減の例えをもって叱咤改革した。現代でもイエス様の十字架の血の恵みを知らずに他人の罪ばかりを非難する恩知らずな者に呵責を与える赦しの言葉である。

3。イエス•キリストの蕩減の比喩は愛の戒めだった

愛は多くの過ちを遮ってくれる。(箴言10:12)。愛は恐れを追い出し(ヨハネの手紙第一4:8)神様は愛である(ヨハネの手紙第一4:16)。神様の子どもであるなら愛の化身になれるよう努力しなければならない。

子は父の形状に似て、その血脈を継承する。私たちが神の子どもとなったなら、当然、神様の形状になければならないし神の温血を受け継いで、私たちの心にイエス•キリストの愛の暖かい血が流れなければならない。

結語

信じなさいと言いながら兄弟を赦せなければ、彼は冷血漢として蛇の末裔である殺人者カインの血代を継承した者であるにちがいない。ヘビは冷血である。兄弟を憎み複数の冷血が心臓に流れたなら神の種子ではなく、ヘビの種子である(マタイ23:33、ヨハネ8:44)。

主の祈りにも私たちが私たちに罪を犯した者を赦した如く、私たちの罪を赦し給え(マタイ6:12)の条件を掛けている。ゆえに私たちが神様から罪の赦しを受けた者であることが確実であれば、何としてでも兄弟の罪を赦さなければならいのが神の愛の法則なのである。


  ・「蕩減」の由来(マタイ伝18章21~35節)
  ・「蕩減(탕감)」の原義 
  ・「蕩減」文鮮明師による定義  
  ・「蕩減」の意味を金東俊教授に聞く 
  ・「蕩減」韓国の相反する2つの使い方  
  ・「蕩減」には複数の意味がある(教祖様のスラング) 
  ・ 李相憲氏の「蕩減復帰原理の定義」

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「蕩減」文鮮明師による定義

2024年05月17日 | 資料

「『蕩減』には複数の意味がある(教祖のスラング)」より
「文鮮明師が「蕩減」と言う時、そこには複数の意味があることをどれだけの信者が認識しているだろうか?
実はその99%が韓国特有のスラングか、文氏独特のスラングであることを。
本来の意味即ち原義で使われるのは1%に満たない。」「蕩減」の原義

その僅か1%にも満たない貴重な原義で語られた御言葉が下記。
御言葉集を徹底的に調べるだけでなく、教祖側近の幹部達にも直接聞いてみた。

■ 文鮮明師による「蕩減」の定義
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(1)「蕩減の歴史的基準」1980.7.1
             『文鮮明先生御言選集』 108-114

「蕩減とは何であるかというと、百以下のものをもって百と同じに認めてくれることです。」

「蕩減とは何か。百をすべきことを、一をすることによって百をしたものと認定してあげるのです。これは何かというと、百年かかることを、一年かけてすればよいということです。」


(2)「世界への神の希望」第1巻

文鮮明師が受けた米国での啓示3 聖書の中の神の摂理
「蕩減とは、究極的に原罪が取り除かれなければならないということを意味しています。」


(3)先生の御言葉(史吉子先生の証言 2000年8月31日)

「先生はある時『蕩減』のお話をされて『百万円の負債のある人が“私には僅か十万円しかありません”と言えば、先生の恵みで“その十万円だけで赦してやろう”と言うそれが蕩減の意味だ。』と話されました。」


(4)「文鮮明先生御言葉撰集 第29巻」P.335

 「蕩減というのは、あることに対して犠牲の条件を代わりに立てて越えていくのです。蕩減条件というのは私達には有り難い恩赦でないわけがありません。95%は神の責任であり、5%は人間の責任なのです。」


(5)御旨の道 P.158

「我々に任せられた責任が重いと思うな。我々が五パーセントの責任分担をなすためにも神は九十五パーセント以上の苦労を既になさったということを知らねばならない。」


(6)「文鮮明先生御言選集」391-73 2002.8.15

 「復帰しようとすれば蕩減が必要です。蕩減とは何でしょうか。『蕩』という字は、とかして削って小さくするという意味です。ですから、さまざまな損害を被ることによって罪を削って小さくするのが蕩減ということです。」


(7)御言葉撰集 264-269、1994.11.20

「一人で暮らす善良な寡婦が、亡くなった夫の負債を払わなければならない立場にいるとき、周りの人がすべて同情して、『大勢の人たちが願うとおりに私がしてあげればならない』と考え、負債の一部だけを返済することで全額を支払ったとみなしてくれることがあるのです。このような立場に立つとき、蕩減されたといいます。」

「小さな条件的お金をもって、その多くのお金を支払ったこととして扱うようになる時、そのお金を蕩減基金、蕩減条件金だといいます。
 蕩減という言葉を中心としてみる時、もしも、その婦人が預金通帳に何十億というお金があるにもかかわらず、同情を受けることを願ってそうしたということが明らかになる時には、蕩減条件が多くなるのです。
 蕩減条件を受けておいて、そこに赦し得ないすべての罪状が現れるようになる時には、何十倍、元金に利子まで加えて返してあげなければならないというのです。このような時はもっと多くの蕩減条件が必要だというのです。」


(8)「蕩減というものは何か?」
 16万日本女性幹部特別修練会 韓国中央修練院 1994.3.16-17

「蕩減というものは何か?お金を借りて負債があるのに返済する力がないのです。いくら返済しようとしても、生涯をかけて返そうとしても返せないという場合には、債権者、お金を貸してくれた人が特別に容赦してくれ、返すべきお金の10分の1を支払ったなら返したことにしてくれる、ということができるのです。
 ところが、そこには条件があるというのです。10分の1にしかならないので、残り10分の9は、謙遜だとか、背後に何かをして債権者を感動させる立場に立たなければいけないのです。そうでなければ、蕩減が成立しないということです。」


(9)「蕩減復帰摂理歴史」1981年2月10日

「蕩減の本当の意味は何でしょうか。問題は人間の能力です。
誰であったとしても決して全人類の負債を支払うことが出来ません。従って人々に救いを与える特別な法則がなければなりません。
 というのは、何らかの特別な天の配慮がなかったとしたら誰も救われることが出来ないからです。神は私達が負っている負債の総額に充当するために、その内の一定額を支払うことを求めておられます。
 しかし私達がその条件を満たすことにより、総額が返済されたという立場に立つのです。それは基本的な原理です。神は常に誰もが救いを受ける機会が得られるように小さな条件を設定されています。」


(10)「 蕩減が行く道」1967年6月4日 旧本部教会

「皆さんは蕩減復帰という言葉を学びました。蕩減復帰ということは、小さな条件を通して大きなことを蕩減することです。
 例をあげれば、百人を赦してあげるために、一人が代身にしてサタンに打たれる場にあっても不平不満をいわず、ただ神を思慕して心には天国を抱いてその場に当たる人がいるなら、その善なる一人の人間が打たれる代価として百人の罪が蕩減されるのです。
 蕩減の場に立つ人間は、周囲が追い詰めるなかにあっても天国を慕い、神を思慕して、死ぬも天、生きる天、生まれたのも天のため、生きるのも天のためという心を持たねばなりません。天から出発して天の過程を経て、天が終着点になるのです。
 こんな場を担って越えて行くことによって、百人の罪が赦されるのです。即ち、人間百人の代表として一人を立て、彼が百人の代身に打たれて百人が打たれるこを赦され、悪なる場から善の場へ帰ってゆくのが蕩減復帰だというのです。」

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海外に於ける「蕩減(indemnity)」批判(2)

2024年05月11日 | 解説


▲"Indemnity is a Moon Trap"

以下は「蕩減」を、本来聖書で使われている原義「remission(赦し)」を無視して「indemnity(賠償金)」と訳したために起こった弊害の一つと言えます。


「How Well Do You Know Your Moon
Exposing One of the world's most manipulative cults」より
"Indemnity is a Moon Trap"
http://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/445473395...


※ 以下は上記記事の機械訳
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蕩減(賠償金)は文氏のペテン(罠)だ

「私は統一教会信者であったとき蕩減(賠償金)によって忍耐を超えて負担を感じ、自由を感じなかった。蕩減(賠償金)は無条件の愛に反するので、神に反するものである。

蕩減(賠償金)は、「あなた」は死んだ人々の救いも含め、あなたと他の全ての人のために支払われなければならないと説く。蕩減(賠償金)は深い無条件の親の愛から惜し気なく与えられる神の無条件の愛と慈悲を全く、そして、完全に無視します。」

彼らを彼ら自身の罪に対する責任と罪の意識の重荷と彼らの先祖の、そして、彼らの国のそれらを感じさせることによって支持者を罠で捕らえるために、文鮮明は蕩減(賠償金)の概念を使いました。

文氏は殆どの国が彼を支えることに、彼が割り当てた責任に応えることに失敗したと判断した。文氏によるとキリスト教と多くのグループは失敗したと。

メンバーは誰であろうとも、彼らはいくつかの失敗、または他に対して責任を負います。…


蕩減(賠償金)

キリスト教の解説者達は、キリスト教の信仰による救いの教義に反しているとして蕩減(賠償金)の概念を批判している。ラジオとテレビ・エヴァンジェリスト・ボブ・ラーソンは言いました。

「『蕩減(賠償金)』(それは亡くなった祖先にさえ申し込むことができる)による罪のない完全な文氏の教義は、イエス・キリストを通しての恵みの提供による救済の否定である。」と、キリスト教の歴史家ラス・タッカーは言いました: 「単純な言葉遣いでは、蕩減(賠償金)は善行による救済。」
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■蕩減復帰原理の要訂正部分
  ・ 原理講義の間違い例(1) 受肉・蕩減・体恤
  ・「蕩減」の間違い
  ・ キリスト教用語の誤用(1)
  ・「蕩減」の意味を金東俊教授に聞く 
  ・「蕩減」金東俊教授が原理講論を訳す
  ・「蕩減」韓国の相反する2つの使い方 
  ・ 教祖様のスラング、訛り、誤認、定義不明
  ・「蕩減復帰」の要訂正箇所
  ・「原理講論 緒論(一)(1)「蕩減復帰」の間違いを正す
  ・「蕩減条件の立て方」の間違い 
  ・「蕩減」を「indemnity」と訳したことによる弊害の例


■蕩減関連資料
  ・ 原理原本の中の「蕩減」
  ・ 金東俊教授の指摘(1)「蕩減」と「容赦」
  ・「蕩減」韓国一般の使い方
  ・ 韓国語聖書に於ける「ゆるし」の訳
  ・ 聖書に登場する「蕩減」(6箇国語)
  ・ 韓国語聖書に於ける「ゆるし」の訳  
  ・ [資料] 赦しのキリスト教的英訳 
  ・ Wikipedia「蕩減」   
  ・ Wikipedia : Unification Church - View of salvation

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「蕩減」金東俊教授が原理講論を訳す

2024年05月11日 | 資料

韓国語教育の第一人者と言われている著名な金東俊神田外大名誉教授(文学博士。NHKハングル講座元講師)に「蕩減」の意味について質問すると、暫くの間具体的に解りやすくお話して下さる。
   → 「蕩減」の意味を金東俊教授に聞く
 
その後下記、韓国語版原理講論の「蕩減」の定義部分を一人で読んで訳して戴くと…

■ 原理講論の「蕩減」の定義部分
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韓国語版 P.323
「무엇이든지 그 본연의 위치와 상태 등을 잃어버리게 되었을 때, 그것들을 본래의 위치와 상태에로 복귀하려면 반드시 거기에 필요한 어떠한 조건을 세워야 한다.이러한 조건을 세우는 것을 '탕감(蕩減)'이라고 하는 것이다. 」

日本語版 P.273
「どのようなものであっても、その本来の位置と状態を失ったとき、それらを本来の位置と状態にまで復帰しようとすれば、必ずそこに、その必要を埋めるに足る何らかの条件を立てなければならない。このような条件を立てることを『蕩減』というのである。」
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※金東俊神田外大名誉教授(文学博士。NHKハングル講座元講師)2013.12.22
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質問者:「この文章わかりますか?」

金教授:「わかりにくい。ふつうはこうは言わない。ちょっと難しい表現ですね。文の構造が難しい。普通の言い方とちょっと違う。直訳しますと、

    『何でもその本来の位置と状態を失うようになったとき、それらを本来の位置と状態へ復帰しようとすれば』… ここもちょっと合わない… 

    『必ずそこに、その必要を埋めるある条件を立てなければならない。このような条件を立てることを"蕩減”と…(暫く詰まる)…

    いうのである。…」

質問者:「これ意味通じますか?」

金教授:「通じない。…これは蕩減にはあたらない。内容が。

某幹部:「『蕩減条件』としたら大丈夫なの?」

金教授:「そうかも分からないですね」

某幹部:「『条件』というのを入れれば」

金教授:「ええ、ええ」

某幹部:「このような条件を立てることを『蕩減条件』という」

金教授:「う~ん、何と言ったら良いのかなあ…(先生、何とか理解しようと終始努力されるが)… まあとにかくこれは間違いです。

質問者:「どこかを直さなくてはならないと思うんですが」

金教授:「前から直さなくちゃならないと思う」

(英語版「Divine Principle」について)

質問者:「英語版では”indemnity(賠償金)”と訳しております。

金教授:「それは全く違う。
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金東俊先生のプロフィール

文学博士・神田外語大学名誉教授・日本韓国語研究会会長
NHK TV・ラジオ「ハングル講座」講師
神田外語大学教授
韓国教育財団「韓国語能力検定試験」運営委員長
青峰奨学財団専務理事
現在: 韓国語教師のための研修会、柿苑ゼミ主宰
著書: 韓国語学参考書『スタンダード・ハングル講座』共著、大修館書店。他教科書等。

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「蕩減」韓国の相反する2つの使い方

2024年05月11日 | 解説

 

(左)TVドラマ「商道」、(中)韓国語版 P.120、(右)日本語版 P.19


★韓国一般の「蕩減」の使い方を知るために韓国の検索エンジンで「탕감」を検索すると常に多数ヒットします。
また書籍の中にも登場します。よく観察すると韓国において下記二つの相反する使われ方がることが分かります。
即ち、原義通りの使い方とそうでない使い方、いわゆる俗語(スラング)です。


【1】正規の例

下記は韓国のニュース記事に載った「蕩減」の例です。

「生計型信用不良者、元金蕩減考慮しない」20050114(Fri)
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3月から施行される政府の生計型信用不良者救済対策の輪郭が現れた。元金蕩減(帳消し)ではなく金融機関の利子の免除や償還期間の延長により責任を分担することになるものと見られる。…(中略)…

政府はこれらを救済する過程で道徳的な緩みが生じないよう、元金は蕩減しないことを原則として立てた。また、返済能力のない人にお金を貸出した金融機関も責任を負うことにする方針だ。
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これは債権者側が「蕩減する(帳消しにしてやる)」と言う原義通りの意味で使われております。


【2】俗語(スラング)の例

韓国語版「商道」 第一巻 P.120・11行目(崔仁浩著 全5巻)より ▲上の写真
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「とにかく二十歳の若い年に父を失ったイム・サンオクは目の前が真っ暗になった。特に記憶によるとイム・サンオクのお父さんは死ぬ時にとてつもない借金を残して死んだと伝えられている。しかたなく、イム・サンオクは父が借金した商店に店員として入ってその借金を蕩減(帳消しに)するしかなかった。」
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こちらは原義に反して債務者側が「蕩減する」と表現しております。本来債務者側に借金を帳消しにする権限はないのに。
この韓国語版の「借金を蕩減(帳消しに)するしかなかった」(P.120)を日本語版「商道〈上〉」(P.19)で見ると、
「借金を帳消しにしてもらうよりほかなかった」という表現に校正されております。日本語版の方が原義通りです。
 
これはどういうことなのでしょう? これが韓国特有の俗語(スラング)なのです。
 

【3】韓国語教育の第一人者に聞く

韓国語教育の第一人者と言われている金東俊神田外大名誉教授(文学博士。NHKハングル講座元講師)に伺ってみました。

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質問者 :貸した側が「蕩減する(帳消しにしてやる)」と言うのであって、借りた側が「蕩減する」という言い方はしないですよね。

金教授:しない。

質問者 :では、「商道」のこの表現、「蕩減するしかなかった」というのは、これを貸した側が言っているのであれば分かりますが、借りた側が言うのは反対ではないでしょうか? 「탕감 해 줄 수 밖에 없었다(蕩減してもらうしかなかった)」と言わなければならないのではないですか?

金教授:日本語的表現ではね。でも韓国では両方使います。「탕감 하다(蕩減する)」と書けば、それは(債権者、債務者)両方とも使います。「탕감 해 줄 수 밖에 없었다」とまでは言いません。

質問者 :両方ともですか?

金教授:そうです。
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★たった今「借りた側が『蕩減する(帳消しにしてやる)』という言い方は」「しない」と言われたばかりなのに両方とも使う?
この後何度も問い直したのですが答えは同じでした。
韓国語では敢えて「탕감 해 줄 수 밖에 없었다(蕩減してもらうしかなかった)」という表現まではしない、それは日本的表現ということでした。

■ 上記に対するUTS元総長のコメント
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「私もアメリカで韓国語を文法的に厳密に勉強して来たので全く同じような問題にぶつかりました。韓国語の他動詞の受動態が見つからない場合があったのです。
英語の他動詞は全て能動態と受動態の区別がはっきりしてしています。日本語もそういう点では英語に近いかも知れませんね。

それで韓国語と日本語の両方に通じている36家庭の韓相吉先生に訊きに行ったところ、韓国語には他動詞の受動態がない場合があるといわれました。
それで、韓国語は文法的に100%厳密でないのでやはり詩的な言語として天国で使われるのだな、というのが私の結論でした。」
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文師の発言の中で他にも同じようなスラングがあります。

「恩赦に引っかかる」、「堕落観念に徹せよ」… この本来の意味とは真逆の言い方は内部でよく知られております。

このことを信者達がよく理解していれば問題ないかも知れませんが、これを英語初め外国語に翻訳するとき、当然校正することは不可欠です。
ところが統一教会では校正が全くなされず、文字通り訳されたため真逆の意味に記載され、流布され続けているのです。

そこでまた金東俊先生に英語版原理講論(DIVINE PRINCIPLE)を見て戴きました。
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質問者 :英語版原理講論ではこの「蕩減」の部分が「indemnity」と訳されております。
    これは「賠償」という意味になります。

金教授:ああ、それはない。
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★実は、ここが筆者が最も問題視する重要なポイントなのです。
即ち、ここで「蕩減」という文字を「indemnity(賠償)」と訳してしまったために、
「DIVINE PRINCIPLE」から完全に「赦し」という言葉がなくなってしまったのです。

「『蕩減復帰原理』には『赦し』と『償い』の両面がある。」(史吉子氏)

「人間が5%の条件を立てる前に神は95%の御苦労を既になさっている。」(文鮮明師)

「DIVINE PRINCIPLE」からは神の95%の「赦し」部分が完全になくなり、人間の「償い」部分だけになってしまった。
キリスト者達に対して「キリストの贖いによる大いなる赦しに対して人間がどのように歩むかということ、
そこで人間の責任分担を明確に認識しなければならないこと」それを提唱しなければならない立場なのに、

その議論以前の旧約的、或いは仏教的段階の救済観に陥ってしまっているということです。

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「蕩減」の由来(マタイ伝18章21~35節)

2024年05月11日 | 解説

 

【1】聖書的根拠

(1) 野村健二著「天下の愚論-『洗脳の時代』を裸にする」大学と理想83年4月号より
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「『蕩減』正確には『蕩減復帰原理』と言う。この用語は講論後半の最も中核となる重要な概念… 『蕩減』という言葉など聞いたこともないと言われる方も多いと思うが、これはもともと韓国語でごくありふれた言葉なのである。精解『韓日辞典』(金素雲編、高麗書林)の917頁には次のように書かれている。

『蕩減』=借金を全部帳消しにすること、借債を悉く免除してやること、remission(赦し)

  ちなみに、聖書に書いてあること以外は認めないという厳格な立場を採るファンダメンタリスト(根本主義者)の方々のために蛇足を付け加えれば、たとえば、マタイ福音書18章27節の『僕の主人はあわれに思って、彼をゆるし、その負債を免じてやった』の『負債を免じて』という箇所が、韓国語では『蕩減(ハヨ)』と訳されている。
 これを見ても『蕩減』という言葉が、一見耳慣れないようでも、韓国では日常用いられている、ごく普通の言葉であり、かつ聖書に忠実に従った用語であることがお分かりであろう」
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(2) マタイによる福音書 第18章23節~35節
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ペテロがイエスのもとにきて言った、
「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯した場合、幾たびゆるさねばなりませんか。七たびまでですか」。
イエスは彼に言われた、「わたしは七たびまでとは言わない。七たびを七十倍するまでにしなさい。

それだから、天国は王が僕たちと決算をするようなものだ。
決算が始まると、一万タラントの負債のある者が、王のところに連れられてきた。
しかし、返せなかったので、主人は、その人自身とその妻子と持ち物全部とを売って返すように命じた。…

そこで、この僕はひれ伏して哀願した、『どうぞお待ちください。全部お返しいたしますから』。)
 
僕の主人はあわれに思って、彼をゆるし、その負債を免じてやった。…
 

(그 종의 주인이 불쌍히 여겨 놓아 보내며 그 빚을 탕감(蕩減)하여 주었더니)
(Then the lord of that servant was moved with compassion, and loosed him, and forgave him the debt.)

その僕が出て行くと、百デナリを貸しているひとりの仲間に出会い、彼をつかまえ、首をしめて『借金を返せ』と言った。
そこでこの仲間はひれ伏し、『どうか待ってくれ。返すから』と言って頼んだ。
しかし承知せずに、その人をひっぱって行って、借金を返すまで獄に入れた。

その人の仲間たちは、この様子を見て、非常に心をいため、行ってそのことをのこらず主人に話した。
そこでこの主人は彼を呼びつけて言った、

『悪い僕、わたしに願ったからこそ、あの負債を全部ゆるしてやったのだ。
わたしがあわれんでやったように、あの仲間をあわれんでやるべきではなかったか』。…

(이에 주인이 저를 불러다가 말하되 악한 종아 네가 빌기에 내가 네 빚을 전부 탕감(蕩減)하여 주었거늘)
(Then his lord, having called him, said to him, O thou wicked servant, I forgave thee all that debt, because thou desiredst me)

そして主人は立腹して、負債全部を返してしまうまで、彼を獄吏に引きわたした。…
あなたがためいめいも、もし心から兄弟をゆるさないならば、わたしの天の父もまたあなたがたに対して、そのようになさるであろう」。
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※ 新聖書辞典(いのちとことば社)
  1タラントは6000デナリ。1デナリは「労働者、一日分の賃金」。
  一日分の賃金を1万円とすると、借金1万タラントは6000億円。つまり北朝鮮の国家予算並みの膨大な額。
  聖書やイエスの例えは極端な話が多いと言われる証左。
  1万タラントを1タラントに換えて例え話にすると、ぐっと身近に感じられるようになる。

 

(3) 李相憲著「統一民族史観」(月刊「ファミリー1993年5月号」)より

李相憲氏とは、嘗て文鮮明教祖に「私の最後の仕事は『原理』(原理の最終本)を書くことだ」としてそれを任せられていた人物。(未完に終わる)
以下は李相憲氏が蕩減復帰原理の定義について書いた論文。

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「イエス様は、人間が犯した罪は借金をすることと同じだとしばしば表現されています。例えばイエス様は王様から借りた一万タラントの借金を返す事が出来ないでいる僕の例(マタイ18/21~35)を挙げています。

王様は『もし一万タラントの借金を返すことが出来ないのであれば、お前と妻子と持ち物全部を売って返しなさい』と命じました。それらを全部売っても一万タラントにならないかも知れないが、それで一万タラントの借金と相殺してやるという意味です。これも蕩減を意味します。

ところが僕がひれ伏して『必ず借金を返しますから、暫くお待ち下さい』と言って哀願しました。その姿を見て気の毒に思った王様は『お前の心掛けは殊勝だ。負債を免じてやるから帰りなさい』と言って彼を赦してやったのです。これもやはり蕩減なのです。…

 マタイ18/2
『僕の主人はあわれに思って彼をゆるし、その負債を免じて(蕩減して)やった。』
『그 종의 주인이 불쌍히 여겨 놓아 보내며 그 빚을 탕감(蕩減)하여 주었더니』

以上のイエスの御言葉によって蕩減の意義が明らかにされたと思います。

第一に、蕩減とは、負債に関する概念であると同時に、罪に関する概念です。

第二に、蕩減とは、一定の条件を立てて、借金を減らすか相殺するのと同様に、罪を減らすか、なくしてもらうこと、罪を赦してもらうことを意味します。

第三に、蕩減には、必ず債務者と債権者、または罪人は神様に一定の条件を立てなければ蕩減(赦してもらうこと)を受けることが出来ないことを意味します。

第四に、蕩減(赦してもらうこと)は一定の条件を立てて、借金のない、あるいは罪を犯さない状態に戻ること、つまり復帰を意味します。…

罪人が罪を脱いで、罪のない人間になろうとすれば、神の前で罪の赦しを受けなければなりません。堕落によって神を悲しませたからです。…

復帰摂理上の蕩減は、一定の条件(蕩減条件)を立てて、罪を赦してもらった後、原状に復帰することを意味します。このように蕩減条件を立てて、原状に復帰することを「蕩減復帰」といいます。

蕩減条件は罪を赦してもらって原状へ復帰するために立てなければならない最も基本的な条件です。」
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【2】考察

上記「蕩減」の例として上げられたは一見すると、は「自分自身と妻子と持ち物全部を売る」を条件とする「条件付き赦し」、は「無条件の赦し」と思える。
しかしから③④への展開を見ると、主人は無言の内に債務者自身にも他者への「あわれみ」と「ゆるし」を実践することを条件としていたことがわかる。

※ ところが既成教会はこれを「『ゆるしの条件』と解釈することは間違い。その逆で、どれだけ多くの罪を赦されたかを知っているなら人を赦すことができるはずだ」とする。
 神の「ゆるし」の前に「人間の責任分担」があることを知らない、悟れないのである。

韓訳、英訳では、「あわれみ」が「体恤(compassion『苦難を共にする』が原義)」、「ゆるし」が「蕩減(remission)」となっている。
この例え話の出発点は「七を七十倍するまで『赦しなさい』」である。ここから「主の祈り」の「我らに罪を犯すものを我らが赦す如く、我らの罪をも赦したまえ」更にキリスト教の最大メッセージ「敵を愛し、迫害するもののために祈れ」に繋がっていく。この「敵を愛せ」が韓訳で「怨讐を愛せ」である。

 

【3】韓国語訳「蕩減」の特殊性

様々な国語で訳された「ゆるし」の中で韓国語の「蕩減」だけが特殊な意味が込められていることが判る。
即ち、一般社会でも払いきれない程の大きな負債を抱えてしまった人が負債を精算する場合、債権者は債務者の全財産を差押え、残りは返済額に甚だ不足していたとしても、それで帳消しにしてしまうということがよくある。

全てを捧げても負債額の5%にしかならないとしても、残り95%を神が負担し赦して下さるというのが文師が説く蕩減復帰原理。
キリストの救いを知るために、人間の責任分担を理解しなければならないとすれば、様々な言語の中で韓国語の「蕩減」という言葉は理想的と言えるのかも知れない。
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「蕩減(탕감)」の原義

2024年05月11日 | 資料

【1】「蕩減(탕감)」の原義
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(1)韓国語辞書より
  「(負債などの)赦し」
  「借金を全部帳消しにすること。借債を悉く免除してやること。remission」
    ★ 注:債権者の債務者に対する「赦し」の意味。
        債務者の債権者に対する「償い」の意味ではない。
    ※ 聖書及び原理講論に於いて神を債権者、人を債務者に喩えている。

(2)韓英辞典より
  <名詞>
  「remission(罪の赦し、刑罰の軽減、負債の免除)」
  「forgiveness(赦すこと、容赦、寛大さ、寛容さ)」
  「writing-off debts(負債の帳消し)」
  「cancellation(取り消し)」
  <動詞>
  「remit(罪を赦す、刑罰を軽減する、負債を免除する)」
  「forgive(罪を赦す、負債を免除する)」
  「write-off a debt(負債を帳消しにする)」
  「cancellation(取り消す)」

(3)韓国の銀行員に「蕩減」の意味を聞くと
 「百万円の負債のある人が『私には五十万円しかない』と言えば、『ではその五十万円だけで良い』と言って残りの負債を赦し、帳消しにしてやる、そういう時に使う。」

(4)金東俊神田外大名誉教授(文学博士。NHKハングル講座元講師)2013.12.22 金氏宅にて

質問者:「蕩減」の意味を教えて下さい。

金教授:これは普通の会話でも使っている言葉です。
    だけど普通の大衆は漢字は知らない。これは減らすということです。
    借金の金額を百万円を八十万にしたり、或いは百円のものを九十円にするとか、
    そういうふうに金額を減らすという意味です。
    お金を借りた人が貸してくれた人に「利息を減らして下さい」という時に、「이자 를 탕감주세요(利子を蕩減してください)」。
    貸主が「今まで利子をずっと続けてよく払って来たから今回は〇〇円減らす」と「탕감 하다(蕩減する)」。
    とにかくこれは「減らす」ということです。

質問者:貸した側が「蕩減してあげよう」ということですよね。
    借りた側は「蕩減してください」と言わなければならないですよね。

金教授:そう、そう。

質問者:貸した側が「蕩減する」と言うのであって、借りた側が「蕩減する」という言い方はしないですよね。

金教授:しない、しない。

質問者:韓日辞典には「帳消し」と書いてあります。

金教授:「帳消し」というと百パーセントなくすという意味がありますね。蕩減は百パーセントなくすという意味はなくなる。減額です。
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【2】「蕩減」における「蕩」の字義
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 漢和辞典より
 「蕩」の字義
   1.(動詞)完全になくすること。あらいのぞく。
     はらいのぞく。「掃蕩
   2.ながす。そそぐ。
   3.散る。
   4.うごく。うごかす。うれる。「振蕩」
   5.きざす。物があらわれて動き始める。
  ×6.(形容詞)ほしいまま。みだら。だらしない。…。
    「放蕩」、「遊蕩」
   7.やぶれこわれる。
   8.置く。
   9.ひろい。おおきい。「広蕩」
   10.平らか。
   11.やさしい。てがる。簡単平易。
   12.なみだつ。
   13.うつす。うつる。
   14.とろける。とろかす。(日本だけ)
 「減」の字義
   1.へる。へらす。量が少なくなる。
   2.引き算

 ★従って「蕩減」の字義は「完全になくすかへらすこと」。日本語の「減免」に近い。
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【3】韓国語版聖書に於ける「蕩減」の登場する聖句全10箇所

(申命記15/1、2、3、9、31/10、ネヘミヤ10/31、マタイ18/27、マタイ18/32、ルカ7/42、ルカ7/43)

■カトリック系聖書 goognews-가톨릭정보-성경검색
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●申命記15/1
「너희는 일곱 해마다 빚을 탕감해 주어야 한다.」
「あなたは七年の終りごとに、ゆるしを行わなければならない。」

●申命記15/2
「탕감에 관한 규정은 이러하다. 이웃에게 빚을 준 모든 사람은 자기가 꾸어 준 것을 탕감해 주어야 한다. 주님의 탕감령이 선포되었으므로, 자기 이웃이나 동족에게 독촉해서는 안 된다.」
「そのゆるしのしかたは次のとおりである。すべてその隣人に貸した貸主はそれをゆるさなければならない。その隣人または兄弟にそれを督促してはならない。主のゆるしが、ふれ示されたからである。」

●申命記15/3
「너희가 외국인에게는 독촉할 수 있지만, 너희 동족이 너희에게 진 빚은 탕감해 주어야 한다.」
「外国人にはそれを督促することができるが、あなたの兄弟に貸した物はゆるさなければならない。」

●申命記15/9
「너희 마음에 비열한 생각이 들어, ‘일곱째 해, 곧 탕감의 해가 다가오는구나.’ 하면서, 너희가 가난한 동족을 괄시하고 그에게 아무것도 주지 않는 일이 없도록 조심하여라. 그가 너희를 걸어 주님께 호소하면 너희에게 죄가 될 것이다.」
「あなたは心に邪念を起し、『第七年のゆるしの年が近づいた』と言って、貧しい兄弟に対し、物を惜しんで、何も与えないことのないように慎まなければならない。その人があなたを主に訴えるならば、あなたは罪を得るであろう。」

●申命記31/10
「그리고 모세는 그들에게 이렇게 명령하였다. “일곱 해마다, 곧 탕감의 해로 정해진 때마다 초막절에,」
「そしてモーセは彼らに命じて言った、「七年の終りごとに、すなわち、ゆるしの年の定めの時になり、かりいおの祭に、」


■プロテスタント系聖書 Holy-Bible "탕감"다국어 성경 

●ネヘミヤ10/31
「혹시 이 땅 백성이 안식일에 물화나 식물을 가져다가 팔려 할지라도 우리가 안식일이나 성일에는 사지 않겠고 제 칠년마다 땅을 쉬게 하고 모든 빚을 탕감하리라 하였고」
「またこの地の民らがたとい品物または穀物を安息日に携えて来て売ろうとしても、われわれは安息日または聖日にはそれを買わない。また七年ごとに耕作をやめ、すべての負債をゆるす。」

●マタイ18/27
「그 종의 주인이 불쌍히 여겨 놓아 보내며 그 빚을 탕감하여 주었더니 」
「僕の主人はあわれに思って、彼をゆるし、その負債を免じてやった。」

●マタイ18/32
「이에 주인이 저를 불러다가 말하되 악한 종아 네가 빌기에 내가 네 빚을 전부 탕감하여 주었거늘」
「そこでこの主人は彼を呼びつけて言った、『悪い僕、わたしに願ったからこそ、あの負債を全部ゆるしてやったのだ。」

●ルカ7/42 
「갚을 것이 없으므로 둘 다 탕감하여 주었으니 둘 중에 누가 저를 더 사랑하겠느냐 ?」
「ところが、返すことができなかったので、彼はふたり共ゆるしてやった。このふたりのうちで、どちらが彼を多く愛するだろうか」。

●ルカ7/43
「시몬이 대답하여 가로되 `제 생각에는 많이 탕감함을 받은 자니이다' 가라사대 `네 판단이 옳다' 하시고」
「シモンが答えて言った、『多くゆるしてもらったほうだと思います』。イエスが言われた、『あなたの判断は正しい』。」

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「蕩減」の意味
 =ある債務者が多額の負債を負っているとき、債権者の好意によってその中の一部を返済することをもって全額を清算したと見なすこと。

原理講論には「より小さいものをもって蕩減条件を立てる」方法としてこの文章が載っているが、これは間違い。「蕩減」自体が「減償」を意味する言葉。
韓国では「蕩減」の意味を常識的に知る知識人、クリスチャンが多い反面、国家による漢字廃止の影響で老若男女を問わず知らない人も多い。
著者・劉孝元氏もその知らない側の一人

       「蕩減」文鮮明師による定義
       「蕩減」韓国一般の使い方
       → 漢字廃止で韓国に何が起きたか

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「蕩減」「体恤」「受肉」の本当の使い方

2024年05月11日 | 解説

韓国語聖書に登場する「蕩減」「体恤」「受肉」はキリスト教に於いて最も重要な用語です。
それが原理講論には恰も仏教用語のように全く異なる意味で使われております。仏教徒が書いたのかと思ったほどに。
普通に韓国のキリスト教会に通い、普通に韓国語聖書を読んでいた人なら間違う筈のないことを。

その理由

<統一教会の使い方>
「蕩減」=自分の先祖や自分の罪をつぐなうこと
「体恤」=自分が完成するために神の心情を体験すること
「受肉」=(上にほぼ同じ)

<キリスト教会の使い方>こちらがオリジナル
「蕩減」=自分に負債のある人の負債をゆるしてあげること
「体恤」=苦難の中にいる人の苦難を共にし助けてあげること
「受肉」=神が人の体(イエス)を着て顕現されたこと

意味の違いの他にもっと重要な違いがあるのに気づきませんか?

「自分の償いのため」(蕩減)
「自分の完成のため」(体恤)
「自分の完成のため」(受肉)
… 仏教的?

「人をゆるしてあげること」(蕩減)
「人をたすけてあげること」(体恤)
「人の救いのため神が顕現」(受肉)
…キリスト教

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「クリスマス・キャロル」とキリスト教的「蕩減」の解釈

2024年04月20日 | 資料

       ・*:.。。.:*・゚・*:.。 ✞ 。.:*・゚・*:.。。.:*・


「信仰生活はメシヤがはっきりと分からなければならない」と言いますが、
この中の「メシヤ」にあたるのが「救い」。そして「救い」とは「罪の赦し」です。
罪の赦し」がはっきりと分らなければならないと思います。

それをイエス様が一番分かり易い例え話にして下さったのが、マタイ伝18/21~35「仲間を赦さない僕の譬え」で、既成教会では頻繁に説教テーマに用いられます。

これを元にして映画にもなった小説に「クリスマス・キャロル」があります。

ラスト・シーンで守銭奴と嫌われている金貸しスクルージが自分の罪に気づき、借金で苦しんでいる町中の貧しい人々の借金を「みんな『帳消し』にします!」と宣言します。

それを聞いた町中の人々が大喜びして町中でお祭り騒ぎになります。
この「帳消し」が、韓国語で「蕩減」、即ち「負債の赦し」、「罪の赦し」の譬えです。


      ・*:.。。.:*・゚・*:.。 ✞ 。.:*・゚・*:.。。.:*・


「クリスマス・キャロル」(原題:Scrooge,1970)ラスト・シーン
                          ▼画像クリックで動画起動


●wikipedia
「クリスマス・キャロル」(原題「Scrooge」1970)


     ・*:.。。.:*・゚ キリスト教と統一原理の違い ・*:.。。.:*・

ここまではキリスト教が説く「救い」の素晴らしさですが、では統一原理はそれをどのように凌駕しているのか?と言うと、本来返済不能なくらい莫大な借金がある人が自己破産、会社更生法適用などになると、その借金は「無条件」では赦されません

普通、債権者は債務者の残った資産全てを差し押さえた上で、残りを帳消しにして清算するものです。

そのように、負債総額にはほど遠いとしても、その人が出来得る限りを尽くして捧げることを条件にします。

それが債務者の責任分担です。この部分を明確に説いたのが「統一原理」です。

ところが既成教会は「赦しには条件がある」と言うことを拒みます。それは神は「無条件の愛」故に「無条件の赦し」と説くからです。
よく考えると決して矛盾してないのですが、この点はどうしても譲りません。

因みに「人間の責任分担」の原型を聖書の中から探すとそれがマタイ伝18/21~35です。

             ・*:.。 ✞ 。.:*・゚

もう一つ、キリスト教と統一教の「蕩減」の解釈の違い。
統一教では「赦し」を受けるために「条件」を立てると言いますが、キリスト教では違います。

クリスマス・キャロルのラストシーンのような救いの喜び、開放感を味わった人にとって、自らも他者に対してそうせずにおれなくなると説きます。
義務感からではなく自主的に喜んでやるのです。

クリスマス・キャロルのスクルージが、救われた喜びに満ち溢れて、町中の人達の負債を赦し、貧しい人々を救わずにはおれなくなるように。

       ・*:.。。.:*・゚・*:.。 ✞ 。.:*・゚・*:.。。.:*・

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「蕩減」に対する食口達の誤認10

2024年04月19日 | 解説

これらはみんな間違いです。
 

  1.「蕩減」は統一教会独特の用語である。
 

  2.「蕩減」とは「蕩」は「放蕩、遊蕩」の「蕩」、それを減らすという意味である。
 

  3.「蕩減」とは「つぐない」「罪滅ぼし」の意味である。
 

  4.「蕩減」とは辞書に「つぐない」と書いてある。
 

  5.「蕩減」は仏教の「因縁」に近い。
 

  6.「蕩減」はキリスト教の「懺悔」や「罪滅ぼし」の苦行を意味する「penance」に近い。
 

  7.「蕩減」の英訳は「indemnity(賠償)」である。
 

  8.「蕩減の定義」は原理講論に書かれてある。
 

  9.「蕩減条件の例」は原理講論に書かれてある。
 

10.「蕩減条件の立て方」は原理講論に書かれてある。
 
 

★正解は → INDEX

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