Druidwalker – ドルイドウォーカー - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Coldwild Games / AbsoDev SIA

 

 

基本情報

 

タイトル Druidwalker
対応機種 Steam,Nintendo Switch,他
販売 Coldwild Games(Steam版)、AbsoDev(Switch版)
開発 Triin Aare, Mikalai Yankoits
発売日 2023年6月16日(Steam版)/2023年10月19日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,オランダ語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字)
備考 IARCレーティング:3+

 

作品概要

 

「Druidwalker」(ドルイドウォーカー)はスイス出身のグラフィックデザイナーTriin Aare氏らが製作を手掛けたゲーム作品。Steam版はColdWildGamesが、コンソール版はAbsoDevがそれぞれパブリッシングを担当。

本作のゲーム内容は、手描きの絵を元に展開していく実験的なローグライクゲーム。プレイヤーはドルイドとなり、冬の季節が近づきつつある森の中を散策しながら冬眠の準備を進めて行く。

 

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ラトビアのクリエイターが結集し、『遊び方を含めてゲーム内での説明が一切ない』といった挑戦的なスタンスを以て作られた今作。

各種取り扱いストアページの紹介文だけでは一体どんなゲームであるのか想像に難いところではあるが、その全容を手探りで遊びながら紐解いていく楽しみも「Druidwalker」のゲーム体験の1つと言える。

 

リンク:Triin Aare(イラスト・ゲームデザイン担当)(Instagram)

リンク:Milakai Yankoit(ゲームデザイン・プログラミング担当)(Linkedin)

リンク:Līga Griķe(演奏家、ゲーム内楽曲担当)(official site)

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン
Lスティック
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定、イラストを選ぶ
Bボタン 戻る
Yボタン (タイトルメニュー上で)「設定」メニューに入場
Xボタン (ストックがある際)スキップを使用
Rボタン
ZRボタン
+ボタン (ゲームプレイ中)「設定」メニューに入場

※携帯モードプレイ時はタッチスクリーン操作にも対応

 

ゲームの進め方

 

 

【注意】

記事内では本作の基本ルールについても含めて、なるべく詳しく取り上げています。

ネタバレを避けたい、あるいは本作を最大限楽しみたいという方は、先にゲームをプレイしてからの閲覧をお奨め致します。

 

 

 

 

 

プレイヤーは森の中で暮らすドルイドとなり、冬支度を始めるべく散策しながらアクションを起こしていく。

ドルイドの行動は1枚ずつ配られるイラスト付きのカードで決定され、Aボタンを押すことで最も手前のカードのみをめくることができる。

 

カードをめくる毎にイラストの効果に応じて、画面右上に落ち葉のアイコンで示された2種類のステータスが増減するので、それぞれを管理しながら森の奥へと歩を進めていく。紫色のアイコンは行動可能な残り回数を示し、緑色のアイコンはこの世界における通貨を担うものとなる。

 

基本的には1枚ごとにどのステータスがどの程度増減するかは手元で知る事はできないが、特定の条件を満たすことで情報が視覚化されるようになる。ゲーム開始直後は、ひとまずどんどんカードをめくっていこう。

 

スタート地点に戻された時は…

カードをめくる毎に、画面右上のアイコン数値が増減による変動を繰り返す。

攻略上特に重要度が高いのは行動回数を示す紫のアイコンで、これが0になった状態で同色のアイコンを消費する行動を取った場合は、強制的に夜を迎えるという形でスタート地点へと戻されてしまう。

 

一日の散策を終えた夜間では、手に入れた力や残り行動回数のアップグレードが可能。手元に緑色の落ち葉が残っていれば、交換に充てることができる。

ゲーム進行に連れてアップグレード項目も追加されていくので、上手く先に進めない時は落ち葉を多めにストックしておき各項目を強化して森の散策に臨んでみよう。

 

特殊な力の効果

各イラストの特性は縁の輝きの色味によってある程度の判別が可能で、縁が黄色く輝くイラストに辿り着いた場合は森の住人達から特別な力を受け取ることができる。

以下に、その一例を紹介。

 

特別なイラストの効果一例

各イラストのコストが視覚化されるようになる 特別な道を突破できる。イラスト表記の数字以上の強化が必要となる スタート地点からゴールまでの距離が視覚化されるようになる

 

手に入れた特殊効果は画面左上にアイコン形式で表示されるようになる。

アップグレードが可能な力の場合、強化段階に応じて現在の数値がアイコン上に添えられる(上画像)が、特定のカードによってプラスやマイナスの効果が生じた際は色がオレンジに変わるなど数値の変動が分かり易くなっている。

なお、増減分の数値は同周回内のみの一時的な反映で、スタート地点に戻された際には初期化される。例え弱体化してしまった場合でも新たな周回に入った際には元に戻るので心配は無用だ。

 

プレイ後の感想

ここまで紹介してきた「Druidwalker」だがゲーム内容を端的にまとめるならば、タロットカードのような趣の絵を次々に捲ることで歩を進め、最終的にゴール地点を目指す、といった内容に終始する。

ボリューム自体は控え目な作品につき、ただ本編をクリアするだけであれば30分~1時間程度で達成可能で、ゲームシステム部分について紹介するべきポイントも実のところそこまで多くはない。むしろ、本作最大の魅力は画的な魅力に溢れた作中内の各種イラストにこそあると言えるだろう。

 

開発者Triin Aare氏自らが手掛ける美麗なイラストは、実際に筆者の関心を惹いた最大のポイントでもあった。数十点に渡るこれらのイラストを通して氏が描くのは時に動物たちと交流し、時に音楽を楽しむ— そんな一人のドルイドが冬支度のために、森中をひたすら巡り行く一幕を描いた細やか且つ静かな物語だ。

そんな物語を踏まえてか、作中ではどのような進め方を経てもゲームオーバーに辿り着くようなことはなく、生命を脅かす強大な悪や厄災といった不穏な要素は一切登場しない。紹介文にある記述通り、一貫して「平和なローグライクゲーム」であることを徹底している。

 

作中の設定はともかく、肝心のゲーム内容に関する説明についてはゲーム内にも紹介ページにも詳しい記載がない。これについては恐らく、製作者側の狙いの一環でもあるのだろう。

初めてプレイする際にはチュートリアルの1つもないまま画面上の情報だけで手探りで進めていく必要があり、しばらく遊んでいる内に「ひょっとして、いつの間にかスタート地点に戻されている?」といった疑問を持つ場面へと半ば必然的に直面する事だろう。恐らくその瞬間こそが、今作のルールがどういうものであるのかを知る最初の切っ掛けとなるはずだ。

 

ゲーム内容自体は素朴且つ地味な印象だが、開発者手描きの色彩豊かなイラスト群と演奏家Līga Griķe氏による伝統楽器の音色に身を委ねながら、終始リラックスしたゲーム体験を味わえる。

ラトビア出身のアーティスト同士が結集して作られた本作は、媒体こそデジタル作品という形ながら、ゲームのルールやデザインも含めてその性質自体は限りなくアナログ寄りな印象を受ける。実際にプレイしてみた際の感覚は、どちらかと言えば良質な絵本に目を通したり絵画展に足を運ぶといった行為に近いものを覚えた。

ゲームプレイにあたって作中に小難しい要素は一切なく、ルールは遊んでいる内に自然と覚えられる設計になっているため、老若男女を問わず誰でも楽しむことができる一作であると言える。芸術的要素と穏やかな雰囲気を帯びたゲーム作品をお探しの方は、本作「Druidwalker」を一度お試しあれ。

 

Luna’s Fishing Garden / Created by Coldwild Games games studio, registered as a Latvian Company AbsoDev SIA

なお、過去において当ブログでも紹介した「Luna’s Fishing Garden」は同じColdwild Games/AbsoDevパブリッシングタイトルとして挙げられる。

製作者、見た目、作風共に本作とは趣が異なるタイトルではあるが、リラックスしたゲームが好きという方にはこちらも併せておススメさせて頂こう。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • 特別な腕前は必要とせず、ゲームオーバーも存在しない終始リラックスしたゲームデザイン
  • Triin Aare氏が手掛ける作中の繊細なイラスト
  • 演奏家Līga Griķe氏による伝統楽器によるBGMが、ゲームプレイにより深い彩りを加える

 

惜しい点

  • 基本ルールの言及がないだけに留まらず、ゲームの終了方法などのシステム面における説明もサポートされていない
  • 中断機能が搭載されておらず、再開時は再び最初からとなってしまう
  • 盛り上がりや変化に乏しい内容につき、プレイヤー次第ではクリア後のリピート性は薄い場合も

 

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