人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(録画)2022年 ホセ・クーラ、自作の音楽劇「もし私が死んだら」をマルタで上演

2022-12-09 | 指揮者・作曲家として 2020~

 

 

ホセ・クーラは2022年10月2日、地中海にうかぶ島国マルタの首都バレッタのマノエル劇場で、アルゼンチン歌曲のコンサートを行いました。

そして12月7日にクーラがFBで、コンサート前半部分の動画がアップされていることを教えてくれました。とても魅力的でドラマティックなコンサートだったので、動画リンクをご紹介したいと思います。

動画では、はじめにクーラがアルゼンチン歌曲を歌いながら入場、聴衆にあいさつした後、英語で語りかけ、携帯電話をチェック(笑)をお願いしたり。その後、さらに1曲歌った後、クーラの解説をはさんで、この日のメインである、クーラ作曲の音楽劇「もし私が死んだら」(上演時間約25分ほど)が上演されます。全体で約40分です。

この音楽劇は、チリの世界的詩人でノーベル文学賞受賞者のパブロ・ネルーダの詩「愛と死のソネット(百の愛のソネット)」から、7篇の詩にクーラ自身が1995年から2006年にかけて作曲したもの。ネルーダと妻のマチルデとの激しく深い愛と死への思いを描いた詩を、マチルデ役の女優ジェーン・マーシャルさんによる朗読とクーラの音楽と歌で熱くドラマティックに表現されています。

これまでに、クーラのCDアネーロに一部が収録され、2015年にはプラハ交響楽団のコンサートでオーケストラ版が世界初演(ピエタリ・インキネン指揮)されました。また抜粋してコンサートで歌ったりもしてきましたが、まとまって動画で公開されるのは初めてではないかと思います。ただ残念ながら動画の最後の部分がなぜか途中で終わっています。

マルタの文化局のYouTubeチャンネルに掲載された動画のリンクを紹介するとともに、クーラのこのネルーダの詩と作曲にかけた想いをこれまでのインタビューなどから補足的に紹介したいと思います。

クーラが愛したネルーダの詩とクーラのドラマティックな音楽、ぜひリンク先の動画をご覧になってみてください。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

●動画を紹介したクーラのFB

 

 

 

●動画リンク

José Cura Concert in Malta

 

 

 

 

 


 

 

 

Jose Cura Concert in Malta
2 October 2022    Teatru Manoel
José Cura 
Jane Marshall (Actress)
Sofia Marmania   (Pianist)

Part I

Desde el fondo de ti   by Hilda Herrera (a cappella song)
Postal de guerra   by María Elena Walsh
Canción del árbol del olvido   by Alberto Ginastera
Neruda sonnets - Si muero, sobrevíveme!  by José Cura 
    • Amor mío, si muero
    • Es bueno, amor
    • De noche, amada
    • Pensé morir  
    • Si muero, sobrevíveme! 
    • Quienes se amaron como nosotros? 
    • Cuando yo muera
 
Part II (Carlos Guastavino)
Violetas
Pájaro muerto
Prestame tu pañuelito
Elegía para un gorrión
Se equivocó la paloma:
Las niñas (piano solo)
La rosa y el sauce :
Ya me voy a retirar
Yo, maestra
Jardín antiguo
Soneto IV
Cuando acaba de llove
El albeador
 
Duration: 2 hours (including interval)

*コンサート後半のアルゼンチンの作曲家カルロス・グアスタヴィーノの曲の部分は動画には収録されていません。

 

 

動画で公開されたのはコンサートの前半だけでしたが、この小規模だけれど美しく歴史的建造物でもあるマノエル劇場での公演は、とても親密な雰囲気で、大成功だったようです。ある参加者は、SNSにつぎのように感想を述べていました。

” ホセ・クーラは真のプロフェッショナルであり、聴衆と関わる驚くべき能力を備えている。マノエル劇場での素晴らしいパフォーマンス!”

 

この音楽劇「もし私が死んだら」は、クーラが渡欧後、国際的な活躍を始めた時期、32~33歳頃に作曲を始めたものだそうです。オペラ公演の楽屋に匿名で届けられたネルーダの詩集に感銘を受けて、3曲を書きあげ、「アネーロ」のCDにも収録されています。その後、2002年に他の4つの詩に作曲し、2006年に全体が完成しました。さらにオーケストレーションを手がけ、プラハで2015年に初演されました。

クーラはこのネルーダの詩と自らの作曲について、これまでにも何度か紹介していますが、以下のように述べています。

 

 

―― ネルーダの言葉には演劇とドラマが満載されている

 

「ネルーダの詩は感覚を目覚めさせ、昔ながらの方法で演劇的。それぞれの選択肢は、言葉にそってメロディーを書いたり、音楽を書くこと、しかしそれは、ネルーダの魅惑的な世界を開く感覚的な豊かさをともなうことが必要だ。」

「音楽の複雑さはテキストの複雑さに関係しているので、純粋なメロディーを聴く必要はない。メロディーそれ自体を提示することから離れて、詩に集中しなければならない。」


「ネルーダの詩に曲をつける時、きわめて注意深くなればいけない。クリスタルガラスの間を歩くようなもの。彼の言葉、詩はとても豊かで、完璧だから、すべての音が聴衆の注意をそらすリスクを負う。」

 

 

―― 私の心と魂にふれてほしい


「私の曲で、私の心と魂にふれてほしい。ネルーダのドラマの中で、親密な愛の物語を描きたかった。この作品は音楽だけでなくドラマ。パブロと妻との会話。人間が書くことができる最もロマンチックで官能的な言葉。」

「パブロ・ネルーダの詩は非常にエモーショナルであり、ステージ上であまりにそれに入り込みすぎないよう、注意深くする必要があった。詩の言葉が、本当に観客の胸を打つように、私は音楽に妥協点を見つけたと思う。」

 

* * * * *

 

 

この曲についてのクーラの発言や、そのうちの2曲分だけですが詞の私訳(お粗末なものですみません)などを、これまでのブログでも紹介しています。

 

ホセ・クーラが作曲し、歌う、パブロ・ネルーダの詩 / Jose Cura and Pablo Neruda

2016年 ホセ・クーラ ドイツとルクセンブルクでラテンアメリカの曲コンサート

 

 

 

●公演当日の様子――バレッタ文化庁のFBより

 

 

 

 

――マルタの文化庁・劇場などによる告知報道

 

●コンサート告知の短いインタビュー

VCA - Concert by José Cura - Mro José Cura Interview

 

 

●コンサートの内容紹介とリハーサル風景

 

Jose Cura and Jane Marshall - Manoel Theatre in Malta a collaboration with Valletta Cultural Agency

 

 

●劇場と文化庁による広報動画ーークーラのコンサート告知と2023年のトスカ演出を発表

 

 

来年2023年3月には、このマニエル劇場で、クーラが新制作トスカの演出をし、カヴァラドッシとして出演もすることも告知されています。

 

 

 

 

 

 


 

 

クーラの音楽劇、とても美しくドラマティックで、今回の動画では、マルタのベテラン女優さんも参加したことで、いっそう劇的な緊張感も高まって感動的でした。

ただ最後が途切れていたようで、なぜかはわかりませんが、これで全部ではないと思われます。ぜひ近いうちに、CDやDVDなどで全体が視聴できるようにしてほしいものです。

またこうしたアルゼンチン歌曲やクーラ作曲の作品をメインにしたコンサート、ぜひ日本でも企画してもらえないものでしょうか。長く続くコロナ禍ですが、幸いコンサートやオペラ公演などは来日公演も含め、かなり復活しているようです。2006年以来、来日のないクーラですが、オペラ歌手だけでなく円熟のアーティストとして発展してきたクーラの現在の到達を、ぜひ日本でも見せてほしいと切望します。

 

 

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(インタビュー編)2022年 ホセ・クーラ、音楽監督としてペリェシャツ・フェスティバルをスタート

2022-12-03 | 音楽監督として

 

 

前々回の記事で、クーラが音楽監督を務め、クロアチアの美しいペリェシャツ半島の町オレビックで2022年の夏に行われたペリェシャツ・フェスティバルの様子を紹介しました。

今回は、フェスティバルに向けたクーラのインタビューから、抜粋して紹介したいと思います。

写真だけで、このペレシャッツ半島、開催地のオレビックの美しさ、海のきれいさは一目瞭然ですが、この地の魅力にクーラもかなり惹きつけられたようです。

 

 


 

 

 

≪ オレビックを初めて見たとき、言葉を失い、妻に言った ――ここで死にたい、と

 

 

「なぜオレビックなのかという質問には、こう答えよう。私はもうすぐ60歳(2022年12月5日で満60歳)になるし、キャリアは40年、地球上のあらゆる場所に行き、あらゆる観客の前で歌ってきた。私の仕事で上に行くのは難しいが、すべてをやり尽くした。振り返ってみると、そんな生き方は本当に異常だったと思う。全部合わせると何千回もの公演になる。ここにはたくさんのものがあるが、私にとって大事なのは目の前にあるものだ」

 

「私が40年間いたような過酷な環境では、ただペダルを踏むだけで、人生や世の中で他に何が起こっているかを気にすることなく、すべてがあまりにも速く過ぎていく。そして、コロナはすべてをストップさせた。暗黒の数ヶ月の後、私は少しずつ、ペダルを踏むのをやめ、外には全く普通の世界があることに気づいた。自然か、神か、いずれにせよ、私たちに警告を与えてくれたのだと、私はそれを受け入れた。そして、オレビックという場所での公演の招待を受けた。聞いたことはなかった。ドゥブロヴニクは誰もが知っているが、そこでとまっている」

 

「昨年(2021年)9月、私たちはドゥブロヴニクに降り立ち、それから何時間も車を走らせた。『いったいどこに行くのだろう。乗車時間はどれくらいか。架空の場所なのか、それとも本当にそこに行くのか......』と思っていた。そして、最後のカーブで衝撃的な光景が目の前に現れた。天国に着いたかと思った...。私は口を開いたまま、妻に『ここで死にたい!』と言った。彼女はちょっと困った顔をして、『OK、でもまだその時じゃない』と言った」

 

「その時、ドゥブロヴニク交響楽団と一緒に演奏した。素晴らしかった。でも、まだすべてがコロナ対策下で、マスクをして、人も少ない状態だった。私は2、3日残って、この地を探検した。人々は全くのびのびとしていて、私はすでにここでの将来を想像していた。ある晩、レアル対バルセロナの試合を見ていたら、夜11時に携帯電話が鳴った。ニコラ・ドブロスラビッチ知事からだった。彼は、フラン・マトゥシッチとそのチームがオレビックで何か企画しようとしていると聞いたと興奮気味に話してくれた。それから徐々に、フェスティバルを作るのは素晴らしいことだと判断し、まずはそこから始めて、後に半島の文化の中心地を作り、周辺の町も含めてやっていこうという決断をした。それが始まりだ」

 

――オープンでコミュニケーション能力の高いクーラは、推測の余地を与えない。その文章は、彼のパフォーマンスと同様、鋭く、明快である…

 

「私たちは(多くのフェスティバルがあるなかでの)最も遅くスタートしたので、オレビックからペレシャッツ半島における新しいイベントを開始し、認識してもらえるように、新しい何かを始め、最初からすべてをやり直さなければならない。今年はオレビックだけだが、ペレシャッツ半島の残りの部分とコールチュラ島を含めることを計画し、希望している。クラシック音楽だけでなく、ジャズ、ロックンロール、そして食事や美しい風景など、注目を集めるものがたくさんあるはずだ。そして、”毎年恒例の楽しいひとときだった”と、帰ってから言ってもらえるように」

 

――この40年間、クーラは自分が何者であるかを証明してきた。だから、もう自分を証明する必要はない、と彼は言う。今こそ、彼の経験をレガシーとして残すべき時がきている

 

「肩ひじはらず、みんなで協力し合いたい。私はこの地域の一員になり、最低でも半年はここで暮らしたいと願っている。ライバルになってはいけない。世界には、十分過ぎる争いがある。理想主義者かもしれないが......」

 

 

 

 

 

 

 

――彼にはうわべだけの謙虚さはない。そして、注目を集め、舞台のスポットライトを愛するすべてのアーティストがそうであることを、彼は教えてくれる

 

「自分のことをスターと言えるかどうかはわからない。それは多くのことを意味するとともに、何も意味しない表現だ。それが自分の光の一部を分かち合うという意味なら、私は自分自身をそう特徴づけたいと思う」

 

――そう語るクーラは、これまでの彼のキャリアにおける数千回の公演で、あらゆることを見てきたし、やってきた、そして、その中には失敗も含まれているが、それは同様に重要であったと言う

 

「そんなふうに働き、生きてきたことに後悔はない。しかし今となっては、どうしてそんなことができたのだろうと思う。妻であり同僚であるシルビアも、何十年も一緒にいて、今では私を火星人のように思っている。しかし、コロナはすべてを変えた。"昔の私"はもういない。リズムを刻むのを止めて、ライトが顔を照らすのを止めたとき、見えてくるものがある。例えば、犬たちの散歩を始めたら、彼らが不思議そうな顔をした。“本当?こんなこと知ってるの!”といってるみたいに」

 

――実はオペラ歌手になりたかったわけではないと、懐かしそうに笑う

 

「歌手になりたいと思ったことはなかった。私は大学で作曲と指揮を学んだが、その科目のひとつに歌があった。それを学ばなければ、いい指揮者にもなれない。歌の教師と一緒にレッスンをしていた時、音楽院の学部長がホールを通りかかってそれを聞いた。彼はすぐに私をオフィスに招き、こう言った。『君は自分の声がどんなものかわかっている?稀なドラマチック・テノールを学校から失ってしまうことを自覚している?君は歌わなければならない!』と。 私はオペラが嫌いだと彼に言った。私はその時19歳で、冷静に理由を伝えた。『一生、マントを着て舞台に立っているのはいやだ』と。すると彼は、『わかった、歌手にならなくてもいいが、いい指揮者になるために、歌を勉強すべきだ』とアドバイスしてくれた。私はそれに同意し、歌を習い始め、そして今に至っている」

 

「キャリアに大きな影響を与えた1つの出来事といえるものはないが、40年間も濃密に生きていると、多くのいろんな瞬間があるし、失敗もある。間違いは人を成長させる。私はしばしば、間違った時に間違った場所にいて、間違った決断をした。しかし私はそれらを通じて学んだ。私は今でも理想主義者だが、若い頃はロマンチックな理想主義者で、動くものすべてを撃っていた。そして今は、どんなものにも弾丸を撃ち込む価値があるかどうか、慎重に考えるようになった。今はストイックになったが、ロマンチストであることに変わりはない。さらに、正しいことを指し示してくれる人に囲まれていることも重要だ。私のようなキャリアを積んでいると、誰もがうなずいて、頭を下げてくるが、それはあなたを慕っているから、ではなく、あなたがお金を持ってきてくれるから、なのだから」

 

「私の周りに信頼できる人が数人いるが、彼らへの私の指示はいつも同じで、『もし私が間違っていたら言ってほしい』だ。ここにいる妻シルビアには、いつも私は助けられているし、彼女は家でも正直に本当のことを言ってくれる。また私は彼らに、ステージ上で私が哀れにみえるようになったら、言ってほしいと頼んでいる。特に私のように、ステージの照明の前に立ち、注目の的であることが好きな人間にとって、エレガントに退くことは難しい」

 

――クーラは指摘し、自身の目標を語る

 

「20代の役を60歳の私が演じ、歌うのは、非常に痛々しい。ステージの上で正直になり、自分の年齢の範囲外のキャラクターを演じずに引っ込むか、ばかげたことをして自分自身と観客をがっかりさせるのか、そのどちらかだ。どうやったら私のこの年齢で、10代のジレンマを演じられるのか。愚かだし不必要だ。時が来たら『もういい』と言わなければならない。私の夢のひとつは、『トゥーランドット』で私と同年代の皇帝を演じ、それによって私のキャリアを堂々と終わらせることだ。舞台アーティストにとって、舞台を去ることはとても難しいことだ。だからこそ、このフェスティバルのような他のプロジェクトで "リサイクル "される必要がある。一旦、このフェスティバルを軌道に乗せ、スタンダードを作れば、アーティストが主役になることを期待している。いつもポスターに描かれている自分を見ていたいというエゴは私にとってそれほど大きくない。私は裏方になり、それをとても楽しみにしている」

 

(「Dubrovački vjesnik」 2022年7月 より抜粋 )

 

 


 

 

息をのむほど美しい海に囲まれた場所でのフェスティバル、本当に、一年に一度、クーラを囲んで集まれればどんなに楽しいことかと思います。

一方、今回のインタビューは、クーラが自分自身の「引退」についても語るという、ちょっとファンとしては寂しい思いをしてしまう内容もありました。もちろん、この10年間ほどで、クーラはじょじょに、世界中を旅する多忙なオペラ歌手から、本来の指揮や作曲を中心の活動へ、またこのような音楽監督や演出などへと、軸足を移してきました。歌手として表舞台に出る回数はかなり減っています。これはもともとの将来展望であり、意図してきたものではありますが、もしかするとコロナ禍がそれに拍車をかけ、多くの出演がキャンセルになった結果、シフトの切り替えが前倒しになってしまったのではないかという残念な思いも少し残ります。

しかしまだまだ60歳。来年以降も、イタリアの歌劇場での椿姫の指揮、マルタでのトスカの演出、そしてライフワークとなっているアルゼンチン歌曲や自作曲のコンサートなど、すでに公表されている公演もあります。今後も、あらたなチャレンジや、さまざまな多面的な活動をすすめてくれるだろうと思います。できるかぎり見届けたいと願っています。

 

 

 

*画像は報道などからお借りしました。

 

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(動画編)2022年 ホセ・クーラ作曲レクイエム ハンガリーで世界初演

2022-11-13 | クーラ作曲「レクイエム」

 

 

 

2022年5月にハンガリーのブダペストで世界初演された、ホセ・クーラ作曲のレクイエム「REQUIEM ATERNAM」、ハンガリーTVのM5チャンネルが動画をアップしてくれました。

76分ほどで、音質、画質とも良好です。クーラが80年代に作曲して以来、長年あたため、推敲を重ねてきたレクイエムの念願の世界初演です。すでに初演当日にラジオ生中継で音のみは聞くことができましたが、今回はうれしいことに動画。クーラの表情豊かな指揮姿や出演者と会場の雰囲気を見ることができ、フィナーレ近くには、指揮台の上の感極まったクーラの姿が映し出されています。

なお、クーラのこの作品に託した思いや経過などについては、これまでの記事「ラジオ生中継告知編」や「告知編」、また写真などは「初演当日編」をごらんください。

 

 


 

 

ーークーラのFBより

 

動画の公開をクーラがFBで紹介してくれました。

 

 

親愛なる友人たちへ、こちらが私のレクイエム初演のテレビ放送のリンク。良ければシェアを。
ただし、今月末までにハンガリーのテレビ局がサイトから削除するので、その前に視聴を。
楽しんで。
José

 

 

 

ーーハンガリーTV M5のサイト

 

こちらはハンガリーのTV局M5チャンネルの動画ページです。画像にリンクをはってあります。

 

 

 

 

 

ーー動画サイトのリンク

 

早くもアップされていた動画サイトのリンクです。

11月末に間に合わなかった方はこちらを試してみても良いかもしれません。ただしいつまで視聴可能かはわかりません。

 

 

 

 

 

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2022年 ホセ・クーラ、音楽監督としてペリェシャツ・フェスティバルをスタート

2022-09-24 | 音楽監督として

 

 

 

2022年6月20日、ホセ・クーラが総合芸術監督を務めるペリェシャツ・フェスティバル in オレビックが開幕しました。

3日間にわたるこのフェスティバル(プレ企画として18日にギター演奏会も開催)は、クロアチアのペリェシャツ半島にある町オレビックで開催されました。

クロアチアは、イタリアの東側に位置する、アドリア海に面した美しい国。オレビックはアドリア海に細長く伸びたペリェシャツ半島に位置する港町です。昨年9月にも1日だけコンサートが開催されましたが、今年からが、体制を新たに整えてのフェスティバル本格スタートのようです。今年は、とりわけ半島住民の念願であったクロアチア本土と半島をつなぐ橋が開通するということで、大きな盛り上がりをみせました。

クーラ自身が、地元自治体、関係する首長などとの交渉を重ねて開催の準備をすすめ、音楽監督として全体の企画を立案し、さらに出演者として、指揮し、歌も歌うという奮闘ぶりでした。音楽祭の様子をSNSなどから紹介したいと思います。

 

 


 

 

 

 

PROGRAM PELJEŠAC FESTIVAL OREBIĆ 2022

● 18, July 2022
Barbora Kubiková | Guitar Recital


 
● 20, July 2022 WEDNESDAY 21:00 h
José Cura & Friends

Bucharest Metropolitan Orchestra, the Children Choir of the Orebić Primary School, the Choir of artists of the Bucharest National Opera

Guest soloists =Teodora Tchoukourska (soprano), Ester Pavlu (mezzo-soprano), Boris Lukov (tenor), Emil Zhelev (bass), Barbora Kubiková (guitarist) 
conducted by Viliana Valtcheva and Daniel Jinga.

Eternal flame – SUSANNA HOFFS , Como yo te amé – ARMANDO MANZANERO , Cavatina – STANLEY MEYERS , Chiquilín de Bachín – ASTOR PIAZZOLA
Overture of Guglielmo Tell – GIOACCHINO ROSSINI , La calunnia – GIOACCHINO ROSSINI , Don Giovanni, duet La ci darei la mano – WOLFGANG MOZART , O mio babbino caro – GIACOMO PUCCINI , E lucevan le stelle – GIACOMO PUCCINI , Prelude of Carmen –GEORGES BIZET , Habanera – GEORGES BIZET , Seguidilla – GEORGES BIZET
Somewhere – LEONARD BERNSTEIN , Yesterday – PAUL MCCARTNEY , Imagine – JOHN LENNON 
Nessun dorma – GIACOMO PUCCINI 

9th symphony, 4th movement – BEETHOVEN

 

● 21, July 2022  THURSDAY  21:00 h

Rockappella / beautiful combination of songs from the World repertoire.
The Choir of artists of the Bucharest National Opera, with their conductor, Daniel Jinga.

Bohemian Rhapsody – FREDDIE MERCURY, ARR. MARK BRYMER /  Mamma Mia – BENNY ANDRESSON, STIG ANDERSON, BJÖRN ULVAEUS /  Proud Mary – JOHN FOGERTY, ARR. KIRBY SHAW / Java Jive – BEN OAKLAND, MILTON DRAKE, ARR. KIRBY SHAW /  The lion sleeps tonight – HUGO PERETTI, L. CREATORE, G. WEISS, ARR. ROGER EMERSON / La Bamba – RITCHIE VALENS / Les Champs Elysées – MIKE WILSH, MIKE DEIGHAN, ARR. CLAUDE POLETTI / Elijah Rock – SPIRITUAL, ARR. JESTER HAIRSTON /  Joshua fit the battle – SPIRITUAL, ARR. ANDERS ÖHRWALL / Chae shukarie – GIPSY TRAD., ARR. DRAGAN ŠUPLEVSKI  / Estrella e lua nova – TRAD. FROM BRAZIL, ARR. HEITOR VILLA-LOBOS /  The way we were – MARVIN HAMLISCH, ARR. CHUCK CASSEY / Chindia – ALEXANDRU PAȘCANU

Antonin Dvořák's  Symphony No 9 "New World" 
Metropolitan Orchestra conducted by José Cura

 

● 22, July 2022  FRIDAY 21:00 h

Giuseppe Verdi | Messa da Requiem

Guest soloists, the Choir of artists of the Bucharest National Opera and the Bucharest Metropolitan Orchestra, conducted by José Cura, will perform for the first time ever in the Pelješac peninsula this monumental piece of the repertoire, as a special tribute from the City of Orebić to all of those who have died in these last two difficult years for the World.

 

 

 

 

3日間(プレ企画含めると4日間)のフェスティバル、プログラムを見ていただいてわかるように、クラシックの枠や特定のジャンルにしばられることなく、誰もが音楽を楽しめる選曲、構成を心掛けているようです。出演者も、ルーマニアのオーケストラ、各国からのソリスト、そして現地の小学生の合唱団と、国際色豊かです。

1日目は、「ホセ・クーラと友人たち」と銘打っての、アルゼンチンの歌、ポップス、オペラアリア、そしてベートーヴェン「第9交響曲」第四楽章という多彩なプログラム。

2日目は、ロック、ポップスの名曲、民族音楽など、世界で愛されてきた曲の数々とドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」。

最終日の3日目は、クーラが指揮するヴェルディのレクイエムで、この半島地域で演奏されるのは初めてとのことです。世界にとって困難なこの時期に亡くなったすべての人々に捧げられました。

 

 

 

●コンサートの写真ーーオレビック観光局のFBより

 

≪初日≫

 

≪2日目≫

 

≪3日目≫

 

 

 

●初日の舞台の動画ダイジェスト

フェスティバル1日目の「ホセ・クーラと友人たち」の舞台よりのダイジェスト動画です。アカペラで歌いながらクーラが登場し、地元小学校の子どもたちの合唱、オケと一緒になって演奏が開始され、その後、クーラの故郷アルゼンチンの歌、ゲストアーティストとクーラによるオペラアリアやデュエット、ポップスのメドレー、クーラの「誰も寝てはならぬ」、最後はベートーヴェン「第9交響曲」第4楽章と、それぞれの場面を抜粋して収録しています。コンサートのリラックスして楽しい雰囲気が伝わる動画です。

 

PELJESAC FESTIVAL OREBIC 2022, José Cura & Friends (Opening Night, July 20th, 2022)

 

 

●初日の舞台より抜粋ーービゼーのカルメン、カルメンとドン・ホセ

 

 

 

●ホセ・クーラのFBよりーーリハーサルで弾き語り中

 

 

 

 

 


 

 

クーラにとって、ひとつの念願でもあった音楽総監督としての仕事が、クロアチアの風光明媚な半島で本格スタートしました。

プログラムや動画を見ると、日頃からクーラが語ってきた、音楽には垣根がない、ジャンル分けに意味はない、ということをそのまま実現したような内容だったと思います。誰もが知っているポップスやロックの曲があり、これも多くの人に親しまれているベートーヴェンの第九やドヴォルザークの新世界があり、有名なオペラアリアやデュエットもありと、年齢を問わず、誰でも気軽に音楽を楽しめるフェスティバルとして、第一歩をふみだしました。さらに最後は、コロナ禍と紛争、侵略戦争、貧困など、世界のさまざまな困難に苦しみ、犠牲になった人々への祈りとして、ヴェルディのレクイエムが演奏されています。

この多彩でユニーク、理想主義者で、音楽で世界の人々の架け橋をつくりたいと願うクーラらしさでいっぱいのこのフェスティバルが、今後もさまざまな困難はあるでしょうが、来年以降も続いて発展していくことを、そして私もペリェシャツ半島を訪れることができ、毎年クーラと世界のクーラファンと再会できる場となってくれることを心から願っています。

 

 

 

*画像等はクーラや観光局のFB、報道などからお借りしました。

 

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(インタビュー編)2021年 ホセ・クーラ、マスタークラスをマルタフィルハーモニー管弦楽団と

2022-06-05 | マスタークラス

 

 

 

今回は、ホセ・クーラが2021年10月25~30日に、マルタフィルハーモニーと取り組んだマスタークラスに関して、メディアのインタビューに答えた記事から抜粋して紹介したいと思います。

マスタークラスについては、「写真と動画編」、「告知編」で紹介しています。

またこれまでのマスタークラスでは、ブログ内でもリンクを紹介していますが、2019年のBBCカーディフ国際声楽コンクールでの様子が全編動画で視聴できます。最高に面白いので、ぜひご覧ください。 「2019年 ホセ・クーラ、BBCカーディフ国際声楽コンクールでマスタークラス

 

 

 


 

 

 

 

 

≪ オペラを教える仕事ーーテノールのホセ・クーラが自身の考えを語る ≫

 

 

世界的なオペラスターであり、指揮者でもあるホセ・クーラは、オペラのキャラクターの独創的な解釈、革新的なコンサートのプロダクションと情熱的な指揮で知られている。今回は、マルタ・フィルハーモニー管弦楽団が開催するマスタークラスを前に話を聞いた。

オペラのテノール歌手、指揮者、演出家、舞台美術家、写真家として有名なホセ・クーラは、その総合的な指導法でも知られている。マルタ・フィルハーモニー管弦楽団の企画で、10月の最終週にクーラは、一連のマスタークラスを開催し、ゴゾ島のアストラ劇場で参加者によるクロージング・コンサートが行われる予定だ。

クーラは、自身の教育スタイル、とりわけ幅広い知識からの非凡な視点に関連して、自分の教え方は、本質的に、これらの多様な分野での経験と関連していると語った。

 

          *   *  *  *  *

 

「現在のアーティストとして、また1人の人間としての私は、さまざまな異なる分野で経験してきたことの結果だ」と彼は語り始めた。

「私は、このような総合的なアプローチなしには教えることができない。私が唯一気をつけているのは、生徒が対処する準備ができていないことで無理はさせない、ということだ。学生が不安になるだけだからだ。その時に教える必要のないことを隠すのは、その時に必要なことを教えることと同じくらい重要だ」

 

さらに続けて、教えるという行為は、教師ではなく生徒を中心に考えるべきだと強調した。

「教えることは、教師が自分の広い知識を自慢するためではなく、成長しつつある植物が、可能な限り最高に伸びていくように支えるもの。しかし、花を咲かせるために必要な努力をすることは、植物自身の責任だ」

クーラは、生徒がマスタークラスに参加する前に十分な技術を持っていることが不可欠であると説明し、これが主催機関に求められる条件であると述べた。ホセ・クーラは、20年以上の多彩なキャリアを持つ。

「そうでなければ、マスタークラスではなく、ビギナーズクラスしか提供できない」と説明する。

「この違いは非常に重要だ。適切な道具があれば、数日で家を取り壊すことができるが、同じ期間に家を建て直すことはできない。教える側としては、若い歌手のテクニックをひっくり返してしまったら、彼らと一緒に再構築するのに必要な時間を割けなければ、かえって害をもたらしてしまうということを意識しなければならない。経験を積むと、何か月もかけて修正する必要のある問題を見極める第6感が身につく。少し微調整するだけで修正できる誤った技術的な行為についても」

 

ーーマスタークラスを開催する最大の目的について

 

クーラは、自分がめざすのは、オペラにアプローチする方法の正しい感覚を養うことだと言う。

「マスタークラスの時間が短い場合は、テキスト、スタイル、フレーズ、ボディランゲージなどの観点から、どのようにアプローチすべきかを生徒たちに意識させ、後で自分自身によってそれらの要素をさらに深く掘り下げられるようにすることが、私の目的だ。もちろん、誰もが際立った型破りのものを持っているわけではないが、やってみなければ、持っているかどうかはわからない」

クーラは、履歴書に載せるためだけにマスタークラスを受講する学生がよくいると語り、「近道をしたいという誘惑は常につきまとうもの」と述べる。

「一人ひとりが自分の道を歩む。しかし、非常に長いキャリアを持っていることは、私に、物事に対する特別な視点を与えてくれる。私が始めた頃、当時、使用できた唯一の『人工的な』トリックはマイクだけだった。そして私は今もまだ演奏しているが、今の時代、素晴らしい技術的リソースを使って、自分の人生をより楽にしたいという誘惑に抗しがたいものがある...。」

「そのようなリソースは、以前に習得した知識を補完するものとしては素晴らしいが、『将来のアーティスト』にとっては危険なものだ。なぜならば、それを近道として使うことで、若い才能は、高いレベルにおいて吹きつける強風に抵抗する準備ができる前に、『幻想的なピーク』に到達してしまうからだ。」

「歌手が、人間の声の魔法を使って物語を語るコミュニケーターでないならば、歌手とはいったい何だろうか?」


クーラは、今日、人々がまだ名声に値するだけの実力がないうちに有名になってしまうため、ほとんどのキャリアは短命に終わってしまう、と主張する。

「自分の手足を使って山に登ることは、山に登った後に自分をしっかりと地面に固定するための筋肉をつけたいのなら絶対に必要なことだ。これを生徒たちに伝えることができれば、私のマスタークラスは達成されたといえるだろう。」

 

 

 

 

 

 

ーーオペラ歌手 歌うことと演じることについて

 

オペラ歌手は、「歌う役者」と「演じる歌手」の間で、よく揺れ動く。この違いについてクーラは詳しく説明し、「歌手は声だけを極めればいいというものではない」と語った。

「ほとんどの場合、オペラ歌手になるために必要な条件は声だけだったので、私たちにとっての”スター”は、これまで聞いたなかで最も素晴らしい歌手たちだったが、同じ意味で、彼らの多くは俳優としては下手だった。」

「歌唱テクニックの原理を確立した過去の輝かしい歌手たちがいなければ、今日、オペラ歌手としての私たちは存在しなかったという事実を認識し、感謝することは不可欠だ。しかし、私たちの芸術の形態を永続させたいのであれば、現代において、声だけでは十分ではない...。」

「歌手としての技量と俳優としての技量が一致して初めて、そう呼ばれるのに値する、多面的で充実したオペラ歌手になる。そうでなければ、演技のふりをしている素晴らしい歌手だ。」

この点について自分はネガティブではないと強調しながら、オペラの指揮者や、それを導くべきオペラの演出家にもこれらの資質が適用されることが、「オペラが存続する唯一の方法である」と確信していると、クーラは述べた。

また、「普通の歌手と特別な歌手の違いは何か」という質問に対して、クーラは、優れた歌唱技術があることを前提にしたうえで、「違いは、声の美しさだけでは決まらない」と答えた。

「伝説的な歌手の中には、いわば 、より"後天的 "なテイストの声の持ち主もいたが、しかし先に述べた、定義できない "もの "がその違いを生み出している...。ギリシャ人はそれを”χάρισμα”(カリスマ性)と呼び、スペイン人は”duende”(この文脈では『魅惑的な』『魔法の』という意味)と呼んでいる。しかし、一般的に『コミュニケーター』と呼ばれる人たちの違いは、まさにこの点にあるのではないだろうか。そして、人間の声の魔法を使って物語を伝えるコミュニケーターでなければ、歌手とは何だろうか?」

 

ーーコロナ禍の下でのマルタフィルとの出会い

 

この8月に行われたマルタ・フィルハーモニー管弦楽団のシーズン・クロージング・コンサート「グランド・フィナーレ」で、同楽団を指揮した経験について、クーラは、コロナ禍の中でオーケストラと出会うのは理想的な方法ではなかったけれども、それにもかかわらず最終的には、マルタフィルとの関係を深めることがは妨げられなかったと語った。

「COVID-19が蔓延しているという状況下で、私と新しいオーケストラとの出会いとしては、決して理想的な形ではなかったが、私にとってもミュージシャンにとっても、このような普通ではない、快適とはいえない状況のもとで、献身的かつ敬意を持って取り組むことで、すぐにケミストリーがつくられたので、できるだけ早く戻ってきたいと思いながら帰路についた。」

「今回の取り組みが、私たちにとってだけでなく、マルタにとっても、非常に前向きで長期的、専門的な関係の始まりであることを願っている」と彼は締めくくった。

「Mastering the Voice with José Cura」は、10月30日にテアトロアストラで開催されるMPOとのクロージングコンサート(一般公開)で締めくくられる。

 

(「timesofmalta.com」)

 

 

 

 

 


 

 

●アート・文化雑誌『Encore』でマルタフィルCEOジークムント・ミフスッド氏の記事

 

 

 

ーー抜粋

今後、ミフスッド氏は、テノール歌手、指揮者、舞台監督としてオペラファンから賞賛されているクーラ氏との関係が、新たなプロジェクトやコラボレーションに発展し、国際的な評価を得続けるだけでなく、マルタを文化的なハブとしてアピールし、新たな観光客を誘致することを期待している。

「ホセ・クーラがこのように関心を示してくれたことは、非常に心強いことだ。マスタークラスの開催や、学生が最高水準の音楽を学べる適切なアカデミーへの投資など、私たちが取り組めるエキサイティングなプロジェクトはたくさんある」

 

 

 

●マルタフィルを指揮するクーラ

 

最後に、2021年8月にマルタフィルのシーズンクローズコンサートで、クーラが指揮し、ディアナ・ダムラウ、二コラ・テステ夫妻と共演した、とても魅力的なコンサート動画を再度、紹介します。

途中、カルメンのデュエットで指揮者のクーラが飛び入りで歌うシーンもあります。

 

Grand Finale – Malta Philharmonic Orchestra

 

 


 

 

今回のインタビューは、これまでもクーラが強調してきたことではありますが、改めて、歌手やオペラとはどういうものなのか、未来にむけて何をめざしていくのか、そのために若い歌手に求められていることなど、さまざまに語っていて興味深い内容になっています。

今年2022年の8月に開催される、ブルガリアの歌唱コンテストでは、クーラは審査委員長になっています。もともとマスタークラスが好きで、教育活動に情熱をもってきたクーラですが、今後、ますます若手の抜擢、育成、マスタークラスなどに力を入れていくことになると思います。

若い人々を愛するからこそ、一時的に有名になって才能を燃えつきさせてしまうのでなく、じっくりと長い時間をかけて才能を熟成させていくことを願っているクーラ。この夏のコンテストも楽しみです。

 

 

*画像は、マルタフィルと出演者のSNSなどからお借りしました。

 

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