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彼方への一歩












「ねぇ。ジリアン。」




「あなた次の播種技術者にならない?」




「研究室からやっと降りて来たと思ったら、突然何?」





彼女はここシグザムで播種の仕事をしている。
播種技術者の中でも地位が高いらしい。
よくは知らない。

名前は‥‥‥‥忘れた。




「悪いけど、播種の仕事はしたくない。」




「え!シム界に行ってちょっと連れてきたらいいだけよ?」

「そんな、"信じらんない!"‥‥みたいな顔しないでくれる?」

「どうしてやらないの?」

「どうしても!とにかく、私はやりたくない。」




「ふーん。ジリアン、あなた変わってるわね。」

「‥‥そりゃ、どーも。」


私にはシグザムの仕事をやりたくない理由がある。
けど、その理由を言うと否定されるから言わなくなった。




「なになに?播種技術者募集してるの?」





「メナ。あなたにはまだ播種技術者は早いわよ。もう少し技術を磨いて!」

「ジリアンがやらないなら、イケると思ったんだけどなぁ。」

(他所で話してくれないかなぁ‥‥読書の邪魔なんだけど。)




「テナはどうかしら。あの子、何処だったかの街を征服してみたいって言ってたわよね。」

「テナはもう、San何とかって街に行っちゃったわよ。」





「あら。そうなの?残念。まだまだ現役でやるしかないわねぇ~」




「そう言えば、最近良いの見つけてねー。」

「あー、女子と男子が産まれたって言ってたよね!」

(だから場所変えてよ‥‥!)




「結構チョロいから、あと2人くらいはいけそうなのよねー♡」

「へー!私も会ってみたいなー。」



「‥‥出かけてくる。」






「ホント、シム界チョロいわ~。」

「私も今度遊びに行ってみよー。」














ここは嫌いだ。
シグザムは退屈で息苦しい。
けど誰も理解してくれない。




『ねぇ、ゼイラ。親友だから言うね。』

『改まってどうしたの?ジリアン。』

『私、シム界で暮らしたい。』




『ジリアン、何バカな事を言ってるの。シム界で暮らしたいなんて‥‥』




『でも、他の子はシム界で普通に暮らしてるよ?』

『呆れた。』




『あの子たちは、私達エリートとは違うの。ジリアン、あなたには能力があるの。』




『‥‥そう、だね。』




「ヤなこと思い出した。帰ろう。」





私はもっと楽しく生きたい。




あんなシム界の真似事じゃなくて。




「‥‥くだらない」










「あれ‥‥あんなとこにあんな物あったかな。」




「これシム界に繋がってるのよね‥‥?」




誰も気にしてない。




エイリアンが1人居なくなったところで。







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続きます


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異世界の子

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