塾長です。
昨日(米国5/14)は強いPPIが出たが、株高。Nasdaqが最高値。
PCEの計算に使われる項目が値下がりしているとか、3月PPIが下方修正されたとか、なんだかんだ理由をつけているが、本当のところはカネ余り。
S&P500、5,246(+0.48%)
Nasdaq、16,511(+0.75%)
【米国市況】S&P500種が最高値接近、ハイテク上昇-一時156円74銭 - Bloomberg
原油、78.42
10年債、4.4450
ドル円、156.4270
Bitcoin、61,682
4月 PPI[前月比]、0.5%(予想0.4%)
同[前年同月比]、2.2%(2.1%)
4月 PPIコア[前月比]、0.5%(0.3%)
同[前年同月比]、2.4%(2.3%)
米PPI、4月は予想上回る伸び-一部の主要項目は落ち着き示す - Bloomberg
■パウエル外遊中;
パウエル議長、米金利をより長期に高水準で維持する可能性示す - Bloomberg
なし。
■対中関税引き上げ;
バイデン氏、関税引き上げは「ずる賢い」中国から国を守るためと説明 - Bloomberg
■Home Depotなどが決算;
Home Depot (HD) Q1 Earnings Surpass, Sales Miss Estimates
-0.13%。
■昨日はオモシロインタビューが無かったので、一昨日のもの。トニー・サコナギがAppleとOpenAIの取引※1についてコメントしていました;
ーAppleがChat-GPT搭載でOpenAIと合意すると報道されている※1。6月のイベント(注:WWDC)で発表される、と。
それとは別に、2つの労務関連ニュースがある※2。メリーランドの店舗でストライキに入るための投票がされた。NJ州ショートヒルズ・モールの従業員は組合に反対票を投じた。
Apple株にポジティブですか?
・我々はポジティブだ。2週間前にupgradeした。リスク・リワードの観点から、今の(株価)レベルは魅力的だ。
ー労務関係は我々がこれから話す事(AI)に比べて、ささいな事でしょうか?
・労務関係は相対的にささいである。小売店での出来事だ。Appleの小売店売上は世界で10%以下。米国ではそれ以下。組合が結成されれば、それに関する支出は増えるが、Appleの大計画(grand scheme)に影響を及ぼすものではない。
ーAppleのAIについて教えて下さい。frenemyとの椅子取りゲームをしているようだ。最終的にどのような戦略なのだろう?分かっていることはあるのか?
・Appleについて認識すべきは、これ(AI)を自身でやる必要が無いという事。投資家からは「AIへの投資が不十分」と批判の受けているが。AppleはAIについて独自にやる部分もあれば、パートナーによって行われる部分もある。それは今日のAppleでも見られる。Appleは利益の25%以上をGoogleサーチから得ている。GoogleがAppleのデフォルトサーチエンジンになっている。またApp Storeもそうだ。どちらのケースにおいても、Googleがサーチエンジンを作り、数百万の開発者が汗と涙を流しながらアプリを作り、Appleはその顧客にアクセスするためのツールを提供する。とても儲かる商売だ。
ーAppleとOpenAIの取引がまとまれば、OpenAIがAppleにカネを払うのか?その逆ではなく?
・それは良い質問だ。時と共に変化するだろう。AIモデルはマネタイズする方法を探している。検索の初期と同様。時間が経てば、間違いなく、Appleは数千億のユーザーに対するアクセスをパートナーに提供し、彼らが大儲け(making significant money)すれば、Appleに売上シェア的なもので支払う。最初は、そうではないかも知れない。
ーOpenAIはAzureで動いている。もし取引が成立したら、OpenAIはデバイス(iPhone、iPad)で動くことになるのか?それは無理そうですが。無理だとしたら、Appleのサーバー上で動ようになるのか?Microsoftのサーバーだとしたら、Microsoftも何らかの方法でカネを徴収するのか?※3
・明確には分かっていない。多くがサーバー側で動くことになるだろう。それはMicrosoftのデータセンターかも知れない。
ーOpenAIと取引したら、Google Geminiとは取引しないのだろうか?
・そうではないだろう。我々が信じているのは・・・、AppleがSiriを強化している。SiriがOpenAIのエンジンへのアクセスポイントとなる。AppleはSiriを強化し、Siriが「この種の問い合わせ(query)はOpenAIを使おう」「この種の問合せはgenerative AIを使おう」と判断する。フロントエンドがどのAIエンジンを使うか判断する。なのでAppleが1つ以上のパートナーと組むことができる。
ーAppleは強いポジションに戻れるだろうか?
・Apple株は年初来under-performしている。一部は弱い(買い替え)サイクルによるものだ。Apple株は3-5年平均を下回って取引されており、良いエントリーポイントを提供している。我々はAppleをとても強い消費者向け企業だと信じている。それがより魅力的な値段となっている。AIが3、4か月後に発売されるiPhone16のカタリストになるだろう。結局のところ、年初来underperformしている良い会社があり、投資家には低い値段で株を買える機会がある、ということだ。
※1:
アップル、iPhoneへのChatGPT搭載でオープンAIと合意に近づく - Bloomberg
※2:
Apple's Maryland store workers vote to authorize strike
Apple defeats union campaign at New Jersey retail store
※3、この報道を意識した質問だと思われる:
アップル、クラウドでのAI機能を年内提供へ-独自チップ利用 - Bloomberg
iPhoneでの受信通知や受け取ったテキストメッセージの要約を伝えるといった比較的単純なAIタスクはデバイスに内蔵されたチップによって処理される可能性がある。一方で、画像の生成や長文のニュース記事の要約、電子メールでの長文の回答作成といったより複雑な作業については、クラウドを利用したアプローチが必要となりそうだ。また音声アシスタント「Siri(シリ)」の改良版についてもクラウドベースでの対応になるとみられる。
「携帯にAIを搭載」と聞いて、「携帯で撮影した写真を加工する」「ビデオ通話時に美肌効果をつける」くらいかと思っていましたが、SiriがAIエンジンの窓口&振り分けを担当するのだそうです。
今のサーチエンジンの使い方(望む検索結果が出るまで検索キーワードをとっかえ・ひっかえする)が変わるのは嬉しい。
ですが、まずは音声認識技術の改善が先かと。それをクラウド版Siriで行うということでしょうか?
最後にApple年初来チャートを貼って終了;
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