日銀マイナス金利解除後の円安&J-REIT上昇の原因と長期投資家の金利為替との付き合い方

資産形成

2024年3月19日に長くに渡ったマイナス金利を解除、すなわち利上げを決定しました。

利上げ前までのドル高円安の要因としては米国金利の高止まりによる大きな金利差です。

日銀の利上げ決定前までは、米国利下げ期待が高まっていることも相まって利上げ決定後は円高に振れる予想が大きかったはずです。

キンチラ
キンチラ

金利差が縮まると相対的に円の価値が高まることになるからね

事実、決定前の数日で利上げを織り込んで円高方向に振れていました

しかしながら市場は利上げ決定を受けて逆に大幅に円安に振れることになったのです。

さらに利上げがマイナス要因となるはずのJ-REIT(リート)が利上げ決定後に大幅な上昇を見せました。

理論とは逆の動きを見せる市場。

何が起こったのかを予想する声を私なりにまとめつつ、私の実行する長期投資において金利・為替どう付き合うべきかを述べようと思います。

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原因は市場の過剰な織り込み

利上げ決定前の市場の反応は米国利下げが数か月以内に起こるという予想と、日銀による利上げの期待から、

ドル円為替は3月19日以前の数日間で実際に円高方向に振れていました。

要は市場は米国金利との金利差が縮小するということを事前に織り込んでいたのです。

キンチラ
キンチラ

この「織り込み」というのが投資・投機を難しくさせる要因になっているのですね・・・

仮にAという株式会社が属する業界全体が好調であったとして、投資家はA社の業績が上がると容易に予想ができますよね。

するとA社の株は好決算による株価上昇を期待して決算報告前から多く買われ始めることがあります。

決算前に株価は上昇していきます。

好決算が待ち構えていますからそれでもまだ安いと買う人が絶えないこともあります。

そしていざ決算の蓋を開けてみると、確かに決算は前より良かったが業界を考えるとそこまでインパクトのある好決算ではなかったと投資家が判断した場合、

これ以上株価の上昇が期待できないとして決算前に釣り上がった株を利確しようと動きます。

結果、前年度より好決算であったにもかかわらず決算発表後に株価が大幅下落するといった現象が起こるのです。

キンチラ
キンチラ

そうでなくともほぼ株価がほぼ動かないということはあります。

この奇妙な市場の動きは「株価は決算を織り込み済だった」「織り込み過ぎだった」などと表現されます。

これと同じようなことが米国との金利差においても行われたというのが大方予想されていることです。

つまり日銀が利上げをすると予想していたが利上げ幅が予想よりも極小だったことと、金融緩和を継続するという発言から、

またしばらく金利差は縮小しないだろうと市場が反応してしまったのです。

金利差縮小を織り込んで円高に振れていたのが「そこまで金利差が縮小しない、しかも当分続きそう」と思われて逆に円安方向に戻って行ったのです。

為替市場は金利差縮小をまさに「織り込み過ぎ」だった訳です。

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J-REIT(リート)も利上げを織り込み過ぎだった

REITは不動産投資信託のことです。

不動産は資金の借り入れ率が大きいですから、利息の支払いが大きくなるために金利の上昇はREITの分配金低下要因になりえます。

利上げはREIT投資にとってはマイナス要因なのです。

日銀による利上げが予想される中で、日経平均の高値更新とは裏腹に東証REIT指数は大幅下落していました。

キンチラ
キンチラ

利上げで評価額が下がる前にREITからは手を引いて日本株に資金を移動させる動きだったと予想されているね。

しかしこれも利上げ幅の情報が回ると「大した利上げはされない、この先もしばらく金利が低い状態が続く」と思われJ-REITに買いが戻ったのです。

戻っただけではなく大幅に上昇しました。
東証REIT指数は日銀マイナス金利解除の3月19日の次の営業日(3月21日)は3%以上の上昇を見せたのです。

REIT市場のファンダメンタルズはコロナ明けからのホテル需要の回復やオフィス空室率の低減などで見通しも良かったことと、

評価額が大きく下がったことによる相対的な分配金利回りの高さが評価されて買いが積みあがったものと予想します。

株式ばかりが注目され資金移動が多かった反動が出たものと思います。

キンチラ
キンチラ

REITに利上げは悪材料だから好調な日本株にしとこうって感じかな。

日頃REITに熱心な投資家からは「流石に売られ過ぎ」という見解も多く出ていたくらいです。

REITは株式に比べてマイナーな投資セクターですから、そのような熱心な投資家よりも売りが先行してしまったのかなと。

REIT価格の底で大量に仕込めた投資家は利上げ発表後に大きく利益を拡大できたのでしょう。

利上げを「過剰に織り込み過ぎ」だった訳です。

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長期投資は金利・為替を気にしてはいけない!

ドル円チャート 引用元:Yahoo!ファイナンス

私の投資はインデックス長期投資一本です。

このような金利と密接に関係のある為替やREITのような投資セクターとどのように付き合っていくべきかを、少なくともしっかり考えを持っておかなければなりません。

キンチラ
キンチラ

そうでないと今回のような理論とは逆の値動きを見せられた時に変な行動をしてしまいかねないからね。

私のメイン投資商品はeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)であり、内訳は株式37.5%、債券37.5%、REIT25%です。

外国資産が含まれていることで円安は資産拡大方向ですし、J-REITも含まれているためこれも資産拡大方向でした。

結果的に日銀の利上げ発表は私の資産にプラス影響をもたらしたのですが、どちらかと言うと逆の予想が大きかったのです・・・

今回のことでよくわかったのは、金利と為替、それによる影響の予想は到底不可能だということです。

金利を予想されて為替が動きましたし、J-REIT価格も大きく動きました。

誰かが予想して売買をしているから動くのです。

予想ができると思う人だけが売買を行うべきです。

キンチラ
キンチラ

それに自分が当てはまるか?

インデックス投資家である私は当てはまるはずがありません

なぜならあらゆる予想ができないためにインデックス投資をしているからです。

予想ができないから常に買い(積立投資)、市場に居続けることでメガトレンドの「世界は右肩上がり」に乗っかるまで。

変に予想をして特定のセクター限定の買い増しや買い控えをすると逆に投資効率を下げることになります。

1ドル=120円前後だった頃から円安になり現在までずっと150円近辺をウロチョロし続けていますが、

円高を懸念して米国株の買い控えをしていた人はその間に株価がどんどん上昇していくのを指をくわえて見ているしかなかったのです。

キンチラ
キンチラ

買い控えによる効果よりも機会損失の方が大きかったわけ。

金利上昇を恐れてREITを慌てて売りに走った人はまさかの金利上昇後のREIT大幅上昇に立ち会えなかったわけです。

そんなことを繰り返していてはただインデックス投資信託をバイ&ホールドしているだけの投資家に成績で負けてしまいかねません。

インデックス長期投資家である私は当初決めたアセットバランスに従って常に同じ割合を積み立て投資し続け、1円も売らずにホールドし続ける。

金利や為替やその影響を考えたREITや株式の売買を一切行わずに、いつ何時でも買い続ける。

高い安いを判断しない

キンチラ
キンチラ

だれが1ドル=150円が高いと言ったのでしょうか?

むしろ新NISAが始まりオルカンやS&P500に連動する投資信託通じて今までより多くの方がドル資産を買うようになった時代で、

円の価値が下がり円安方向が進み続けるといったことがメガトレンドにすらなる可能性があります。
※もちろん逆の予想だにしない急激な円高になる可能性もあります。

インデックス投資家は高い安いは分からないのですから常に買うだけです。

強いて言えば今が一番安いはず。世界は右肩上がりですから。

今回の日銀の利上げ後の市場の動きから改めてこの認識を強く意識し投資を継続していきます。

資産形成
都内在住サラリーマン投資家の目指せFIRE生活