いかに〝トータルパッケージ〟が難しいのか再認識した…
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世界フィギュア2024が終わりました⛸️
男子シングルは、のマリニン選手が、とんでもないスコアで優勝🥇
6クワドの構成をノーミスしました
凄い迫力でしたよね
ジャンプが気持ちいいくらいに次々と決まっていきましたし、雄叫びを上げるくらい気合いが入ってました
コンビネーションを含めて、クワドを6本も跳ぶには、相当な体力を使うでしょうし、とにかくジャンプに集中しなければならないでしょう
マリニンくんは、クワドを跳ぶには不利と言われている高身長にも関わらず、軽々と軸の細いジャンプを跳べるだけではなく、柔軟性を生かしたスピンも得意のようです
しかし、このとんでもないTESを叩き出したにも関わらず、PCSが90.61と、今の競技フィギュアにしては、あまり比例されていないように感じますよね
つまり、ジャンプは凄いけれど、それを行うための体力を温存するが故の、繋ぎがスカスカだったり、ステップが浅かったり等、演技全体を通して見た時に、どうしても雑さが見えてしまうのかもしれません
だから、このPCSなのでしょう。
まぁ、まだまだこれから伸ばせる要素はいくらでもありそうですけど、やっぱり、トータルパッケージって難しいんだなぁと、つくづく感じました
これは、2017年の世界選手権での、羽生選手のFSプロトコルです
この、ゾーンに入った神演技は、まさに〝トータルパッケージ〟とはこうだ!を見せつける演技でしたよね
※小海途神ラマン
今とはルールが違うので、一概に比較するのも…とは思いますが、やはり目を引くのがPCS
気持ちいいくらい満点が並んでいます
羽生選手が目指していたものが、
全ての要素を完璧に行い、尚且つ、全身を使って、曲の世界観を表現することでした
だからこそ、各要素以外の部分でも疎かにしなかったのですよね
繋ぎと言われる部分も、常にステップを踏んでいましたから
これって、6クワドに匹敵するほどの運動量だったんじゃないかしら
2019年のGPFで、5クワドにするために少し繋ぎを削ったって時の、あの倒れ込むほどの疲労困憊度から見ても、何本も高難度ジャンプを跳びつつ、繋ぎもきちんとやることは、極めて困難なことなのだと思い知らされたような感じでしたよね
『ジャンプ大会ではない…』
それから1年が経ち、2020年の全日本選手権の時のプロトコル
(国際試合ではないので、参考記録として…)
この時は4クワド構成で、尚且つ、後半に、4Tからのコンビネーションが2つも入った高難度構成
この演技を見た瞬間、
これぞ、〝トータルパッケージ〟いや、〝パーフェクトパッケージ〟来たーって鳥肌が立ちました
PCSがさらにエグい97.22
5項目に分かれていたPCSのうち、〝Performance〟と〝Compogition〟の点数が9.86、〝Interpretation of the Music〟が9.79と、ほぼ満点に近い点数を叩き出しているのですよ
この要素たち、
ざっくり言うと、
『この曲を使って、どういう工夫をしながら表現しているの?』
ってことなんだけど、つまり、演技自体にきちんと世界観があるのかということなんだよね
今の競技フィギュアに足りない部分って、これだと思うのよ
それでも、三浦佳生くんの『進撃の巨人』や、佐藤駿くんの『四季』なんかは、結構工夫が施されていて、その曲で何を表現したいのかが伝わってくるから、見応えがあるだけに、来シーズンがとても楽しみなんですけど、何せ、まともに採点されなきゃ話にならないわけなので、どうなることやら…
とにかく、若手選手に言いたいのは、
『チートだけはするな!』byジスラン・ブリアン
ですかね
高難度構成で〝トータルパッケージ〟を目指すことが、いかに難しいのか、そして、それを目指して、最終的にやり遂げた羽生選手が、いかに突出していたのかを、改めて気付かされた世界フィギュアでした
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