各守備位置の”ほぼ定位置”に打球が飛んだ場合の対応・カバーリングになります。

≪基本の考え方≫
　●　ポジションごとの番号と基本守備位置は下図。
　　　　1　投手（ピッチャー）　　　　2　捕手（キャッチャー）
　　　　3　一塁手（ファースト）　　　4　二塁手（セカンド）
　　　　5　三塁手（サード）　　　　　6　遊撃手（ショート）
　　　　7　左翼手（レフト）　　　　　8　中堅手（センター）
　　　　9　右翼手（ライト）

　●　打球に対し、野手全員が必ず動く。
　　　　　　　　　　　　　　　何もしないポジションは存在しない。
   　　　　　　　　　　（打球のカバー・送球のカバー・ベースのカバー）
　●　明らかにファールの打球はカバーリングを行なわない。ただし、
　　フェアか？ファールか？ギリギリの打球は必ずカバーリングを行なう。

ケースごとのカバーリングの動き方を全選手が理解するよう基本図を明示し、練習で繰り返しシミュレーションします（試合では無意識でも動けるようになるくらい）。
ここで9人のうち1人でも違う動きをすると、穴が開くポジション（ベース）・連携の不備が出てしまうため　”全員が理解し、基本図通り動ける状態”　にすることがチームにとって大きなポイントです。

ただし、試合では状況により違う動き（とっさの判断で）をすることはOKです。

※　2アウトの場合は打者走者をアウトにすれば良いため、動き方は基本走者なしのときと同じになります。

ここでは、0アウト・1アウトのときの考え方になります。

走者2塁のときの事前のポジショニングは…

投ゴロ（1→3　1→5）

各ポジションの動き

≪優先順位≫
　　　①　ゴロ捕球に対するカバーリング
　　　②　1塁送球に対するカバーリング
　　　③　3塁送球に対するカバーリング

●　ゴロを捕球し1塁へ送球　…　1
　　捕球後2塁走者が飛び出しているか確認、目でけん制しその後1塁送球。
　　しっかり早い球で送球する。（2塁走者に進塁のスキを与えない）
●　投ゴロ捕球時エラー対応のカバーリング　…　6・4・8
　　二塁手寄りのゴロなら、
　　　　　4は打球に対するカバーリング、6は2塁ベースカバー
　　遊撃手寄りのゴロなら、
　　　　　6は打球に対するカバーリング後2塁ベースカバー、
　　　　　　　　　　　　　　　　4は1塁送球へのカバーリング
●　1塁ベースに触れて送球を捕球　…　3
　　送球が逸れても対応できる捕球体勢を取る。
　　　　　　　　　　　　　　（捕球優先、そのあとでベースに触れる）
　　捕球後は、2塁走者の動きを確認する。
●　1塁送球時暴投対応のカバーリング　…　9・4
　　特に9は全力で入る。
●　2塁ベースのカバー　…　6
●　3塁ベースのカバー　…　5
　　打者がバントの構えをしたら前進するが、そうでなければあまり前に
　　出ず3塁ベースそばに構え、3塁ベースカバーに備える。
●　3塁送球時暴投対応のカバーリング　…　7
　　遠いが7以外のカバーがいないので、全力で入る。
●　本塁ベースのカバー　…　2
　　本塁を空けない状態にする（1塁送球のカバーリングはしない）。
　　全体の動きを確認し、必要な指示を出す。
　　投手が捕球ミスし前にこぼした場合は、打球処理を行なう。

一ゴロ（3・3or3→1）

各ポジションの動き

≪優先順位≫
　　　①　ゴロ捕球に対するカバーリング
　　　②　1塁送球に対するカバーリング（送球がある場合）
　　　③　3塁送球に対するカバーリング

●　ゴロを捕球し1塁ベースを踏む　…　3
　　一二塁間のゴロは、1塁ベースにこだわらず積極的に取りにいく。
　　　　　　　　　1塁ベースに入るのは1に任せ。捕球後1へ送球する。
　　1塁ベースに近いゴロは、捕球後自分で1塁べースを踏む。
　　ベースを踏んだら、3塁に進塁した2塁走者を確認する。
●　一ゴロ捕球時エラー対応のカバーリング　…　4・9
　　捕球確認後1塁ベースカバーに回る。9は全力で入る。
●　1塁ベースのカバー　…　1
　　打球が一塁側に飛んだと同時に1塁ベースに向かう。
　　3が打球処理により1塁ベースから離れた場合、3からの送球を受ける。　　
　　トスをもらいたいタイミングで声を出す。
　　　　指示は、ベースを踏むより前にボールをもらうように出す。
　　　　　（ベースを踏む・ボールを受けるが同時だと、ミスしやすい）
　　ベースを踏んだ後は、打者走者と交錯しないよう
　　　　　　　　　　　　　　　　フェアグラウンド側に駆け抜ける。

　　緩いゴロの場合は先にベースに入ってからボールを受ける。　
　　打者アウト後、すぐに3塁進塁した2塁走者を確認する。
●　1塁送球時暴投対応のカバーリング　…　4・9
　　1の1塁ベースカバーが遅れている場合は、4が1塁ベースに入る。
●　2塁ベースのカバー　…　6
●　2塁送球時暴投対応のカバーリング　…　8
●　3塁ベースのカバー　…　5
　　打者がバントの構えをしたら前進するが、そうでなければあまり前に
　　出ず3塁ベースそばに構え、3塁ベースカバーに備える。
　　進塁した走者が飛び出した場合は、送球するよう声を出す。
●　3塁送球時暴投対応のカバーリング　…　7
●　本塁ベースのカバー　…　2
　　本塁を空けない状態にする（1塁送球のカバーリングはしない）。
　　全体の動きを確認し、必要な指示を出す。

二ゴロ（4→3）

各ポジションの動き

≪優先順位≫
　　　①　ゴロ捕球に対するカバーリング
　　　②　1塁送球に対するカバーリング
　　　③　3塁送球に対するカバーリング

●　ゴロを捕球し1塁へ送球　…　4
　　1塁送球のカバーリングは遅れてはいる9のみなので、慎重に送球する。
●　二ゴロ捕球時エラー対応のカバーリング　…　8・9
　　9は4の捕球確認後は1塁カバーリングにまわる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　遅れ気味になるが、必ず向かう。
●　1塁ベースに触れて送球を捕球　…　3
　　打球を追って1塁ベースに戻れない場合は、1に任せる。
　　送球が逸れても対応できる捕球体勢を取る。
　　　　　　　　　　　　　　（捕球優先、そのあとでベースに触れる）
　　捕球後、3塁進塁した走者の動きを確認する。
●　1塁送球時暴投対応のカバーリング　…　1・9
　　1は打球が一塁側に飛んだと同時に1塁ベースに向かう。
　　3が打球処理により1塁ベースから離れた場合、4からの送球を受ける。　
　　送球を受ける際は声を出し、球を投げて欲しいタイミングを指示する。
　　指示は、ベースを踏むより前にボールをもらうように出す。
　　　　　（ベースを踏む・ボールを受けるが同時だと、ミスしやすい）
　　緩いゴロの場合は先にベースに入ってからボールを受ける。　
　　打者アウト後、すぐに3塁進塁した2塁走者を確認する。
　　9のカバーリングはどうしても遅れ気味になるので全力で入る。
●　2塁ベースのカバー　…　6
●　3塁ベースのカバー　…　5
　　打者がバントの構えをしたら前進するが、そうでなければあまり前に
　　出ず3塁ベースそばに構え、3塁ベースカバーに備える。
　　進塁した走者が飛び出した場合は、送球するよう声を出す。
●　3塁送球時暴投対応のカバーリング　…　7
●　本塁ベースのカバー　…　2
　　本塁を空けない状態にする（1塁送球のカバーリングはしない）。
　　全体の動きを確認し、必要な指示を出す。

遊ゴロ（6→3）

各ポジションの動き

≪優先順位≫
　　　①　ゴロ捕球に対するカバーリング
　　　②　1塁送球に対するカバーリング
　　　③　3塁送球に対するカバーリング

●　ゴロを捕球し1塁へ送球　…　6
　　捕球後、2塁走者の動きをけん制してから1塁へ送球。
　　捕球時2塁走者が飛び出た場合は、タッチもしくは2塁・3塁へ送球。
●　遊ゴロ捕球時エラー対応のカバーリング　…　7・8
　　7は6が捕球したら、3塁送球のカバーリングにまわる。
●　1塁ベースに触れて送球を捕球　…　3
　　1塁ベースに入り、6からの送球に備える。
　　送球が逸れても対応できる捕球体勢を取る。
　　　　　　　　　　　　　　（捕球優先、そのあとでベースに触れる）
　　捕球後、3塁進塁した走者の動きを確認する。
●　1塁送球時暴投対応のカバーリング　…　1・9
　　1は打球を追った後、1塁ベースに向かう。
　　9は1がカバーに入りにくいため、重要なカバーリング、全力で入る。
●　2塁ベースのカバー　…　4
　　素早く入り、2塁走者をけん制する（リードを取らせない）。
●　3塁ベースのカバー　…　5
　　打者がバントの構えをしたら前進するが、そうでなければあまり前に
　　出ず3塁ベースそばに構え、3塁ベースカバーに備える。
　　進塁した走者が飛び出した場合は、送球するよう声を出す。
●　3塁送球時暴投対応のカバーリング　…　7
●　本塁ベースのカバー　…　2
　　本塁を空けない状態にする（1塁送球のカバーリングはしない）。
　　全体の動きを確認し、必要な指示を出す。

※　2塁走者が3塁に向かった場合（6→5）

強い打球だが2塁走者が飛び出し3塁に向かった場合は、3塁送球をして2塁走者をアウトにすることを狙います。
　　　　　　　　　　　（緩い打球・高いバウンドの時は状況判断が必要）
1塁送球時のフォーメーションとは、若干動きが変わります。

●　ゴロを捕球し3塁へ送球　…　6
　　5が3塁ベースに入る時のちょうど捕球できるタイミングで送球。
●　遊ゴロ捕球時エラー対応のカバーリング　…　8
　　6が捕球したら、2塁送球のカバーリングにまわる。
　　挟殺に備え、2塁後方あたりに立つ（通常のカバーリングより近め）。
●　3塁ベースに触れて送球を捕球　…　5
　　打者がバントの構えをしたら前進するが、そうでなければあまり前に
　　出ず3塁ベースそばに構え、3塁ベースカバーに備える。
　　送球が逸れても対応できる捕球体勢を取る。
　　　　　　　　　　　　　　（捕球優先、そのあとで走者にタッチ）
●　3塁送球時暴投対応のカバーリング　…　2・7
　　2は6と3塁ベースの延長線上に入り、暴投に備える。
　　7は遠いので、全力で入る。
●　1塁ベースのカバー　…　3
　　1塁ベースに入り、6からの送球に備える。二三塁間で挟殺になったら、
　　1塁に来た打者走者の動きに合わせ対応する。
●　1塁送球時暴投対応のカバーリング　…　9
●　2塁ベースのカバー　…　4
　　二三塁間での挟殺に備える。
●　本塁ベースのカバー　…　1
　　2が3塁送球のカバーリングに行き本塁ベースが空くため、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1が本塁ベースカバーに回る。

三ゴロ（5→3）

各ポジションの動き

≪優先順位≫
　　　①　ゴロ捕球に対するカバーリング
　　　②　1塁送球に対するカバーリング
　　　③　2塁・3塁送球に対するカバーリング

●　ゴロを捕球し1塁へ送球　…　5
　　捕球後、2塁走者の動きをけん制してから1塁へ送球。
●　三ゴロ捕球時エラー対応のカバーリング　…　6・7
　　5が捕球後、6はすぐに3塁ベースカバーに入る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　7は3塁送球のカバーリングに入る。
●　1塁ベースに触れて送球を捕球　…　3
　　送球が逸れても対応できる捕球体勢を取る。
　　　　　　　　　　　　　　（捕球優先、そのあとでベースに触れる）
　　捕球後、2塁走者の動きを確認する。
●　1塁送球時暴投対応のカバーリング　…　9
●　3塁ベースのカバー　…　5（・1）
　　5は打者がバントの構えをしたら前進するが、そうでなければ
　　あまり前に出ず3塁ベースそばに構え、3塁ベースカバーに備える。
　　進塁した走者が飛び出した場合は、送球するよう声を出す。
　　1は5の1塁送球の邪魔にならないようにし、
　　　　　　その際3塁ベースが空いている場合は3塁ベースに入る。
●　2塁ベースのカバー　…　4
　　素早く入り、2塁走者をけん制する（リードを取らせない）。
●　2塁送球時暴投対応のカバーリング　…　8
　　送球の延長線上に必ず入る。
　　　　カバーの位置が悪いと走者は本塁まで生還する可能性が出てくる。●　本塁ベースのカバー　…　2
　　本塁を空けない状態にする（1塁送球のカバーリングはしない）。
　　全体の動きを確認し、必要な指示を出す。

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