弥生時代から現代までは左脳重視の文明
これまで見てきた弥生以降の社会のありようは、縄文的ではなく、大陸発祥の左脳文明の特徴を有しています。
左脳文明とは、論理や言語の処理器官である左脳が優位の文明であり、言語やロゴス(論理)が重視されます。仏教や朱子学、キリスト教、さらには各種法令の難しい論理体系が、その典型です。
それに対し、右脳文明は、芸術・霊的な情報の処理器官である右脳が優位の文明であり、その代表格が縄文文明です。
土器を比べれば、
大陸の各種文明が左右均整で紋様も幾何学的であるのに対し、
縄文文明のみ左右非対称で紋様も芸術性重視である
ことに、左脳と右脳の性格の差異が如実に表れています。
縄文土器は均整がとれていませんが、多くの方を惹きつける何かがあります。
弥生土器は左脳文明です。
一方、茶の湯の茶碗には縄文的要素が濃厚に入ってきます。日本では、何度も縄文化のドライブがかかる時期があるようです。日本は、弥生時代以降も、世界で珍しく、右脳文明の要素が混入していると言えるかと思います。
左脳文明の行き詰まり
六千年前のメソポタミア に始まり、日本列島では三千年前に始まった階層化の文明、さらにはその根底にある左脳文明は、行き詰まりに直面しています。
・米中対立、国内の分断といった「対立」と、核戦争のリスク、
・また、地球環境の破壊による生存の問題
が二大問題です。
それは、左脳重視と人間ばかりに目を向ける文明の在り方に起因しています。
「対立」を必要とする左脳的な情報処理
左脳の情報処理は、「対立概念による理解」が基本です。男と女、昼と夜、高いと低い、内と外、といったように、物事を陽た陰に対立させることで左脳的な理解は深まります。
左脳的な文明には、その基盤に「対立」という思考プロセスが欠かせません。
このブログ記事も、「縄文社会」と「弥生以降の社会」という対立概念で書いています。それは、まだ左脳文明が基盤の社会においては、左脳的な理解が必要だからです。そのうち、縄文の遺伝子が。。。
この対立的に物事を理解するという思考の癖は、近代文明に特に顕著になっていて、
白人と有色人種や、二大政党制、右翼と左翼、自国と他国、ナショナリズムとグローバリズム、科学と迷信、文明と未開、東西冷戦、米中対立、
といったように(順不同)、「対立」が宿命付けられているかのような強迫観念で物事をとらえがちです。
そして、一方はもう一方を「悪」と断じて、自己の正当化を主張するのが常です。
つづく