「俺と付き合ってよ」
告白は突然に
少し前に、3回ぐらいリアルした相手に、突然告白された。
これまで、告白とは無縁に近い人生を送ってきた。
学生の頃から全くと言っていい程、モテとは程遠い生活を送り。
社会人になってからも、セックスの相手こそいれど、誰かに好かれるなんてことはなかった。
元来、好きという感情が分かりにく人間だと思っている。
誰かを好きになること、好かれること、そういう話がとても難しいことに感じるのだ。
こんなさみしいゲイとして生きていて、初めての告白に僕は相手がだれであれ嬉しいものだろうと思っていた。
しかし、実際はただ戸惑いしかなかった。
相手は少し年上の方。
1回きりの無味乾燥なワンナイトセックスを繰り返していた時。
初めて3回ぐらい会ってもいいかなと思えるような相手だった。
外見が特別タイプでも、セックスの相性がいいわけでもなかった。
ただ、なんとなく会話をして、話しやすいな。
それぐらいの感情を抱いていた。
わりと自分の事をぺらぺらしゃべるタイプの方で、あまり自分の事を話したくない自分にはちょうど良かったのかもしれない。
1回目のリアルは、相手の家に行って料理をごちそうになって、そのままセックスをした。
2回目のリアルも、同じような流れだった。
そして、3回目のリアルでセックスの後に、僕は告白された。
ゲイカップルが理解できないゲイ
告白をされた時の、率直な感想を言うと
「意味が分からない」
だった。
3回目のセックスの後に告白するような男とはどうなのか?
これまでのリアルで僕を好きなるような要素がどこにあったのか?
もしこのまま付き合ったとしてカップルとして何をするのか?
特に、最後の質問。
ゲイカップルとして何をするのか?
については、本当に意味が分からなかった。
誰かと特別な関係性になること
カップルとして2人で出かけたりすること
このさきの事を考えていくこと
そういった意味がゲイとして生きていくのに必要なことなのか意味が分からなかった。
どうして異性愛者のような生き方をすることを望んでいるのか。
普通のカップルとして生きていく意味とは?
仲がいいセフレとしての関係と何が違うのか?
ただ単にその相手と特別な関係になりたくないと思っていたのかもしれない。
友達に相談してみると
「とりあえず、悪くない人なんだったら付き合ってみれば」
などと言われる。
その意見には理解できるところがあった。
しかし、やはりカップルという縛りを作るというのが僕には意味が分からなった。
それは、たぶん想像ができないものだったからかもしれない。
今までゲイカップルというのは知識として知ってはいたが、自分が当事者となることを想像していなかった。
ゲイとして生きていた自分は、どこかで将来は誰とも一緒にならずにどこかで野垂れ死ぬだろいうという迷信がある。
また、どうせ1人の人と長続きしないだろうという確信もある。
誰かと別れたり、浮気されたり、裏切られたり
そういう事をしたり、するぐらいだったら、最初からそういう関係性をつくらなきゃいいと思っている。
これは、僕がただ傷つきたくないだけの、逃げともいえる。
気楽にカップルになれる人を尊敬する
結局、僕はその時に答えを出すことが出来なかった。
その人とはそれ以来、気まずくなり、今では連絡を取っていない。
僕は考えすぎなのだろうか?
だれかと一緒になることに対して、もう少し気楽に考えてみてもいいかもしれない。
今となっては、ゲイカップルとして生きることに少しの希望を見いだせてはいる。
だが、心の奥底ではどこかで、カップルの意味がまだ分からずにいる。
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