洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 日本の経験#72 鹿児島県 洋上風力発電“いちき串木野市沖合”情報提供見送り

2024-05-12 09:40:22 | 日記

 

2024年05月10日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#72 鹿児島県 洋上風力発電“いちき串木野市沖合”情報提供見送り]

新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、洋上風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

地元にこれらの情報が伝わっているのか理解に苦しみ、日本の洋上風力発電プロジェクトのプロモーションは、国民負担の賦課金を最初からあてにした”確信的背景”を想像させるものとなってきている。

2024年5月10日、NHKは、鹿児島県が洋上風力発電“いちき串木野市沖合”情報提供見送ったと伝えた。

国が導入の拡大を目指している洋上風力発電をめぐり、県は2024年5月10日、整備が検討されていたいちき串木野市の沖合について、地元の理解が十分に得られていないとし、国に今年は情報提供を行わないことを決めた。

脱炭素社会の実現に向けて、国は洋上風力発電の導入拡大を目指している。

県内では、薩摩半島の西方沖での建設が検討されていて、このうち、いちき串木野市が市の沖合からおよそ5キロ圏内を建設候補の海域として示したうえで、国に情報提供を行うよう県に提案していた。

県は、去年8月に設置した、周辺の自治体や地元の漁協などからなる研究会で4回にわたって協議を開き検討を重ねてきましたが、参加する団体からは建設による漁業や環境などへの影響を懸念し、情報提供に反対する声も上がっていた。

こうした中、計画を進めるうえで必要な情報を国に提供する今年の期限が5月10日までとなっていたが、県はいちき串木野市の沖合に関する国への情報提供を見送ったことを発表した。

情報提供を見送った理由として、県は「反対する意見があることを踏まえ、引き続き、研究会で議論を行い、関係者の理解を深める必要があると判断した」としている。

県が情報提供を見送ったことについていちき串木野市の中屋謙治市長は「大変残念だ。広い海域では理解を得るのが難しいため、漁協の理解も得ていちき串木野市の海域に絞ることでいけるんじゃないかと思ったがダメだった」と述べた。

そのうえで、「さらに関係者の理解を得て引き続き国に情報提供してもらえるよう働きかけていきたい」と、今後も洋上風力発電の実現に向けて取り組んでいく考えを示した。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 洋上風力発電と漁業 日本の... | トップ | 洋上風力発電と漁業 海外の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事