色々と考えさせられます | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 仙台の作家

 熊谷達也さん

 の

 気仙沼を舞台にした震災の小説です

 1部は2011年3月の仙台が舞台

 凄くリアルです

 私は津波被災地のまっただ中におりましたけど

 外にいた人からはこんな風に見えてたんだな

 そんなふうに大変だったんだな

 と別角度から見ることができました

 小説とはいえ、だいぶリアルな現実が入ってると思います

 

 もう日本中の誰もが、近い将来様々な災害に直面する可能性が高いと思うので

 災害があるとこんなことに困るとか、こんなものを準備しておくといい

 っていうことがよくわかると思います

 私もそうだよなって思いましたから

 

 2部は未来の物語

 防潮堤について、漁村の未来、子供の未来について色々と考えさせられます

 ある意味、津波を描いた前半部分よりも怖い

 大きな課題を突き付けられたような気がしました

 

 

 さすが直木賞作家

 この本に限らず、どの作品も凄いなあと思います

 

 この方の筆を持ってすれば津波を体験した人から話を聞いて、津波とその後の被災地を描ききることもできたでしょうけど、あえてそうしなかったんだと思います

 直接の被災者じゃない自分は書くべきじゃない

 そう思われたか

 体験していない自分は真の被災を書けない

 と思われたんじゃないでしょうか

 

 

 私は津波やその後の被災地を実際に見て、体験しているので

 それを、これから災害に直面するであろう人達に文字にして伝えたい

 いや、死ぬ前に必ず書き残さなければならない

 と常々思っているんですけど

 なかなか筆が進まず

 

 仕事のせいということにしてますけど

 時間があれば書くかと言えば

 そういうわけでもなく

 

 


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