ここでは、英検に限らず、もう少し切り口を拡げ、「ためになる英語」について説明をしていきます。
英会話に関して「せめて日常会話くらいは」という声があります。日本人の多くが抱く願望でしょう。
しかし、日常会話とは何なのでしょうか。
たとえば、あいさつ。それは、日常会話と言うほどのものではないでしょう。
たとえば、天気の話や道案内。今どきは、スマホでわかるから、外国人も自分も使わないでしょう。
たとえば旅行英語。つまりホテルや飛行機、列車に関する情報伝達。こんなのも、お互いのスマホの外国語翻訳アプリを活用して済んでしまいます。
いや、そういった何か用を頼むとか、頼まれるとかではなく、相手と英語で気持ちの交換をしたいということなのでしょうか。
つまり、人が疲れていたら、自分事のように感じてあげるとか、人に無礼なことをされたら、その不満をきちんと言語化して伝える。そういう技術なのでしょうか?日常会話の意味するところは。
しかし、この気持ちの放出や気持ちの受け止めこそが、言語のやりとりとして最も難しいものなのでは、ないでしょうか。
たとえば、同じ言語を使う日本人同士で仮定して考えてみましょう。親子の関係でもいい、職場の上司・部下でも夫婦でも恋人の関係でもいいのです。
今朝起きた時から今まで、その関係においてどのくらいの気持ちの交換をしたでしょうか?
そして、それは、本当にきちんと言語化され、きちんと相手に届いていたでしょうか。
いや、伝わればいいでしょ、では足らないのです。届いたこと、届いたことによって、相手の行動なり態度が変わってこそ始めて本当に気持ちの、感情のやりとりになったということなのです。
日本語の場合は、あうんの呼吸と言うか、「空気」や「雰囲気」のやりとりであり、言語化による気持ちの交換は、思ったほどされていないのが実状ではないでしょうか。
ましてや、文化とか歴史が異なる相手を前にしての、外国語を使っての気持ちのやりとりなのです。
それが、どうしてカンタンでしょうか。
曲がりなりにも英検1級一発合格、ここ数年の間、欧米系の人間と会話をしたりメールのやりとりをしたことはしたものの、そんな気持ちの交換ができた(と思った)ことは、ほとんどありません。
というわけで、良く言われるところの「英会話=日常会話さえできたら願望」は、考え直した方がいいのではないでしょうか。
以上、あなたの英語学習のヒントになれば幸いに思います。