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【管理栄養士が教える】食事でのフレイル予防ポイント『8つ』

「食事でフレイル予防をするにはどうしたらいいの?」

といったお悩みはありませんか?

この記事では、食事でのフレイル予防ポイントを8つお話しします。

フレイルとは

フレイルとは、加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態である。

「フレイルの意義」荒井 秀典,日本老年医学会雑誌 51巻 6 号(2014:11)

加齢により、筋力の低下や消化・吸収機能の低下が生じ、

活動量や食事摂取量が減少することで、何らかの病気になりやすくなってしまうことです。

フレイルについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

フレイルの特徴と原因、チェック方法を解説【管理栄養士】

フレイルは、運動と栄養により予防できることが明らかになっています。

以下内容にて、栄養面での予防ポイントを紹介します。

ただし、栄養だけでは予防することができませんので、運動も取り入れるようにしましょう。

ポイント① たんぱく質をしっかり摂ろう

フレイル予防には、筋力の維持・増強が必要になってきますが、

運動に加えて、筋肉のもととなるたんぱく質の摂取も大切になってきます。

たんぱく質とは、肉や魚などに多く含まれている栄養素で、筋肉や血液などを構成する役割があります。

摂取量は、約60~80g/日が目安です。

肉や魚、卵、大豆製品をメインとした料理を「主菜」として取り入れると良いでしょう。

また、手軽に摂れる牛乳などの乳製品を活用したり、

たんぱく質多めのお菓子を間食で取り入れるなどすると良いでしょう。

以下でたんぱく質の入っている栄養補助食品をまとめています。興味のある方はご覧ください。

【たんぱく質補給】管理栄養士おすすめ栄養補助食品《9選》

ポイント② ビタミンDをしっかり摂ろう

さけ、きのこ類、いわし(丸干)、さんま

ビタミンDは筋肉の萎縮を抑制し、高齢者のサルコペニアを予防・改善します。※1

フレイルはサルコペニアと深い関わりがあることから、サルコペニア対策の栄養療法はフレイルにも有効とされています。

摂取量は、8.5μg/日以上摂るようにしましょう。

鮭やきのこ類に多く含まれていますが、摂りづらい栄養素でもあるので栄養補助食品などの活用もおすすめです。

ポイント③ 主食・主菜・副菜を意識してバランスよく摂ろう

主食・主菜・副菜を意識して摂るようにすると、

主食で「炭水化物」

主菜で「たんぱく質」「脂質」

副菜で「ビタミン」「ミネラル」

の栄養素を摂ることができ、栄養バランスが整います。

これらは五大栄養素とも呼ばれており、元気に体を動かすために大切な栄養素です。

ポイント④ 朝・昼・夕の3食摂ろう

朝・昼・夕の3食摂ることで、エネルギー不足の心配が減ります。

エネルギーが不足すると、活動量の低下や筋力の低下に直結しますので、しっかり摂るようにしましょう。



また、フレイルでは高血糖との関連が示されていますが、

朝・昼・夕の3食に分けて食事を摂ることで、血糖コントロールがしやすくなります。

朝食を取ることが難しい場合でも、ヨーグルトや野菜ジュースなど少量でもいいので食べるようにしましょう。

ポイント⑤ 1日30品目を意識しよう

毎朝同じメニューを食べている人はいませんか?

料理を作るのが面倒で、昼と夕で同じものを食べていませんか?

カップ麺や、パン、コンビニ弁当で済ませていませんか?

朝食の固定化や、中食の活用により、同じような食品の摂取が続くと、特定の栄養素が不足してしまう可能性があります。

そんな方は、1日30品目を意識してみてください。

そうすることで、栄養素の偏りを防ぐことができます。


3食自炊をしている方の場合、意外と1日30品目摂れていることが多いです。

毎日違う料理を作るのも大変化もしれませんが、いろいろな食材を食べてみてください。

ポイント⑥ しっかり噛んで食べよう

加齢により、噛む力が衰えてきてしまいます。

また、歯の欠損が進み、硬い食べ物が食べにくくなっている方もいると思いますが、

そのような方でも、しっかり噛んで食べるようにしましょう。

あえて硬い物を選ばなくても、軟飯を1口で30回以上噛むようにするなどでも大丈夫です。

しっかり噛むことで、口やあごの筋力が鍛えられます。

そうすることで、食事を楽しめることができ、栄養素も補給しやすくなります。

ポイント⑦ 家族や友人との食事、または外食をしよう

フレイルは孤独によっても進行しやすいとされています。

家族や友人と食事を取る機会を増やして孤食を避けるようにしましょう。

また、外食に行って、にぎやかな雰囲気の中で食事を取るなども良いでしょう。

楽しい食事の時間は食欲を増進させてくれます。

ポイント⑧ 栄養補助食品を活用しよう

(出典:amazon.co.jp

食事を十分にとることができない方や、栄養バランスの偏りを直せない方は、

栄養補助食品の活用も検討しましょう。

栄養補助食品には、「エネルギー補給用」「ビタミン・ミネラル補給用」など、様々な用途に合わせた商品があるため、

自分に合った商品を選ぶことで簡単に栄養を補給することができます。

※ここでいう栄養補助食品とは、病者・高齢者向きの食品のことであり、サプリメントではありません。

しかし、栄養補助食品を取り入れたからといって健康になる、ということではありません。

あくまで日々の食事は、主食・主菜・副菜を意識してバランスの良い食生活を心がけてください。

まとめ

フレイル予防では、以下の8つのポイントがあります。

①たんぱく質をしっかりと
②ビタミンDをしっかりと
③主食・主菜・副菜を意識したバランスの良い食事
④朝・昼・夕の3食摂る
⑤1日30品目を意識する
⑥しっかり噛んで、口回りやあごの筋肉を維持する
⑦家族や友人との食事、または外食で孤食を回避
⑧栄養補助食品の活用

①~⑧のうち、2つ以上かけるとフレイル予防ではなくなります。

難しいかもしれませんが、すべてできるように心がけることが大切です。
(栄養補助食品の活用は、その人の栄養状態や体型による)




栄養補助食品について
医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。

参考

食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業(厚生労働省)

※1 ビタミンDは筋肉の萎縮を抑制し、高齢者のサルコペニアを予防・改善する(一般社団法人Jミルク)