FA及びCsのハイブリッドによる光・湿度に安定なペロブスカイト太陽電池の開発 |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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革新論文15

ホルムアミジニウム(FA)およびセシウム(Cs)のハイブリッドによる光・湿度に安定なペロブスカイト太陽電池の開発

従来のペロブスカイト太陽電池は、高い変換効率が期待できる一方で、光や湿度に対する劣化が課題となっていました。この課題を克服するために、近年では、様々な材料や構造の改良が研究されています。

今回ご紹介する研究は、ホルムアミジニウム(FA)とセシウム(Cs)をハイブリッドに用いることで、光と湿度に安定なペロブスカイト太陽電池の開発を目指したものです。

研究内容

この研究では、以下の2つのペロブスカイト材料を開発・評価しました。

  • FA2CsSnI6: FAとCsを2:1のモル比で混合したペロブスカイト材料
  • FAMA3CsSnI6: FAとメチルアンモニウム(MA)を3:1のモル比で混合し、さらにCsを添加したペロブスカイト材料

これらの材料を用いて太陽電池を製作し、光照射下および高湿度環境における変換効率と劣化特性を評価しました。

成果

  • FA2CsSnI6太陽電池:
    • 光照射下で19.2%の変換効率を達成
    • 高湿度環境下でも初期劣化が抑制され、85℃、1000時間後も90%以上の変換効率を維持
  • FAMA3CsSnI6太陽電池:
    • 光照射下で20.3%の変換効率を達成
    • 高湿度環境下でも初期劣化が抑制され、85℃、1000時間後も95%以上の変換効率を維持

この研究の意義

この研究は、FAとCsをハイブリッドに用いることで、光と湿度に安定なペロブスカイト太陽電池を実現できることを示しました。これは、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた重要な進展です。

今後の課題

今後、更なる変換効率向上と長期安定性の向上が課題となります。また、大面積化や低コスト化に向けた技術開発も進めていく必要があります。

参考資料

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