リニア中央新幹線工事で水が枯渇 | 晴れのち曇り時々Ameブロ

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先日、岐阜県内のトンネル工事により井戸と溜池の一か所が枯渇したとのことですが、それはリニア新幹線に限らず一般国道のトンネル工事でも時々あります。
代表的なものだと、長野県と岐阜県を結ぶ安房トンネル。
直上に位置していた湿原が枯渇したというのは、登山者の間では有名な話。
今回は湿原ではなく溜池のようですが、特に井戸や温泉は大規模トンネル工事の影響を受けやすいですね。
掘削中に地下の水脈に当たってしまうと、その水脈から上げていた井戸水や温泉水は当然枯れてしまう。
湿原や溜池も、掘削工事の振動により岩盤にひび割れが入ると、そこから抜けやすくなるという事もあるのかもしれません。

ただ、この話と静岡県内で起きている大井川の水問題は一緒くたにしないほうがよいと思います。
例えば、安房トンネルの工事で直上の湿原は消失したけれども、その山域を水源としている梓川の水が減少したかと言うとそういう訳でもないですし、群馬と新潟を結ぶ上越新幹線の大清水トンネル工事で利根川の水が減少したという話も聞いていません。
以前にも書きましたが、河川の水というのは、山に降った雨水や雪解け水が谷筋や地表面を流れて集まったもの。
分かりやすい話、地下水ではないのですよ。
静岡県の柿田川等、溶岩流由来の稀なケースはありますが、一般的には地下深くに浸透した地下水が重力に逆らって再び川へ戻ることはないです。

以前、大井川の水問題に触れた際、川の水よりも山梨県内にある温泉の心配をしたのはそんな理由から。
今回の岐阜県内の事例もそうですが、地下深くにある井戸や温泉水は影響を受けやすいということ。
特に地下水に関しては注意が必要で、一般家庭なら水道水への切り替え等、施工側でも対応は可能ですが、製紙会社や紡績会社などは地下水の枯渇が死活問題に直結するので・・・
当然、工事をする側も考えながら計画を立てているとは思うのですが、とりあえず河川の水問題と地下水の問題は混同するべきでないですね。
何百年何千年掛けて少しずつ溜まっていった井戸や温泉には限りがあるので、トンネル工事の影響以外でも需要が供給を上回れば当然枯渇していまいます。
使い過ぎにより、井戸水や温泉水が出なくなったというのはよくある話。
この手の問題は、報道する側もそれを受け取る側も、主観的ではなく客観的に捉えたほうがよいですね。



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