あじろのあじと

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あじろのあじと
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オリジナル小説ブログ。恋愛小説「なのなのな」更新中。
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※最新の記事

  • 小説家になろうへの移転
    「小説家になろう」に作品を徐々に移していきます。理由は、あちらですと縦書きで読むことができるからです。私は縦書きで書いているので、読んでいただく時も縦書きで読んでいただきたいと思いました。もちろん、横書きで読んでいただいても構いませんが、自…08月02日 19時07分
  • あとがき
    いろいろなものを試みた作品でした。思いついてから構成を考えて、書いて、校正して……。数年はかかってしまった作品です。必ずしも満足のいく出来とはなりませんでしたが、八割型の出来で手放すのがよいとどこかで聞いたことがあるので、手放すことにしまし…08月02日 18時52分
  • 第7章 解決編(8)
    海の推理力を疑うわけではないが、幸子の言う通り、旧校舎にいた市川に七美を殺せたはずはない。空は海に不安げな表情を投げかけた。しかし、海は毅然とした態度で市川を見据えている。「校舎の中を歩いていくとしたら不可能です。でも、もし近道を通ったとし…08月02日 18時44分
  • 第7章 解決編(7)
    「恐るべき犯行です。完全犯罪といってもよかった。誰も、目の前にある骨格標本が殺された人間だとは考えもしないでしょうから。でも気づいた人間がいた――」「それは誰だ?」 しばらくの沈黙の後、声を絞り出した安達が恐る恐る尋ねた。「今回の連続殺人事…07月30日 12時13分
  • 第7章 解決編(6)
    「二十年前、津田沼校長は、当時学園で英語教師をしていた宮内理恵という女性を殺しました」「宮内先生のことなら――」 富岡は記憶を探るように目を細めた。「失踪したと聞いているが。秋ごろだったか、週明けに出勤してこなかったので騒ぎになったが、家族…07月30日 12時13分
  • 第7章 解決編(4)
    「それで、死体はどこにあるんだ」 安達だけがせわしなく部屋の中を歩き回っている。「死体ならそこに」「何だと」 海の指した方角へと安達は駆け寄っていった。コンクリートの壁にそって段ボールが数箱重ねて並べられてある。その足元には白い物が横たわっ…07月29日 18時11分
  • 第7章 解決編(3)
    海と陸は、柱から外れたベンチの背もたれと柱の間に体を入れ、ベンチを押し始めた。ベンチはゆっくりと回転し、柱の足元にはぽっかりと暗い穴が開いていた。「ここが開かずの間への入り口です」 富岡が覗き込んだのを皮切りに、各々は恐る恐る穴をのぞきこん…07月29日 18時10分
  • 第7章 解決編(1)
    「ここ、八角の間では不思議な出来事が語られています。創立者の幽霊が徘徊するだの、日本兵が周回するだの、異次元につながっているだの……。八角形の広間という珍しさも手伝っているのでしょう。二十年前、中等部一年の笹木弘明くんが行方不明になった時も…07月28日 18時12分
  • 第7章 解決編(1)
    海に呼び出され、八角の間にむかうと、すでに何人かの関係者が集まっていた。 校長業務で忙しいのにと、富岡校長はイライラと足を踏み鳴らしている。富岡に、何の用なのかと詰め寄られた安達刑事は、自分も海に呼び出された口だからと困った表情を浮かべるば…07月27日 18時16分
  • 第6章 怪談の呪い(12)
    井戸から救出された空と陸は、海が呼んだ救急車で病院へと連れていかれた。 井戸に落ちたということになっている空と陸は、レントゲンだのCTだのといった検査を受けさせられた。井戸に落ちたのは嘘だとしても、頭を殴られたことに変わりなかった二人は、頭…07月26日 19時11分
  • 第6章 怪談の呪い(11)
    くぐもってはいたが、それは海の声だった。 鉄の扉を隔てた向こうに海がいる。 空と陸は声の限りに叫んだ。「海! 私たち、開かずの部屋に閉じ込められたの! お願い、助けにきて!」 海に聞こえるよう、空は一言ずつ、はっきりと大きな声で売った、「開…07月25日 18時19分
  • 第6章 怪談の呪い(10)
    空はすぐには陸の言うことが理解できなかった。「いいか、ボイラー室だった地下倉庫の入り口は閉じられてしまった。唯一、煙突からなら地下倉庫へ入ることができる」「……煙突から地下倉庫へ入るのは無理だと思う」「そうだろ? なのに俺たちは今、その地下…07月25日 18時18分
  • 第6章 怪談の呪い(9)
    後を追ってたどり着いたのは北東側の旧校舎の裏手だった。正面からみると旧校舎の屋根の上の左隅にはえているように見える煙突が、裏に回ると真っ直ぐ地面から伸びているとはっきりとわかる。「ここが入り口さ」 陸はいまにも雨粒の落ちてきそうな空を仰いだ…07月24日 16時22分
  • 第6章 怪談の呪い(8)
    「開かずの部屋、どこだかわかったぜ」 自信満々に陸がそう言うものだから、空はいそいそと後をついていった。「文も読めって海の奴が言うからさ、俺、例の学園の歴史についての本をこっそり読んだんだ」「まさか、開かずの部屋について書かれてあったなんて…07月23日 13時49分
  • 第6章 怪談の呪い(7)
    「なんだよ、海のやつ。トイレか?」 ぶつくさ言いながら、陸は海が置いていった本を取り上げ、ページをパラパラとめくった。「へえ、おもしれえ!」 ちょうど本の中央部分、紙質が別のものに変わって写真が掲載されているページを見開き、陸は空の目の前に…07月22日 17時15分
  • 第6章 怪談の呪い(6)
    殺された篤史が知ったという七つ目の怪談の元ネタは二十年前の出来事にヒントがありそうだと、空はマスメディア部の資料を調べ尽くした。はたして、二十年前の秋から冬にかけてに発行された学園新聞には一連の事件について、おもしろおかしく取り上げられてあ…07月21日 17時11分
  • 第6章 怪談の呪い(5)
    「寺内くんが最近借りた本を知りたいの?」「はい。面白い本を見つけたから、次読んでみろって言われてたんですけど、ああいうことになってしまって。彼、何の本を読んでいたかは言わなかったから……」 篤史とさも仲がよかったかのようにふるまう海の演技力…07月20日 19時01分
  • 第6章 怪談の呪い(4)
    真に受けた空と海に対し、陸は懐疑的な眼差しを真澄に向け「オヤジ、作り話じゃねえだろうな」「そんなわけあるか。お前たちの話を聞いていて思い出したんだ。俺たち――俺と空ちゃんとこのパパとママだが――が高校三年の時だから、二十年ぐらい前の話だな。…07月19日 17時42分
  • 第6章 怪談の呪い(3)
    生物室で発見された死体が篤史だと知って動揺を隠しきれず、空は顔を両手で覆った。「そんな……まさか、七つ目の怪談を知ったからっていうんじゃ……」「どういうことだ、それ?」 眠気の吹き飛んだ陸が食いつき、海も膝の間から顔をあげて、空を見上げた。…07月19日 17時41分
  • 第6章 怪談の呪い(2)
    部活の朝練はおろか、その日の授業も中止になり、生徒たちはただちに下校するようにとの指示が出された。休校になったと電車に乗ったところで知った空は次の駅で降り、御藏家へむかった。 陸は遅刻する気だったらしく、パジャマ姿に寝グセのついた髪で空を迎…07月18日 17時35分
  • 第6章 怪談の呪い(1)
    梅雨時はどうしたってにおいが内にこもる。鉄筋コンクリートの新校舎よりは木造の旧校舎の方が屋内の空気が澱む。湿気を帯びた床や階段や階段の手すりから、黴臭いにおいが立ちのぼるからだ。 古い本をめくっているかのようなそのにおいが幸子は嫌いではなか…07月18日 17時34分
  • 第5章 消える人々(10)
    希美は首を折ってうなずいた。その姿はまるでしなだれた白バラのようだった。「私たち……私と松戸先生とは確かに自習室にいました。あの日、相馬さんが襲われたその時です。彼の奥さんが浮気を疑っていて、残業という言い訳が使えなくなって私たちは学園の外…07月17日 11時59分
  • 第5章 消える人々(9)
    カーテンの仕切りの隙間からそっと様子をうかがうと、希美は佳苗に支えられて、ベッドの上に上半身を起こしていた。「起きて大丈夫ですか?」 空はベッドから起きて、希美のベッドの足元に立った。「何があったのかしら。私、確か、授業をしていたと思うんだ…07月17日 11時58分
  • 第5章 消える人々(8)
    さながら倒壊するビルのごとく、希美の体が空の目の前で崩れ落ちていった。 とっさに椅子から立ち上がり、空は教壇に倒れ落ちていく希美の体を支えようとした。希美は小柄で華奢な体格をしていたが、力を失った体は容赦なく空にのしかかって来、空は重力の力…07月16日 13時10分
  • 第5章 消える人々(7)
    八角の間で幽霊を見たと言っている生徒が誰かは思いがけない形で判明した。噂話を誰から聞いたのかをたどっていった結果、中等部一年の男子生徒が噂の発信源だと判明した。 しかし、空はほんの少し、彼にたどりつくのが遅かった。 幽霊、もしかしたら七美を…07月15日 17時27分
  • 第5章 消える人々(6)
    「そういえば、行方不明になった生徒ってまだ見つからないの?」 珍しく家族そろって夕食の食卓を囲んでいた時だった。華がふと思い出したように空に尋ねた。中等部一年生・中山淳が行方不明になってから数日が経っていた。 行方不明というが、行方不明にな…07月14日 17時59分
  • 第5章 消える人々(5)
    「でも、海、私はやっぱり松戸先生が怪しいと思うの」 空は八角の間に出現した幽霊の話をした。それから、目撃された幽霊というのは実は七美を襲った犯人ではないかという篤史の推理を披露した。 海は幽霊すなわち犯人説に特に異論を唱えなかった。「この間…07月13日 17時23分
  • 第5章 消える人々(4)
    「どう思う?」 空は海の横顔を覗き込んだ。 登校するなり、空は陸を連れて海のクラスへとかけこんだ。そのまま、海を引きずるように連れて屋上へとあがっていった。朝の礼拝はとっくに始まっているだろう。しかし、それどころではなかった。 津田沼校長が…07月13日 17時21分
  • 第5章 消える人々(3)
    陸たちが走り去ってみると、たちまち喧騒が引き潮のように新校舎の奥へと遠ざかっていった。 空は教室には戻らず、新校舎二階にある自習室を目指した。教室に戻っても、授業をボイコットした生徒たちのおしゃべりに付き合わされるだけだろうと踏んだからだ…07月12日 18時07分
  • 第5章 消える人々(2)
    朝の礼拝後、講堂から戻ってくると、ほとんどの生徒が教室に居残っていた。一限目は生物で、その日は生物室で授業を受ける予定になっているというのに、誰も移動する気配がない。「今日の生物の授業、生物室だよ。はやくいかないと遅刻扱いになるって」 空…07月12日 18時06分
  • 第5章 消える人々
    八角の間には霊が出る。創立者の霊だったり、日本軍の兵士だったり、出没するものに一貫性はないが、とにかく何かが出る、それが八角の間にまつわる怪談だ。八角形という形の珍しさ、昼間でも薄暗い場所であることなどから、“何か”が潜んでいそうだと思わ…07月11日 16時25分
  • 第4章 嘆きのマリア(7)
    「職員室にいたなんて嘘だな」 松戸の去っていく背中にむかって、陸は呟いた。 市川と別れ、三人はマリアの祠へと向かっていった。「白石先生がひどく怖がっていたというのは本当だろう。ただ、“職員室で”でないだけで」「海は、松戸と白石が一緒にいた…07月10日 13時54分
  • 第4章 嘆きのマリア(6)
    「マリアの祠に行ってはいけませんか」 陸が噛みつくと、松戸はまるで獲物を狙うフクロウのように大きな目をぎょろつかせ、「どういう場所か知らないとは言わせないぞ」「どういう場所なんです?」 海が不思議そうな顔で尋ねた。 驚いたのは松戸だけでは…07月10日 13時52分
  • 第4章 嘆きのマリア(5)
    テニスコートの隅に、学園を取り囲む生垣に埋もれるようにしてコンクリートの小さな建物がある。高さ一メートルほど、かまくらのような形をしていて、生垣にむかって入り口が設けられている。中には記念礼拝堂のマリア像を模倣した小さなマリア像が祭られて…07月09日 13時33分
  • 第4章 嘆きのマリア(4)
    「空ちゃんにもらって欲しいものがあるの」 山下夫人はテーブルの上に桐の小箱を差し出した。「聖歌が好きだった珊瑚の帯留めなの。あの子が二十歳になったらあげようと思っていたのだけれど……」 促されて箱を開けると、花模様の帯留めが綿布団の上に鎮…07月08日 19時31分
  • 第4章 嘆きのマリア(3)
    デジャブだった。 制服姿ですすり泣く生徒たち、遺族にむかって深々と頭を下げる学園関係者たち……。何もかもが七美の葬式を思い起こさせた。聖歌の遺影でさえ、七美を思い出させた。長い黒髪、花開かんとする蕾のような可憐な笑顔――仲のよかった聖歌と…07月07日 19時06分
  • 第4章 嘆きのマリア(2)
    ケータイが鳴った。翌日の授業の用意をして後は寝るだけという時間に、知らない番号だった。ためらいながら出てみると、聖歌の母親、山下夫人からだった。遅い時間に申し訳ないと言い、山下夫人は本題を切り出した。「聖歌、そちらにお邪魔していないかしら…07月06日 19時00分
  • 第4章 嘆きのマリア(1)
    風呂を使ったなり、聖歌は自分の部屋へとまっすぐに引き上げていった。急がなければ。 いつもならすぐにベッドにもぐりこむところだが、今夜はパジャマではなくてデニムとTシャツに着替えている。 たった今あがってきたばかりの階段を忍び足で降りていく…07月06日 18時58分
  • 第3章 トイレの紙さま(10)
    事件以来、聖歌は学園を休んでいた。幼稚舎の頃からずっと一緒にいて人生の半分以上の時間を一緒に過ごしてきた仲の親友が殺されたのだから、ショックを受けて不登校になるのも無理もない。 聖歌の様子が気がかりで、放課後、空は聖歌の家を訪ねた。 もと…07月05日 16時41分
  • 第3章 トイレの紙さま(9)
    「全学年の時間割。浅見さんにお願いしてもらったの」 時間割をみながら、空は見取り図の上に教科担当の教師の名前を次々に書きこんでいった。「授業で教室にいた先生と生徒は全員アリバイがあるとみなすってわけだ」 次々と書きこまれていく名前をみなが…07月04日 13時25分
  • 第3章 トイレの紙さま(8)
    「そういえば、空ちゃん、確かマスメディア部だったわよね?」 放課後、事務室を出て行こうとした空は、幸子に呼びとめられた。全クラスの時間割をもらいにいった帰りだった。「はい、そうですけど」「ホームページで変更してもらいたい箇所があるんだけど…07月03日 11時42分
  • 第3章 トイレの紙さま(7)
    「海!」 海の背中目がけて声を投げかけても、海は振り返りもせず、ひたすら前を向いて歩き続けていた。 空はスピードをあげた。体育館にやってくる生徒たちの人並みをかきわけ、やっと追いついた海の腕を引くと、海は幽霊にでも出会ったかのように驚いて…07月02日 10時20分
  • 第3章 トイレの紙さま(6)
    「私と同じクラスで、叫び声を聞いた生徒がいるんですか?」 安達の気のゆるんだ隙をとらえ、空は尋ねた。警察の事情聴取と聞いて、それなら逆に情報を収集してやろうと企んだ空は、事情聴取に素直に応じるふりで、自分が質問する隙をずっとうかがっていた…07月02日 10時18分
  • 第3章 トイレの紙さま(4)
    翌日、七美が襲われた日について警察が生徒から話を聞きたがっているというので、全校生徒を体育館に呼び出しての聞き取り調査が行われた。 体育館内に机と椅子とが置かれ、刑事たちが生徒の話を聞きながらしきりとメモを取っている。生徒たちは一列に並び…07月02日 10時16分
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    オリジナル小説ブログ「あじろのあじと」へようこそ。つたない作品ではありますが、楽しんでいただけましたら幸いです。【詩】熱情のあとに / あなたに似た人 / 愛するということ / 優しい雨 / 初恋 / 欲望 / あなたでなければ【小説】キ…07月01日 18時11分
  • 第3章 トイレの紙さま(4)
    ケータイで他のクラスや部活の後輩たちとやり取りして得た情報を整理すると、七美は血まみれでトイレの床に倒れているところを発見されたという話だった。どうやら刃物で切り付けられたらしい。七美を発見したのは、PC教室のとなりにある化学実験室で授業…07月01日 18時10分
  • 第3章 トイレの紙さま(3)
    午後の授業はすべて取りやめになった。迎えに来た保護者に連れられ、生徒たちは沈痛な面持ちで下校していった。 何者かによって生徒が襲われたという事だけで詳しい事情を聞かされなかったが、それまでには情報を交換しあって、襲われたのはC組の相馬七美…07月01日 18時09分