あじろのあじと

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あじろのあじと
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オリジナル小説ブログ。恋愛小説「なのなのな」更新中。
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※最新の記事

  • 第6章 怪談の呪い(11)
    くぐもってはいたが、それは海の声だった。 鉄の扉を隔てた向こうに海がいる。 空と陸は声の限りに叫んだ。「海! 私たち、開かずの部屋に閉じ込められたの! お願い、助けにきて!」 海に聞こえるよう、空は一言ずつ、はっきりと大きな声で売った、「開…07月25日 18時19分
  • 第6章 怪談の呪い(10)
    空はすぐには陸の言うことが理解できなかった。「いいか、ボイラー室だった地下倉庫の入り口は閉じられてしまった。唯一、煙突からなら地下倉庫へ入ることができる」「……煙突から地下倉庫へ入るのは無理だと思う」「そうだろ? なのに俺たちは今、その地下…07月25日 18時18分
  • 第6章 怪談の呪い(9)
    後を追ってたどり着いたのは北東側の旧校舎の裏手だった。正面からみると旧校舎の屋根の上の左隅にはえているように見える煙突が、裏に回ると真っ直ぐ地面から伸びているとはっきりとわかる。「ここが入り口さ」 陸はいまにも雨粒の落ちてきそうな空を仰いだ…07月24日 16時22分
  • 第6章 怪談の呪い(8)
    「開かずの部屋、どこだかわかったぜ」 自信満々に陸がそう言うものだから、空はいそいそと後をついていった。「文も読めって海の奴が言うからさ、俺、例の学園の歴史についての本をこっそり読んだんだ」「まさか、開かずの部屋について書かれてあったなんて…07月23日 13時49分
  • 第6章 怪談の呪い(7)
    「なんだよ、海のやつ。トイレか?」 ぶつくさ言いながら、陸は海が置いていった本を取り上げ、ページをパラパラとめくった。「へえ、おもしれえ!」 ちょうど本の中央部分、紙質が別のものに変わって写真が掲載されているページを見開き、陸は空の目の前に…07月22日 17時15分
  • 第6章 怪談の呪い(6)
    殺された篤史が知ったという七つ目の怪談の元ネタは二十年前の出来事にヒントがありそうだと、空はマスメディア部の資料を調べ尽くした。はたして、二十年前の秋から冬にかけてに発行された学園新聞には一連の事件について、おもしろおかしく取り上げられてあ…07月21日 17時11分
  • 第6章 怪談の呪い(5)
    「寺内くんが最近借りた本を知りたいの?」「はい。面白い本を見つけたから、次読んでみろって言われてたんですけど、ああいうことになってしまって。彼、何の本を読んでいたかは言わなかったから……」 篤史とさも仲がよかったかのようにふるまう海の演技力…07月20日 19時01分
  • 第6章 怪談の呪い(4)
    真に受けた空と海に対し、陸は懐疑的な眼差しを真澄に向け「オヤジ、作り話じゃねえだろうな」「そんなわけあるか。お前たちの話を聞いていて思い出したんだ。俺たち――俺と空ちゃんとこのパパとママだが――が高校三年の時だから、二十年ぐらい前の話だな。…07月19日 17時42分
  • 第6章 怪談の呪い(3)
    生物室で発見された死体が篤史だと知って動揺を隠しきれず、空は顔を両手で覆った。「そんな……まさか、七つ目の怪談を知ったからっていうんじゃ……」「どういうことだ、それ?」 眠気の吹き飛んだ陸が食いつき、海も膝の間から顔をあげて、空を見上げた。…07月19日 17時41分
  • 第6章 怪談の呪い(2)
    部活の朝練はおろか、その日の授業も中止になり、生徒たちはただちに下校するようにとの指示が出された。休校になったと電車に乗ったところで知った空は次の駅で降り、御藏家へむかった。 陸は遅刻する気だったらしく、パジャマ姿に寝グセのついた髪で空を迎…07月18日 17時35分
  • 第6章 怪談の呪い(1)
    梅雨時はどうしたってにおいが内にこもる。鉄筋コンクリートの新校舎よりは木造の旧校舎の方が屋内の空気が澱む。湿気を帯びた床や階段や階段の手すりから、黴臭いにおいが立ちのぼるからだ。 古い本をめくっているかのようなそのにおいが幸子は嫌いではなか…07月18日 17時34分
  • 第5章 消える人々(10)
    希美は首を折ってうなずいた。その姿はまるでしなだれた白バラのようだった。「私たち……私と松戸先生とは確かに自習室にいました。あの日、相馬さんが襲われたその時です。彼の奥さんが浮気を疑っていて、残業という言い訳が使えなくなって私たちは学園の外…07月17日 11時59分
  • 第5章 消える人々(9)
    カーテンの仕切りの隙間からそっと様子をうかがうと、希美は佳苗に支えられて、ベッドの上に上半身を起こしていた。「起きて大丈夫ですか?」 空はベッドから起きて、希美のベッドの足元に立った。「何があったのかしら。私、確か、授業をしていたと思うんだ…07月17日 11時58分
  • 第5章 消える人々(8)
    さながら倒壊するビルのごとく、希美の体が空の目の前で崩れ落ちていった。 とっさに椅子から立ち上がり、空は教壇に倒れ落ちていく希美の体を支えようとした。希美は小柄で華奢な体格をしていたが、力を失った体は容赦なく空にのしかかって来、空は重力の力…07月16日 13時10分
  • 第5章 消える人々(7)
    八角の間で幽霊を見たと言っている生徒が誰かは思いがけない形で判明した。噂話を誰から聞いたのかをたどっていった結果、中等部一年の男子生徒が噂の発信源だと判明した。 しかし、空はほんの少し、彼にたどりつくのが遅かった。 幽霊、もしかしたら七美を…07月15日 17時27分
  • 第5章 消える人々(6)
    「そういえば、行方不明になった生徒ってまだ見つからないの?」 珍しく家族そろって夕食の食卓を囲んでいた時だった。華がふと思い出したように空に尋ねた。中等部一年生・中山淳が行方不明になってから数日が経っていた。 行方不明というが、行方不明にな…07月14日 17時59分
  • 第5章 消える人々(5)
    「でも、海、私はやっぱり松戸先生が怪しいと思うの」 空は八角の間に出現した幽霊の話をした。それから、目撃された幽霊というのは実は七美を襲った犯人ではないかという篤史の推理を披露した。 海は幽霊すなわち犯人説に特に異論を唱えなかった。「この間…07月13日 17時23分
  • 第5章 消える人々(4)
    「どう思う?」 空は海の横顔を覗き込んだ。 登校するなり、空は陸を連れて海のクラスへとかけこんだ。そのまま、海を引きずるように連れて屋上へとあがっていった。朝の礼拝はとっくに始まっているだろう。しかし、それどころではなかった。 津田沼校長が…07月13日 17時21分
  • 第5章 消える人々(3)
    陸たちが走り去ってみると、たちまち喧騒が引き潮のように新校舎の奥へと遠ざかっていった。 空は教室には戻らず、新校舎二階にある自習室を目指した。教室に戻っても、授業をボイコットした生徒たちのおしゃべりに付き合わされるだけだろうと踏んだからだ…07月12日 18時07分
  • 第5章 消える人々(2)
    朝の礼拝後、講堂から戻ってくると、ほとんどの生徒が教室に居残っていた。一限目は生物で、その日は生物室で授業を受ける予定になっているというのに、誰も移動する気配がない。「今日の生物の授業、生物室だよ。はやくいかないと遅刻扱いになるって」 空…07月12日 18時06分
  • 第5章 消える人々
    八角の間には霊が出る。創立者の霊だったり、日本軍の兵士だったり、出没するものに一貫性はないが、とにかく何かが出る、それが八角の間にまつわる怪談だ。八角形という形の珍しさ、昼間でも薄暗い場所であることなどから、“何か”が潜んでいそうだと思わ…07月11日 16時25分
  • 第4章 嘆きのマリア(7)
    「職員室にいたなんて嘘だな」 松戸の去っていく背中にむかって、陸は呟いた。 市川と別れ、三人はマリアの祠へと向かっていった。「白石先生がひどく怖がっていたというのは本当だろう。ただ、“職員室で”でないだけで」「海は、松戸と白石が一緒にいた…07月10日 13時54分
  • 第4章 嘆きのマリア(6)
    「マリアの祠に行ってはいけませんか」 陸が噛みつくと、松戸はまるで獲物を狙うフクロウのように大きな目をぎょろつかせ、「どういう場所か知らないとは言わせないぞ」「どういう場所なんです?」 海が不思議そうな顔で尋ねた。 驚いたのは松戸だけでは…07月10日 13時52分
  • 第4章 嘆きのマリア(5)
    テニスコートの隅に、学園を取り囲む生垣に埋もれるようにしてコンクリートの小さな建物がある。高さ一メートルほど、かまくらのような形をしていて、生垣にむかって入り口が設けられている。中には記念礼拝堂のマリア像を模倣した小さなマリア像が祭られて…07月09日 13時33分
  • 第4章 嘆きのマリア(4)
    「空ちゃんにもらって欲しいものがあるの」 山下夫人はテーブルの上に桐の小箱を差し出した。「聖歌が好きだった珊瑚の帯留めなの。あの子が二十歳になったらあげようと思っていたのだけれど……」 促されて箱を開けると、花模様の帯留めが綿布団の上に鎮…07月08日 19時31分
  • 第4章 嘆きのマリア(3)
    デジャブだった。 制服姿ですすり泣く生徒たち、遺族にむかって深々と頭を下げる学園関係者たち……。何もかもが七美の葬式を思い起こさせた。聖歌の遺影でさえ、七美を思い出させた。長い黒髪、花開かんとする蕾のような可憐な笑顔――仲のよかった聖歌と…07月07日 19時06分
  • 第4章 嘆きのマリア(2)
    ケータイが鳴った。翌日の授業の用意をして後は寝るだけという時間に、知らない番号だった。ためらいながら出てみると、聖歌の母親、山下夫人からだった。遅い時間に申し訳ないと言い、山下夫人は本題を切り出した。「聖歌、そちらにお邪魔していないかしら…07月06日 19時00分
  • 第4章 嘆きのマリア(1)
    風呂を使ったなり、聖歌は自分の部屋へとまっすぐに引き上げていった。急がなければ。 いつもならすぐにベッドにもぐりこむところだが、今夜はパジャマではなくてデニムとTシャツに着替えている。 たった今あがってきたばかりの階段を忍び足で降りていく…07月06日 18時58分
  • 第3章 トイレの紙さま(10)
    事件以来、聖歌は学園を休んでいた。幼稚舎の頃からずっと一緒にいて人生の半分以上の時間を一緒に過ごしてきた仲の親友が殺されたのだから、ショックを受けて不登校になるのも無理もない。 聖歌の様子が気がかりで、放課後、空は聖歌の家を訪ねた。 もと…07月05日 16時41分
  • 第3章 トイレの紙さま(9)
    「全学年の時間割。浅見さんにお願いしてもらったの」 時間割をみながら、空は見取り図の上に教科担当の教師の名前を次々に書きこんでいった。「授業で教室にいた先生と生徒は全員アリバイがあるとみなすってわけだ」 次々と書きこまれていく名前をみなが…07月04日 13時25分
  • 第3章 トイレの紙さま(8)
    「そういえば、空ちゃん、確かマスメディア部だったわよね?」 放課後、事務室を出て行こうとした空は、幸子に呼びとめられた。全クラスの時間割をもらいにいった帰りだった。「はい、そうですけど」「ホームページで変更してもらいたい箇所があるんだけど…07月03日 11時42分
  • 第3章 トイレの紙さま(7)
    「海!」 海の背中目がけて声を投げかけても、海は振り返りもせず、ひたすら前を向いて歩き続けていた。 空はスピードをあげた。体育館にやってくる生徒たちの人並みをかきわけ、やっと追いついた海の腕を引くと、海は幽霊にでも出会ったかのように驚いて…07月02日 10時20分
  • 第3章 トイレの紙さま(6)
    「私と同じクラスで、叫び声を聞いた生徒がいるんですか?」 安達の気のゆるんだ隙をとらえ、空は尋ねた。警察の事情聴取と聞いて、それなら逆に情報を収集してやろうと企んだ空は、事情聴取に素直に応じるふりで、自分が質問する隙をずっとうかがっていた…07月02日 10時18分
  • 第3章 トイレの紙さま(4)
    翌日、七美が襲われた日について警察が生徒から話を聞きたがっているというので、全校生徒を体育館に呼び出しての聞き取り調査が行われた。 体育館内に机と椅子とが置かれ、刑事たちが生徒の話を聞きながらしきりとメモを取っている。生徒たちは一列に並び…07月02日 10時16分
  • 第3章 トイレの紙さま(4)
    ケータイで他のクラスや部活の後輩たちとやり取りして得た情報を整理すると、七美は血まみれでトイレの床に倒れているところを発見されたという話だった。どうやら刃物で切り付けられたらしい。七美を発見したのは、PC教室のとなりにある化学実験室で授業…07月01日 18時10分
  • 第3章 トイレの紙さま(3)
    午後の授業はすべて取りやめになった。迎えに来た保護者に連れられ、生徒たちは沈痛な面持ちで下校していった。 何者かによって生徒が襲われたという事だけで詳しい事情を聞かされなかったが、それまでには情報を交換しあって、襲われたのはC組の相馬七美…07月01日 18時09分
  • 第3章 トイレの紙さま(2)
    窓から流れ込んでくる雨の匂いを含んだ空気に眠気を誘われる。重くのしかかってくる瞼をおしのけようと顔の筋肉をあちこち動かしてみても、動かせば動かすほどかえって気怠さが増していく。 潔く負けを認め、目を閉じてからどれほどの時間が経っていたのだ…06月30日 19時02分
  • 第3章 トイレの紙さま(1)
    「待って、七美!」 山下聖歌を振り切り、相馬七美は廊下を駆けていった。長い髪が背中で軽やかに揺れ、制服の裾が舞う。後を追う聖歌、先を行く七美とは、さながら空中で戯れるモンシロチョウのようだった。可憐な二人がとまるのは美しい花と決まっていそ…06月30日 19時00分
  • 第2章 女神の死の抱擁(11)
    「死んだ人を悪く言うのは悪いことだと思うけど……津田沼校長って相当嫌われていたのね」 奈穂から聞いた津田沼校長の話は大体が玲子から聞いたものと同じだった。秘書らしく、奈穂は言葉を選んで津田沼校長をあしざまに言うようなことはなかったが、言葉…06月29日 18時22分
  • 第2章 女神の死の抱擁(10)
    放課後、空は校長室を訪れた。 津田沼校長が亡くなってから一週間、教頭の富岡征二が新校長になると決まったので、メルマガに載せる富岡教頭のプロフィールを秘書の新井奈穂から教えてもらうためだった。 しかし、校長室のドアは閉まっていた。 いつもな…06月29日 18時19分
  • 第2章 女神の死の抱擁(9)
    舞に別れを告げ、空と陸は事務室へと急いだ。昼休みは残りわずかしかない。 鍵が事件解決の鍵だと陸は言い、事務室でどんな風に管理されているのかを知りたがった。 昼休みの時間を利用して各種手続きを行う生徒たちで、事務室はごった返していた。「陸く…06月28日 13時18分
  • 第2章 女神の死の抱擁(8)
    「美術室の鍵?」 海のふりをした陸にむかって、美術部長の石橋舞は眉をひそめてみせた。先輩たちに一目置かれている海に化けた方が何かと都合がいいからと伊達メガネで変装した陸と空は、高等部三年の教室を訪れ、美術部長を教室の外に呼び出した。事件前…06月28日 13時16分
  • 第2章 女神の死の抱擁(7)
    「石膏像、みんな壊れてしまいましたね」 陸の視線はすっきりとした棚の上に向けられていた。心なしか、棚もそれまで抱いてきた石膏像を失って寂しそうにみえた。「残念だね。僕はニケ像がお気に入りだったんだけど、それも粉々になってしまった。地震など…06月27日 19時00分
  • 第2章 女神の死の抱擁(6)
    「なんだ、今日はこれだけか?」 ドアの前に集まっている生徒の数の少なさに目をむいて驚きながら、市川は美術室のドアを開けた。だが、市川に続いて教室に足を踏み入れたのは陸だけだった。 陸の後を追おうとした空だが、視界の隅に校長が倒れていたとい…06月27日 18時59分
  • 第2章 女神の死の抱擁(5)
    「ねえ、陸。陸が犯人だとしたら、校長を殺して逃げていく時に美術室の鍵を閉めていく?」 陸の返事はすぐにはなかった。「密室トリックを思いついたら、閉めていく。そうでなかったら、閉めねえな」「どうして?」「なんでわざわざ閉めなきゃならねえんだ…06月26日 13時15分
  • 第2章 女神の死の抱擁(4)
    正門をくぐるとまず最初に出会う人間、それが警備員の小野和彦だ。正門右脇にある小屋の小さな窓口から顔を覗かせ、小野は登校してくる生徒たちに挨拶をする。生徒たちも、登下校時には小野への挨拶を欠かさない。 小野は六十代ぐらいの男性で、小柄で小太…06月26日 13時13分
  • 第2章 女神の死の抱擁(3)
    海にとめられたからといって、事件に無関心でいられる空ではない。むしろ、事故かもしれなかったのが殺人事件だなんて言われたものだから、かえって好奇心に火がついてしまった。 事件を解決してメルマガの記事にしよう――海には内緒で、空は陸の協力を得…06月26日 13時11分
  • 第2章 女神の死の抱擁(2)
    新校舎の屋上から見渡せる旧校舎前のテニスコートに、今は数台のパトカーが停まっていた。赤色灯が無言で点滅し続けていて、正面玄関からは刑事らしい人間があわただしく出入りしている。「教頭先生が呼んだんだ」 背後からした声の主は海だった。海が授業…06月25日 13時08分
  • 第2章 女神の死の抱擁(1)
    金曜日はただでさえ集中力が薄れるというのに、昼休み直後の午後の授業ともなるとまるで身が入らない。授業の始まる前から眠気に襲われ、うつらうつらしていると、けたたましいサイレンの音に、一瞬にして目が覚めた。 クラスメートたちが我先にとサイレン…06月25日 13時06分
  • 第1章 怪談のタネ(5)
    「まさか、、本当に何かが出たって話が核になっているなんて言わないわよね?」「そのまさかさ、空。トイレには何かが出たんだ」 さらっと言ってのけられる方がかえって恐怖をかきたてられる。空はごくりと唾をのみこんで海を睨みつけんばかりに見据えた。…06月24日 19時41分
  • 怪談のタネ(5)
    「イエスの場合は? 処女懐胎とか復活だとか一切信じちゃいねえけど、たくさんある奇跡話は全部作り話か?」 陸は、キリスト教系の学校に通っている人間とは思えない暴言を吐いた。 空は思わず周囲を見渡し、先生たちがいないのを確かめた。「そもそも、…06月23日 17時59分
  • 怪談のタネ(4)
    「陸の怪談もまんざら作り話ってわけではなさそうだけど」 これには、怪談を創作した張本人の陸が一番驚いて、海を凝視していた。「まるっと作り話だぜ」「でも、八角の間で気味の悪い思いをしたっていうのが土台になっているんだろう」 うなずく陸。「人…06月23日 17時56分
  • 第1章 怪談のタネ(3)
    「どういうこと、海」「八角の間に関する怪談はいくつもバリエーションがある。それらを個別の怪談としてカウントすると、学園の怪談は七つどころか、十以上あることになる。陸の知っている七つ目の怪談はどうせ八角の間の怪談のバリエーションじゃないのか…06月22日 18時02分
  • 第1章 怪談のタネ(2)
    「俺さ、七つ目の怪談知ってるぜ」 涼しい顔で陸はさらりと言ってのけた。「空は?」 首を激しく横に振ってみせた空の怯えた表情に満足したかのように陸はニヤっと笑って、「なんだ、知らねえの? 知っててわざと六つしか紹介しなかったのかと思ったぜ」…06月22日 17時44分
  • 第1章 怪談のタネ(1)
    「怪談で学園案内か。空にしちゃあ、面白いこと考えたじゃないか」「でしょ? 四月のメルマガは新入生歓迎の内容と決まっているんだけど、さすがに毎年毎年『入学おめでとうございます』『学園へようこそ』と言い続けてきてマンネリ化もいいところ、かとい…06月21日 19時53分
  • プロローグ
    ================================================================聖パトリック学園 中等部・高等部メールマガジン 20xx年4月号=======================…06月21日 19時51分
  • ご案内
    オリジナル小説ブログ「あじろのあじと」へようこそ。つたない作品ではありますが、楽しんでいただけましたら幸いです。【詩】熱情のあとに / あなたに似た人 / 愛するということ / 優しい雨 / 初恋 / 欲望 / あなたでなければ【小説】キ…06月21日 18時42分
  • あらすじ
    動く石膏像による圧迫死、トイレでの変死……聖パトリック学園に伝わる怪談を彷彿とさせる奇怪な事件が次々に発生。怪談の呪いか、はたまた殺人事件か。幼馴染トリオ、星野空、御藏海・陸の双子兄弟は、事件を追ううち、二十年前にも奇妙な事件が発生してい…06月21日 18時38分