『君戀しやと、呟けど。。。』

登録ID
1698694
サイト名称
『君戀しやと、呟けど。。。』
URL
http://blog.goo.ne.jp/murasaki-sou
紹介文
此処は虚構の世界です。全作品の著作権は管 理人である紫草/翆童に属します。無断引用、無断転載は一切禁…
カテゴリ
  • ショートショート (100%) - 5 / 57人中
  • ※表示されている順位は重複を含まないため実際の順位より低くなる場合があります。

※最新の記事

  • 『赤子』(小題:菜の花畑)
    カテゴリー;Novel このお話は『娘』の続編です。 彼女、荒井若葉を初めて見たのは、高校の入学式の朝だ。 山崎悠人は自転車で行くつもりだったのに、朝になってパンクに気付いた。歩いても行けない距離ではなかったが母が嫌だと言い、電車三区間を乗…04月13日 18時07分
  • 『溺れゆく』その弐拾竜
    カテゴリー;Novel その弐拾竜 「母は、海外で承認された薬のモルモットになることを承知するかわりに、一週間という自由な時間をもらいました」 そして約束の時間が終わり、病院に戻ってきた。しかし治療前の検査で妊娠が判明する。今度は堕胎するし…03月29日 00時01分
  • 『溺れゆく』その弐拾分
    カテゴリー;Novel その弐拾分 三人で会った、その夜。 真帆と精一から、主に真帆からではあったが、様々な内容の話を聞かされた。 そこで初めて、二人に血縁関係はないと知る。その場で精一がはっきりと断言した――。 それにしても、たった一日で…03月28日 00時47分
  • 『溺れゆく』その弐拾切
    カテゴリー;Novel その弐拾切 波の音と風の音。そして汐の香り。 無理矢理、下りてきたテトラポットの上で真帆の足は竦んだ。 前の時は簡単だったのに。 何も考えず目を閉じて足を踏み出せばいい。そうすれば重力は、真帆を海へといざなっていく。…03月27日 07時17分
  • 『溺れゆく』その弐拾陸
    カテゴリー;Novel その弐拾陸 定期船とはいっても小さなもので、船長はすでに顔見知りである。 精一を伴って波止場までやってくると、船長が声をかけてきた。船が出るまでの空き時間に水帆は思いがけない話を聞いた。 『昨日、可愛い女の子を届けて…03月26日 01時32分
  • 『溺れゆく』その弐拾伍
    カテゴリー;Novel その弐拾伍 いない、って…… 今、確かに、葛城先生はいないと言われた。 教えられていた定期船に乗り、そして降りる。その先に彼が居ると信じて疑わなかった。 何故。 どうして。 また消えてしまったというの…… 真帆の混乱…03月25日 00時03分
  • 『溺れゆく』その弐拾肆
    カテゴリー;Novel その弐拾肆 この男が元凶だ。 水帆と真帆を引き裂いた。 好きな女の尻を追いかけて、アバンチュールを楽しみ、そして母を死なせた。 それはいい。若い頃の恋の話だ。 しかし真帆は違う。 離婚を決意している女を孕ませる男が許…03月24日 00時02分
  • 『溺れゆく』その弐拾参
    カテゴリー;Novel その弐拾参 鄙びた港町だ。 呑み屋くらいしか開いている店はない。仕方なく若者の集まる一角にできたカラオケBOXに入る。少なくとも、ここなら話を聞かれることはない。 「失礼ですが……」 と言葉だけは丁寧に、だが充分威圧…03月23日 00時04分
  • 『溺れゆく』その弐拾弐
    カテゴリー;Novel その弐拾弐 「本土へ運ぼう。ここでは無理だ」 『まあちゃんが転んで血流してる』 と診療所に飛び込んできた弟の拓司に話を聞くと、下校途中、ふざけていた所で石段を踏み外し真っ逆さまに落ちたという。 当初は話もしたらしいが…03月22日 09時18分
  • 『溺れゆく』その弐拾壱
    カテゴリー;Novel その弐拾壱 「嘘だ」 精一は我を忘れた。 テーブルを両手で叩き、怒鳴る。 「ここの娘だということは判っている。彼女に会わせてくれ!」 そこで我に返る。小さな声で申し訳ないと言葉を濁す。 「私ですら会えないものを、何故…03月21日 11時33分
  • 『溺れゆく』その弐拾
    カテゴリー;Novel その弐拾 そこは葛城という表札が揚げられた大きな屋敷だった。 インターフォンから、どうぞという声が聞こえると門がゆっくりと開いていった。 田舎の名士という感じだ。 通された部屋には豪華な応接セットがあり、そこに座って…03月20日 11時19分
  • 『溺れゆく』その拾竜
    カテゴリー;Novel その拾竜 滝川精一は就職し、日常という時間が五年も経てば、若い頃のことは思い出となっていく。 スキー場で会った彼女。しかし彼女だけは、いつまでも強烈な印象を残したままだった――。 そんな精一に見合い話が舞い込んだ。 …03月19日 01時05分
  • 『溺れゆく』その拾分
    カテゴリー;Novel その拾分 会えない、という言葉は聞いていたが、やはり翌週の休みにはスキー場へ向かった。 客として訪れると、本当にいい旅館だった。 ところが、だ。彼女を知る者は誰一人いなかった。従業員は一人二人という人数ではない。こ…03月18日 00時40分
  • 『溺れゆく』その拾切
    カテゴリー;Novel その拾切 大学生の滝川精一が冬の休みを利用して、温泉の住み込みのアルバイトを始めたのは友人の代理という形だった。 本来、彼はお金に困るような生活はしていない。しかし、その友人は苦学生だった。単にお金を貸すと言っても受…03月17日 00時23分
  • 『溺れゆく』その拾陸
    カテゴリー;Novel その拾陸 とある日。 友達のところや、一夜限りの付き合いの人との関係にも疲れてきたなと思い始めた。久しぶりに帰宅した真帆は、偶然見たテレビの特集に、とんでもないものを見た。戸籍を持たない子供たちというものだ。 母の縋…03月16日 00時48分
  • 『溺れゆく』その拾伍
    カテゴリー;Novel その拾伍 過去。自分の母が幸せを夢見て嫁いだことを、真帆は知っている。 酔って機嫌がよくなると突然始まる昔話。その中で母は、今を本当に呪っていた――。 見合いという言葉に違いはなくとも、母は高校生の頃から父を知ってい…03月15日 00時40分
  • 『溺れゆく』その拾肆
    カテゴリー;Novel その拾肆 ――離島に渡り、一ヶ月が経った。 一度、自宅に戻ると言った真帆は、再び音信不通となった。電話をするわけにもいかない。まあ、誰かに説得されれば絶対に反対されるのは分かっていた。 完結する独り言を繰り返す日々。…03月14日 00時35分
  • 『溺れゆく』その拾参
    カテゴリー;Novel その拾参 「味方……」 「うん。一緒にいかないか」 真帆の瞳が大きく見開かれた。 「死ぬ気になれば、何でもできるさ。兄とか妹とか、そんなこと抜きにしてさ。ただ一緒に暮らそう」 「いいの?」 水帆は大きく頷いた。 「こ…03月13日 00時22分
  • 『溺れゆく』その拾弐
    カテゴリー;Novel その拾弐 ――三年後。 葛城水帆は、地域医療指定の小さな港町に居た。 今度、そこから離島へと渡ることになっている。鄙びた海沿いのこの場所は新しい医師が来るそうだ。何処に居ても同じだと、離島診療所の話を受けることにした…03月12日 08時13分
  • 『溺れゆく』その拾壱
    カテゴリー;Novel その拾壱 「それが、俺と真帆が兄妹、という話か」 水帆はソファに座り、真帆はダイニングの椅子に座っていた。真帆は俯いたままだ。何とか、こちらを向かせようと声をかける。 「何故、瑞穂を別の名で呼ぶんだ」 苗字は両親が…03月11日 11時29分
  • 『溺れゆく』その拾
    カテゴリー;Novel その拾 きょうだいとは、親が同じということだ。自分の親と二人の親がどうして同じだなんて言えるんだ。 何を言っているのか、理解不能だった。 兄、そして妹。瑞穂と真帆は姉妹。 葛城の内側が、氷河に覆われたように凍えた感じ…03月10日 00時03分
  • 『溺れゆく』その竜
    カテゴリー;Novel その竜 昨夜の穴埋めに二時間残業して帰路につく。 葛城の自転車を漕ぐ足は、いつもの三倍は力が入っていただろう。通常二十分以上の道のりを七分で到着する。止まった途端に汗が吹き出した。 午後八時、見上げた窓に灯りはなかっ…03月09日 00時24分
  • 『溺れゆく』その分
    カテゴリー;Novel その分 ピピッ。 小さなアラーム音が聞こえ、真帆は目を覚ました。 音の源はどうやらベッド脇に置かれたデジタル時計のようだ。たぶん一時間おきに鳴るアラームだろうが、真帆が気付いたのは、今だ。 見れば午前十一時。そして借…03月08日 00時13分
  • 『溺れゆく』その切
    カテゴリー;Novel その切 某警察署。知り合いの警察官矢沢を見つけると、葛城は先ほど架かってきた電話の内容を告げる。 電話は彼に、真帆の身元引受人を頼めるかというものだった。 急遽夜勤の交替を頼みこみ、大急ぎで駆けつけた。矢沢はすぐに対…03月07日 00時02分
  • 『溺れゆく』その陸
    カテゴリー;Novel その陸 「また君か。いい加減にしてくれないか」 葛城はマンションの前に居座り、彼の姿を捉えると走ってくる瀧川瑞穂を突き放す。 ファミレスに置き去りにした数日後。 どう調べたのか、彼女は葛城のマンションにやって来た。そ…03月06日 10時13分
  • 『溺れゆく』その伍
    カテゴリー;Novel その伍 翌朝。 バイトの診療を終えた葛城は、真帆の支払いを済ませ医院を出た。 何と声をかけたらいいものか。皆目、見当もつかない。 一方、真帆も何も言わないまま歩き続け、暫く行った所で唐突に振り返った。 そして深々と頭…03月05日 08時21分
  • 『溺れゆく』その肆
    カテゴリー;Novel その肆 夕刻になり、漸く真帆は目を覚ました。 しかし、すぐには状況を判断することができない。暫くは黙って辺りを見渡し、落ちる点滴の滴を見ていた。 何かを考えてではなく、単純に目の前にあるものを目で追った。 「目が覚…03月04日 11時23分
  • 『溺れゆく』その参
    カテゴリー;Novel その参 当直の要請は、昨今珍しいことじゃない。 市立の病院では人手不足から、系列やツテのある病院の医師をアルバイトに雇うのである。 葛城水帆は医師である。 教授・助教授といった権力のある人間から「頼む」と言われてしま…03月03日 01時04分
  • 『溺れゆく』その弐
    カテゴリー;Novel その弐 「もうすぐ夜が明けるよ」 彼女は店内に入り奥の席に陣取ったまま、何も話さず時を過ごした。 そして店内に流れる有線を聞いているように目を閉じていた。 葛城も、また黙ったままだった。消した煙草は十本を超え、さすが…03月02日 11時22分
  • 『溺れゆく』その壱
    カテゴリー;Novel その壱 朝陽は嫌いだ。 眩しくて、前向きって感じで輝いて、その上、街中全てが“やる気まんまん” 「俺には、そんな朝ついていけない」 葛城は、そう言って小さな溜息をつく。 言葉は難しい。 その言葉に、深い意味はない。そ…03月01日 17時09分