ミサロピシ

登録ID
1953272
サイト名称
ミサロピシ
URL
http://blog.goo.ne.jp/missallo3
紹介文
Missallopishii
カテゴリ
  • Web小説 (100%) - 14 / 115人中
  • ※表示されている順位は重複を含まないため実際の順位より低くなる場合があります。

※最新の記事

  • missallopishii
    三番目の洞窟に入ると、鉱石を掘削していた昔の面影はないが、広さなどから推測すると10人位は十分に寝起きができる造りになっている。かつては作業人たちの飯場だったにちがいない。壁や天井は煤けたままで往年のものか、それともその後のものかは分からな…02月22日 00時09分
  • missallopishii
    行く手の岩を刳り貫くしかないこの道。 ここに来て対岸も同じように切り立った岩肌で対峙している。 どちらにしろ、この山裾を抜けるには岩を刳り貫くしかなかったことは想像に難くない、であれば、既に鉱脈沿いに進んできた道を掘り進む方が賢明だ、と当時…02月21日 01時07分
  • missallopishii
    老婆の声は夜明けのなかから聞こえて来た。 掴みどころのない自分、見ている風景と声が入り混じった感覚。 杖と木椀と仏像が体に触れていることを確かめてからmは歩き始めた。 対岸の樹の枝葉が左右に揺れて、その音に応えるように谷川の瀬音が聞こえてく…02月20日 03時04分
  • missallopishii
    その日は歩き疲れて草叢に横たわった。 押し潰されそうな星の数と、流れてゆく星のなかで、mは途切れ途切れの夢をみていた。 そのなかに、母の亡骸の横に正座して死を頑なに拒否している自分がいた、夢を夢と思いながら、その母の記憶が蘇って、この道に繋…02月17日 01時04分
  • missallopishii
    翌朝、mは小さな仏像を懐に仕舞こんで三番目の洞窟へ向かった。 瀬音しかないこの道 青い尖った石が足裏にある、その感触を道ずれに歩く、時折、急峻な山肌の威圧で谷川の懸崖へ落ちそうな恐怖に襲われる。 源夢じいさんが話していたように岩肌の上方に掘…02月16日 01時13分
  • missallopishii
    源夢じいさんに済まない、mは後悔して自己嫌悪に陥った。そして、源夢じいさんの話を聞くのはこれが最後かもしれない、そんな予感が過った。 「ミサロピシ、あなたは昔のままだね。それで、私と五つの洞窟については、あなたがあなたの目で確かめればいい、…02月15日 00時29分
  • missallopishii
    「先ず、私は見ての通り木彫りの職人といったところですので鉱石等に関連しての学究的なことは判りません、話すことの殆どが伝承、知覚、感覚の類です」 「私も同じです」mは、そう答えた。 「ここから五キロほどで三番目の洞窟ですがその洞窟は洞門の中に…02月14日 01時09分
  • missallopishii
    洞窟の後片付けなどを終えて谷川沿いに出ると源夢じいさんが来るのが見えた。 昨日の今日で何か急ぎの用かとmは思ったが、ここは仕事場だし不思議はない。暫くして洞窟に着くや否や話を始めた。 「昨日は話の区切りが良かったので早めに帰りましたが、途中…02月13日 00時57分
  • missallopishii
    木くずを囲炉裏にくべながら明かりをつなぐ。 mは囲炉裏端で地図を広げ、三番目から七番目の連続した洞窟について源夢じいさんに尋ねることをすっかり忘れていた自分を悔いている。 これらの洞窟は他と比較すると間隔が極端に寄り添っているうえに長い洞門…02月12日 04時24分
  • missallopishii
    そんな源夢じいさんの気持を汲んでmも沈黙を保った。暫くして源夢じいさんが再び、話の口火を切った。 「あなたは正吾さんの手紙をそのまま預けましたね、私が今、正吾さんのことで、あなたにしてあげられることはその確認だけです、それ以外のことについて…02月11日 00時33分
  • missallopishii
    話を受け止めたまま沈黙したから源夢じいさんの話はそこで終わった。 源夢じいさんのように記憶が鮮明に蘇らない、漠然として、だから源定さんのように沈黙していてくれれば釣合いがとれるし、会話が可能になる、mは、そんなことを思いながら、ゆっくりと凝…02月10日 08時54分
  • missallopishii
    入口を入った所でmは聞こえていた木を割る音の主を見た。 源夢じいさんが黙々と気を削っている、そして傍らに割られた木片が横たわっている。 聞こえていた音はこの木を割っていたときの音だったのだろう。 「足元に気をつけてください、いろんなものが落…02月09日 02時21分
  • missallopishii
    さよならと聞こえる瀬音に秋風 二人と別れてmは数軒の建物を目にした。然し、何れも道からは遠く、山の斜面に屋根を僅かに見せているだけだった。それら一つ一つが記憶のなかを過ってゆく。 暫く歩いたところで木を割る音を耳にしたが人影はない、昨日の源…02月08日 05時55分
  • missallopishii
    正吾さんからの手紙は封を切らず、源定さんに預かってもらった。 旅立つ朝が晴れている。 夢静さんが用意してくれた炒り米と茶葉、それと木椀を風呂敷に包んで背中に掛け、杖を手にして二人にお礼を述べてから延命寺を後にした。 竹の根が階段のように地面…02月07日 00時24分
  • missallopishii
    源定さんは驚く表情も見せずmを見ていた、そして、mがそれ以上話をしないとわかると静かに応えた。 「それでいいです、またここへ帰ってくることがあります、いや帰ってこなければなりません」そう言うと夢静さんを呼んで膳をひいて床を用意するに伝えた。…02月06日 02時01分
  • missallopishii
    簡素な平屋が二軒並んでいる、表札も呼び鈴もない。 左の建物の玄関を入ると少しの土間があって踏み台と障子を挟んでいきなり八畳ほどの部屋に繋がっている。通されるままにmが部屋に上がると奥の障子を開けて女性がひとり腰を下ろして丁寧に頭を下げた。「…02月05日 02時23分
  • missallopishii
    石道を上り切った所から下を眺めると、歩いてきた道と道の上手上に一軒の家屋の屋根が見える。視界のなかにはその家屋のほかに建物は見当たらない。振り返って、長い石段を上り掛けたとき、33段かもしれない、と咄嗟にmは想った。子供の頃に石段を上ったり…02月04日 02時41分
  • missallopishii
    茶畑を出てから源夢じいさんにしか会っていないmにしてみれば正吾さんは勿論のこと集落の人たちに会って話をしてみたい事柄が沢山あった。自分のなかに鬱屈した得体のしれない疑問が消え去って、歩かず、ぼんやりと一日を送ってみたいと思ったりもするのだっ…02月03日 00時40分
  • missallopishii
    歩いても、歩いても人の気配無し。 時折、鳥が奇っ怪な鳴き声をあげて空から舞い降りてくる。 谷川の魚を狙っているようだがmには見えない、一旦速度を緩めるようにして木枝に止まり川面を覗いている、それから一気に鳥は水面へ消え、惨劇は一瞬にして終わ…02月02日 00時33分
  • missallopishii
    一緒に歩く谷川の瀬音。 道の片隅に「延命寺15キロ先」と書かれた標識が立っている。 こんな人里離れた山奥に寺が?と思ってはみたがこれから先の様子は窺いしれない、もしかしてそれなりの集落があるのかもしれない、または、かつてあったのかもしれない…02月01日 00時14分
  • missallopishii
    雨に濡れた石壁が青銅の色で輝いている。 やはり鉱脈がシラタキへと繋がっているようだ。 茶畑、鉱脈、洞門、洞窟、シラタキ、そして霊峰、mはこれらの背景の繋がりを想い描きながら歩いた、そして記憶を辿ることで源夢じいさんが書き残してくれたクスノキ…01月31日 01時50分
  • missallopishii
    三人宛ての手紙を石の上に残してmは洞窟を出た。 外は雨。 山の頂が靄に覆われている、それを見て降り続く雨でないことをmは知っている。 その雨の中を歩きながらmは老婆の言葉を想い出していた、 シラタキヘ ヌケロ キオクヲ ヒロッテ ヌケレバ …01月30日 00時29分
  • missallopishii
    やはり正吾さんは修行の身だった。 姿はないが感じたとおり正吾さんに会うことができた。 仏界に仕える身であればいつどこにいても同じだとmは思っている。 翌朝、改めて源夢じいさんから貰った地図に目を通すと洞窟の数が全部で33箇所あることになって…01月29日 00時10分
  • missallopishii
    洞門の出口近くに差し掛かった右横に洞窟が掘られている。 この時間まだうっすらと中が見える、さほど広くないが数人はゆっくりできる広さがある。 中央には茶畑の小屋に掘られていた囲炉裏と同様のものが見える、その周り四辺に平らな青銅色の石が置かれて…01月28日 00時28分
  • missallopishii
    歩くmの左奥に虹がかかっている。 その虹の奥に白い帯状の滝がまっすぐ谷川に向かって落ちている。 最初の洞門は谷川を挟んで丁度その反対側に位置していた。 青銅色の岩盤を掘り抜いたその洞門はmがやっと立って抜けられる高さだった。 その岩壁に手を…01月27日 00時07分