観戦記2790 WBCフライ級王座戦 ユーリ阿久井政吾vs桑原拓 | 人生マイペンライ

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昨年の7月に部員の不祥事により無期限活動停止だった東京農業大学ボクシング部が、2024年3月31日で停止処分が解除されるも2部への降格処分となった。元WBAスーパーフライ級王者の清水智信さんや元WBCフライ級王者五十嵐俊幸さんを輩出した名門ボクシング部だが、なんと言っても4階級制覇王者井岡一翔選手も東京農業大学ボクシング部OB。井岡選手は、北京オリンピックの道が絶たれた時点で大学を中退してプロへ転向し2年後には世界王者になる。井岡選手は大阪の興國高等学校時に高校6冠を達成し大学へ進んだが、高校では後のWBAミニマム級王者になる宮崎亮選手と一緒だが宮崎選手は高校卒業後にプロに転向している。

大阪の興國高等学校は、元WBAスーパーウェルター級王者の石田順裕さんも卒業生と3人の世界王者を輩出しているとんでもない高校。高校でボクシング部があるのはそれほど多くは無いと思うが、井上尚弥選手は新磯高校(現在は相模原弥栄高校)で高校3冠を達成して東京オリンピック銅メダリストの田中亮明選手には4戦全勝らしい。

大阪のボクシング部名門である興國高等学校~東京農業大学ボクシング部と井岡一翔選手と同じ道のりを辿り、井上尚弥選手がルイス・ネリと闘った東京ドーム大会で初の世界王座挑戦をしたのが‘井岡Ⅱ世‘と呼ばれた時期もあった大橋ジムの桑原拓選手!

 

1995年4月に大阪府大阪市で生まれた‘井岡一翔Ⅱ世‘と呼ばれる桑原拓選手は、小学5年生からボクシングを始める~高校&大学は井岡一翔選手と同じく、興國高等学校~東京農業大学でボクシングをし、2012年度インターハイピン九州商~2013年度国体少年の部フライ級優勝~大学時代は主将を務めるなど87戦72勝。

大橋ジムに入会して、2018年5月に井上尚弥選手がジェイミー・マクドネルを112秒でKOしたアンダーカードでデビューしモハマッド・ソリミンに1RでTKO勝ち~さらに7連勝3KOして、2021年7月にユーリ阿久井政悟選手の日本フライ級王座に挑戦も10RにTKO敗け。

 

2022年3月に再起し、久野喬選手を1RにTKOで降す~7月にも、パリーニャ・カイカンハを2RにTKOで降す~10月に、東洋太平洋フライ級王者ジーメル・マグラモに挑戦し判定勝ちで王座獲得 『観戦記2567』

 

2023年3月に、メキシコフライ級王者のホセ・リバスを1RにTKOで降す~7月に、ウラン・トロハツを4RにKOして東洋太平洋王座初防衛に成功。

 

そしてランキングもWBAフライ級3位まで上げ、ついに世界王座初挑戦が東京ドーム大会!挑む王者は、キャリア唯一の敗戦を喫したWBAフライ級王者ユーリ阿久井政吾選手!

 

1995年9月に岡山県倉敷市で生まれたユーリ阿久井政悟選手こと阿久井政悟選手は、父親が所属する倉敷守安ジムのプロ1号選手の阿久井一彦さんで母方の叔父は日本王座に挑戦した赤沢貴之さん。アマチュアでは倉敷翠松高校では国体のベスト8に進出し、リングネームは勇利アルバチャコフに似ていることから付けられたらしい。

2014年4月に神戸でデビューして、末吉悠生選手に判定勝ち~9月には西日本新人王決勝で、武藤通隆選手に判定勝ちして西日本フライ級新人王に輝く~11月には中日本新人王の萩堂盛太選手と西軍代表を争いドローも、優勢敗けで新人王敗退~7月に、菖蒲瑠香選手に1RでTKO勝ち~9月にも、香美の子岡村ケントキッド選手に1RでKO勝ちして2015年度西日本新人王獲得~11月に、大城信博選手に判定勝ち~12月の全日本新人王決勝でも、細谷大希選手に判定勝ちして全日本新人王に輝く。さらに2連勝2KOして、2016年12月に新人王同士の対決となった大野兼資選手を1RにTKOで降す~さらに2連勝2KOするも、2017年8月に中谷潤人選手との日本フライ級ユース王座決定戦で6RTKO敗け~2018年4月に、後のWBCライトフライ級王者になる矢吹正道選手に1RでTKO勝ち~10月に、WBAフライ級11位のジェセイバー・アプシードと対戦も8RにTKO敗け~2019年4月に、湊義生選手に1RでTKO勝ち~10月に、日本フライ級王座決定戦で小坂駿選手を1RにTKOで降し日本王座獲得。

2020年10月に、日本1位の藤北誠也選手に判定勝ちして初防衛に成功~2021年7月に、日本7位の桑原拓選手に10RでTKO勝ちして2度目の防衛に成功。

 

2024年1月に、WBA1位指名挑戦者としてWBAフライ級王者アルテム・ダラキアンに挑戦し判定勝ちで王座栄冠 『観戦記2730』

 

2年10ヶ月振りの再戦が世界戦の舞台で、しかも東京ドーム大会!奪取よりも難しいと言われる初防衛戦に阿久井選手は 『舞台は大きいけど、普通の試合ですね。プレッシャーも特にない。何も考えていないといえばあれですが、無心でやってきたことを出す。それだけです、立場も実力差も何も変わっていない』 と、1度勝利した桑原選手に対して自信を魅せる!初の世界戦がリベンジの舞台となった桑原選手は 『東京ドームの舞台で、世界戦で再戦できることをうれしく思う。王者は自信に満ちあふれていた。あとはリングでどちらが成長しているのかをみせつけたい』 と話す!

 

2024年5月6日 WBAフライ級王座戦 ユーリ阿久井政吾vs桑原拓

 

ユーリ阿久井政吾 19勝11KO2敗1分 初防衛戦

 

桑原拓 13勝8KO1敗 WBAフライ級3位

 

1R、王者の阿久井選手が、前に出て手数出す~ワン・ツーも、かわした桑原選手が左フック!

 

桑原選手は左右に動く~阿久井選手は追いかけ右ストレートも、桑原選手は4発までまとめる

 

2R、動く桑原選手を、阿久井選手はグイグイ詰めていき左を突き上げる

 

阿久井選手が、ジャブを当てながら前に出る~ワン・ツー!

 

3R、廻る桑原選手だが、阿久井選手は追いかけていき左を伸ばす

 

グイグイ詰めていく阿久井選手が、足を使う桑原選手をロープに追い込んでいき右!

 

4R、スピードを生かせていない桑原選手だが、追いかけてくる阿久井選手に下がりながらもコンビネーション

 

しかし、阿久井選手の詰めかたが上手いのか!?手数は劣るがロープに追い込み右!

 

5R、さらに、プレスを強める阿久井選手~桑原選手も大きく廻るが、阿久井選手の右が届く

 

それでも桑原選手は足は止めず、手数は阿久井選手に勝っていく

 

6R、阿久井選手が、得意の右ストレートを伸ばしていく~なんとかかわす桑原選手も、返しの左は貰ってしまう

 

手数としては桑原選手も劣っていないが、阿久井選手が前に出て見栄えのいいパンチを当てていく

 

7R、阿久井選手がプレスを強める~桑原選手の細かいパンチを気にせず、連打を力強く打ち込む!

 

桑原選手も手数は出ているが、阿久井選手はガードを固めてグイグイ前に出ていく~コーナーに追い込み右!

 

8R、攻める阿久井選手~桑原選手が返してきても打ち終わりに右!桑原選手は廻るのに精一杯

 

阿久井選手が止まらない~桑原選手が廻りながら左を伸ばせば、多少貰いながらでもリターンの右!

 

9R、桑原選手が細かくジャブを連射するも、阿久井選手は気にせずガードを固めて入っていき左を突き上げ右!

 

桑原選手もトリッキーなパンチを返すが、阿久井選手のプレスがしつこく強い

 

10R、完全に手数でも阿久井選手が圧倒していき、ガードを固めて廻る桑原選手にコンビネーションで攻める

 

桑原選手もボディーを返すが、阿久井選手はプレスを緩めず詰める~右ストレート!

 

11R、なんとかしたい桑原選手も、距離を取りながら廻るばかり~阿久井選手は得意の右で追い回す!

 

桑原選手も足を止めて連打を返す~しかし、直ぐに阿久井選手に追い回され上下に打たれる

 

12R、ポイントは厳しいだろう桑原選手が、最終ラウンドだけに足を止めて打ち合う!

 

しかし、阿久井選手が右ストレートで桑原選手を追い込む~さらに左ボディー!

 

桑原選手は効いたか!?クリンチで逃れる~阿久井選手は最後まで攻めるも、ダウンは奪えず試合終了

 

判定は、117-111 117-111 118-110 3-0でユーリ阿久井政吾選手の判定勝ち!

 

見事に大差判定勝ちで、ユーリ阿久井政吾選手がWBAフライ級王座初防衛に成功!阿久井選手は初防衛戦でも守りに入らず、スピードスターの桑原選手を追いかけ廻してポイントを稼いでいった。阿久井選手は 『チームの皆、家族に感謝したい。久々に戦ったが、強くなっていた。1Rで効いたパンチもあって危ないところもあったが、きょうは僕の日でした』 と話し、リングサイドで観戦していた奥さま&子供たちの声も聞こえていたらしい。桑原選手に対しては 『もっと出てくるかと思って警戒したけど、途中からこちらが押して、押してという感じ。相手は引きになっていた。本人にも 『もう少し来てほしかったよ』 と話したらしい。今後を聞かれ 『目の前の試合に勝って統一戦だったり、ビッグマッチをやりたい。自分のボクシングはこれが完成じゃない。常に最強を目指したい』 地元・岡山開催での防衛戦も行いたいらしいが 「世界戦をやるような会場がない。それが一番のネック」 らしい。

世界王者がプレスをかけ続け積極的に攻め、桑原選手のスピードを潰し見事な勝利。WBAフライ級ランキングは1位が空位で2位が元2階級制覇王者の京口紘人選手だったが、京口選手はこの試合の5日後に韓国でビンス・ハラスにまさかの・・・・

 

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