「熱闘」のあとでひといき

「闘い」に明け暮れているような毎日ですが、面白いスポーツや楽しい音楽の話題でひといき入れてみませんか?

日本大学 vs 東洋大学(関東大学リーグ戦G1部-2022.10.16)の感想

2022-10-30 10:27:22 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


第1試合の大東大と立正大の戦いもそうだったように、最後まで縺れる展開となることが多い今シーズンのセナリオハウスフィールドでの戦い。ちなみに、これまでの6試合中4試合が敗者にもボーナス点1が与えられる7点差以内の試合。さらに言えば、そのうち2試合が東洋大絡み。とくに前節の試合は、最後の土壇場で大東大に逆転を許し、1点差で勝ち星を逃す悔しい戦いだった。

そんな厳しい戦いが続く東洋大だが、ここまでの3戦で前年度上位校に対して2勝1敗の戦績は立派。この試合こそは勝利して大学選手権出場に一歩でも近づきたい。一方の日大はここまで(期待されながら)1勝2敗と苦しい戦いが続く。選手の卒業などによる交代に首脳陣の変更による戦術転換がうまく噛み合っていない印象を受ける。BKに得点力のある選手を揃えているだけに、この試合に勝利してチーム建て直しを図りたい。

◆前半の戦い

日大のキックオフで試合開始。序盤から激しい攻防が展開されるが、FWで組み立ててBKへ展開する東洋大に対し、日大は(前節の流経大戦と同じで)殆どBK主体で攻める攻撃スタイルを変えていない。先制したのは東洋大。日大の自陣からのキックに対し、カウンターアタックからラックを経てSH神田が抜け出しトライ(GK成功で7-0)。

先制トライに勢いを得た東洋大が攻め続けるが、接点やスクラムでの反則が続き波に乗れない。その後も東洋大は反則の多さに悩まされることになる。12分、日大は東洋大ゴール前で東洋大の反則により得られたチャンスを活かし1トライを返す(GK失敗で5-7)。ゴール前のスクラムから左オープンに展開と見せかけて右サイドから走り込んで来たSO鏡平名にラストパスが渡る。BKに切り札を揃える日大の場合、とくにセットプレーが多いことは有効。

日大は畳みかける。17分、東洋大陣左サイドでのラインアウトからボールは一旦右に展開されるが、返しの左オープン展開でWTBトゥポウが自慢の脚力を見せてトライ。しかし、ここも日大はゴールキックを外して10-7。逆転には成功したが難しくない位置からのGKを2回連続で失敗したことは(結果論だが)その後の試合展開に大きく影響することになる。日大はさらに27分、HWL付近で得たPKでショットを選択。交代でキッカーを務めたCTB広瀬が約50mのGKに成功し、日大が13-7とリードを6点に拡げる。

反則が多く波に乗れなかった東洋大だったが、31分にスクラムを起点とした順目のアタックの連続で左WTB杉本がトライ。GK成功で14-13と逆転に成功する。しかし、直後の35分に日大がPGを成功させて再々逆転の2点リード。東洋大は反則やPKがタッチインゴールとなるなどミスが続き逆転のためのトライが奪えない。

このままの日大のリードで前半が終わるかと思われた45分、東洋大が日大陣22m内でのラインアウトのチャンスを活かす。中央で得たラックからまたもSH神田が抜け出しゴールラインまで走り抜ける。GK成功で東洋大が21-16と逆転に成功したところで前半が終了。ちなみに、東洋大が前半に犯した反則は10個だが、後半も同じ数の反則を重ねてFKも含めると合計22個となった。東洋大が波に乗れなかったことは事実だが、日大も有効に得点に結びつけることができたとは言い難い。



◆後半の戦い

後半、最初に得点を挙げたのは東洋大。日大陣ゴール前のラインアウトからモールを形成して押し込みトライ。右隅からのGKは失敗するが26-16と得点差を10点に拡げた。東洋大は11分に両LO(チャニングスとウーストハイゼン)をサイロとオスティンに替える。大型選手達に変わりはないが高さよりも機動性重視の交代かも知れない。

後半になっても東洋大の反則禍が止まらない。スクラムではコラプシングなど、接点ではノットリリースかノットロールアウエイが多く、観客席からは「またか…」の溜息も漏れる。スクラムで(東洋大選手が)組みにくそうな見えたことと接点での圧力(おそらく)に、上位校の試合経験(駆け引きの巧みさ)と意地を観たような想いがした。

東洋大がリードを拡げたのも束の間、7分に日大は東洋大陣22m付近のスクラムを起点とした連続攻撃からCTB広瀬が左タッチライン際を快走してトライ。GKは失敗するが21-26となり日大の反撃モード。日大のBKは水間、トゥポウ、普久原といった攻撃力の高い選手達に注目が集まりがちだが、CTB広瀬選手も地味ながらいい働きをする。

その後、試合は東洋大が5点リードを保ったまま硬直状態となる。両チームともに肝心なところでミスが多く、ボールと同じで試合はどちらに傾くかまったく分からない。もちろん、負けられない気持ちが強かったことも間違いないのだが。選手個人の攻防では、WTBで対面だった日大の水間と東洋大の杉本の火花が散るようなマッチアップが面白かった。水間の低い重心を活かした突破力は日大の大きな武器で、前半から再三東洋大をピンチに陥れている。しかしながら、このままでは終われないとばかりに杉本もタックルで意地を見せる。体重差をものともせず水間を捻り倒した場面は「ファイター」そのものだった。

時計は進み、24分と32分に日大の広瀬が2連続PGを決めて27-26と一点差ながら日大が逆転。残り時間10分で試合をひっくり返せる(お約束の)『セナリオ劇場』の幕が開いた。後半開始早々の得点のあと、ゴールが遠い東洋大だったが、2試合連続で、しかも最小得点差で負ける訳にはいかない。ロスタイムも消化された46分、東洋大はゴール前ラインアウトからモールを押し込みトライ。GKが決まれば(前節の大東大戦とは真逆の)1点差でのサヨナラ勝ち!

やや右の角度のあるゴールキックを杉本が慎重に狙う。が、弾道は右に外れて日大勝利で試合終了!と思われた。しかしながら、レフリーが両キャプテンを呼ぶ。「キックの時に(日大選手が)声出してるから。」ということでキックはやり直し。こうなればキッカーは怖くない。今度はキックがゴールポストに収まり東洋大の劇的な逆転勝利が確定。歓喜の嵐の東洋大ベンチに対し、3敗目となった日大の選手達はガックリ肩を落とすしかなかった。



◆試合後の雑感
前年度上位校との対戦となった4戦を3勝1敗で終えた東洋大は立派。ただ、このゲームでの反則数22個は大きな課題と言える。1部の戦いの経験値不足は仕方ないが、レフリーとのコミュニケーションなど、今後の戦いに向けて克服すべき点が見えた試合だったと思う。激戦が予想される残り3つの戦いに向けて、自信を持ちつつ、テンションを上げて頑張って欲しい。

本日もほぼBK展開一辺倒だった日大のラグビーには疑問を感じずには居られない。強力なアタッカー達の存在もあり、東洋大も面食らったようだが、相手の反則の多さを活かせなかったことは確か。深めのラインはしっかりディフェンスされれば前に出られないし、強力な選手にはダブルタックルで対応可能。FWもランニングでかなり消耗するのではないだろうか。今後の相手も難敵が揃う中でどのように立て直していくのか注目したい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立正大学 vs 大東文化大学(関東大学リーグ戦G1部-2022.10.16)の感想

2022-10-25 01:45:57 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


今シーズンからリーグ戦グループ1部で戦う立正大学と東洋大学はいずれも大東文化大学と同じ埼玉県に拠点を置くチーム。しかも、立正大学は森林公園駅、大東文化大学は高坂駅、東洋大学は鶴ヶ島駅がそれぞれ最寄り駅で、練習グラウンドは東武鉄道の東上線沿線にある。リーグ戦ではライバルでもご近所同士、お互いに切磋琢磨してレベルアップして欲しい。

さて、本日のセナリオハウスフィールド三郷にはその埼玉県の3チームが一堂に会する。そして第1試合は立正大学と大東文化大学の直接対決。立正大はここまでの3戦で1勝2敗と負け越してはいるが、日大、東海大ともいい戦いが出来ている。一方の大東大も同じく1勝2敗だが、対戦相手は前年度の下位校。そして、この試合の後には前年度上位校との対戦を控えている。目標は違ってくるが、両チームともに負けられない。

◆前半の戦い

昨日も同じ場所で法政と関東学院の試合を観ているが、本日の2チームとは体格が一回り(以上?)違うことは一目瞭然。立正大のキックオフで始まったこの試合は、序盤から留学生選手を中心とした大型選手同士による激しい肉弾戦の様相を呈する。開始直後の3分、立正大のFB武田が自陣奥深くで相手キックの処理を行う際に、タックルを受けて負傷交代するアクシデントに見舞われる。リスタートのラインアウトから大東大がモールを形成して前進。HO西林が抜け出て難なくゴールラインを越えた。先発メンバーが負傷でピッチを去り、あっさり得点を許した立正大に不安がよぎる。

さて、本日の大東大でプレースキッカーを務めるのはCTB(13)のハニテリ・ヴァイレア。ひとつ前の試合では同じCTB(12)の戸野部のキックが試合を決めた大東大だが、実はさらに優れたプレースキッカーが居たことを知る。この日、ヴァイレアは5本のプレースキックをすべて成功させたのだが、タッチライン際からでも2本のポールの真ん中にボールを収めるキックの正確性・安定度は特筆に値する。

ヴァイレアはキックオフでも鋭角的に高く上がるドロップキックで相手を悩ませ、自陣奥深くからは足の長いキックでチームをピンチから救う。ラインアタックでも落ち着いてプレーできる。過去3戦、CTB(13)で先発だったペニエリ・ジュニア・ラトゥの負傷によりスタメンとなった格好だが、もしこの試合に勝っていたらPOMの有力候補だっただろう。

いい選手を見つけたので話が逸れてしまった。序盤のアクシデントに動揺することもなく、立正大はすかさず反撃。キックオフで大東大が確保したボールをターンオーバーに成功してラック。左サイドから角度を付けて接近してきた(ノーマーク状態の)WTB大月にパスが渡り大きく前進。ゴール前でフォローしたSH中森がラストパスを受け取る。GK成功で7-7とゲームはあっと言う間に振り出しに戻る。

大東大も負けていない。10分、立正大陣ゴール前でのラインアウトからモールを形成して押し込みHO西林が連続トライ(GK成功で14-7)。次は立正大の番で、16分、大東大陣ゴール前でのラインアウトを起点としてラインアタックでボールを右に展開しNo.8ユアン・ウィルソンがトライ。GKは失敗するものの12-14となる。試合はこのまま最終スコアが予測不能なくらいの撃ち合いの様相を呈してきた。

しかしながら、予想に反し、ここから前半終了間際までなかなか得点表示が変わらない膠着状態となる。前半は蹴り合いとなる場面が多かったが、立正大にとって痛かったのは相手陣22m付近を狙ったと思われるキックがことごとく22m内に到達してフェアーキャッチされてしまったこと。ヴァイレア選手等のロングキックが効果的で、前半のキック合戦は大東大の勝利。

電光掲示の得点の数字がようやく動いたのは40分を経過してから。大東大が立正大キックに対するカウンターアタックからボールを右に連続して展開し、最後は右隅への絶妙なキックパスがWTB(11)小田嶋のダイビングトライを有無。GK成功で21-12と大東大のリードが9点に拡がる。大東大としてはこのまま前半終了にしたかったところだがHWL付近でのスクラムで反則を犯す。立正大のSO吉永が約50mのゴールキックを成功させ15-21と、ビハインドを(微妙な)6点差に縮めることに成功して前半が終了した。



◆後半の戦い

後半は開始早々に立正大が先制する。4分、大東大陣ゴール前でのラインアウトからモールを形成して前進し、HO陣内がトライ。GKは失敗するが20-21と大東大のリードは僅か1点に縮まる。立正大は畳みかける。10分、大東大陣22m内左サイドのラインアウトを起点として、パスを受けたNo.8ユアン・ウィルソンが力強く前進。ラックを経てボールがCTB小熊に渡りトライ。GK成功で遂に立正大が逆転に成功する。前半はトライを挙げる等活躍していたとはいえ、あまり目立たないユアンだったが、後半へエンジン全開。もしかしたら、ベンチから後半勝負を言い渡されていたのかも知れない。

更に立正大。15分の3点を狙ったショットは失敗するが、大東大の自陣でのパスをCTB(13)キニ・ヴェイタタがインターセプトして前進。ラックから左に展開してSO吉永がトライ。GK成功で34-21となる。波に乗る立正大は23分にもう1つトライを追加。大東大陣でのスクラムを強力にプッシュし、ここでもNo.8ユアン・ウィルソンがボールを確実に前に運ぶ。ボールはラックから右に展開され試合開始早々にFB武田に替わって出場した23清永がゴールラインを越えた。GK成功で41-21と立正大の怒涛の4連続トライで41-21と立正大のリードは一気に20点まで拡がった。先に大東大の13番(ヴァイレレ)のことを書いたが、立正大の13番も(サイズもあるが)沈着冷静な選手で要注目だと思う。

しかし3T3G(21得点)で逆転可能な20点リードはけして安心できない。「キックオフからカウンターアタックでトライ」が3回続けば逆転可能だし、大東大にはその力が十分にある。ここから(このまま負ける訳にはいかない)大東大の死力を尽くした反撃が始まる。大東大のFWにはLOジョセフ・ドモニとNo.8サイモニ・ヴニランギといった強力なボールキャリアーが居るし、BKにボールが回れば得意なパス回しで相手を翻弄出来る。法政とはまた違ったパス主体のランニングラグビーで魅せてくれるチームに対して油断できない。

果たして終盤に迫った30分、大東大に起死回生のトライが生まれる。立正大陣22m内からのラインアウトからの連続攻撃でSO落がトライ。GK成功で28-41とビハインドは13点に縮まる。立正大に焦りはなかったと思うが、もったいない反則などミスが目立つようになったこともあり大東大の勢いを止められない。

時計は40分を経過。反則が増えてきた立正大に対し、大東大はタップキックから速攻で攻め続ける。43分には立正大選手に対し反則の繰り返しによるシンビンが適用される。そして45分、大東大はサイモニがトライをもぎ取る。やや難しい位置からのGKをハニテリがここも冷静にポストのど真ん中に蹴り込み遂に大東大のビハインドは6点!(25-41)。

「セナリオ劇場」と言ったらいいのか、最後の最後に逆転可能な点差を残す試合が続くこのグラウンドでの試合は本当に心臓に悪い。何故か関係者にとっても胃に穴が開きそうな展開になってしまう。しかし、立正大は1部リーグの経験があるとは言え、昇格したばかりのチームとは思えない落ち着きを見せて大東大の猛攻に耐え抜いた。



◆試合後の雑感

立正大は1部リーグ在籍時の試合を何度も観ている。キック主体の手堅いラグビーは得てして「大人しい」という印象をもたらしたことを思い出す。エンジンの掛かりが遅く、終盤に見せる怒涛の攻撃が何故前半から出来なかったのかと思わせたことが何度もある。そういったイメージを完全に払拭したのが今シーズンのチーム。「ニュー立正大」と呼びたくなるくらいに前半から積極的に攻めるチームへと変貌した。また、過去のチームにはなかった試合運びの巧さも身につけた模様。前日と本日で3試合6チームを観たが、この時点ではチームの仕上がりは一番と思えた。まだまだ発展途上のチームの今後の戦いが楽しみ。

敗れて1勝3敗と厳しくなった大東大。だが、負傷欠場者が相次ぎ、後半のスタミナに課題があるとは言え、チーム状態は悪くないように見える。スクラムの圧倒的な強さがなくなっているのが痛いが、ジョセフやサイモニと言った攻撃の核がしっかりしており、BKのキック力も大きな武器になっている。戦績は危機的だが、状況は悲観的ではない。前を向いて頑張って欲しい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

法政大学 vs 関東学院大学(関東大学リーグ戦G1部-2022.10.15)の感想

2022-10-23 10:38:29 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


かつてはリーグ戦最終節に秩父宮ラグビー場で行われ、黄金カードだった2チームの対戦。そのかつては何時のことだったかを調べてみた。私がリーグ戦Gの観戦を始めた1997年以降だと、まず1999年、2年置いて2001年から2007年までの7年連続、そして2010年。それ以後は最終節での秩父宮での対戦がない。「黄金カード」と言っても通じ難くなっているのは致し方ない。

時計を現在に戻す。開幕から2勝1敗で好調な法政に対し、関東学院は3連敗。最後の最後まで縺れた東洋大戦以外は完敗と言える内容で両校の明暗が分かれる。前年度5位の法政は上位校との対戦がこの試合で終わり、逆に前年度4位の関東学院の残る対戦カードは前年度上位校。順位がひとつ違うだけでも大きな違いだが、勝ちたい気持ちはどちらも同じように強いはずだ。

◆前半の戦い

観客席には黄金カードの時代を知る人達も少なからず居るはず。序盤戦は様子見も兼ねたキックが多い展開。だが、チャンスとなればBKにボールが展開される。法政はシンプルなように見えて間合いに独特のリズム感を持つパス回し。それに対し、関東学院はロングパスを使うなど変化をまじえたパスで攻める。このあたりは時代が変わっても両校に受け継がれている伝統だろうか。

さて、先制点を挙げたのは関東学院。11分、SO安藤が10mライン手前からの距離のあるPGを決めて3-0となる。関東学院の安堵も束の間、法政が関東学院陣内でのラックのターンオーバーを期に攻勢に出る。直後のスクラムで強力なプッシュを見せ、関東学院はたまらずコラプシング。法政はゴール前のラインアウトからモールを形成して前進し、HO石川が抜けてあっさりトライを返す。GKも成功し、法政が7-3と逆転。

このトライを期に法政に勢いが出るが、ラインアウトのミスやゴール前でのラインアウトを狙ったPKがタッチインゴールとなるなど、ややちぐはぐ。一方の関東学院も法政が看板とする「炎のタックル」(グランドレベルで観ると、その低さとしつこさがよく分かる。)に苦しみ攻めきれない。法政のタックルの狙いはもちろん相手の前進を止めることにあるのだが、ノックオンを誘うことでカウンターアタックの起点ともなっている。「こぼれ球」への反応は法政の方が速く、ルースボールの7~8割は法政が確保するような状況。

両チームともに決め手を欠く中で時計はどんどん進み、電光掲示の得点が動いたのは前半も終盤にさしかかった35分。ゴール前スクラムでの関東学院のコラプシングの反則で得たPKでスクラムを選択。ここで法政はスクラムを強力にプッシュし、No.8寺前がボールをインゴールに運び連続トライ(GK成功で14-3)。法政は畳みかける。直後のキックオフでラックでのターンオーバーからオープン展開の連続によりWTB坂田がトライを重ねる(GK成功)。両チームが攻めている時間はさほど変わらないか、むしろ関東学院がボールが持つ時間が長いものの点差が18点まで拡がる。

前半終了間際に関東学院は相手の反則から法政陣ゴール前でのラインアウトのチャンスを掴む。しかしながら、ここでも関東学院にミス(ノックオン)が出て前半終了。法政が「炎のタックル」の他にスクラムで圧倒的に優位に立っていたことも大きいが、関東学院にやや元気がないように感じられたことが気になった。



◆後半の戦い

点差こそ開いているが、関東学院は法政に圧倒されているわけではない。リードしていても3トライ(+3ゴール)で追い付く21点差以内なら安心できないのがラグビー。関東学院は「流れ」をミスで掴みきれなかった印象が強い。言い換えれば、流れを変えられれば試合をひっくり返すことは十分可能に見えたのが前半の戦いぶり。ペースを掴むためにも後半は先に点を取りたい。関東学院はメンバーを一気に3人替えて後半の戦いに臨む。

そんな観客席の想いとは裏腹に、関東学院のミスが不利なスクラムを招くという悪い連鎖が止められない。キックが多ければ必然的にラインアウトも多くなる。ひとつ気になったのはラインアウトのポイントに向かうときにうつむき加減で歩いているFWの選手が散見されたこと。高校時代ならジョギングでないと怒られたはず。ルースボールをことごとく法政に拾われてしまったことも含めて意識の違いを感じた。

もちろん、関東学院にも何とか流れを変えようと奮闘している選手はいる。接点周辺でのファイトが前半よりも増え、身体を当ててボールを前に運ぶ動きに勢いがでてきた。5分、関東学院は法政陣ゴール前ラインアウトからモールを形成し、FL福見が抜け出てトライ。GKは失敗するが8-21となり2T2Gで逆転と、いよいよ反撃体制が整ったかに見えた。

が、本日の関東学院は集中力が続かない。カウンターアタックからのチャンスもノックオン、苦戦のスクラムではコラプシングとスタンドから溜息が漏れる場面が続き、波に乗ることができない。法政は17分に関東学院陣で得たPKのチャンスからショットを成功させて24-8とリードを16点に拡げる。反撃の芽を摘まれた形の関東学院にとって、この3点が重しのような形でのしかかりアタックでのミスが減らない。

試合も終盤にさしかかった33分、関東学院は法政陣ゴール前のアタックで21服部がラックからスッポリ抜け出てトライ。GK成功でビハインドは9点となり、残り時間からまだまだ再逆転は可能。関東学院は最後の力を振り絞って反撃する。しかしながら、ここでも自陣のスクラムでコラプシングを犯してしまい法政が(ショットは選択せずに)ゴール前ラインアウトからアタック。ここで痛いトライを献上し15-29(GK失敗)。

さらに43分、法政は自陣でのカウンターアタックからFB石岡が左サイドタッチライン際を快走。タックラーをかわして内側にフォローしたWTB坂田にパスを送る。パスを受けた坂田はゴールに向かって快走し、タックラーを巧みにハンドオフでかわしながらさらに内側を走っていた21北川にラストパス。法政らしいと言ってしまえばそれまでだが、この形なら絶対にゴールラインまで行くぞ!というDNAはしっかり受け継がれている。個人技と3人の意思疎通が図られた連携プレーが見事だった。

GKは失敗するが36-15で法政の勝利が決まった。スコアから見れば法政の圧勝だが、攻めている時間は関東学院の方がむしろ長かったこともあり辛勝の方が近い内容。勝敗を分けたのは、派手なプレーはなくても地道に相手をタックルで止め続け、ルースボールに素早く反応し、パスを確実に繋ぐプレーができたかどうか。「復活」への道程は法政が一歩以上リードだろうか。



◆試合後の雑感

法政の選手達のプレーを観て、まずやるべきことを確実にやることを普段の練習から心がけているように感じられた。ピッチから聞こえてくる声の多さも法政の圧勝。叱咤激励が飛ぶ活気のある練習風景が浮かんでくる。この試合の勝利により、3勝1敗での折り返しは大学選手権出場に向けて上々の出来。ただ、残りの対戦相手3校は前年度下位とは言え、体格面での不利は否めず厳しい相手と言える。今シーズンの持ち味をどこまで貫けるか(活かせるか)に着目したい。

関東学院がVを重ねていた頃のラグビーは、たとえそこが自陣インゴールだったとしても15人で確実にボールを前に動かしてゴールを目指す組織的なランニングラグビー。フロントローが余裕を見せてフィニッシャーになるラグビー(けして偶然ではない)は他に観た記憶が無い。そんなラグビーが可能なのも基本プレーがしっかりしていたから。狙いは分かるが軽く見えてしまうプレーが散見されるのが現在のチームと言える。東海大、日大、大東大との対戦を控える中で、相手に学ぶことが多かったと思われるこの試合での教訓を糧にして欲しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流通経済大学 vs 日本大学(関東大学リーグ戦G1部-2022.10.02)の感想

2022-10-06 00:13:28 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


今や大学ラグビーのメッカとなった感があるセナリオハウスフィールド三郷。陸上トラック付きで観客席ができたと言ってもコンクリートだから、真冬の観戦(があったらだが)は底冷えとの戦いになる。自慢できるのは立派な電光掲示板くらいで、けして整った競技場ではない。

でも、ここで観るラグビーが魅力的ではないのか?と問われたら、けしてそうではないと答えたい。秩父宮や熊谷のような整った競技場では、とくに学生の場合、よそいきのラグビーになってしまうことがままあると感じる。大学選手権のような大舞台ならそれがいい方に作用するかも知れないが、普段の力を出せずに試合が終わってしまうこともあるだろう。

セナリオHFのような(ピッチと観客席の間が)バリアフリーの競技場の場合は、選手達がホームグランドでの雰囲気と近い感覚でプレーすることができるように思われる。逆に言えば、普段着の力を正直に曝け出してしまう恐ろしい競技場とも言える。観戦する側として、畏まった会場では得にくいいろんな情報が伝わってくるところが面白かったりする。

さて、第一試合(東洋大vs大東文化大)での大どんでん返しの余韻が残る中で迎える第二試合は、流通経済大学と日本大学の戦い。チームカラーが対照的で、長いリーグ戦の観戦歴のなかでも印象に残る試合が多い対戦カード。今シーズンは開幕2連勝で好調の流通経済大に対し、緒戦の立正大に苦しみながら勝利し、2戦目の法政には敗れた日大と明暗が分かれてはいる。連敗は避けたい日大の奮起に期待しながらキックオフを待った。

◆前半の戦い

大接戦となったものの、どこかもたついた印象があった第一試合とはうって変わり、序盤からボールが大きく動く攻防が繰り広げられる。ピッチから聞こえてくる選手達の声も明らかに多く活気が感じられる。FWに大型の選手を揃えた流経大の地道な組立に対し、バックスリー(水間、トゥポウ、普久原)に決定力のある選手が揃う日大はバックドア、飛ばしパスなどを駆使したワイドな展開ラグビー。そんあアタッキングラグビーは観ていて楽しい。

7分、日大が流経大陣22m手前のゴールやや左でPKのチャンスを得る。SH前川がGKを難なく決めて日大が幸先よく3点を先制。しかし、流経大もすぐに反撃。9分にゴール前のラックからLOアピサロメ・ポギドラウが一瞬の隙を突き、正面突破でボールをインゴールに力強く運ぶ。GKも決まり流経大が7-3と逆転に成功。

ここから流経大がペースを掴み、ボールを確実に保持しながらFW中心で前進を図る。しかしながら、ここ一番でノット・リリース・ザ・ボールの反則を犯し、チャンスを潰すことが多い。ラックでのノット・ロール・アウェイも含め、流経大は試合終了まで反則の多さに悩まされることになる。因みにこの日流経大が記録したペナルティは前半9個、後半10個の計19個だった。

日大は対照的に自陣からもキックはあまり使わず、パス中心のランニングラグビーでゴールを目指すスタイルで徹底されている。これはこれで面白いのだが、実はFWがファースト・レシーバーになることが殆どない、一時代前のラグビーを思い起こさせるラグビーであることに気付く。流経大が「FWで堅実に前へ」を貫いているし、それが最近のラグビーのトレンドなので(ノスタルジーはさておき)逆に新しさを感じたりもする。

話が逸れた。流経大にとって痛いのは自陣での反則が多いこと。18分に日大が7分の時と同じ位置でペナルティを得、ここでもショットを選択するが惜しくも外れる。直後の23分、流経大は日大ゴール前のラインアウトからモールを形成して前進し、ラックから左サイドに展開して左WTB堀井がトライ。GKは失敗するが流経大はリードを9点(12-3)に拡げる。

27分にも日大は流経大陣22m手前で得たペナルティでショットを選択するが、GKは右に大きく外れる。確実に点差を詰めておきたいところだったが、チャンスはその直後にやって来る。自陣22m付近からBKでボールをワイドに展開し流経大ゴールに迫る。パスミスを拾われてインターセプトに遭うのも束の間、流経大のキックをチャージダウンしてさらにゴールが近づく。ここからボールを大きく右に展開してWTB水間がゴールラインを突破。GKは失敗するが日大のビハインドは4点(8-12)に縮まる。

流経大の負けていない。37分、日大ゴール前でターンオーバーに成功し、CTBリアクタ・テアウパがトライ。GK成功でリードを11点(19-8)に再び拡げる。流経大は42分にハイタックル(イエローカード)で14人となりながらも何とか凌ぎきり前半が終了。ただ、反則の多さを修正しない限り後半も厳しい展開となることが予想された。



◆後半の戦い

後半もノットリリース病を克服できない流経大。必然的に日大が攻める時間帯が長くなり、流経大が耐える展開。日大は流経大ゴール前のスクラムから素早く左に展開してWTBトゥポウがゴールラインを越える。GKも成功して15-19となり、逆転まであと1本に迫る。

日大には運も味方した。流経大ゴール前ラインアウトでボールをタップされて被スティール。と思われたがイレギュラーバウンドしたボールは日大選手の手に収まりそのままインゴールへ。GKは失敗するが20-19と1点差ながらついに再逆転に成功。

勢いに乗る日大がゲームの流れを掴む。流経大は相変わらず反則が多いが、日大もキックミスが響きなかなか得点に繋がるアタックが出来ない状態。両チームが繰り広げる激しい攻防の中でゲームが膠着状態に陥る。流経大は28分に日大陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込んでトライ。やや難しい位置からのGKも成功し、26-20と再々逆転に成功。

ただ、流経大のリードは1T1Gで逆転可能な6点。時間も10分以上残っており、日大には十分時間がある。さらに、自陣での反則が多いことも不安材料。ここから、日大の死力を尽くした反撃が始まり、流経大は殆どの時間帯を自陣で戦う苦しい展開となる。第一試合同様に最後までどちらに転ぶか分からない展開に、スタンドは大いに沸き立つ。「流経、ノーペナ!」の檄は祈るような気持ちで発せられている。

流経大は正に背水の陣。自陣ゴール前、それも(GKが決まりやすい)正面付近で何度も「あと一歩」まで迫られる。タックルに次ぐタックルでとにかく凌ぐ。そして、何とかターンオーバーに成功し、ボールを真後ろにキックアウト。試合終了のホイッスルが吹かれたとき、電光掲示板の時計表示は91分だった。



◆試合後の雑感

流経大が本来目指しているラグビーは(指導体制に変更がないし)ブレイクダウンに時間をかけずテンポよくボールを動かすダイナミック・ラグビーだと思う。この日のラグビーはFWで着実にボールを前に運ぶラグビーで、フェイズを重ねたところで変化技が入る。昨シーズンは5位となり、今シーズンも夏合宿では練習試合に全敗で前途多難が予想されたと聞く。それを思えば、昨年度上位陣を相手に開幕3連勝は嬉しい誤算。もちろん反則の多さは大反省材料だが、ディフェンスで粘れたことは大きな収穫と言えそう。

一方の日大。流経大の反則数を考えれば優位に試合を進められたはずという想いを禁じ得ない。また、ヘッドコーチの変更があったとは言え、目指すラグビーがかなり変わったという印象を拭えない。流経大のようにFWで身体を張ってボールを前に運ぶ場面がどれだけあっただろうか。長短の工夫を凝らしたパス攻撃は見応え十分ながら、相手のディフェンスが揃った状態(とくに流経大のように組織されたチームが相手)では一次突破は難しいように見えた。今後、どのように戦術を立て直していくのだろうか。BKに魅力的なアタッカーが揃うだけに気になるところだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東洋大学 vs 大東文化大学(関東大学リーグ戦G1部-2022.10.02)の感想

2022-10-04 02:09:16 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


本当に久しぶりのセナリオハウスフィールド三郷。コロナ禍もあって、リーグ戦グループの試合観戦からも遠ざかっていたことも思い出す。2018年度のシーズンが最後で、そのころは競技場の道路側は芝生の土手だったのだ。

有料試合開催ということで、スタンドはどうなっているのだろうか?とか、道路側は(外から丸見えなので)目隠しフェンスを作ったのだろうか?とか想いをめぐらしながら試合会場に向かう。着いてみると、バックスタンド側にコンクリートの座席が設けられていたことを知る。熊谷ラグビー場のBグランドや明治大学を訪れたことがある人にはお馴染みの形。(目隠しフェンスはなかったが、会場スタッフが通行する人に立ち止まらないように通行する人に促していることを観戦中に知る)。

以前は、メインの座席が観にくいため、チームのテントがある側に立ち、選手目線で観戦していたが、今シーズンからは落ち着いて観戦できる。実はバリアフリーの競技場は、チームや選手の状態、ゲームの流れがダイレクトに伝わってくるのが面白い。試合に纏わる色々な思い出が頭の中を走馬灯のように駆け巡る(テンションが高まった状態で)キックオフを待った。

◆前半の戦い

1部リーグ昇格の緒戦で東海大を破り、2戦目の関東学院戦にも圧勝して勢いに乗る東洋大。それに対し、開幕2連敗でなかなか調子が上がらない大東大。そんな状況もあり、東洋大優位の予想も立っていたことは否めない。

しかしながら、元気いっぱいのはずの東洋大の状態がおかしい。キックオフから全体的に身体が重そうに見える。アタックでもなかなか前進できず、ボールキャッチでのノックオンなどイージーなミスが多い。キックチェイスも中途半端に見える。極めつけはラインアウト。211cmのウーストハイゼンが居るので圧倒的に優位に立っているはずなのだがマイボール獲得に窮する状態。

このような状況が続けば、自ずと試合の流れは相手に傾く。LOサイモニ、No.8リサラ、CTBラトゥらの強力なランナー達にボールを集める大東大の攻めが功を奏し、東洋大が防戦一方となる。大東大は17分、25分、30分に3連続トライを挙げ、ゴールキックもCTB戸野部のGKもすべて成功で21-0とリードを拡げる。

ゴール前まで攻め上がってもなかなか1本が取れない、東洋大ファンにとってはフラストレーションが溜まる試合展開。ただ、大東大も前半だけで3人の選手が負傷交代と後半戦に不安が残る状況ではある。東洋大が建て直せずこのままずるずる行きそうな内容ではあるが、大東大にとってもけして安心はできない状況の中で前半の戦いが終了した。



◆後半の戦い/東洋大の大逆転も束の間、

前半、精彩を欠いたとは言っても開幕2連勝のチームがこのまま引き下がる訳にはいかない。LOのウーストハイゼンに替えて森山を起用。これでFWの2列、3列はすべて180cm台の選手になったが逆に前半あれだけ苦労したラインアウトが安定するから不思議。

この選手交替もあり、後半は東洋大に積極性が加わったように見えた。ただ、ゴール前まで攻め上がるものの、あと一歩が届かずなかなか意気が上がらない。そうこうするうちに、15分に大東大が東洋大陣22m付近でPKのチャンスを得る。後半、大東大が先に1本取れば(東洋大は意気消沈し)ほぼ試合が決まるような状況で、ゴール前でのラインアウト選択も考えられた。

が、ここで大東大の選択はPGによる3点。24-0とすることは理に適っていると思うものの、東洋大の息の根を止めるためにも積極的に行ってもいいかなと思ったのだ。その理由の1つとして、前半に負傷交代が相次いだことと終盤戦でのフィットネスの不安が挙げられる。

果たして、この失点を機に東洋大が息を吹き返したような形で19分に反撃の狼煙を上げる。大東大の選手達の足が止まり始め、あっさりとラインブレイクを許す場面も。東洋大の勢いは止まらず、29分、34分にトライを挙げて19-24。あと1トライ挙げてGKが成功すれば大逆転勝利というところまできてしまった。3連敗はしたくない大東大との死力を尽くした攻防が展開される。

そして終了間際の44分、ついに東洋大は4連続トライで逆転に成功。ロスタイムが長めに取られているとは言え、大東大のキックオフを凌げば3連勝達成。しかし、運命は残酷。自陣で一番やってはいけない反則を犯してしまった。PGが決まれば大東大のサヨナラ勝ちになる。ここまで4本のGKすべてを難しい位置からも決めている戸野部が慎重に慎重を期して蹴ったボールは2本のゴールポストの中央を通過。大東大応援席から大歓声が上がったことは言うまでもない。

結果論(前言を翻す?)だが、15分にPGを1本決めていたことが大きかった。大東大は戸野部のスーパーブーツのおかげで勝てたとも言えるが、勝機を逃した東洋大にとっては悔やんでも悔やみきれない敗戦となってしまった。



◆試合後の雑感/大学ラグビーの怖さと難しさ

大学ラグビーで指導者の方がもっとも苦労されるのは、おそらく選手達のメンタルコントロールではないだろうか。たった1週間で絶好調から絶不調に陥ったチームを何度も観ているのでそう思う。いい結果を得たときの達成感は往々にして気持ちの緩みを生みやすい。テンションが緩むことで蓄積された疲労感が一気に吹き出してくることはあるかも知れない。

とくに前半に精彩を欠いた東洋大の選手達は「こんなはずでは…」と感じるくらいに身体が重かったのではないだろうか。また、相手が3連敗していることも心の片隅にあったかも知れない。そういった意味でも、後半に建て直せたことは今後の戦いでは大きな財産になると思う。緒戦で勝利した東海大にしても、この状況を経験するまでに数年間を必要とした。

大学ラグビーの面白さは1週間でチーム状態がガラッと変わって良くなるというのもある。東洋大は(流通経済大や東海大が1部昇格後に何年も要した)上位校に対する勝利を既に達成している。2週間でしっかり切り替えてリーグ戦グループ活性化の起爆剤であり続けて欲しいと願う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする