生活困窮者自立支援の家計相談を担当していて、よく感じたのは

 

「ライフプランの視点でアドバイスしないと意味ないのに」でした。

 

 

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一般に「家計を安定させる」ために行われるアドバイスは

 

「収支を均衡させる」ということです。

 

1カ月の収入がこれくらいならば、支出は「これ以内」に収まる必要がありますし

 

その支出が「減らせない」ならば、収入を増やすことで

 

単月の収支均衡に結び付けられるのです。

 

いわば「引き算と足し算」を家計に取り込むのですが、これは誰にでも理解できる「法則」です

 

しかし、この「引き算と足し算」を長ーく継続できるかどうか、が実は肝なんです!

 

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この「継続性」の課題があるのが、障がいがある人、生活困窮世帯の人が多いという特徴が経験的にあります。

 

では、なぜ「収支均衡の継続」が苦手なんでしょうか?

 

一般的な福祉関係者、社協関係者、行政関係者は、こうした人たちが「できない人」という前提で

 

例えば、週に一回来所させて報告させる、一日〇〇円以内で暮らす指導をする

というサポートが取られることがよくありますが、成果は思わしくありません。

 

私は以前から、この状態の人に「アドバイス」する側に、「ライフプランニング」の視点がない、「理解できていない」

からではないか、と考えていました。

 

しかし、ライフプランニングをどう説明したらいいだろうか、とも迷っていました。

 

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で、先日ふと「ライフプランニングは掛け算である」と、天から降りてきたのでした(苦笑)

 

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ライフプランニングとは

「人生設計とお金のこと」を時系列で計算して、それを20年・30年などのスパンで、実現可能かを考える

ことです。

 

その際のポイントは

  • 単月の収支をその期間分計算すること
  • 時期時期に追加される「ライフイベント」にかかるお金をその都度付け加えること

により、20年間とな30年間の「期間収支」を調べることができます。

 

その「期間収支」に課題があるならば、その経済的課題を解決できるように

  • 「今からできる事」をアドバイス
  • さらに実行支援も行う
     
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この少し複雑な考え方を、当事者さんにどう伝えるか、が重要ではないかと思うのです。
 
普通に伝えるならば「毎月の収支が均衡になるように、来月も、その次の月もがんばろうね」
となることが多いと思いますが、どうですか、こういわれて。
 
ずーと、死ぬまで、この「家計合わせ」を続けんといかんのか?
とだいぶネガティブになるのではないでしょうか?
 
そこでまるでお告げのように浮かんできた
ライフプランニングは「掛け算」である
つまり
人生設計は足し算ではなく、掛け算である
という伝え方ができないかと思った次第です。
 
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具体的な内容はまたの機会に説明しますね!
 
では、また。
 
 
 
 

 

夢ノートプロジェクトのクラウドファンディングのご紹介

 

この12月の上旬に始めたクラウドファンディングもいよいよタイムアップが近付いてきました。

 

 

「夢ノート」で障がいのある方の"夢の実現"をサポートしたい!

 

 

地元の社会福祉協議会で、福祉の現場で仕事をしていた時、常にそう考えてきましたが、支援の現場ではそれが受け入れられていないのも事実です。

 

「何とか生きていく」支援だけでなく「誰もが自分らしく生きる」支援を実践するにはどうすれば良いだろうか、と2年前から考えてきて、夢ノートという支援ツールと、その夢ノートを使った支援のあり方を夢ノートプロジェクトとして始めました。

 

このクラウドファンディングが成功しましたら、夢ノートを使った勉強会やセミナーを日本中で開催できます。

 

是非ともクラウドファンディングへのご支援や、この投稿をシェアして頂きますよう、お願い申し上げます。

 

 

先日も農福連携で躍進している、安芸福祉保健所の公文一也さんと、安芸市で農福連携に取り組んでいる農家のお二人を招いて、農福連携の勉強会をしました。

香美市役所の農林課にご協力をいただき、広報したところ、香美市、香南市、南国市を中心に約75名の参加者があり、会場の香美市役所会議室は熱気に満ちていました。

安芸市の農福連携の実践者の集まりであるチーム安芸のセミナーには、昨年から何回か参加していますが、その熱気からは想像できない現実があります。

それは
農福連携は安芸以外はほとんど進まない
と言うことです。

もう少し丁寧に言うと

農福連携を希望する農家は多いし
素晴らしい取り組みだと思う福祉関係者もいるし
セミナーは盛り上がるのですが
なぜか農福連携が進む速度は極めて遅い!

と言うことになります。


ちなみに農福連携とは、
農家の人手不足を埋め合わせるために、
障害者を雇用すること
だけではなく、以下のように定義されています。

「農福連携とは、障害者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取組である」

つまり

「生きづらさを抱えた人の社会参加、生きがいづくりなどに、農家と福祉や行政が一緒に取り組み、その結果として、農家の人手不足を補い、障害者の就労機会を提供することになる」

と言うことが、農福連携の目的であり、意義でもあるというわけです。

話を戻しますが、では何故農福連携は進まないのでしょうか?

私が何回もチーム安芸のメンバーと話してみて、セミナー参加後の農家さんの声や、社協をはじめとする福祉関係者の動きを観察した結果の結論は、

農福連携を「誰がする?」に終始してしまい、
農福連携を「どうやってする?」にまで
行き届くことができていない

からだと思います。

更に付け加えるならば、農福連携を進めている安芸市においては、行政や福祉など→農家さんへと働きたい人の情報が流れていきますが、他の地域では、農家さんの「取り組みたい」という→を受け止める人がいない、という現状があるかと思います。

逆に言うと、上記の2点がクリアされると、その地域では農福連携は進み始めるでしょう。

なぜ「どうやって取り組もうか?」と関係者が一体になれないのか?を突き詰めていくと、その地域の抱えている課題が浮き彫りになるのではないでしょうか?

現実を目の当たりにするのは勇気がいるでしょうし、縦割りやセクショナリズムの弊害を解消するのは骨が折れるかもしれませんが、それくらいのハードルで右往左往するような支援者は退場して欲しいと思います。

そうでないと、いつまでも、いつまでも、貴方の住む地域の福祉は成熟しないでしょうし、いつかその悪い影響が形や大きさを変えて、私たちの生活に降りかかってくるかもしれないと心配にならないですか?

とにかく
どうすれば上手くいくだろうか?
にこだわって欲しいですし、私たち市民もそこを外さないでおきたいですね!