庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

なぜホシザキユキノシタの葉の模様の色は赤色だけなのかを考えてみたら

2024年05月27日 | 庭の花たち

ホシザキユキノシタ
世界で一ヵ所しか自生地がないホシザキユキノシタの花。
 ふつうのユキノシタの花弁は下側の花弁が幅広く長いのであるが、まるで雄しべのように細くなっていて、花の形が輝く星のようです。
 普通のユキノシタをネットなどでみると、葉の模様が赤色の葉と、緑色の葉で、白色が目立つ葉とがあるのですが、ホシザキユキノシタの葉の模様は赤色のみです。なぜ、模様の色が緑色で白が目立つ葉のホシザキユキノシタは存在しないのでしょうか。
 それは自生地が一ヵ所しかないからです。と言ってしまえばなるほどと納得してしまいます。
 たまたま庭に、葉の模様が緑色で白が目立つユキノシタがあるので、ホシザキユキノシタの葉と比較してみました。
 庭のホシザキユキノシタの葉の模様は赤色です。これを赤い葉とします。
 庭のユキノシタの葉の模様は赤色部分が緑色で、白色が目立ちます。これを白い葉とします。
 ネットでユキノシタの葉を見ると、やはり赤い葉と白い葉があります。
それなのに、ホシザキユキノシタには赤い葉しかありません。少なくともまだ出会っていないし、ネット上でもみあたりません。
 それはホシザキユキノシタの自生地が一ヵ所だけだから。ということに落ち着くのだが、ホシザキユキノシタと白い葉の花と見比べていて、ふと気づきました。
 庭の白い葉のユキノシタ1
 庭の白い葉のユキノシタ2
 庭のホシザキユキノシタの花と違うのは下側2枚の花弁の形の違いだけではないことです。
 上側3枚の花弁の模様の形は似ていても、模様の色が 1黄色味を帯びていて赤色が薄いか、 2赤色が全くなくて黄色である。
 庭には赤い葉のユキノシタが無いので、ネットで確認してみたら、やはり、赤い葉の上側花弁は赤色が濃く、ホシザキユキノシタの色と同じでした。また白い葉の上側花弁は同じく赤色が薄いか、黄色のようです。
 何故、白い葉の上側花弁3枚の色合いが赤が薄かったり、赤色が全くなくて黄色なのでしょうか。ヒントになったのはこの花です。
 ハルユキノシタ(ベニバナハルユキノシタ)
 7年前の植木市で入手したが、枯死してしまったハルユキノシタ。花弁が赤いのでベニバナハルユキノシタと思われる花です。
 ユキノシタより少し花期が早いので、ハルユキノシタと言われるものです。この上側3枚の花弁は模様が黄色です。
 もしかして、赤い葉のユキノシタとこのハルユキノシタが交雑することにより、花弁の模様の赤色が少なくなり、模様の部分が黄色くなるのではと考えました。
 ハルユキノシタの葉
 ハルユキノシタの葉は緑一色です。赤い葉のユキノシタのように葉脈付近の白模様が無いようです。
 この緑一色の葉に、赤い葉ユキノシタの葉脈付近の白模様をつけると、白い葉のユキノシタの緑色の模様がはっきりと見えてくると思います。

 なぜホシザキユキノシタの葉の模様の色は赤色だけなのかを考えてみたら、
 純粋なユキノシタSaxifraga stolonifera Curtis は赤い葉をしていて、花弁3枚の模様の色も赤が基本と思います。その近縁のホシザキユキノシタも赤い葉で、花弁の模様も赤色が基本です。
 ハルユキノシタSaxifraga nipponica Makino およびベニバナハルユキノシタ Saxifraga nipponica Makino f. rosea Togashi et Satomi は葉に模様が無く緑一色で、花弁3枚の模様の色が黄色が基本です。
 このユキノシタとハルユキノシタが交雑した時に、葉にはユキノシタと同じ模様が現れ、赤色は消えて緑色の模様となり、また花弁3枚の模様はユキノシタと同じ形になり、赤色が消えて薄くなり、さらに黄色一色になった花もある。
 このように赤い葉のユキノシタと緑一色の葉のハルユキノシタが交雑することに拠って、白い葉のユキノシタができたと、このように考えられるのではないでしょうか。
 もしも、この通りであるならば、白い葉のユキノシタには交雑種としての名前を付けてもよいのではないでしょうか。
 と思って調べたらアオユキノシタSaxifraga stolonifera Curtis f. viridifolia (Makino) H.Hara  というのがありました。まさしく白い葉のユキノシタはアオユキノシタでした。花弁3枚の模様の色が微妙に違うものがあるので、白い葉のユキノシタをすべてアオユキノシタとしてもよいのか迷うとところもあるが、これからはアオユキノシタと言うことにしようと思います。

 でも花期がずれているのにどうして交雑できたのか疑問の残るところです。三春の桜で有名な三春は梅桃桜が同時期に咲くという意味でして、多くの地方ではありえないことですが、どこか限られた地域では同時に咲くこともないとは言えません。高山植物のように短い期間に多種類の花が同時に咲くようなこともあるりまえるかと思います。梅は野梅系、アンズ系、スモモ系が交雑しているのですが、これも同時に咲く場所は限られていて、多くの地では花期がずれています。

ボケ防止にあることないこといろいろ考えております。
 
 






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小澤の滝の黒松

2024年05月16日 | まち歩き

以前、リハビリ散歩を二人でしていた時に知り合った方と出会いました。挨拶をして互いの近況を話し合いました。聞けば一緒に散歩していた犬が2年前に亡くなったので、歩くことが少なくなったそうです。歩道わきの垣根に常緑ガマズミがあったことから、草木の話になり、庭には金食い松があるとのこと。松は職人により管理が欠かせないとのことで、偕楽園出入りの造園業者の職人に来ていただいているとのことでした。
 
樹齢およそ150年になる立派な黒松です。
その方のお爺さんのお父さんは研ぎ師であったそうです。
明治の初めころ、水戸藩の剣道場東武館の小澤館長から刀を研ぐことを依頼されたそうです。
刀の研ぎ代として、東武館の近くの自宅の庭の斜面にある小澤の滝のちかくにあった黒松をくださったそうです。それが今も庭にあるわけです。ということで推定樹齢は150年にはなるわけです。
何と珍しい記念の黒松でしょうか。枝ぶりもよく、堂々とした大木を管理し続けてこられたそうです。
松くい虫からもまもられ、枝ぶりもよく保ってこられました。 
この黒松をいただいたのは明治の初めころというので、おそらくは初代館長ではないかと考えられます。
東武館初代館長は小澤寅吉政方。北辰一刀流。
明治7年1月1日44歳 自邸内に東部館創設
以下7代を経て現在にいたる。詳しくは水戸東武館の沿革を参照ください。
この黒松は小澤館長の自邸内の斜面にある小澤の滝の近くにあったそうです。
現在東武館からそれほど遠くない位置に「小澤の滝」という場所があります。
以下はGoogle Mapを借用しています。
右下の緑色が水戸東武館で左上の緑色が小澤の滝です。
小澤の滝の位置は、東武館の北西、直線距離で約200mです。
東武館は水戸台地の標高約30mで、小沢の滝は標高約6mですから、約24mも斜面を下った場所です。写真の左上から右下にかけて、茶色と黒の色の濃い部分が斜面です。少なくともこの範囲が自邸としても、かなり大きな屋敷があったことがうかがわれます。
現在の小澤の滝です。湧水の小川が池に流れ込んでいます。現在は滝らしいものがありませんが、当時は水量も現在よりも多かったと思われ、あるいは滝らしい滝があったのでは考えます。
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カザグルマの森の花のゴールデンウィーク

2024年05月12日 | 庭の花たち
 5月2日カザグルマ一番花が開花
在来種のテッセン カザグルマの季節になりました。
 カザグルマの森
木々の緑が急に濃くなって、鬱蒼としてくるときに咲き始めるカザグルマ。
ツツジの白花が終盤になり、オオムラサキツツジが盛んになるころ。
電柱のようなモミの木の切り株にキヅタが絡みついて、キヅタの中を這い上がったカザグルマの蔓に白い花が咲きだす。
 オオムラサキツツジは天辺の開花始まる。
 同じ株でも下部はすでに満開。
庭の季節は、わずかな高低差でもだいぶちがう。

 アヤメが地上で咲かせたのが4月30日
 地上高約1.8mの築山の頂上でアヤメが盛んに咲きだしたのは5月6日で、朝方は霜注意報がでていた。
 寒暖の差が大きいこの季節に、花たちは開花に最適な日時を見極めて花を開いている。
 カザグルマの二番花が一番花開花の翌日5月3日に開き始める。蕾の時に虫に齧られて形がよくない。
 開花3日目の5月4日に3番4番花が開花する。 上から二番花、一番花、三・四番花
 同日オオムラサキツユクサ一番花が開花
 5月6日 五・六番花開花。今シーズンの花が咲きそろう。なお返り咲きもよくあるので、6月以降にも花を期待している。

 同日オオムラサキツツジも満開となる。
 同日ユキノシタの一番花開花

 5月7日 昨夜の強風のためカザグルマ1輪の花茎が折れて花がしおれる。
 オオムラサキツツジは強風にもめげず満開
 同日ホシザキユキノシタ一番花開花

 5月8日ヒメサユリ開花

 5月8日ガマズミが咲きだす
この後もマタタビやサルナシ、ヒオウギアヤメなどの開花が続々とツずくので目が離せない日々が続きます。

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紫花姫延齢草に変化葉出現とネナシカズラとの攻防を期待する

2024年04月24日 | 庭の花たち

紫花姫延齢草
紫花姫延齢草は2018年春 千波湖畔での植木市でゲットしたもの。
学名を調べたところ、アメリカ産の Trillium sessile らしい。  
今年は株もすこぶる元気で、子株がたくさん出てきて、上の写真の左下の葉だけに切れ込みがあることに気が付いた。
 紫花姫延齢草の変化葉 
エンレイソウの葉は通常は切れ込みのない小葉が3枚であるが、この株の葉は小葉3枚とも切れ込みがあり、3裂している特異な形状。
もしかしてこれからも毎年同じような葉が出てくるのかもと期待した。
 そこで、学名で検索して、このような切れ込みのある葉がほかでも出現した例があるのかどうか調べてみた。
 1500件近く見てみたが、結果は切れ込みのある葉は見当たらない。特異なものとしては、小葉が4枚のものが1件だけであった。
これはかなり貴重なものかと期待が膨らみ、この株だけを分離して栽培することにした。
特異な葉を持つ株を分離してみたら、
この株は葉が2枚で右側の葉はまだ1枚で、来年以降株が成長したら、2枚とも小葉が3枚になる見込み。期待通り切れ込みのある葉が出現するだろうか。期待を込めて鉢に植えた。
特異な葉を持つ紫花姫延齢草
 
 さて、昨年から千波湖畔の植木市が趣向を変えて緑化祭りと名前を変えた。それで新しい業者も加わり、植物の珍品を数多く収集している方が加わり、ムサシアブミの珍品を見せていただいた。
ムサシアブミ珍品
 何と、片方の葉・左側が褐色になり、花に変化したようなもの。さらに子葉が5枚で片方の葉が同じく花に変わったものもあるよし。
 わが家のムサシアブミにも子葉が5枚のものがあると話したところ、庭の植物全般を見たいというので雨の中、庭をご案内した。2点ほど欲しいというので差し上げたほかに根ぶせでの増殖を依頼されたものあり。この方が特異な葉を持つ紫花姫延齢草にも興味を示し、大切に育てるようにと。
 後で気づいたことだが、3裂した小葉と葉脈が一致していない部分があるようで、もしかすると3裂したのは物理的な現象で、遺伝しない可能性があることがわかり、少し落胆している。

 ところがこの紫花姫延齢草の葉柄に不思議なものを発見した。上から3番目の写真でも確認できるが、拡大すると以下の通り。
 葉柄に絡みついたもの1
 葉柄に絡みついたもの2
 葉柄に絡みついたもの3
 どうやらネナシカズラらしい。この紫花姫延齢草を置いた場所は、イワガネが繁茂していて、2022年はそのイワガネに大量のネナシカズラが絡みついた。
 イワガネに寄生したネナシカズラ20221003
しかし、昨年はネナシカズラが嘘のように現れなかったが、今年、紫花姫延齢草に巻き付いているのはネナシカズラに間違いなさそう。
 野原では外来種のアメリカネナシカズラが在来種の植物に絡みついているのを見るが、宿主と寄生者が入れ代って、在来種のネナシカズラがアメリカ産の植物に絡みつくのは珍しいこと。もしかすると、今夏は在来種ネナシカズラとアメリカ産延齢草の攻防戦が見られるかもしれない。

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フラワーラッシュ その5 赤やピンクの花たち

2024年04月18日 | 庭の花たち
 アカバナルリハコベ
長崎の友人からいただいた花。学名:Anagallis arvensis  ヨーロッパ原産で毒性があって、民間療法として、また精油は昆虫の忌避剤にも。
 サクラソウ
リハビリ散歩でいただいたもの。
 サトザクラ旭山
大木にならない八重咲の桜 この地に来る前から庭にあった木のひとつ
 ジロボウエンゴサク
延胡索は漢名でキケマン属のことだそうです。次郎坊は、太郎坊に次ぐ神通力のある天狗の名らしいが、花の形が天狗の鼻に見えたのかも。
 アケビ 紅白
こちらではアケビと言えば赤花のほうである。
 ミツバアケビ
さらに濃い色のミツバアケビ
 アオキ 雌花
雌花には雄蕊が無いが、雄花には雌蕊と雄しべがあるも、花が終わると枯れてしまう。
 ウラシマソウ
 ムサシアブミ

 カキドオシ
ヒイラギソウ

 カンアオイ 静岡産
 タマノカンアオイ
タマノカンアオイは東京の友人からいただいたもの。

 ゼンマイ 胞子葉と栄養葉
胞子葉は山菜として採取しない習慣がある。
 ツバキ イースターモーン
今年は3月31日イースターの朝開花
 ヒメゼキショウ
 マサムネゼキショウ
フラワーラッシュ その6へ続く




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