モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

東北の山を眺める/まずは鳥海山・その1

2024年06月12日 | 鳥海山逍遥

(本頁は「全国山の日協議会」への投稿文「東北の山を眺める/まずは鳥海山・その1」の原本です。)


今回は山に登るのではなく、山を眺める話をしようと思います。
私は子供の頃から山が好きでした。
幼少の頃は下界から遠く眺めるだけ、長じてから山そのものに登り、
ときには頂きを極めるようにもなりましたが、

老いて来たらまた眺めるスタイルに戻りつつあります。
冒頭写真は私の生地(秋田県)横手市郊外から見た鳥海山です。




鳥海山は私が今住んでいる秋田市からも小さく山体の一部を見ることが出来ます。

眺める山、最初は鳥海山からスタートします。
この山は秋田と山形の県境付近に聳える火山です。
高さは2236m、東北では尾瀬の燧ヶ岳に次いで二番目に高いとされていますが、
日本海のすぐ近く0mから聳えているので、
山体としての高さ、規模の点では燧岳(2356m、ただし山麓の尾瀬ヶ原の高さは約1400m)を遥かに凌ぎます。
私は東北第一の高山だと思っています。
庄内平野や本荘、にかほの平野から眺めると2200mを超える標高差で聳えております。
これだけの標高差で平地から眺められる山は東北では鳥海山だけ、
国内でもそう多いものではありません
(これ以上の標高差がある山は富士山、富山から見る剱岳立山、加賀の白山、日光の男体山女峰山、上越の頚城三山くらいか)。

なお鳥海山は秀麗な姿から出羽富士や庄内富士、秋田富士などとも呼ばれますが、
本物の富士山とは異なり、見る角度や場所が変わると、その姿を大きく変えます。
二番目の鳥海山は山形県(庄内地方の)遊佐町から見たものです。




鳥海山の眺めは多彩なので、今回も含め、三回シリーズで語ってまいります。

初回は今年1月11日、秋田県にかほ市から見た鳥海山です。
日本海側の秋田地方の天候は冬場の約四か月間は曇天や降雪が続きます。
そのため冬に鳥海山が見えることは滅多になく、
三月になって初めて見えたという年もあったほとです(ここが太平洋側の富士山との大きな違いです)。
1月11日は珍しく、朝から、からりと晴れて自宅二階から鳥海山のアタマが見えました。
すぐにでも車を飛ばしてもっとよく見える場所まで行きたかったのですが、
この日はあいにく午前中、用事があり、家を空けられませんでした。
昼、用事が済んだら、今度は鳥海山方面に雲が懸かり見えなりました。
ところが15時近くになったら、雲が取れてまた姿を現していました。
秋田市からは遠いですが、にかほ市まで走れば、
夕日を浴びた鳥海山が見れるかもしれない。善は急げと家を出ました。
16時ちょっと前頃、にかほ市の象潟インターに到着。

参考マップ



次の写真は、高速を降りて奈曽大橋を越えた先の道端(参考マップの地点A)から撮りました。

これが私の今年の鳥海山、初撮影になりました。




この位置(下のマップ地点A)から見た鳥海山は冒頭二枚の鳥海山とはとても同じ山とは思えない姿です。

鳥海山本体の前面に支峰の稲倉岳が覆いかぶさっています。
次いで約10分後、国道7号線との合流点にあるローソン大砂川店の駐車場(参考マップの地点B)から。




ここから眺める鳥海山は左側に支峰の稲倉岳が突き出しているので、

ふたつ山が並んでいるように見えます。鳥海山は見る場所がちょっと違うだけで大きく姿を変えます。
ローソン(参考マップの地点B)で鳥海山を眺めた後、国道7号線を南に少しだけ走り、
左折して大須郷の集落(マップの地点C)に入ってみました。
ここから眺める姿はBとあまり変わりません。鳥海山全体の姿を眺めてみました。




ところで鳥海山本体の右、手前側に見える笠を伏せたようなゆったりとした山は何というのでしょうか。
地図で見ると、扇子森(1759m)や御浜神社、笙ヶ岳(1635m)など部分的な地名は有るが、
緩やかな山全体を表す名前はわかりません。
後で手持ち書籍、フィールドガイド日本の火山4 東北の火山(高橋正樹+小林哲夫・編、築地書館・発行)を
あたったところ、鳥海火山は東部と西部のふたつに分けることが出来ると言う記述が有りました。
そのため西部のこのゆったりとした鳥海山はひとまず西鳥海山、あるいは西鳥海火山と呼ぶことにしました。

この先、県境を越えて山形県側からも眺めたかったのですが、今日はそちらへの移動を断念しました。
理由はもうじき日没だからです。
日没前ににかほ市内の小滝(参考マップの地点D)に急ぎ移動し、バス停跡地で撮影を始めました。




ここから見ると、稲倉岳は鳥海山本体の脇に収まり、見分けがつかなくなっています。

17時少し前になったら日没でした。
日没後、少しですが、アーベンロート(夕焼け)になりました。
ラスト写真は私自身初めて見た夕焼け姿の鳥海山です。




以上。

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秋田蕗を訪ねて五千里、いや五千米。(2024年6月5日)

2024年06月11日 | 街並みと建物

著名な秋田民謡のひとつ、秋田音頭に
「秋田の国では、雨が降っても、唐傘などいらぬ、
手ごろの蕗の葉、サラリとさしかけさっさと出て行がえ」

の歌詞があります。

現実には雨の日、蕗の傘をさして歩く秋田人は居ないのですが、
気持ちはわからないでもありません。




冒頭写真は5月1日、県立美術館で開催中の写真展を見に行った際、
向かいのにぎわい交流館AUで見た観光PR看板です
(詳細は「街中で山の写真展を・・・」を参照)。

実はこの後、家内が秋田蕗が実際に生えているところを見たい、
(`◇´)秋田県人なのに蕗を見ないまま死ぬのはいやだ。
などと急に自己主張し始めました。

その後、ネットで検索してみたところ、
自宅の有る御所野から車で10分程度、
距離で言うなら五千里いや五千米(メートル)程度、
走った秋田市仁井田地区に
蕗畑があると判りました。
6月になったらすぐに家内が直接電話して見学の予約を取り付けました。
以下は6月5日の秋田市仁井田、Sさんの蕗畑訪問記録です。

仁井田地区に入ると、そこは秋田市の一角なのに、
道の両側に商店は無く、ブロック塀に囲まれた農家風の住宅ばかりが連なっています。







この辺だろうと当たりを付け、家の前に出ていた老人に声を掛けたら、
なんとSさんでした。




蕗畑は住宅の奥のビニールハウスのかげに有りました。







この「よしず」で囲まれた中が蕗畑だと知らされちょっと驚きました。

ワタシ実は秋田蕗の畑はもっと広大な場所だと勝手に思っていました。
よしずで囲っているのは蕗の倒伏防止のためだそうです。
よしずを固定しているビニール紐をハサミで切り取り、
よしずの一部を取り除くと、巨大な蕗が現れました。







「今年は育ちが好くないので小さいが、よく育った葉は直径1メートルを優に超える。」

Sさんが鎌で数本刈り取って人が入れるスペースを作ってくれました。
そこに家内が入って行きました。




 





 


刈り取った茎の中はご覧のように空洞となっており、
アルファベットのAのようにも見えます。

Sさんによると、
昔は太くなった茎を砂糖漬けのお菓子に加工して食べたものだが、

最近は他にもっと美味しいお菓子がいっぱい有るので
蕗菓子などは誰も会いてしなくなった。

また蕗の栽培はけっこう面倒なようで・・・
連作を嫌うため、毎年のように掘り上げて移植しなければならない。

でかく育てるためには肥料もしこたま使う。
風に弱く折れやすいのでよしずで囲って保護している(県北の農家は囲わない)。
いずれにしろ手間ばかりかかってしょうがない。

後継者もいないので、この畑もあと二、三年で辞めるつもりだとのこと。
冒頭写真のような秋田おばこ(観光レディ)による蕗刈りパフォーマンスも
今年から取りやめ
・・・
と寂しいお話ばかりだった。

帰りに蕗の細い茎を数本と(隣に植わっていた)ほうれん草を頂いた。




蕗はその日の晩に煮物にして食べました。美味しかったです。
Sさん、ありがとうございました。

以上。

コメント (1)
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今年二度目の草刈り(2024年6月4日)

2024年06月10日 | 実家のこと

6月4日は久々に施設に母を慰問に行った。
その序でに実家に立ち寄り、今年二回目の草刈りをした。

before



after



何だ。ちっとも変わってないじゃないかと言われそうだが、
今回は屋敷のメイン部分は何も弄っていない。
屋敷の東端部分を拡大すると・・・




雑草の様子。シロツメクサをベースにハルジオン、ギシギシなど。イネ科はまだ目立たない。




メイン部分は例の草刈り画伯Y氏の機械力に頼ることにしている。

今回は草刈り機が対応不可能の端っこの部分と側溝の中に生えた草抜きに終始した。
なお側溝の草抜きは全て人力で行った。 これは(´π`;)しんどかった。

 

(右上)屋敷西側の隅っこ


屋敷の西側は画伯の機械が入れないので、
私の非力な機械で全て刈り取った。

before



after



中央部の花壇エリアも全部私が刈り取った。

今一度beforeとafter

before



after



市道を挟んで北側の風景。ハルジオンの群生がみごとだ。




東に見える山々。

金峰山(450m)




左が女亀森、右が男亀森と記憶している。
最近は作業道が引かれ、山肌は荒れて見える。




真人山(390m)。右奥に東山(とうざん)(1117m)。




金峰山、亀森、真人山の三山は最近、りんご三山と呼ばれる。

私の実家からは栗駒山の一部が見えるが、今日は雲がかかっていた。




帰り道で鳥海山。
今日の鳥海山は朝から雲を被っていて上の方は見えなかった。




以上。

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晩春の鳥海山祓川(2024年5月26日)

2024年06月09日 | 鳥海山/祓川

鳥海山の登山口のひとつ、祓川(はらいかわ)に私は初秋以降はよく行くが、
春や初夏はほとんど訪ねたことが無かった。
それはたぶんこちらの登山ルートは積雪が多く、夏遅くまで雪渓が発達しているためだ。
私の登山は花や紅葉が目当てなので、雪ばかりの時期の祓川にはさっぱり寄り付かなかった。

今日は素晴らしい晴天だったので、秋田側の鳥海山をめいっぱい愉しもうと思い、やって来た。
通常ならば山腹を巡るだけで終わるが、たまには高所の祓川も見ようと思った。
多くの皆さんは祓川には花立牧場から入るものだが、私は猿倉から堰口経由で入ることが多い。
今日も猿倉から入った。
途中のお花園湿原からはブナの木に包まれた鳥海山が見えた。




タムシバ
 


(右上)ウワミズザクラだろうか。

ムラサキヤシオ


ズダヤクシュ



猿倉口ルートの登山口は雪で塞がれたままだった。




 

(右上)ミズバショウ


祓川キャンプ場までやって来た。




ミヤマスミレ
 


(右上)ノウゴウイチゴ


祓川の駐車所に到着。

マルバマンサク



オオカメノキ



祓川ヒュッテ手前から竜ヶ原湿原の西側を廻る散策路に入ってみた。

散策路から湿原と鳥海山を望む。




鳥海山の西半分。




西端にある稲倉岳。




東を望むと横手盆地と遠く焼石岳。




ミネザクラ
 



竜ヶ原湿原(標高約1180m)は入り口に立っただけ。




ここには秋にまた来るだろう。


以上。

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カテゴリー「鳥海山逍遥」の目次

2024年06月08日 | 鳥海山逍遥

(記事の配列は訪ねた年に関係なく、月日の順に並べ、降順とした。)

鳥海山十二景(どれがお好み?)

New 銀嶺・鳥海山(2023年12月6日)

晩秋の North East 鳥海(2021年11月30日)

晩秋、二度目の鳥海山逍遥と八塩山登山(2022年11月28日)・・・カテゴリー「東光山・八塩山」と共用。

観るだけの鳥海山(2019年11月27日)

New 2023年11月、鳥海山と他の山々

晩秋の鳥海山逍遥と八塩山登山・前編(2022年11月12日)

2022年新雪期の鳥海山逍遥(10月25,26日、11月1日)

雪化粧の鳥海山逍遥。(2020年10月28日)

New もう紅くない鳥海山(2023年10月24日)

New 紅い鳥海山(2023年10月24日)

New 黒い鳥海山(2023年9月23日)

合歓の木鳥海(2022年7月30日)

水田鳥海とねんねこぼぼこ(2023年6月1日)

New 2024年5月26日の秋田鳥海・後編

New 2024年5月26日の秋田鳥海・前編

五月の鳥海山にアプローチ(2020年5月26日)

晩春に鳥海山を一周・山形編(2022年5月25日)

晩春に鳥海山一周・秋田編(2022年5月25日)

りんご鳥海と水田鳥海など。(2022年5月9~17日)

New こどもの日に見た秋田鳥海山(2024年5月5日)

春の鳥海山北東山麓ドライブ2nd(2023年4月28日)

North East 鳥海山・2022陽春(4月24日)

New 陽春の鳥海山(2024年4月22,23日)

南と西から見た鳥海山(2022年4月11日)

North East 鳥海山(2021年4月11日)

New 富士山似の鳥海山を探して。(2024年4月7,10日)

新庄から見た月山と鳥海山(2015年4月上旬)・・・「山形の山」と共用。

春の鳥海山を由利本荘のあちこちから(2023年4月2,4日)

New 酒田~にかほ間の鳥海山(2024年4月2日)

West Side 鳥海山(2021年4月1日)

庄内から見た鳥海山 (2020年3月30日)

庄内とにかほから鳥海山を望む。(2023年3月28日)

New 鶴岡~にかほ間の鳥海山(2024年3月24,27日)

三月になって初めて見た鳥海山(2022年3月10日)

鳥海山二変化(2015年2月、にかほと十文字から)

New 暖かい二月の鳥海山(2024年2月17,18日)

真冬の鳥海山と他のお山(2016年2月12日)

今年初めての鳥海山(2021年1月26日、猿倉から)

New にかほで初鳥海を見た。(2024年1月11日) 

この冬に見た白いお山まとめ(2019年12月、2020年1月、2月)


2023/10/24 猿倉から望む鳥海山


2021/04/11 猿倉から望む鳥海山



2018/02/02 上浜から望む鳥海山


以上。

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