賃金仮払いの仮処分を申立て失業保険も受け取ったほうがいい!!

 失業給付をもらっていると賃金仮払いを止められるか?不正受給になるか?という問題ですが結論からお話すると賃金仮払いをうけなら失業給付も受け取る。です

 なぜなら自分が止められなかったからです。会社は地位保全等仮処分命令申立事件の決定に異議を申し立てることができます。これを保全異議申立といいます。

 実際にこの会社が保全異議を申し立て「債務者は雇用保険を受給しており、債務者以外で就労することも可能であるから、本案第1審判決言い渡しまでの仮払いを受けるまでの保全の必要性はない。」との会社の主張を裁判所は決定で「債権者が雇用保険を受給していることや債務者以外へ就労を行っていないことは、上記判断に影響を及ぼすものではない。」との決定をくだしている。

弁護士によると裁判官により判断が変わる可能性もありますよとのことでした。まあ、可能性の問題ですからとおっしゃっていました。

判決が確定して、賃金が支払われた場合は失業給付の返還が必要になります。

 賃金仮払いの仮処分を申立て失業保険も受け取ったほうがいい!!

  これをご覧になっている皆さんは基本的に解雇されていますので、失業手当の申請手続きから1週間の待機期間後に失業状態と認定され、雇用保険に加入していた期間に応じて失業手当を受給できますので早めに受給手続きを行ってください。ただし、手続きの際に解雇を争っているから仮給付でと伝えてください。「仮給付の場合裁判所から賃金仮払いが認められたら失業給付は受給できない。」等の書かれた念書の記入を求められたら記入してください。
 あとは一般的な失業給付として取り扱われますので就職活動や認定日にハローワークに行くことが必要です。

賃金仮払決定まで3~6か月かかり、仮払いはほぼ決定時からの賃金になります。

 仮処分を申したててから決定がでるまで3~6か月かかりますので解雇されてから準備を始めた方はさらに決定が遅くなります。裁判所は決定までの間生活が出来ていたという理由で解雇後から決定までの仮払いを認めない傾向にあります。(認めやすくなる方法もありますので別の投稿でお話します。)

 その間失業給付を受け取っても全くもんだいありませんし、次にご説明する仮払い決定後の失業保険給付についても仮払いをもらいながら失業給付を受け取ってもなにも起こりません。

 賃金の仮払いをもらいながら失業給付を受け取る。

 賃金の仮払いをもらいながら失業給付をうけとってください。賃金仮払いをもらいながら失業給付を受け取っても不正受給ではないからです。そもそも仮給付の制度は,実務上の工夫が運用として定着しているもので法律上,具体的な明文があるわけではありません。当然賃金仮払いをもらっていることをハローワークに話したり、調べられたりすれば返金をもとめられますが不正受給の要件には当てはまらないからです。ハローワークの(ハローワークに確認済み)実際仮給付は、裁判に解雇無効を求めるのですから解雇された会社以外に就職の意志が無いことが明らかで給付のためには形式的な就職活動(ハローワークのパソコンで求人票を印刷するなど)は必要ですが実質的な就職活動は不要で仮給付自体が不正受給である可能性があるのです。
 不正受給の場合密告や何らかの調査によって調べられますが、賃金仮払いは不正受給ではないため調査すらされません。また裁判上の和解で解雇日を退職日とする場合がかなり多い(仮払い分は解決金になるので賃金ではなくなる。)ので結論がどのようになるかわからないし、仮払いを会社が自主的に支払う保証もないからです。

何か聞かれたら弁護士さんに任せているので詳しくわからない。と伝えてください。

仮給付が不利な事

 失業保険を仮給付にした場合、職業訓練がうけられなくなります。

該当する法令ご参考にしてください。


雇用保険法
(返還命令等)
第十条の四  偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の二倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。
2  前項の場合において、事業主、職業紹介事業者等(職業安定法 (昭和二十二年法律第百四十一号)第四条第七項 に規定する職業紹介事業者又は業として同条第四項 に規定する職業指導(職業に就こうとする者の適性、職業経験その他の実情に応じて行うものに限る。)を行う者(公共職業安定所その他の職業安定機関を除く。)をいう。以下同じ。)又は指定教育訓練実施者(第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練を行う者をいう。以下同じ。)が偽りの届出、報告又は証明をしたためその失業等給付が支給されたものであるときは、政府は、その事業主、職業紹介事業者等又は指定教育訓練実施者に対し、その失業等給付の支給を受けた者と連帯して、前項の規定による失業等給付の返還又は納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。
3  徴収法第二十七条 及び第四十一条第二項 の規定は、前二項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額の納付を怠つた場合に準用する。

(失業の認定)
第十五条  基本手当は、受給資格を有する者(次節から第四節までを除き、以下「受給資格者」という。)が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。以下この款において同じ。)について支給する。
2  前項の失業していることについての認定(以下この款において「失業の認定」という。)を受けようとする受給資格者は、離職後、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。
3  失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行うものとする。ただし、厚生労働大臣は、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(国、都道府県及び市町村並びに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)その他法令の規定に基づき失業者に対して作業環境に適応することを容易にさせ、又は就職に必要な知識及び技能を習得させるために行われる訓練又は講習であつて、政令で定めるものをいう。以下同じ。)を受ける受給資格者その他厚生労働省令で定める受給資格者に係る失業の認定について別段の定めをすることができる。
4~5(略)

(待期)
第二十一条  基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

第三十三条  被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない。
2  受給資格者が前項の場合に該当するかどうかの認定は、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
3  基本手当の受給資格に係る離職について第一項の規定により基本手当を支給しないこととされる場合において、当該基本手当を支給しないこととされる期間に七日を超え三十日以下の範囲内で厚生労働省令で定める日数及び当該受給資格に係る所定給付日数に相当する日数を加えた期間が一年(当該基本手当の受給資格に係る離職の日において第二十二条第二項第一号に該当する受給資格者にあつては、一年に六十日を加えた期間)を超えるときは、当該受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に当該超える期間を加えた期間とする。
4  前項の規定に該当する受給資格者については、第二十四条第一項中「第二十条第一項及び第二項」とあるのは、「第三十三条第三項」とする。
5  第三項の規定に該当する受給資格者が広域延長給付、全国延長給付又は訓練延長給付を受ける場合におけるその者の受給期間についての調整に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。