こんにちは、小鳥の獣医です。
鳥さんと飼い主さんの幸せにつながる情報を発信しています。
開院に伴い当ブログは引っ越しました↓
病院HP
郵送メガバクテリア検査
郵送遺伝子検査
オンライン相談
この記事では鳥さんの健康診断についてお伝えします。
・なぜ健康診断を受けなければいけないのか
・動物病院へ連れていく方法
・健康診断で受けるべき検査項目
・健康診断に連れていく頻度
当院の健康診断
当院もも小鳥の動物病院(東京都江東区)では、小鳥の健康診断としての検査を対面診療と郵送検査の2種類の方法で行っております。
詳細(検査項目・料金等)はこちらの記事をご覧ください↓
・メガバクテリア検査
・遺伝子検査
・診療案内
※遠方の場合や通院の負担が大きい場合は「郵送検査」をご利用ください。
「オンライン相談」も承ります
健康診断の目的と必要性
病気を早期発見し、健康に幸せに長生きしてもらうため
早期発見すれば治すことができる病気で鳥さんを死なせたくないからです。
鳥さんをお迎えしてから1度も動物病院に連れて行ったことがない場合は、
今すぐ健康診断を受けることを強くおすすめします!
そして必ず検便をしてください!
特にセキセイインコさんは、
メガバクテリアという真菌(カビ)がいないか糞便検査をしておきましょう。
感染症を他の鳥や人間にうつさないため
残念ながら、お迎えした時点で病気を持っていることが少なくありません。
既に鳥を飼っており、新たにお迎えした場合は、
感染症を持っていれば他の鳥さんに移ってしまうことがあります。
健康診断を受けるまでは近づけないようにしましょう。
また、まれに人間にうつる病気(オウム病)もあります。
遭遇頻度は多くはありませんが、
人間にうつると危ない病気です。
妊婦さんの死亡事例も報告されています。
できればオウム病の検査(遺伝子検査)も受けておいた方が安心です。
鳥の飼育方法を知るため
鳥さんの状態に合わせて飼い方の指導をマンツーマンで受けることができます。
鳥さんのことで、なにか困ったことや気になったことがあれば
病気のことではなくても、気軽に獣医さんに相談してみましょう。
その子に合った食事指導、ダイエット指導、発情抑制方法の指導などを
受けることができますよ。
鳥の飼育に関する情報はどんどんアップデートされていきますので、最新情報を知る機会にもなります。
鳥を飼う前に鳥の動物病院を探しておく
鳥さんを飼う前に鳥さんを診られる動物病院を探しておくことも大切です。
鳥さんを飼い始めたら定期的に通うことになりますので、
お家から連れていくことができる場所に、「鳥類の診療ができる動物病院」があるか
あらかじめ調べておきましょう。
動物病院の探し方はこちらの記事を参考にしてください♪
hatarakitakunai30.hatenablog.com
健康診断に連れていく頻度
鳥さんの健康診断を受ける頻度は年に2~3回くらいが目安です。
最低限、糞便検査とそのう検査を受けましょう。
年に1回は遺伝子検査、血液検査、レントゲン検査まで受けてしっかりと健康診断することをおすすめします(バードドック)。
爪切りだけの受診を含めると、2か月に1回は通院されている方も結構いらっしゃいます。
病院にもよるかもしれませんが、
「爪切りだけ」を希望すれば、検便やそのう検査はしませんが、
最低限の身体検査は受けることになりますので、病気の早期発見につながります。
私が爪切りを動物病院で行うことをおすすめしている理由の1つです。
hatarakitakunai30.hatenablog.com
健康診断の方法
連れていく方法
鳥かごごと
鳥かごごと連れていく場合は、
鳥さんが普段暮らしている状態そのままで
連れて行ってください。
普段の鳥さんの生活環境についてもアドバイスがもらえるからです。
ただし水入れの中からお水は抜きましょう。移動中にこぼれてしまいます。
プラケースに移す
移動が楽ちんです。
電車移動もできます。
また鳥さんの具合が悪いときに保温しやすいです。
(カイロで保温する場合は密閉すると酸欠になってしまうので気を付けてください!!)
具合が悪くなった時には、
保温しやすく、鳥さんが動き回らなくて済むので、
プラケースが看護用のお部屋としても使えます。
鳥さんを飼っている方は1つ用意しておきましょう。
幅30.0×奥行19.5×高さ20.5cm
幅37.0×奥行22.0×高さ24.0cm
こちらの商品のように、
鳥さんの出し入れ時に人間の腕が出し入れできるサイズのふたが付いている形状がおすすめです。
天井部分を全部外さないと出し入れできないものだと、すきまから鳥さんが飛び出てしまうことがあり、事故につながりやすいです。
写真ではキッチンペーパーを敷いていますが、なくても大丈夫です。
むしろ紙をかじって発情をうながしてしまう子や紙を食べるくせがある子の場合は入れないでください。
フタが開いてしまうことによる事故に注意!!
フタがゆるくなっていたり、
しっかりと閉められていなかったり、
大きな負担が掛かると
フタが開いてしまう可能性があります。
またフタを開けてしまう鳥さんも居ます。
屋外での使用時は、外側から固定するなど、細心の注意を払ってください。
新鮮な便を持っていく
検便はできるだけ新鮮な便を取りたいので、
基本的には移動~診察までの間にした便を取ります。
ただし、便をしてくれないこともあるので、
おうちでなるべく新鮮な便をラップに包んで持参すると確実に検査が受けられます。
健康診断の項目
身体検査
鳥さんを見て、触って、聴診して、体重をはかります。
糞便検査
便をとって顕微鏡で悪い菌やカビ、寄生虫がいないか調べます。
そのう検査
そのう液をとって顕微鏡で悪い菌やカビ、寄生虫がいないか調べます。
鳥さんの口からそのうに器具を入れる必要があります。
遺伝子検査
感染症や雌雄を調べる検査です。
PBFD(※1)やオウム病(※2)など検査項目はたくさんありますが、
検査が必要な項目は鳥さんの種類や状態等によって違いますので、先生に相談してください。
※1 PBFD(オウム類嘴羽病)
セキセイインコ、白色オウム、ヨウムに多い病気で、病気の名前に「嘴(くちばし)」と「羽」とついていますが、様々な症状が出ます。最終的には免疫力が低下して亡くなってしまうことが多い病気です。
よく遭遇するのは、セキセイインコさんの長い羽が変形して抜ける症状です。
セキセイインコさんの長い羽が抜けて、抜けた羽の羽軸(羽の生えていた根本の部分)の形や色が変(くびれ、ねじれ、赤黒い血のあと)だったら、この病気の可能性があります。
他の鳥さんのうつる感染症ですので、このような症状が出ている場合は、動物病院に連れていく前に、必ず連絡をしてください。
※2 オウム病(オウム病クラミジア)
オウムだけでなく、全ての鳥類が感染する可能性があります。
いろんな症状が出るため、症状だけでは特定が難しい病気です。
元気がない、食欲がない、鼻水、くしゃみ、咳が出る、下痢をする、肝障害による症状が出るなど。
症状がないこともあります。
鳥からヒトに感染すると、感染初期には風邪のような症状が出ます。診断が遅れると死亡する場合があります。
治りにくい咳や息苦しさなどの症状を感じたらオウム病を疑って病院を受診し、鳥を飼っていることを医師に伝えましょう。
(参考)厚生労働省HP
遺伝子検査の検体は便、血液、喉頭のぬぐい液などで検査項目によっても違います。
感染症の検査だけでなく、雌雄鑑別の検査もできます。
遺伝子検査は検査結果が出るまでに時間がかかります。
血液検査
人間の健康診断と同じように、赤血球数、白血球数、血糖値、肝臓の状態が分かる項目、腎臓の状態が分かる項目などが調べられます。
初めての健康診断では、身体検査、糞便検査、そのう検査は最低限受けましょう!
その他にどんな検査が必要かは、
鳥さんの種類、状態、年齢、病院にかかったことがあるか、などで違いますので、
先生に鳥さんのことをしっかりと伝えてください。
爪切りは健康診断のときについでに無料でやってくれるところもあります。
爪切りも希望する場合は先生に伝えてくださいね。
検査、処置、治療、薬にいくらかかるかは、
ためらわず聞いて大丈夫です。
検査をどこまで受けるか判断するためにも
飼主さんからすれば必要な情報ですよね。
信頼できる獣医さんだったら、嫌がらずに明瞭な答えをくれるはずです。
健康診断の費用
健康診断の費用は、数千円~数万円と動物病院によって大きく異なります。
(参考)当院の健康診断費用
対面診療(身体検査・糞便検査・そのう検査)
郵送糞便検査
郵送遺伝子検査
まとめ
鳥さんの健康状態を把握し、病気を早く見つけることで、
鳥さんが健康な状態で長生きできるようになり、
鳥さんと飼い主さんの幸せにつながります♡
必ず定期的に健康診断を受けさせてあげてくださいね(^^)
最後までご覧いただきありがとうございました。
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