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ブルーベリーの土づくり(ポット編)いろはのよ

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ブルーベリー栽培用のポット培土を作る際
具体的にどのような素材を使い培土を構成してゆけばよいのでしょうか?

目次

①培土構成

1.       鹿沼土
2.    
3.    パーライト
4.       大粒軽石
5.     ゼオライト
6.       黒土
7.       籾殻
8.       微粉硫黄
9.       肥料

鹿沼土
いわずと知れた、鹿沼土ですが、皆さん一度pHを測定したことがありますか?
実はあまりpHが低くない鹿沼土もあります。
ただし、軽くて通気性の良い土という点で使用します。


パーライトより粒子が小さく、無機質なため経年劣化がないことから、土中の隙間構造の維持を考えて使用します。

パーライト
通気性保水性の観点で使用します。砂よりも軽く培土が軽くなるためポットの持ち運びが楽になります。

大粒軽石
榛名山のランの栽培などに使われる軽石です。
軽石は中に空気層があり、土中酸素濃度の維持の為、また土の団粒構造の維持の為に使用できます。主に土が締まりすぎないようにポットの下層に敷きます。

ゼオライト
鹿沼土や砂などは、CECが不足することから、少しだけ混ぜることにより、土に肥料を与えた際に不溶化しがちな砂壌土壌でも、供給可能な肥料分を土中に維持させる目的で使用します。

黒土
腐食を含む土であることから、砂壌土壌で不足する腐食を加えることを目的に使用します。
畑の黒ボク土でも構いません。

籾殻
お住まいの地域のライスセンターでお米の収穫時期に手に入ります。
有機質の素材を入れることにより、無機質土壌にはない、土中微生物の活動が活発になる目的で使用します。微生物の働きで、無機質の栄養素以外の微細なアミノ酸などが土中にある状態を作り、果実のうまみを引き出す目的としています。
また、籾殻はリグニンやケイ素が豊富ですぐに分解されないため、ピートモスなどより土が締まりすぎて、酸素不足による根腐れを防ぐ効果も考えています。
また、パインバーク(松皮樹皮)が手に入るのでしたら、パインバークもお勧めです。

微粉硫黄
前回の記事を参考に適量使用してください。

肥料
元肥となります。
肥料には 水溶性 と く溶性 があります。
水溶性肥料は、水に触れると溶け出す肥料です。
元肥の場合は、く溶性(根の酸などに触れることにより、養分などが溶け出す肥料)を使用してもかまいません。く溶性の肥料は性質上、土中混和を必ず行って下さい。

市販のブルーベリー用肥料
などでもよく
適量だけ(通常は1年に必要な量の半分以下)
土中に混入しましょう。
また表題の写真にあるように、水溶性の肥料を適量だけ表土に撒いておいても構いません。

以上の培土をブレンドして使用します。

ブレンドの比率は、後日公開予定の有料の記事で記載する予定です。
一般公開では記載するより詳細で有益な内容の記事です。

よろしければご覧ください。

pHを1下げる場合は、培土1Lあたり1gの微粉硫黄を混ぜます。
最後によく攪拌します。

これで完成です。この培土に苗木を定植します。

さて、その後pHを継続的に図っていると
培土がpH3.5程度まで下がってしまうことがあります。

そこで灌水する水のpHも測ってみてください、
pHはおそらく
水道水で7.2前後、
雨水だとpH6.5程度、
河川の水は石灰質の土壌が近くになければ
pH7程度だと思います。

水道水や肥料などを与えていると、
ちょうど4.3~4.8程度に納まってくると思います。

ただし、必ずそうなるとは限らないので、
ご心配な方は微粉硫黄を15%ほど混ぜる量を減らしてください、
その後1週間から1か月おきにpHを測り、
下げ切れていない場合は、適量微粉硫黄を表土に散布してください。

②土づくりの開始時期はいつがよいか

ブルーベリーの成長期の4月から10月下旬
苗木の定植は根が成長する暑さが和らいだ9月の初秋がいいでしょう。

それまでに培土を完成させておきたいため、

硫黄使った場合pH調整にかかる時間を考えて
定植3か月前の6月~7月に準備されておくといいでしょう。

そして、重要なことですが、
有機質が3%~10%程度に納まるように作ることです。

なぜならば、北海道や東北や標高が高い地域などを除くと
日本のような夏に30℃をこえるような温暖な地域で、
水切れで枯れないようにと頻繁に水やりを行うと、
水浸しになった有機物が土中で酸欠になり
根腐れを伴い腐敗する可能性があるからです。

ですので、必要最低限の有機物を、
数年に一度表土に供給するのが良いと考えます。

ブルーベリーはそれほど肥料を必要とする植物ではありません。

さらに、有機物が多いと、
コガネムシが産卵しやすい環境となり、
孵化した幼虫による根の食害が深刻になります。

しかし、無機物だけだからコガネムシが産卵に来ないというわけではありません。

③ブルーベリーのコガネムシ幼虫に対する登録農薬

画像
コガネムシ幼虫の被害株 4年生苗木、表土に近い特に右側から手前にかけて根が食害を受け
左上の方は、まだ比較的食害を受けていないため根が残っている
下の方はまだ食害を受けていないため土が落ちずに残っている

2022年10月現在、ブルーベリー栽培でコガネムシ幼虫に使用できる登録農薬は
ダイジノン粒剤5だけとなっています。

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感想(13件)


ダイアジノン粒剤5収穫14日前までに株元土壌混和する必要がある農薬です。

コガネムシの産卵は5月下旬から9月下旬までと幅広く、その期間はブルーベリーの収穫時期と重なります。

いつ産卵しに来るかずっと見張っているわけにもいかない為、どのタイミングで散布すればよいかわからず効果が期待できません。営利栽培の方は収穫期に重なる為なおさら使用できません。

また、一度ダイアジノン粒剤5の袋の中に3齢のコガネムシ幼虫をいれたことがありますが、すぐに死ぬわけではありません。

よって、培土に少し混ぜるのは、孵化して1齢の微小な幼虫状態のときでないと効果が期待できず、さらに、一度に50個ほど産卵することから、全ての幼虫にダイアジノン粒剤5が効くことも期待できないのではと考えます。

また、ブルーベリーは浅根性の植物で、
コガネムシの産卵時期の株元の土中に混和するなら、
根を大幅に傷付けることになり、成木ならまだましですが、
2年生の定植まもない株など幼木の場合は使用しづらいのです。

さらに、決定的な問題として、製造メーカーに問い合わせたところ、
混和後2週間程度で効果が薄れるとのことから、
産卵時期が5月下旬から9月下旬までと長期にわたるため、
2回の仕様制限かつ、およそ1か月の効果期間(2回×2週間)では、
効果が期待できないでしょう。

よって、

夏の高温により水やりの頻度が増えたとき
初夏から夏にかけ豪雨がつづく時の酸欠による根腐れ
有機物の腐敗による土中酸欠からの根腐れを避けること
コガネムシの飛来を助長することを避けるため、
有機物は極力少ない状態が良いと考えます。

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みなさんの明るく朗らかに果樹栽培を楽しむ様子をイメージしつつ
ますますのご多幸をお祈り申し上げます。

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