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特例子会社は年収・給料が低い?理由と年収アップの方法を解説

特例子会社は障がいのある人でも働きやすく、
一般的な企業と比べると勤務時間や仕事内容など
障がいと付き合いながら無理なく働けるように設計されています。
障がい者にとってメリットの大きく見える特例子会社ですが、
年収・給料が低いと言われることも多いです。

この記事では、特例子会社の年収・給料について
実態とその理由、さらに年収・給料を上げる方法についてもまとめました。

この記事はこんな人におすすめ
  • 特例子会社で働いていて年収・給与を上げたいと考えている
  • 特例子会社で働くか否かを迷っている

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特例子会社の年収・給料は低い

事実として、特例子会社は一般的な企業と比較して
年収・給与が低いです。
野村総合研究所の調査によると
特例子会社で勤務するほとんどの人は年収250万円以下という統計が出ています。

※野村総合研究所「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」より
 データを引用して作成しました

日本国内の給与所得者の平均年収は約460万円ですので
比較しても大幅に低い結果になっています。

特例子会社の年収・給料が低い理由

軽作業をメインとした専門性の少ない業務が多い

特例子会社の業務は障がいによって業務上支障が出る方にとっても
問題なく従事できるように設計されているので
結果的に以下のような軽作業がメインの業務が多いです。

  • データ作成など事務サポート
  • 問い合わせメールの仕分け
  • オフィス内の清掃・管理
  • 工場でのライン作業
  • 倉庫での梱包作業

これらの業務は必要ではあるものの、
どうしても専門性や業務の付加価値という観点で
年収が上がりづらいポジションとなります。

会社自体が利益目的で創設されていない

一般的な企業は事業成長により利益を伸ばすことを目指して
運用されているケースが多いですが、
特例子会社のほとんどは利益目的で設立されたものではありません。
高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査によると、
多くの特例子会社は親会社の法定雇用率達成を目的として設立されています。

引用元:多様化する特例子会社の経営・雇用管理の現状及び課題の把握・分析に関する調査(2012年3月)

よって、利益を伸ばして従業員の給与も上げて…という方向よりも
一定の給与で安定的に障がい者の雇用を確保するという考え方となります。

雇用市場を踏まえて最低賃金で設定している会社が多い

野村総合研究所の調査によると、
特例子会社では年収・給与を最低賃金をベースに設定している企業が多いです。

※引用元:野村総合研究所「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査

このようになっている背景として、
前述のとおり業務の専門性や利益計画の観点もありますが
一番大きいのは給与を高く設定しなくても働き手が集まるためです。
現在は特例子会社での就職を希望する障がい者に対して
特例子会社の採用枠の方が少なく、圧倒的買い手市場(=企業側が有利)なのです。

社会全体では障がい者雇用は拡大しており
働く障がい者の人数や法定雇用率も上がってきていますが
「特例子会社での就職を希望する人」に絞るとまだまだ進んでいるとは言えません。

特例子会社は一般企業での就職が難しい障がい者が
安心して働ける環境が整っているので
特例子会社での雇用推進も拡大することを祈るばかりです。

特例子会社勤務の人が年収・給与を上げるには?

では特例子会社で働く人が年収・給与を上げるにはどうすればよいのか?
効果がある順に3つ挙げてみました。

特例子会社以外で働ける可能性がないか確認する

実態として特例子会社か否かで給与・年収の差が大きいのは明らかです。
もし、特例子会社で勤務していても一般企業への就職を検討したことがない場合は
一度可能性がどのくらいあるのか探ってみることをお勧めします。

企業目線では特例子会社を設立するにも一定のリソースがないと難しく
「特例子会社を設立する体力はないが、自社の障がい者雇用率の改善を求められている」というケースも往々にあり、
一般企業の中でもハードルが極端に低い障がい者雇用枠があります。
そういったものは大々的に求人を出していないケースもあるので
エージェント面談で一般企業への就職可能性を探りつつ
個別に紹介してもらうのが効率が良いです。

エージェントというと転職を目指してガツガツ動く人に向けたサービス、という
印象を持つ人が多いと思いますが、
転職を決めていなくても相談することが可能ですし
特に障がい者向けエージェントは「そもそもどんな会社で働けるのか?」という
初歩的なところから確認することができます。

障がい者採用専門のエージェントサービスは多くなく、
規模が小さいところだと怪しい会社もありますので
まずは大手の2社ほどに登録してみることをお勧めします。

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特例子会社に正社員で入社する

世の中には様々な雇用形態がありますが、
契約社員・パート・アルバイトよりも正社員の方が年収・給与が高いですし
今後の昇給も期待できます。

そのため、正社員以外で働いている場合はまずは正社員を目指すことをお勧めします。
現在働いている会社に正社員という雇用形態が存在する場合には
一定期間勤続年数を重ねたり、一定の成績をあげることによって
正社員へ雇用形態を変更できる可能性が高いです。

勤務先の採用HP
採用HPが無い場合には求人サイトに情報を掲載しているかを確認し、
そこに正社員登用制度の記載があるか否かを確認しましょう。
採用HPも求人サイト掲載もない場合には
社内の人事制度ページ等で探し出すか人事に直接確認するしかありません。


その上で、ご自身にどれくらい正社員登用の可能性があるのかは
特例子会社の各社事情に詳しい障がい者採用専門のエージェント
聞いてみることをお勧めします。
dodaチャレンジであれば、
登録するとまずは障がい特性別の専任スタッフによる面談からスタートしますので
そこで現職場での可能性について確認ができます。

現職場での正社員登用可能性を確認する

その他、正社員を目指す方法については
以下の記事でまとめていますのでぜひ参考にしてください。

特例子会社で勤続年数を重ねる

一般的には同じ企業内で勤続年数を重ねることで
徐々に昇給・昇格によって年収も上がっていきます。
そのため、今の会社が合っていると感じている方は
勤続年数を重ねることでコツコツと年収UPしていくのもおすすめです。

参考までに障がい別・就労者ALLの平均勤続年数はこちらです。

※引用元:平成30年度障害者雇用実態調査結果

初めの1~2年では年収UPが見込めない企業が多いですが、
3年、10年あたりを区切りに基本給が上がっていくケースが多いです。

特例子会社勤務の人が年収・給与を上げるには?

特例子会社で働く方も
年収が低い要因を理解して働く会社選びや勤続年数を考えながら進めることで
年収UPを狙うことができます。

また、「特例子会社しか選択肢がない」と思っている方でも
きちんと配慮と環境が整っている一般企業であれば
障がい者雇用枠で働けるケースも多いです。

ご自身に合った働き方と年収・給与のバランスをうまくとれるよう
探ってみることをおすすめします。

ABOUT ME
人事のまちこ
都内在住の30代、 大手のザ・日本企業で10年以上人事をしています。 障がい者採用は一般的な採用活動とは異なり、 様々な採用業務を経験した私にとっても特殊で奥深い世界。 それらの裏側を知ってもらうことで 障がい者の就活を不安なくポジティブに進められるよう 情報発信をしています!