金沢ミステリ倶楽部

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ミステリとの出会い

2024年05月13日 19時34分58秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部部員のミステリとの出会いについて載せます。

 横安江彦三
 えっ、私のミステリとの出会いをお聞きになりたい? 私がまあその殺人事件の犯人を捜すといったパターンの小説を読み始めたころは「推理小説」だったのですよ。江戸川乱歩とか横溝正史なんかもそう思って読んでおりましたです。昭和五十年代半ば。思い返せば当時は推理小説が流行っておったのです。なんといっても森村誠一が人気でございました。もちろん推理小説が、昔は「探偵小説」だったのは知っておりましたが、その言葉を使うとなんだか通ぶっているように思われるかと口にすることはありませなんだ。えっ、ミステリの話? もちろんミステリという言葉も知ってはおったのですが、何となくハイカラで気取ったふうでまるで都会者の使う言葉……。ところがその「ミステリ」がしっくりくる小説との出会いが中三の時にありましたでございます。友達から借りた赤川次郎、本は角川文庫の『孤独な週末』という短編集でした。一読これは今まで読んできた推理小説とは全く違う。なにしろゴムの仮面をかぶった復員兵、双子の老婆、闇夜に高らかに哄笑する怪人なども一切出てこない。思い返してみれば、これが私の「ミステリとの出会い」だったという本人にも意想外な結論を出してこの駄文を終えたいと思うのでございました、ごほっごほっ。

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