人間という動物はひとりで生きていくことが出来ない動物なのでしょうか。
確かに生まれたばかりの人間は、そのまま放置すれば死んでしまうだろう。
本来人間はひとりでは生きていけない動物なのだ、と言えると思います。
だが個々によっては、人と一緒にいなければ生きがいのない人、又自分以外の人と一緒にいるのが嫌な人もいる、程度の差でしか無いかもしれないが、どちらも嫌だという人もいると思われる。
先日の某新聞に、65歳以上の「孤独死」が年間6万8千人と推定されるという記事が掲載されていた。
人間は、大概一人で生まれてくる(中には、双子、三つ子、はては五つ子などもあったが、これらはまれな現象だ)そして一人で死んでいく(事故、心中等で夫婦一緒、戦争等で多人数一度にもあるがこれ等は例外だ)。
又死にゆく時も、事故死する(含戦争)、自殺する、病院で死ぬ、老人施設で死ぬ、自宅でひっそりと死ぬ、等々死に方にもいろいろある。
更にいま空家が問題になっている。家族が多くてマイホームが夢だった時代があり、無理算段して30年ローンをくみ、一家の主は食費や娯楽費を削ってローンの支払いに努めやっと払い終わった頃には、4~5人いてマイホームに大喜びだった子供達は、皆独立してそれぞれ自分の家を持ち、実家は不要となり夫婦2人だけとなり、子供や孫も自分たちのことが精一杯で、誰も訪ねてこなくなり、更に夫婦のどちらかが亡くなれば、狭かった家もだだっぴろくなり、その中にぽつんと1人老人が残される。そしてその方も誰も看取る人も無くひっそりと死ねば、古くなった空家だけがぽつんと残る。
今の世の中は、一軒誰かが家を立れば後日必ず空家が一軒増えるということになる。
それならば、家族皆が元気で寄り集まる事が出来る内に最後のことを想定して、皆で相談して決めておけば良いではないかという意見も少なからずあるし、もっともだと思うがなかなかそれが難しい。
人間(人)の世は一寸先は闇、の通り、長生きするだろうと誰もが思っていた人が、一番早く亡くなって仕舞ったり、仲の良かった兄弟姉妹が、いつかいがみ合う様になったり、想像もしていなかった病気にかかったり、やはり物事はその直前にならないと決める事は出来ない。
ある程度高齢になると親しかった友人達も他界されて親友という人達がほとんどいなくなってきている。しかも高齢になるとなかなか人に交わってあちらこちらに知人を作るのも億劫になる。
人間以外の動物で孤独を好むものが入るだろうか?
虎、豹、チーター等、北極熊(シロクマ)、オランウータン、ヘビ、等は孤独を好むそうだ、熊、クジラなどもそうらしい。
人間は本来弧独者は少ないらしく1人は寂しい、というのが原則らしい。
私はどちらかかというと孤独を好む。確かに寂しい、時には迫り来る死に1人おびえる事もある。だが他人と一緒にいるとこれはこれで煩わしい。ひとりでいるときの寂しさと他の人といるときの煩わしさ、を比べてみるとやはり1人でいるときの寂しさの方が楽な様に思う。
今や独居の高齢者が増え、しかも親戚関係や地縁、近所付き合いも気迫になってきている。先日高熱がでたので、夜中に救急車を呼んで病院へ行こうとしたが、病院では付き添いがいないと受け入れられないといわれた。
私達高齢者で生活苦に悩まされている人達は、病気になれば救急車を呼んで病院に行くしか方法は無いのです。
民間企業でこういう人達について、会員制にして身元保証人や、介護・付き添い等を行ってくれる所もあるらしいが、年金暮らしの人や生活に余裕の無い人には金が無いので依頼するのは無理だ。
国は、孤立・孤独死の後始末はもちろんのことだが、この様に、孤立・孤独の老人を少しでも安く受け入れてくれる施設をもっと増やして、老後のわずかな期間を安らかに過ごせるような施設づくりを早急にお願いしたい。
最後までお読みいただきありがとうございました!