安田理央著

 

古代ギリシャから始まってルネサンスで花開く、西洋の芸術として表現された女性の身体の表現。日本ではどうだったか。陰毛をメインテーマにその歴史が語られている。とても興味深く読んだ。芸術と猥褻の違い、境はどこかというのは、永遠のテーマだと思う。今はそういうことはないが、一昔前までは世の中で活躍する女性の芸術家はほぼいなかった。女性による美と性の表現がなかった。男性によるエロスの表現は、どうしても猥褻の要素がぬぐえないのではないか。女性による表現にしても、男性からの目線を意識すると猥褻にならざるをえないかもしれない。

それにしても、男性の性への欲求は凄まじいものがある。古の時代はそれでも、芸術作品の鑑賞にとどまり、(娼婦はいただろうが)抑制されていた感があったのかもしれないが、印刷や写真のテクノロジーが開発されるとなると、すかさずそれらを利用して世の中、世界中にエロが氾濫することになり、現在に至る。古の時代だって、わたしが知らないだけで、凄まじいこと、ひどいことが横行していたのかもしれない。それだけ男の生、性への欲求は強いということなのだ。

強い性への欲求が需要なら、いつの時代にも供給はある。ヘアヌードブームは過ぎて、最近は世間の耳目を引くヌード写真集は出版されていない感はある。この先、世のエロはどのような方向に向かっていくのか。女性の性を、蔑み利用するような方向に逆戻りはしないでほしい。そもそも日本人の性は本来、おおらかで健全なものだったのだから。その例として春画は男が見るだけではなく、女や子供も見ていたし、男女混浴の文化もあった。

これからの男女の性が、美化されることも卑下されることもないような世界に変えていくには。それは私たち一人一人の意識の持ち方次第だと思うのです。

 

今朝の体重

昨日の朝よりマイナス1.4キロ♪