冬の馬たち 堆肥
馬たちがあちこちに落としている馬糞。
今の時期、朝はカチカチに凍っている。
毎日拾って堆肥場に積んでおく。
よく堆肥として使われる馬糞や牛糞。
馬と牛とでは体の構造が違うこともあり、同じ草食動物でも糞の中に含まれる微生物の種類や数は違うらしい。
牛は胃袋が4つあって、消化が進んでから出てくるので、糞には水分も多い。
馬糞は、消化しきれずに出てくるので、空気が多く含まれていて、堆肥場に積んでおくとすぐ発酵しはじめる。
冬の堆肥場は、もくもくと湯気が上がっていて、入る勇気はないけどここに入ったら温かそうだなと思う。
何日か経つと、馬糞は発酵が進んで臭いがなくなってくる。
堆肥場は、温度が高くなると、70度ぐらいまで上がるそうだ。
これが殺菌にもなるし、消化されずに出てきた雑草の種も芽が出なくなる。
これをまた軽トラに積んで、放牧場に戻している。
そのままもうしばらく置いておけば、ミミズやカブトムシの幼虫が住むようになり、堆肥としてもいい状態になる。
馬糞堆肥でつくった野菜や果物は甘味が増す。
薔薇の栽培にもとてもいいそうだ。
だから、みんな持って行ってくれないかな、と思う。
ところが、いつでも好きなだけ持ってって、というこちらの都合通りにはいかない。
畑に堆肥を入れる時期はだいたいみな同じで、3月ごろ譲ってほしいと言われる。
3月ごろいい状態の堆肥にするには、どこまでを放牧場に戻して、どこまで取っておけばいいか考えている。
一輪車で馬糞を拾いに行くと、だいたい楽と陽が邪魔しにくる。
楽と陽
陽と詩