ロスインゴの辻陽太が主張した新日本プロレスへの問題提起と金言

辻陽太【撮影:Koba】
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PPVのみで配信されたアメリカ・カルフォルニア大会「Resurgence」。

今年3回目となる新日本のアメリカ大会は様々なサプライズがありました。

一方で前回のシカゴ大会「Windy City Riot」の6028人に対し、カルフォルニア大会は3024人の動員。

そもそも会場の規模が違い比べるべきではないかもしれませんが、両大会ともメインイベントがIWGP世界ヘビー級選手権ということを考えると、今回の動員は決して満足できる数字ではない思います。

 

以前からプロレス大陸アメリカではなく、アジアでの戦略強化訴えていたロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの辻陽太は、バックステージで新日本に対し問題提起を口にしました。

辻『オイ、新日本プロレスよ!このアメリカでの興行、正直言うとな、俺は反対だ。俺はもっと、アジア各国に力を入れるべきだと思ってる。ただよぉ、1回のクオリティにこだわって勝負続けていくって決めたんだろ?だったらよぉ、俺もやってやるよ。

たださあ、こだわるんだったらさ、AEW、そしてWWEと同じぐらいな派手な演出で会場を作るのも大事なんじゃねえのか?ただでさえ、アメリカでは興行の回数が少ねえんだろ?それと昨日、「BEST OF THE SUPER Jr.」の試合を見てたけど、日本の会場にも同じことが言える。今、この情報社会で大事なのは、会場に来る特別感。俺はそうだと思ってる。公式戦、「NEW JAPAN CUP」もそうだったが、公式戦ぐらい、地明かりはやめようぜ。

こういうこと言ったらさ、またアイツがああだこうだ言ってくるだろうけど、俺はそれでも臆することなく言うよ。だってそれが、この新日本に必要なことだと思うからさ』

引用:新日本プロレス

 

「演出に力を入れる=経費増」になるので、費用対効果を考えれば簡単にできることではないでしょう。

一方で、辻が口にした“特別感”は今の新日本に足りない部分かもしれません。

これはコロナ禍前に比べ特別感がなくなったという訳ではなく、今のプロレス興行に見慣れてしまったがために特別感が欠如してしまったという見方もできます。

 

“聖地”後楽園ホールが良い例です。

最前列、西側バルコニーの席が設けられてないからだけではなく、観客動員が減っているのには様々な要因があるでしょう。

コロナ禍前は当たり前だった応援幕も、聖地の特別感を演出していました。

辻の言う通り今の情報社会の中で派手な演出による“映え”は必要でしょうし、会場に足を運んでもらうには他のコンテンツに勝る特別感が必要です。

以前より多くの選手がプロモーション活動に力を入れていますが、過去の手法だけに頼っていては今の時代に対応しかねるのかもしれません。

 

非日常を感じるプロレス興行が、いつの日か日常に近いモノにトーンダウンした感があります。

辻の言う『会場に来る特別感』というキーワードは、新日本プロレスが避けては通らない新たなミッションかもしれません。