MENU

白い服の女性

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

もう10年くらい前なのですが、居酒屋に勤めていました。
経緯は忘れてしまいましたが、休憩中にバイトの仲間達と幽霊の話になり、僕は霊感が強いなんて言ってしまったのです。
幼い頃、不思議な事に遭遇した事があるのは確かなんですが、実際に幽霊を見たことは無く、それを霊感が強いと言うのは違うでしょう。でも、話をしていた中に「ちょっと良いな」と思っていた女の子がいたので、ある意味でカッコつけたのです。

そんなこんなで話を変えようとしたのですが、既にそれは無理。バイトが終わったら心霊スポットに乗りこむぞ!と回避不可の状況になったのでした。

目次

心霊スポットへ向かう

そこは、コンビニで夏になると売られる「心霊スポットガイドブック」のような本に、必ず載っている有名な心霊スポット。店から車で30分ぐらい、木々がお生い茂り昼間でも薄暗い山道を抜けた先にある、曰くのある公園です。

車内は僕を含めた4人、これから恐ろしい事が起こるなんて知らず、怪談話で盛り上がっていた時。
唐突、僕は耳鳴りがしだした事を皆に話すと、「行くなって事ですかね…?」なんて一人が言い出した途端にさらに盛り上がっていきます。

「気のせいだ・・・気のせいだ・・・」と自分に言い聞かせながら進んでいくうちに、右半身が痺れる様な感覚を覚えると同時に強い吐き気が襲ってくる。
ふと助手席を見ると仲間の顔が苦痛に歪んでいる。どうしたのかと聞くと、どうやら車内の全員・・・程度はまちまちだけれども、同じような症状なのです。
今の場所からだと引き返すよりは、駐車場のトイレに駆け込んだ方が良いと思って車を飛ばしました。

映るもの

なんとか駐車場にたどり着いて、それぞれがようやく落ち着きを取り戻しベンチでうなだれていました。
メンバーの中で一番お調子者が、スマホで皆の写真を取り始め、「ちょっと空気読んで大人しくしてろ!」と怒鳴ろうかと思った瞬間。

彼がスマホの画面を見て固まっています。
そして、ちょっとこれ見てとばかりに見せられた画像には、全員に覆いかぶさるように白い何かが写っていたのです。
彼が撮ったすべての画像に・・・。
ここは有名な心霊スポットなのだと全員が思い出し、流石にこれはマズイと車に乗り込み、店の近くの駅にナビをセットしましたのでした。

帰れない

しばらく走っていると助手席の仲間が「あれ?あれ?これ、ナビ合ってます?」と言い出したのです。
彼が言うのは「元の公園の方に戻ってます」という。
「そんな事は無い」と反論したものの、ナビの指示通り進むとグルっと大回りをして、公園の前に帰ってきてしまいました。
車内は既にパニック状態、再度ナビを見ても履歴はちゃんと駅名になっています。

ナビが壊れたのだと、看板を頼りにとにかく市街地に向かうのですが、なぜか公園の前に戻ってしまう。
同時にセットしてないナビから、「目的地に到着しました」の音声が流れて来るのです。

何度か違う道を試し、夜が明けた頃にはループを抜けたようで店まで帰りついて、興味本位で「心霊スポットに行ったのがダメだった」と皆がそう思って反省したのでした。

それだけでは終わらなかった

心霊スポットの事なんて、皆がすっかり忘れてしまった頃。
いつもの様に店に行くと、先に来て清掃をしてくれるパートさんが、「最近、1人で掃除してると変なの見るの」とボヤくように話しかけてきます。「何を見るんですか?」と聞くと、「廊下の曲がり角を、白いスカートの端っこが曲がって行くのが見えるんだけど、行くと誰もいないのよ」
僕は「疲れてんじゃないすか?笑」と気にも留めませんでした。

日に日に色々な噂を聞くようになり、例えば、下の階に入っている美容室のオーナーさんの話だと。
いつもお店を開くので1番に出勤するのだけど、その日はエレベーターに白い服の女性が乗っていて、3階の美容室で降りたそうです。「誰か出勤したんだ。早いなぁ。」と思って、3階にと着くと電気もついていないし、誰もいない。そんな事が最近多いとか。

ちなみにビルの1階には防犯用としてエレベーターの内を撮すモニターが付いていて、エレベーターを待っている時に、乗っている人と何階に止まったか、わかる様になっています。

原因は

しばらくした頃、地下の飲食店の方が飲みに来て、こんな事を言うのです。
「俺、霊とか視えるんですけど、最近、昼間に1人で仕込みしてると、変なの視ちゃうんですよ・・・」
そこで「それって・・・どんなものですか?」と聞くと。
彼は「白い服の女の人」と言った後、僕をまじまじと見つめて「後ろにいる女の人ですよ」と付け加えた。

手を滑らし持っていたグラスが床に落ちて、「ガチャン」と音を立てて割れた。
割れたグラスを片付けながら、彼に肝試しの事を話すと「多分、拾って来たっぽい」。

原因は僕だったのか・・・すぐさま、お祓いをしてもらったでした。
お祓いの効果はあったのでしょう、そのあたりから目撃証言を聞く事はなくなったのです。

それからというもの、地下の飲食店の方と顔を合わせる度に「もう、拾ってこないでね。」と。
「白い服の女の人」は、確かに僕についてやってきたのでしょうが、なぜ私から離れ、ビルの各階に移動していたのかが解せません。

※画像はイメージです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

どんな事でも感想を書いて!ネガティブも可!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次