田んぼが売れた。

駅の側の田んぼは、八月になると

い草の収穫時期になる。

暑い中、い草を刈り染料につけ干す。

 

小さいときは、ねこ車に載せ、

倒れそうななりながら運んでたのに、

今は、担いで運べるようになった。

 

夏休みの間の、田んぼ仕事は、

みんなで、することになっていたが

今年は、就職した姉の姿はない

 

次の年、兄は就職が決まったが、

県外の職場に行くことになった。

折角、兄のために買った車も

乗る人が、いなくなる。

 

正月に、みんなで神社に夜

参拝に行ったけど、これからも

何処かに、行けるのだろうか?

 

兄が、就職が決まった年に、

駅裏の土地が、大手の建築会社

によって広範囲に買われた。

 

父の妹の配偶者が、病気で

子供三人を残して、亡くなった。

父は、田んぼを売ったお金を

弟妹に、分けた。

本当は父が買ったのに、祖母の

気持ちを汲んだのだろう。

 

兄が、手伝えなくなることもあって

売る気になったのだろうか?

今は、機械でできる作業も多くなり

前ほど、手伝いをしなくても

良くなったので、部活に行ったり

友達の家に遊びにも行ける。

 

三年生になったとき、

働いている母の代わりに、夕食を

作るようになったが、

思たよりも好評だったので、

作るのが楽しくなってきた。

 

学校で、進学と就職の話が出

始めていた。