【血圧】 たくさんある目標値、血圧はいくつまで下げれば良いの?
血圧にはいくつかの目標値があります。120 は理想の理想値・130 は理想の値・140 は高血圧の人の現実的な目標値です。血圧は 家庭と診察室・朝と晩・夏と冬 でも変動します。これから、血圧を下げる 食事・運動・薬 の効果を紹介します。
ポイント
- 血圧は低いほど病気を予防できる
- しかし副作用も増える
- 理想は 120 / 80 未満
はじめに
血圧は、いくつまで下げれば良いの?
心臓病や脳卒中を予防するうえで、血圧の管理は一番大切である。
日本では実に 4,300万人 が高血圧と言われていている。読者のみなさんでも血圧の薬を飲まれている方も多いのではないかと思う。
血圧の目標値はいろいろあり、いくつを目指せばよいか分かりにくいと感じることがある。
血圧の目標値
血圧には、さまざまな目標値がある。
収縮期 / 拡張期 | |
---|---|
正常血圧 | 120 / 80 未満 |
正常高値血圧 | 130 / 80 未満 |
高値血圧 | 130 / 80 以上(いずれか) |
高血圧 | 140 / 90 以上(いずれか) |
これだけ目標値があると、一体いくつまで下がれば良いのかよく分からない。
高血圧に関連する病気
高血圧 の 原因 になる 病気 | 高血圧 が 悪化 させる 病気 |
---|---|
肥満 メタボリックシンドローム 睡眠時無呼吸症候群 慢性腎臓病 |
心筋梗塞 狭心症 脳卒中 慢性腎臓病 |
高血圧は、いろいろな病気と関連している。
病気の中で、肥満・メタボリックシンドローム・睡眠時無呼吸症候群 は 高血圧 の原因になる。
これらを改善することで、血圧を下げることができる。
さらに、血圧を下げることで、心筋梗塞・狭心症・脳卒中が予防することができる。
慢性腎臓病は高血圧の原因にもなるし、さらに高血圧が腎臓病を悪化させる悪循環がある。
血圧は低いほど良い
血圧を下げる一番の目的は、脳卒中や心臓病を予防することにある。
病気の予防するには、 血圧は 120 / 80 未満 まで下げる方が良い ことが分かっている。
しかし、120 / 80 未満 まで下げると予防効果と同じだけ副作用も生じる。
低血圧による副作用は、 めまい・起立性低血圧・腎機能の悪化 などがある。
血圧の高いときに合わせて薬を調節すると、低いときに副作用が起こりやすい。
高血圧はそれだけでは自覚症状がなく、日常生活にも不便は感じないので、予防のために薬を飲んで 副作用が出ることは許容されない。
白衣高血圧
血圧はいろいろな理由で変動する。この変動が、血圧の評価を難しくしている。
家では血圧が高くないのに、病院やクリニックを受診すると高くなることがよくある。
白衣を見ると緊張して血圧が上がるので、白衣高血圧と呼ばれる。
病院と家庭での血圧が違って記録される場合は、 家庭の血圧を優先 する。
朝と晩の血圧
血圧は朝と晩でも変動する。
朝は起きてから活動に向かうので、交感神経という神経が働いて血圧が上昇する。
交感神経は全身の血管を収縮させて、さらに心臓のはたらきを高めて脳の血流を増やす。脳の血流が良くなると、頭の回転が良くなる。
朝の血圧は誰でも高くなるが、基準値を超えて高くなる場合を 早朝高血圧 という。
脳卒中や心筋梗塞は明け方に起こりやすい。早朝高血圧を管理することはとても大切になる。
早朝高血圧に対して、最近は効き目の長い血圧の薬を夕方に処方することが増えてきている。
季節による変動
血圧は季節でも変動する。
冬になると体温を逃さないために、やはり交感神経が働いて手足の血管を収縮させて血圧が高くなる。
冬に血圧を十分に下げることは大切だが、逆に下げすぎると夏に低血圧を起こすことがある。
人によっては、季節ごとに血圧の薬を調整する必要がでてくる。
実際はどうなのか?
実際のところ、血圧は変動をみながら最適な値を探すことになる。
書き手の感覚では、120 は理想の理想値、130 は理想の値、140 は現実的な目標値になる。
140 以上が1度あるから、すぐに薬を増やすということはない。
150以上 が何回かある場合は、血圧の薬を増やすことを勧める。
また、全体的に 140台 後半 が続いているときも、やはり薬を増やすことをすすめる。
日々の生活で薬が増えることは大変なことなので、1回の受診で決めることはなく、何回か受診を続けて話し合っていく。
食事と運動と薬
高血圧を改善する3本柱は、食事・運動・薬 になる。
まず、食事が血圧に与える影響について検討する。
もちろん塩分を控えることが大切になるが、減塩が実際にどれくらいの効果があるのか紹介する。
次に、運動が血圧を下げる効果を検討する。
後半では、いろいろな種類がある血圧の薬について、代表的なものを紹介する。