肉弾戦 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

野球・バスケットボールと並ぶアメリカの3大スポーツにして、最も人気が高いといわれる

 
アメリカン・フットボール

日本ではよくアメラグとかアメフトと短縮形でいわれますが、この完全防備で身を固め敵とぶつかり合いながら敵陣地にボールを運ぶ激しい競技の試合が初めて行われたのが、今からちょうど150年前の今日・1874年5月14日のことでした。


対戦したのは名門ハーバード大学とカナダのマギル大学。

その数年前にイギリスからフットボール(サッカー)がアメリカに紹介され、1チーム25人で試合が行われていました。

これに対抗する形で殆どラグビーのルールで行われたのが、この試合。

   

この競技方式がやがて国内に広まり、19世紀後半には大学スポーツとして人気を博するように。

当初はボールを持って走る所謂ランプレーだけだったのですが、1910年代にパスプレーが導入されてからは試合にグッと面白みが加わりました。


しかし次第にプレーが激しくなるに従い、1930年代に入ると選手のケガが増加。

競技そのものの存在が危ぶまれましたが、時のF・ルーズベルト大統領が

「アメリカ独自の男らしいスポーツを、消滅させてはならない」

と声明を出したことで存続が決定。

その後ヘルメットやショルダーパットなどの防具を装着するようになり、それが時代と共に進化して現在に至っています。


現在このスポーツの最高峰に位置するのは、1920年に設立されたプロ・リーグのNFLNational Football League )。

私自身野球をやっていた若い頃は、1プレー毎にハドルを組むアメラグはプレーがプツプツ切れるのに嫌気して殆ど関心がありませんでした。

しかし40歳前後の頃から綿密かつ複雑な作戦や駆け引きが分かってくると俄然アメラグ観戦が楽しくなり、今ではシーズン開幕の10月から2月初めのスーパーボウル(↓)まで、BS・CSの中継は欠かさず見る程に。

そのNFLは、花形のQB(クォーターバック)からラインメン、更にはキック専門の選手まで完全分業化され、1チームの登録選手は野球のほぼ2倍の45名(支配下選手枠は53名)という大所帯。


試合は原則週1回で、レギュラーシーズン16試合だけ。

スーパーボウルまで勝ち進むチームでも20試合。

メジャーリーグの年間162試合と比べると大違いですが、1試合の平均観客動員が約7万人と東京ドームで行われる巨人戦の約2倍。


それだけでも、このスポーツの人気の高さが伺えます。

またNFLは高額のテレビ放映権料やグッズ収入などの利益を集約して各チームに公平配分するレベニュー・シェアリング(Revenue sharing )という独特の制度を導入し、あらゆる世界のプロスポーツ界の中で最も収益・資産価値が高いことでも知られており、新人選手選択会議(ドラフト)も、一大イベント化しています。(↓)

 

 

しかし一方で、陰の部分も。 それは、選手たちの健康問題。


身長190cm前後、体重100㎏超、それでいて100mを11秒前後で走る大男たちがまともにぶつかり合うのですから、その衝撃は一般人の想像を絶します。


     ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草

 

いくら防具が進化したとはいえ、身体に蓄積されるダメージは相当大きいもの。

近年OBたちの脳障害が問題視されており、2013年には約4,500名の元NFL選手が 「脳震盪の危険性を隠していた」 としてNFLを集団提訴。

結局NFLが医療手当・傷害賠償、医療や安全面での研究費などで総額7億6,500万ドル(約750億円)を支払うことに。

ウィル・スミスが主人公の医師を演じてこの一連の動きを描いた 
コンカッション』(Concussion=脳震盪)という映画が、2015年に公開されています。

 

     
 

ビデオ判定やチャレンジ・システムなど、スポーツ界において最先端の技術やアイデアを導入し続けるNFLには、選手の健康問題に配慮しつつ今後も素晴らしい試合でファンを楽しませて欲しいものです。


          人気ブログランキング