池塘春草の夢 | 硝子の月 ― 11月の夜想曲 ―

硝子の月 ― 11月の夜想曲 ―

星屑のリズムにのせた 眠れぬ夜空に奏でる想い

    光が僕らを照らすなら
    同じ速度で過ぎている
    時計の針が刻むのとは
    まったく別の時間軸で


あなたと桜が舞う空を
見上げた季節がそのままの
醒めやらぬ夢を見ている

光にどれだけ晒されて
体が削り取られても
僕は夢から醒めないよ

 赤く染まった枯れ葉が一枚
 目の前を舞い落ちても
 桜の花びらとして瞳に映す
 変わることなきあなたの微笑

桜色の景色を春風に乗せたまま
時間は光の速度で
過ぎ去ってしまっているけど

絶えることなき夢が続く
たとえどれだけ
光の矢が放たれたとしても