ひとこと申す

母の命…「医療」と「訴訟」の格闘物語

68. Z病院のカルテ

2014-05-05 22:17:08 | 訴訟・裁判
証拠保全が行われて間もない6月の初めに
差し押さえられたカルテ類とCD-Rが届きました。
同封された請求書の明細には証拠保全に関する費用や
執行官の旅費(交通費)なども記載されていました。

Z病院での母の入院期間は約1か月間です。
医師の記録や指示簿、看護記録や様々な書類。
決してすぐに目を通せる量ではありませんでした。
Z病院の記録はまだ電子カルテ化されておらず
“手書き”ということも、読みにくさに拍車をかけました。
年末の母の容態悪化以外でも
気になる場面が幾つか(…幾つも)ありましたので
自分の記憶とその場面の記録が、どの程度一致しているのか
…などを確認しながらの作業は、予想以上に時間を要しました。

12月末、肺炎が再燃した頃の記録を読む際は
自分が記した病院でのメモ(ノート)を脇に置いて
比較しながら読み進めていったのです。
医師や看護師のそれぞれの筆記。
特徴ある字体や文章表現…
記憶にあるスタッフの顔を思い浮かべ
私の抱いていた印象と、目で追う記録を一致させながら。

見ていくにつれ、色々なことに気づきました。
Z病院で独特に使用されていると思われる用語・略語、
ほとんど展開されていない看護計画(看護の基本である)など。

記録は…簡素でした。
案の定というか、予想通りというか…。

まず医師記録。主治医のK医師は、
母のもとに来ることが僅かでしたし
来てもほとんど診察行為をしていませんでしたから
書いてない(書けない)のは当然ですが。

驚いたのは、看護師の書く看護記録にも、
実際に起きたことや家族とのやりとりが
(私の厳しいクレームなど)きちんと記録されていないことでした。
私はこれまで看護師として
「起きたこと」や「患者の状態」「実施したこと」を
できるだけ明確に、時系列に、きちんと記録する
           …という姿勢を教えられ、育ちました。
ですからこの記録は、大きなカルチャーショックでした。
そしてこの“書かれてない”ということが
もし訴訟となった場合には、こちらの不利の要素になる…
Z病院側が「知らない」「事実でない」
言い張ることができるのでは…
そんな懸念を抱いたのです。


ですが、ここで止まるわけにいきません。
何のためにここまで来たのか。
カルテ類が届いた翌々日には事務所に電話し、
調査を進めてほしい旨を伝えました。

6月末に私たちは再度事務所に足を運びました。
カルテを見たH弁護士・夫人の感想も、私と同様でした。
事細かに記録がされていること 証拠になる
      (良い意味でも、悪い意味でも)
でもZ病院のように“書いていない”と、言い逃れができ
逆にあちらに有利になり、難しいかも…と。

ただ、母の状態悪化が読み取れる部分や、血液データはあり
やるべき検査や処置が(たとえばレントゲン撮影など)
十分なされていないことも明らかで、
こちらの言い分が通る可能性はある とも。


それぞれの見解を話し合い、今後の予定を構成し
医療訴訟に向けて、一歩踏み出すことに決まりました。

母を看取ったF病院に、
続けて勤務している私に課せられた役割…
・F病院で母の診療にあたった医師の見解を聴く
・F病院のカルテ開示・複写を請求する
                      ということでした。


後日、説明されていた『弁護士委任契約書』が送られてきました。

【事件の表示】という項目があり、
事件(名)は「医療事故調査」と記されてました。
は、に対して、下記事件の処理を委任し、乙はこれを受任した」

裁判に関しての書類の表記には、甲・乙が頻繁に出てきます。
この場合“甲”は私たちで(書類には父の氏名)
     “乙”は担当の弁護士ということになります。



人気ブログランキングへ
↑↑ clickお願いします…お力をください。


3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (PSP-PAGF)
2014-05-06 08:01:36
いよいよ、具体的にスタートしました!

先ずは、Z病院での「書いていない」事と、良質の医療を提供するために「やるべき事をやっていない」事を弁別する辺りから始める必要があるのでしょうね?

項目毎に箇条書きにするか、一覧表にするとわかりやすのでしょう。

PSP-PAGFさんへ (桂花)
2014-05-06 12:27:36
いつもありがとうございます。

>項目毎に箇条書きにするか、一覧表にするとわかりやすのでしょう。
アドバイスありがとうございます。

実は今書いている部分は、少し前(過去)のことで…
この後にも盛りだくさんの経過や書類があります。

自分の記憶と、手元の書面を見ながら
できるだけ他の人にもわかりやすいよう書かなくては、と思っています。
医療の専門的なこともたくさん出てくるので、
自分の文章能力がうまく太刀打ちできるのか不安です。

またご意見いただけると嬉しいです!
Unknown (PSP-PAGF)
2014-05-06 13:52:13

>実は今書いている部分は、少し前(過去)のことで…

そうでした、「6月」と書いてありました。

現段階でのポイントは、Z病院での治療が「未必の故意」に該当するか否か、もっ言えば「認識なき故意」をどうやって「認識ある故意」と立証するか・・でしょう。

>医療の専門的なこともたくさん出てくるので

同一ページの脚注とするか、「用語集」を別冊として要事参照できる様にされては?

>自分の文章能力がうまく太刀打ちできるのか不安です。

桂花さんの当ブログを拝読して、私は何らその様な懸念を持つに至りません。


コメントを投稿