CINEMA 4Dと初音ミクV3の使い方

CINEMA 4Dと初音ミクV3の使い方

Cinema 4Dと初音ミクV3の使い方が全く分からない人が、少し分かるようになるブログです。
説明内容は一例ですので、マニュアルや各種参考書、記事や動画などもご参照下さい。
また、他の3DCGソフト用の参考書や記事でも、内容はCinema 4Dに応用できる場合があります。

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○初音ミクV3について

初音ミクの曲には初音ミクの歌うメロディー部分と伴奏がありますが、『初音ミク V3』(公式サイト)に付属しているソフトを使えば、両方を作ることができます。
初音ミクV3には『初音ミク V3 バンドル』という、英語の音声も付属したセットもありますが、日本語の歌詞でも途中に少し英語を入れたくなったりするかもしれませんので、余裕がある場合は『初音ミク V3 バンドル』を購入する方が良いと思います。(後から英語の音声だけを追加購入することもできるようですが)
この初音ミクV3の登場により、作業環境はWindowsでもMacでも同様な作業が可能となっています。実際にこの記事ではMacを使って製作を進めています。

○パソコンで作曲する時に必要な3つの分野の知識について

パソコンで初音ミクの曲を作るには、

・ソフトの使い方
・実際の様々な楽器の構造や演奏法に関する知識
・作曲に関する音楽理論のような知識

の3つの分野の知識がそれぞれ必要となってくることを頭に入れておくと良いでしょう。分からなくなったり、どこかで行き詰まった場合には、この3つの分野のどこで止まっているのかを考え直してみたりすると良い場合もあります。

○初音ミクV3による作曲について

ではここからは、初音ミクV3や付属ソフトなどが正常にインストールできた段階から、初音ミクV3による作曲の解説をしていくことにします。作曲に使うのは、初音ミクV3に付属している楽曲制作用ソフト”Studio One Artist Piapro Edition”です。Studio One Artist Piapro Editionでそれぞれの楽器を演奏し、初音ミクの声も、その一つとして演奏させていく感じです。(実際には、”Studio One Artist Piapro Edition”以外の音楽制作ソフトと初音ミクV3を組み合わせて使う事もできます。また、最近初音ミクV3を購入した場合は、Studio One Artist Piapro Editionはバージョン3になっています



イメージ的には、曲が左から右に流れていくとすれば、

初音ミクの声→→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器1 →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器2 →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器2 →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器3 →→→→→→→→→→→→→→→→

のようになります。

しかし実際に作曲していく場合は、楽器でメロディーを考えてから初音ミクの声に置き換えていく方が楽な場合もありますので、まず、

メロディーを表す楽器 →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器1(伴奏用) →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器2(伴奏用) →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器2(伴奏用) →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器3(伴奏用) →→→→→→→→→→→→→→→→

のようにして考えていくと良いかと思います。


さて、メロディー、いわゆる歌の部分を考える時は、口ずさんで作るとか鼻歌で作ったら良いなどと言われますが、そういう風に作っていくと伴奏を合わせるのが難しくなります。そこで、とにかく何でもいいので一曲分の形にするための簡単な作り方としては、メロディーに使う音を決めてから作っていった方が、曲にはなりやすいと思います。

そこで、よく言われるドレミファソラシドの音で作っていくことにします。これは、ピアノなどの鍵盤楽器で言うと、白い鍵盤だけを使うという事です。(正確には黒い鍵盤を混ぜてもドレミファソラシドは作れますが)

ここからは、簡単なMIDIキーボードがあった方が良いかと思います。実際の入力はマウスですが、MIDIキーボードで弾いて音を確かめたりするのに使いますので、あった方が便利です。(うまく弾ける場合は弾きながら入力もできますが。)ここではKORG ( コルグ ) / microKEY-37を使用しています。(なお、MIDIキーボードでは、初期設定によっては普通に弾くと弾いた音が小さめになる場合があるので、MIDIキーボードに機能が備わっている場合には”ベロシティカーブの調節”をした方が良い場合があります。)
メロディーをドレミファソラシドで作ると決めた場合には、伴奏の方も低い音のドレミファソラシドを組み合わせた和音で合わせると合わせやすくなります。

○曲の構成について

次に考えておくことが、曲の構成です。これは例えば、

イントロ→(Aメロ Bメロ サビ)→(Aメロ Bメロ サビ)→間奏→(Bメロ サビ)→アウトロ

みたいな感じです。前奏(イントロ)があって曲を2番まで繰り返して間奏があり3番、みたいな流れです。もちろんこの構造通りでなくてもよいですが、Aメロは歌に入っていく部分のメロディー、Bメロはつなぎのメロディー、サビは一番盛り上がり覚えやすいメロディー、みたいな事をあらかじめ意識しておくと良いかと思います。間奏の部分は歌がなく楽器の演奏だけになったり、上の例のように3番の構造は1番や2番とはちょっと変えたりする場合もありますが、そういった部分は色々な曲を聴いてみて下さい。いろいろなパターンがあります。

○Studio One Artist Piapro Editionでの入力

ではStudio One Artist Piapro Editionで、メロディーと伴奏を入れてみることにします。最初は

メロディーを表す楽器 →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器1(ピアノ) →→→→→→→→→→→→→→→→
他の楽器2(ドラム) →→→→→→→→→→→→→→→→

ぐらいを使い、ピアノの和音で伴奏を入れ、リズムのイメージが分かるように、簡単なドラムを入れる事にします。

伴奏はドミソ、ミソシ、ファラド、ソシレ、のように、一つおきの音を重ねた和音にします。メロディーが始まる部分や、いったん終わるような気がする部分にはドミソの和音を使うと良いでしょう。そして、伴奏の和音やドラムを入れた後で、それに合うメロディーを考えていきます。

Studio One Artist Piapro Editionの基本的な操作としては、右下の”編集”、”ミックス”、”ブラウズ”の各ボタンをつけたり消したりして、作業内容に応じた画面を出しながら作業していきます。”編集”は音の入力、”ミックス”は各パート(それぞれの楽器)の音量のバランス調整など、”ブラウズ”は音色選択の時に使います。
また、それぞれの画面の区切り線はドラッグして動かせたり、さまざまな部分の幅が調節できたりしますので、いろいろと試すと良いでしょう。プロが使うようなソフトですので、画面のすべての場所に様々な機能が組み込まれています。同じ事を別の手順でできたりもしますので、詳しくはヘルプメニューから閲覧できるリファレンスマニュアルや各種参考書などで研究すると良いかと思います。


○音色の選択

では”ブラウズ”ボタンを押して表示されるブラウズ画面内の”インストゥルメント”をクリックして、音色のリストを表示させます。音色はいくつかのバーチャルな楽器(Impact、Mojito、Piapro Studio VSTi、Presence、SampleOne)に分かれて収録されています。Impactはドラムマシン、Mojitoはアナログシンセサイザー、Piapro Studio VSTiは初音ミクの声、Presenceは様々なジャンルの音色が入っているシンセサイザー、SampleOneは自分で用意した音を使えるソフトです。

音色のリストは最初は折りたたまれていますので、必要に応じて三角マークをクリックして開き、音色を選びます。Presenceの場合は、下の画像のように、音色はさらにジャンルごとに分かれています。


今回は、メロディーを考えるための音色として、PresenceのKeyboardsからWide Electric Piano、ピアノをPresenceのKeyboardsからGrand Piano、ドラムはPresenceのDrum KitsからStandardを選んでトラックを作ります(音色選択は適当です)。トラックというのは、それぞれの楽器の演奏を記録していく細長い行のようなものです。(陸上競技のトラックと同じ語源です)それぞれの楽器ごとにトラックを追加していく事になります。
今回は全部Presenceから選びましたが、ドラムはImpactから選んだり、いわゆるアナログシンセサイザーのような音はMojitoから選んだりなど、使い分ける事もできます。入れたい音色を作業画面内にドラッグすることで、その音色が入ったトラックができます。気になる音色を作業画面にドラッグしてみて確かめたりするのも良いかと思います。(使わないトラックは後で削除したりする事もできます)

○ピアノトラックの作成

では伴奏用のピアノの音色として、PresenceのKeyboardsからGrand Pianoを作業画面上にドラッグしてみます。


作業画面上に音色をドラッグすると、画面上には、その音色が収録されている楽器の画像(Presenceの音色なら、Presenceと書かれているシンセサイザーのような楽器)がいきなり出てきますが、これは、このトラックにはこのシンセサイザーPresenceがセットされたという事を表し、この楽器の鍵盤をクリックしたり、MIDIキーボードを弾いたりすれば、もう音が出ると思います。
ただ、この楽器の画面は今のところは使わないので右上の×印をクリックして閉じておきます。
なお、作業に慣れてくれば、それぞれの音色をこのシンセサイザー上で調節して変化させたり、そこから直接音色を選び直したりする事もできます。この楽器画面の出し入れは、各トラックの右側にある鍵盤マークのクリック(下の画像内の赤丸で示したマーク)で行えます。




では、トラックの右側のスペースをダブルクリックすると音を入力できる場所「インストゥルメントパート」ができます。


「インストゥルメントパート」をさらにダブルクリックすると、下に編集画面が出て音を書き込めるようになります。「インストゥルメントパート」の中身を、編集画面で書き込んでいくイメージです。この編集画面は、右下の”編集”ボタンでも出し入れができます。
一回作った「インストゥルメントパート」は、演奏が入った部品のようなイメージですので、トラックの左右に移動できたり、横の長さも調節できたりします。コピー&ペーストや、複製(ショートカット"D")、別のトラックに移動したりもできると思います。また、複製したものを書き換えると全体に反映される、”共有を複製”、というタイプの複製機能(ショートカット"shift+D")などもあります。

ではピアノの和音を入力していきます。「インストゥルメントパート」を右側にドラッグして、最初の2小節は、とりあえずあけておきます。これは、作業しやすくするためです。また、右端をドラッグして全体的な長さは8小節にしました。


そして、音を入力していきます。編集画面内では、音を書き込みたい場所をダブルクリックすると音を置く事ができ、もう一度ダブルクリックすると消えます。縦や横の幅は右下の部分でいろいろと調節できます。これは、Aメロに当たる部分のピアノ伴奏の編集画面です。この例では1小節ごとに一つの和音を入れています。また、最後から2番目の部分は1小節の中に二つの和音をつなぐように入れています。

音の長さは、編集画面の上にある”スナップ”というところのチェックを外してから、それぞれの音の右端をドラッグして移動させると、縦線ちょうど以外のところでも長さを調節することができます。それぞれの音をどれくらい伸ばすかによって印象が変わってきますので、微調整しながら聞いて、いろいろと実験してみると良いかと思います。
また、それぞれの音に対して、下の縦棒の高さで表される”ベロシティ”という値が設定されています。これは”弾く強さ”みたいなものを決める数値で、自分で変えたりもできます。この”ベロシティ”は、それぞれの音の部分をよく見ると、濃い色と薄い色の割合でも示されているのが分かると思います。

実際の作業では、Macの場合、optionを押しながらドラッグ&ドロップすると音が複製できますので、一つの音を入力すれば、あとはそれを複製する感じで音を置いていっても良いかと思います。Windowsの場合はAltを押しながらドラッグ&ドロップでできるかもしれません。

○ドラムトラックの作成

ドラム用の音色も作業画面上にドラッグして、ドラム用のトラックを作ります。
ドラムのトラックはとりあえずこのような簡単なパターンで1小節分のインストゥルメントパートを作り、それをコピーしています。ドラムの音色の場合、それぞれの音の高さごとに違う音色(バスドラム、スネアドラムなど、ドラムセットに含まれるそれぞれの音)が入っていますので、作業自体はピアノの音の入力と同じ感じでできます。ただし、ピアノの鍵盤で表した場合の、かなり低い音の方に入っていることが多いです。


この例では全部の音のベロシティを最大にしていますが、ある程度の変化をつけて人間が叩いた様な強弱を出したりする場合もあります。基本的にはベロシティが小さすぎると弱々しい音になったりするので、ある程度の大きさは保っておいた方が良いかもしれません。

また、ドラムの編集画面の場合、編集画面の左上にある小さいドラムのアイコンをクリックして音名表示をドラム用にしてから、そのアイコンの右にあるスパナのボタンをクリックし、音名を編集ウインドウが出てきたら、その左下の枠にある三角を押してGM Drumsを選べば、

下図のように、編集画面の左側はドラム用の音名表示になりますので、こちらで作業しても良いかと思います。この図のように、どこに何という音が入っているのかが表示されます。


8小節分を2回繰り返してAメロの部分にしてみました。


曲の速さは、右下のテンポという数字を上下にドラッグしたり、クリックして直接入力して変えることができます。また、区間を指定して、繰り返し再生できる機能があります。

○メロディーを考える

では、このくらいまで伴奏を入れたら、メロディーを考えてみる事にします。メロディー用のトラックを作り、音を置いていきます。
メロディーの入れ方は、音の上下への移動幅が狭いか広いかの頻度のバランスを考える事と、音の長さとタイミングをずらして歌う気持ちがグッと入るポイントを作る事などを考えながら、適度な繰り返しも入れつつ少しずつ考えて入れます。

・メロディーの上下移動



例えば上の画像のように、急に高い音に上がって変化をつけた後には、少し低い音でちょっとその変化した気分を和らげたりなど、メロディーの音の上下というのは、気持ちの上下に関係し、あまり激しい変化ばかりでも歌いづらかったり、あるいは逆に何も変わらないとつまらなくなったりするのが分かると思います。ジェットコースターや様々なアトラクションのような遊戯施設を体験した時の気持ちの流れ、なども思い出して参考にすると良いかと思います。
何か物足りない場合も、急に音を上げてみたり、あるいは下げてみたりすると何か思いつく場合があります。

・メロディーの左右移動

左右方向では、メロディーの音をずらすことで強く感じる感じるタイミングをずらし、期待感を持たせることがあります。


また、Aメロ→Bメロ→サビ、とだんだん盛り上がってくるイメージで作りますので、サビは高い音を使ったりするのも効果的です。全体的には、実際に頭の中で歌いやすいような歌にすると良いかと思います。

トラックの左側で何も書かれていない部分をドラッグして移動すれば、トラックの上からの順番も変えることができますので、メロディー用の音色が入るトラックは一番上に移動したりもできます。もちろん並び順で音が変わるわけではありませんが、ドラムは一番下でその上はベース、歌は一番上、みたいに並べておいた方が、感覚的に落ち着くかもしれません。




ベースも追加してみますが、ベースの音はとりあえず、それぞれの伴奏の音の中で低い音を入れます。例えば伴奏がドミソの和音のところは、低いドでドドドドドドドド、みたいに入れるということです。ベースの音色は、PresenceのBassのDX Bassです。
なお、一回決めた音色は、最初の方でも紹介しましたが、そのトラックに割り当てられている楽器の画面を出して、下の画像のように左上の方から直接変えたりもできます。


この辺りからは、このページの一番最後に、作成した曲のYouTubeもありますので参考にしてください。
またこの画像のように、トラックの幅を変えたり、一番左側にある色をクリックして別の色にしたり、パート名をダブルクリックして書き換えたり等もできます。
同じように、Bメロとサビも作ります。これらも、先に伴奏の和音を入れてからメロディーを考えた方が良いかもしれません。今回の場合、簡単に作るために、Aメロの和音のつながり方(コード進行と呼んだりします)とサビの和音のつながり方は同じで作ってみました。

Aメロ(16小節) ドミソ→ミソシ→ファラド→ソシレ ドミソ→ミソシ→(ファラド→ソシレ)→ドミソ を2回
Bメロ( 8小節) ミソシ→ラドミ→ファラド→ソシレ を2回
サビ (16小節) ドミソ→ミソシ→ファラド→ソシレ ドミソ→ミソシ→(ファラド→ソシレ)→ドミソ を2回

メロディーの部分が完成したらMIDIファイルで書き出し、初音ミクのトラックを作ってピアプロスタジオのウインドウを出したら、そこからそのMIDIファイルを読み込むと、それが初音ミクの歌うメロディーになります。聴きながらメロディーを直したくなれば、ピアプロスタジオの方で直接直します。

初音ミクが歌えるようになったら、メロディーのトラックの方はミュートして音を出ない設定にしておきます。ミュートは各トラックの左にある”m”と書かれているボタンです。
また、右下の”ミックス”というボタンを押し、それぞれのパートの音量を調節したりもします。なお、"ミックス”画面での音量調節に関しては、曲が出来上がってから詳しく調節したりしますので、今の段階では特に厳密に調節する必要はないでしょう。

では、このあたりまでの段階で作った曲が以下のようになります。最初の方で想定した曲の構造で、曲の1番の部分、(Aメロ Bメロ サビ)の骨組みが出来た状態です。作業画面の上の方には、区切りを表すマーカーのようなものも入れる事ができます。
なお、初音ミクの部分はピアプロスタジオのウインドウに書き込まれていますので、メインの画面上には何も表示されない状態になっています(下の動画では一番上のトラック)。