刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 3000

乙:今日の問題は、令和3年予備試験刑事訴訟法第21問です。

 

公判前整理手続に付された刑事事件の第一審公判において行われる次のアからオまでの各手続を先に行われるものから時系列に沿って並べた場合(中略)
ア.黙秘権等の告知並びに被告人及び弁護人の陳述の機会
イ.弁護人の冒頭陳述
ウ.公判前整理手続の結果の顕出
エ.起訴状朗読
オ.検察官の冒頭陳述

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Odyssey, fantasy when I sleep at night
Lava flows, flowers grow in the creep of light

 

出典:https://genius.com/Crystal-murray-air-lyrics

 

感想:アルクによると、lava flowは、溶岩流、という意味です。

 

乙:刑事訴訟法291条は

 

「検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。
② 第二百九十条の二第一項又は第三項の決定があつたときは、前項の起訴状の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなければならない。
③ 前条第一項の決定があつた場合における第一項の起訴状の朗読についても、前項と同様とする。この場合において、同項中「被害者特定事項」とあるのは、「証人等特定事項」とする。
④ 第二百七十一条の二第四項の規定による措置がとられた場合においては、第二項後段(前項前段の規定により第二項後段と同様とすることとされる場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部について第二百七十一条の五第一項の決定があつた場合に限り、適用する。この場合において、第二項後段中「起訴状」とあるのは、「第二百七十一条の二第四項の規定による措置に係る個人特定事項の全部について第二百七十一条の五第一項の決定があつた場合にあつては起訴状を、第二百七十一条の二第四項の規定による措置に係る個人特定事項の一部について当該決定があつた場合にあつては起訴状抄本等及び第二百七十一条の五第四項に規定する書面」とする。
⑤ 裁判長は、第一項の起訴状の朗読が終わつた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。」

 

同規則196条は

 

「裁判長は、検察官の起訴状の朗読に先だち、被告人に対し、その人違でないことを確めるに足りる事項を問わなければならない。」

 

同規則197条は

 

「裁判長は、起訴状の朗読が終つた後、被告人に対し、終始沈黙し又個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨の外、陳述をすることもできる旨及び陳述をすれば自己に不利益な証拠ともなり又利益な証拠ともなるべき旨を告げなければならな
い。
2 裁判長は、必要と認めるときは、被告人に対し、前項に規定する事項の外、被告人が充分に理解していないと思料される被告人保護のための権利を説明しなければならない。」

 

同法296条は

 

「証拠調のはじめに、検察官は、証拠により証明すべき事実を明らかにしなければならない。但し、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べることはできない。」

 

同法316条の30は

 

「公判前整理手続に付された事件については、被告人又は弁護人は、証拠により証明すべき事実その他の事実上及び法律上の主張があるときは、第二百九十六条の手続に引き続き、これを明らかにしなければならない。この場合においては、同条ただし書の規定を準用する。」

 

同法316条の31は

 

「公判前整理手続に付された事件については、裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、前条の手続が終わつた後、公判期日において、当該公判前整理手続の結果を明らかにしなければならない。
② 期日間整理手続に付された事件については、裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、その手続が終わつた後、公判期日において、当該期日間整理手続の結果を明らかにしなければならない。」

 

同法292条は

 

「証拠調べは、第二百九十一条の手続が終つた後、これを行う。ただし、次節第一款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りでない。」

 

と、規定しています。

 

 

したがって、上記記述は、エアオイウの順です。

しほうちゃれんじ 2999

乙:Little free bird
I know the winter took its toll on you

 

出典:https://genius.com/Matilda-lyn-sunwarmed-lyrics

 

感想:アルクによると、take one's toll onは、~に被害をもたらす、などの意味です。

 

今日の問題は、令和3年司法試験刑法第16問4です。

 

放火の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合(中略)

4.甲は,隣人Aが居住する木造家屋を焼損しようと考え,同家屋から1メートル離れた位置にある自己が所有する無人の木造倉庫に放火してこれを焼損したが,同家屋に延焼する危険を生じさせるにとどまった。この場合,甲には,現住建造物等放火未遂罪は成立しない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:刑法112条は

 

「第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。」

 

同法108条は

 

「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」

 

と、規定しています。

 

大判大正15年9月28日は

 

「人ノ住居ニ使用スル建物ヲ焼燬スルノ目的ヲ以テ之ニ接近セル人ノ住居ニ使用セス又ハ人ノ現在セサル建物ニ放火シ其ノ火勢猶未タ人ノ現住セサル建物焼燬罪ノ未遂犯ヲ構成スルニ過サルトキト雖其ノ燃焼作用ニ依リ住宅焼燬ニ至ルヘキ状態ヲ惹起シタルモノナルヲ以テ住宅焼燬罪ノ豫備ノ程度ヲ超エ住宅焼燬罪ノ未遂犯ヲ構成シ人ノ現住セサル建物焼燬罪ノ未遂犯ヲ構成スルモノニ非ス又其ノ火勢既ニ右人ノ現住セサル建物焼燬罪ノ既遂犯ノ程度ニ達シタルトキト雖右建物ハ住宅焼燬ノ媒介タルニ過サルヲ以テ住宅ニ延焼シ且之カ焼燬ノ程度ニ至ラサル限ハ猶住宅焼燬罪ノ未遂罪ヲ構成スルニ過スシテ人ノ現住セサル建物焼燬罪ノ既遂犯ヲ構成スルモノニ非ス」

 

と、判示しています。

 


したがって、上記記述は、誤りです。

しほうちゃれんじ 2998

乙:As I move to decorate a new house
It will sit still and be there for years to come

 

出典:https://youtu.be/Rwd9YV6R5Vc?feature=shared

 

感想:アルクによると、for years to comeは、この先何年も、などの意味です。

 

今日の問題は、令和3年司法試験刑法第16問1です。

 

放火の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合(中略)
1.甲は,Aが所有する自動二輪車に放火するため,これに使用するガソリンとライターを所持して同自動二輪車に近づいたが,甲に不審を抱いた警察官から職務質問を受け,放火するに至らなかった。この場合,甲には,放火予備罪は成立しない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:刑法113条は

 

「第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。」

 

同法108条は

 

「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」

同法109条1項は

 

「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。」

 

同法110条1項は

 

「放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。」

 

と、規定しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。

しほうちゃれんじ 2997

乙:Don’t tell me
Cause it’s hard to hear
That you’ve had a change of heart
I’m wary

 

出典:https://genius.com/Janette-king-paradise-lyrics

 

感想:アルクによると、change of heartは、心変わり、などの意味です。

 

今日の問題は、令和3年司法試験刑法第14問エです。

 

証拠隠滅等罪(刑法第104条)に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討
した場合(中略)
エ.被告人の友人が,被告人の犯罪行為に関する偽証を証人に教唆し実行させた場合,証拠偽造罪の教唆犯は成立しない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:刑法61条1項は

 

「人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。」

 

同法169条は

 

「法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。」

 

同法104条は

 

「他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」

 

と、規定しています。

 

最決昭和28年10月19日は

 

「 所論は法令違反の主張であるから刑訴四〇五条所定の上告理由に当らない。所論は要するに被告人には黙秘権が認められており自己の被告事件について他人を教唆して偽証させた場合は理論上自己の被告事件に関する証憑湮滅行為に外ならないから刑法一〇四条の趣旨により偽証教唆罪に問擬すべきではないというに帰する。しかし被告人自身に黙秘権があるからといつて、他人に虚偽の陳述をするよう教唆したときは偽証教唆の責を免れないことは既には当裁判所の判例とするところであり(昭和二六年(あ)第二六二号、同二七年二月一四日第一小法廷決定参照)、今これを変更する必要を認めない。また刑法一〇四条の証憑の偽造というのは証拠自体の偽造を指称し証人の偽証を包含しないと解すべきであるから、自己の被告事件について他人を教唆して偽証させた場合に右規定の趣旨から当然に偽証教唆の責を免れるものと解することはできない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。

しほうちゃれんじ 2996

乙:Oh, you're tangled with me

 

出典:https://youtu.be/k6WodQbxfyE?feature=shared

 

感想:アルクによると、tangle withは、~と争う、という意味です。

 

今日の問題は、令和3年司法試験刑法第6問2です。

 

文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合(中略)
2.公務員である医師が,自己の勤務する市立病院の患者が裁判所に提出するための診断書に虚偽の病名を記載した場合,虚偽公文書作成罪が成立する。


甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:刑法160条は

 

「医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。」

 

同法156条は

 

公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

 

最判昭和23年10月23日は

 

「 しかし原判決の認定によれば被告人は第一審相被告人Aと共謀して岡山刑務所医務課長Cを買収してDのため同人が勾留に堪えられない旨の虚偽の内容の診断書を作成さしてこれを入手しようと決め、Aがその任に当ることになつたところAは医務課長の買収が困難なのを知つて寧しろ医務課長名義の診断書を偽造しようと決意し第一審相被告人Bを教唆して本件診断書を作成偽造せしめたというのである。被告人の故意は前記認定の如くAと共謀して医務課長をして虚偽の公文書を作成する罪(刑法第百五十六条の罪)を犯させることを教唆するに在る、しかるに現実には前記のような公文書偽造の結果となつたのであるから事実の錯誤の問題である、かかる場合にAのBに対する本件公文書偽造教唆について被告人が故意の責任を負うべきであるか否やは一の問題であるが本件故意の内容は刑法第百五十六条の罪の教唆であり結果は同法第百五十五条の罪の教唆であるそしてこの両者は犯罪の構成要件を異にするもその罪質を同じくするものであり且法定刑も同じである、而して右両者の動機目的は全く同一である、いづれもDの保釈の為めに必要な虚偽の診断書を取得する為めである、即ち被告人等は最初その目的を達する手段として刑法第百五十六条の公文書無形偽造の罪を教唆することを共謀したが結局共謀者の一人たるAが公文書有形偽造教唆の手段を選びこれによつて遂に目的を達したものである、それであるからAのBに対する本件公文書偽造の教唆行為は被告人とAとの公文書無形偽造教唆の共謀と全然無関係に行われたものと云うことはできないのであつて矢張り右共謀に基づいてたまたまその具体的手段を変更したに過ぎないから両者の間には相当因果関係があるものと認められる、然らば被告人は事実上本件公文書偽造教唆に直接に関与しなかつたとしてもなおその結果に対する責任を負わなければならないのである。即ち被告人は法律上本件公文書偽造教唆につき故意を阻却しないのである。而して原判決は以上説明の如き趣旨によつて被告人が本件診断書の偽造を教唆したものと判断したのであつて何等違法の点はない。

 次に本件偽造公文書行使幇助の点であるが原判決によれば被告人がBの偽造した本件診断書をAを通して受取つた上これをEに交付し因つてEが情を知らぬ弁護士吉岡栄八をして岡山地方裁判所の係判事に提出行使するのを幇助したというのであるから本犯がEであることは判文上明白である、而してEが右診断書が偽造のものであつたことを知つてゐたと認むべき証拠はない、しかしEは被告人に依頼して医務課長を買収して虚偽内容の診断書を作成せしめようとしたものであることは原判決の確定した事実であつて本件診断書は偽造のものであることは知らなかつたとしても虚偽の診断書であると考へて之を弁護士に交付し裁判所に提出行使したものであるからEの故意と現実の行為との間に錯誤があつたものである。しかしこの錯誤は前に説明したと同一の理由によつて故意を阻却するものでないからEの所為は偽造公文書行使罪を構成するのである、そして被告人は本件診断書が偽造であることを知らず虚偽内容の診断書と考へてこれをEに交付したとしてもEがこれを行使した以上前に説明したと同一の理由によりEの偽造診断書行使の幇助についても亦その責任を免かれることはできない訳である、原判決の此の点に関する説明は簡に失し多少明確を欠く恨みもあるが判文全体の趣旨から以上の説明と同趣旨であると認められるのである、然らばこの点においても原判決には所論の如き違法はない」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。

しほうちゃれんじ 2995

乙:So am I going too far
Somebody shut me up


出典:https://youtu.be/Cdw2KYJImcs?feature=shared

 

感想:アルクによると、shut someone upは、(人)を黙らせる、という意味です。

 

今日の問題は、令和3年司法試験刑法第6問1です。

 

文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合(中略)
1.偽造公文書行使罪の客体は,行使の目的で作成されたものでなければならない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:刑法158条1項は

 

「第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。」

 

と、規定しています。

 

大判明治45年4月9日は

 

「文書ノ僞造變造トハ不眞正ノ文書ヲ作成シ又ハ眞正ニ成立シタル文書ヲ不眞正ニ變更スルヲ云フ其僞造變造カ行使ノ目的ニ出テタルトキハ犯罪行爲トナリ否ラサルトキハ犯罪行爲トナラサルコト勿論ナリト雖モ孰レノ場合ニ於テモ其文書ハ僞造又ハ變造ノ文書タルヲ免レス而シテ刑法第百六十一條第一項ハ僞造變造ノ文書ヲ行使シタルモノヲ罰スルノ趣旨ニシテ其僞造變造ノ行爲カ犯罪行爲タルト否トヲ問フヲ要セサルヤ論ヲ俟タス」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。

しほうちゃれんじ 2994

乙:今日の問題は、令和3年予備試験民事訴訟法第32問ウです。

 

多数当事者訴訟の各類型の意義とそれぞれの類型に当てはまる具体的な例に関する次のアからウ
までの各記述について説明した後記1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし(中略)
ウ.類似必要的共同訴訟は,共同訴訟のうち,訴訟共同の必要があるが,合一確定の必要がない類型のものをいう。類似必要的共同訴訟に当たるものとして,株主X1及びX2が共同して株式会社の取締役Yに対して提起した責任追及等の訴えがある。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:They clip your wings and they
They call it pruning
Don't even need to think
They'll sort it out for him

 

出典:https://youtu.be/a2lOLYjP00k?feature=shared

 

感想:アルクによると、sort outは、整理する、などの意味です。

 

乙:「類似必要的共同訴訟は,共同で訴えまたは訴えられることは必要ではないが,共同で訴えまたは訴えられた以上,合一確定が要請され,判決が共同訴訟人間で区々になることが許されないという類型の必要的共同訴訟である」

 

山本弘・長谷部由起子・松下淳一『民事訴訟法』127頁

 

 

したがって、上記記述は、前段が誤りです。