なんじゃもんじゃの木

つたない文章ですが、お付き合いいただければ幸いです。

ネコの目(32)

2024-05-22 17:11:22 | 小説
 不穏な気配というものは、ただ生きているだけなのに寄ってきたりするものだから、出来る事なら避けて通りたいのだけど。
 ああ、面倒くさい...ひたすら面倒くさい。
 こちらが関わりたくないと思っているのに、そんなことはお構いなしだよねぇ。
 
 とても面倒なSさん。
 自己意識は高い。いわゆる自己中心的なお方でして、困ったことに最近Sさんの周りが非常によろしくない。
 ご本人、忠告とか他人の思いやりとか、あまり届かない方なので...
 うーん...ヤバいなぁと分かる人を放っておくのも性分として出来ない。
 本当の意味で面倒なのは私自身だよなぁ。
 さて、どうしたものやら。
 Sさんが自分で気付いて状況変えようとするなら、周りで陰ってモヤついてる黒いガスたちが薄くなるなり、消えるなり。
 この調子だと濃くなっていくばかりだなぁ。
 もう少し、様子見てますかね。

ネコの目(31)

2020-12-26 14:13:31 | 小説
 進化してしまった能力について、少し持て余していた。
 だってねぇ。。。別に要らないのに生まれつき持ってしまっていただけで望んだわけでもないのに。 
 仕方ないから付き合っている自分の能力。
 いつか消えたりしてくれればいいのにと思っていたのに、これじゃ逆だもんなぁ。。。

 このことに気づいたYちゃん。
 会えば私で手を拭くようにする。
 自分にくっついているものを拭うのに、これほど楽になるものは無いそうで。
 いや、私はバスタオルか⁈
 しっかり拭けるって?
 あのねぇ。。。
 まぁ、いいけど。
 相変わらず見えないって言うくせに自分に余計なものが付いているのは分かるって、何?
 Yちゃん、こっち側だよねって言うと全力否定。
 いや、楽しいからからかうよ。当然。
 手間賃替わりだもん。面白がらなきゃ。
 

ネコの目(30)

2020-07-01 14:34:37 | 小説
 ちょっとこれは、アリなんですかね。。。
 自分でも戸惑うくらい。
 何が起こったんだ?
 生まれた時から付き合ってきた「ネコの目」。
 今更、変化することがあるとは思ってもみなかった。

 「ネコの目」の精度が高くなった。
 ゲーム的に言えばレベルアップ?
 何か特別なことをしたわけでもないのだが、う~ん。。。
 必要なのかねぇ、一体何が起こっている?
 確かに結界の密度は濃くなってるし、変なの飛ばそうとしたら
今までより超簡単だし。(というか、ぶっ飛んで行くし。)
 これ見える人いたら絶対面白いだろうなぁ。
 まぁ、自分で見てるだけだけどねぇ。
 強くなっちゃったものは仕方ない。
 心当たりなんて何にもない。
 私は平穏で居たいのだが。。。

 強化されてしまった状態が不安定になることもなく今も続いている。
 これがずっと続くのかどうかは不明。
 さて、どうなることやら。
 

 

ネコの目 (29)

2020-03-04 15:11:26 | 小説
 ぞわっ
 全身総毛立つほどの気を連れている人に会ってしまった。
 いつもなら事前に避けられるんだけど、知人のところに来た人だから、
個人的には避けようがない。
 (見えてないよねぇ。。。ヤバいな、このひと。)

 知人とその人が会話を始めるが、その人に纏わりついてる気が、ユラリと動く。
 こういう気を纏ってる人って、まず自己中心的だし、他人利用するし
ロクなことがないから係るのも嫌なのだが、私の目の前で起こってることには
知らぬ顔も出来ないしなぁ。。。
 (面倒だなぁ。)
 仕方ないから黙って「纏わりついている気」の方に仕掛ける。
 私がこの場にいる限り知人に手出しさせないし、この後、知人に手出ししようものなら
どうなるか分からせる。
 (おとなしく引いて下さいね。)
 私が自分の気配を開放したら、気を纏っている人が反応した。
 用事を思い出したから帰るそうだ。
 (もう来なくていいよ。)
 私の方が先客だったから、その人が帰るのを見てから、残していった気を掃除しておいた。
 たぶんもう二度とここには来ないと思うが、一応結界張りますか
 人の良い知人が利用されるのはみたくないしね。
 ついでに知人の守りも激励しておきました。
 (激励ですよ。脅してませんよ。)
 
 

ネコの目(28)

2019-04-15 17:23:30 | 小説
 Yちゃんの周りに飛んでるピカピカのケセランパサラン。
 浮かんでピカピカしてるから、なかなか綺麗なんだけど。

「光ってるって、どんなん?」
 うーん。。。難しいな。
 光ってるって言っても、電飾みたいじゃなくて、強い光でもなくて、
 ほわってしているというか、柔らかい光でホタルみたいに黄色だけじゃなくて、
 発光してるのはそうなんだけど、それぞれ色が違って。。。

「ふーん。そっか。」
 分かった?
「うん。何となく。」
 そか。じゃ、そういうことで。。。
「でもさ。」
 うん。
「なんで?なんでそれがここにおるん?」
 
 うーん。。。
 やっぱり、そう来ますか。
 そんなんくってけて周囲に飛ばしてる本人が言うか?
 そんな妖に近いもんまでくっつけて来て。
 どうなってるのか、こっちが聞きたいんだけど。
 そう思うけどYちゃんは本心からそう聞いているのは分かる。
 だけど、答えはあるようで無いに近いんだよね。
 人の世で言うなら、『袖振り合うも他生の縁』てところかな。
 ね?そんなの答えようがないよね。
 出会いも縁も、どこでどうなっているかは生きてみないと分からないよ。

 Yちゃんは出会いの多い人ってことだね。
 それが生きていようが死んでいようが。
 『ひと』であろうと、そうでなかろうと。
 すごい守備範囲だなぁ。