直径6cmに肥大した膵腫瘍

 

前記事に書いたように、転院先の病院で低悪性腫瘍である、『SPN(Solid pseudopapillary neoplasm)』ではない可能性を指摘された私。

 

「SPNでは無いなら、何の病気なんだろう???」

 

不安な気持ちのまま、医師のすすめで生体検査を受けることになります。

 

私が受けた生検は、『超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)』。

 

すい臓の病気の診断に、よく用いられる方法です。

 

私の場合は、転院から4日後、口から胃に内視鏡を入れ、胃から膵臓に針を刺すかたちで組織(腫瘍)の一部を採取しました。

 

 

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)とは?

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)は、消化管(胃や十二指腸など)から”超音波内視鏡”で腫瘤を観察しながら”針”を刺し、病変(組織)を採取する方法です。
 
正診率は76~95%と言われているそうで、”膵臓”や”胆道”などの病気の診断によく用いられています。
 
超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)
 

膵臓や心臓の周りの縦隔のように体の深部にある病気は、診断のために針で臓器の一部を吸引することが困難であり、検査のために開腹手術をすることもありました。そのため、しっかりと病気の診断がつかないまま診断を兼ねて手術をおこなったり、時には抗がん剤治療をせざるを得ないことがありました。そのような中、内視鏡の先端に付けた超音波で病変を確認しながら針を刺す検査方法(Endoscopic UltraSound-guided Fine Needle Aspiration:EUS-FNA)が開発され2010年より保険診療として認可されました。より安全かつ効率よく診断できることから世界的に本検査方法が一般的に行われるようになりました。

(出典:慶応義塾大学病院 医療健康情報サイト

 

1泊2日の検査入院が必要

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)は、欧米では日帰りで行っている病院も多い検査だそうですが、臓器に針を刺すため、偶発症(出血・感染・穿孔・膵炎など)を引き起こす可能性もあり、日本では1泊2日の入院を原則とする病院がほとんどです。

 

私も、朝9時30分に入院し、翌日の12時頃には退院しました。

 

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA) 検査の流れ

私が膵腫瘍の生検のために受けた『超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)』の流れは下記の通りです。

 

病院や検査部位などによって違うかと思いますが、、、参考になれば…<(_ _)>

 

すい臓の生体検査:前日

  • 21時00分~ 絶食(水やお茶は飲んでもOK。薬も許可されたものはOK。)

 

すい臓の生体検査:入院1日目

  •  6時00分 薬を飲めるのはここまで。

  •  7時00分 水やお茶もここまで。

  •  9時40分 病棟へ入院 (入院時の注意点や院内設備などの説明を受ける。)

  • 10時00分  検査着に着替える。

  • 10時30分 点滴開始。

  • 11時30分 検査室へ移動。検査開始。

【検査の流れ】

  1. 検査室”まで歩いて移動。

  2. のどに”麻酔をスプレー”してもらう。やや苦いけど、飲みこむ。⇒のどの奥が痺れて、感覚が鈍くなってくる。

  3. ”ベッド”に左横向きに横になる。

  4. マウスピース”をくわえる。

  5. 点滴部分から、”麻酔を注射”。徐々に眠くなる。

  6. 眠りに落ちる。(その間に口から胃に内視鏡を入れられ、すい臓の腫瘍めがけて針を刺される。たぶん、20~30分経過?)

  7. 医師たちの話声でぼんやり目が覚める。

  8. 「もう1回だな~」ということで、胃に針が刺されているような”パチン”という感覚を味わう。ちょっと気持ち悪い感じ。でも、痛くはない。

  9. 2~3分後、”検査終了”。内視鏡を口から出される。

  10. ストレッチャー”に乗せられて、病室へ。

  11. ぼんやりしたまま、2時間ほど眠る。

  • 15時00分 飲水を再開。

  • 15時30分 点滴終了。

  • 17時00分 普通に歩けるようになる。

  • 17時45分 夕食を食べる。

  • 18時30分 薬も再開。(許可されたもののみ)

  • 21時00分 就寝。

 

内視鏡はつらいだろうな~」

で刺すなんて痛そう…」とビクビクしていたのですが、実際に検査を受けてみると、麻酔が効いてほとんど眠っているうちに終わったので、痛みや苦痛感はほぼ無かったです。

 

夕方以降は、普通の生活と概ね一緒でした。

 

人によっては、検査当日は胃がムカムカして、食欲が無くなる人もいるそうですが、私は普通に食事も取れて、病院食をおいしく完食。


 

すい臓の生体検査:入院2日目
  •  6時00分 起床。
  •  7時00分 採血。
  •  9時00分 採血結果で炎症反応なしと判明。⇒「帰れそうなら、退院して良いですよ~」と言われる。
  • 12時00分 退院。

 

検査翌日は、朝から胃がチクチクするような感じがしました。

 

担当の先生は、「心配だったら、もう1日入院して良いですよ~」と言ってくれたんですが、家の窓も閉め忘れたし💦、痛みも我慢できる範囲内。

 

早朝の血液検査では「問題なし」とのことだったので、その日のうちに退院することにしました。

 

 

とりあえず、無事終わってホッ...(*´ω`*)

 

 

※なお、上記はあくまでも私の例です。


部位や症状などによって、検査の流れや入院日数も変わってくるので、くわしくは担当の先生に確認してみると良いと思います。

 

(参考:超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を受けられる患者さんへ | 宮崎大学医学部附属病院

 

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の痛みは?苦しい?

先述の通り、私は膵腫瘍の生検として、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を受けましたが、検査による”痛み”や”苦しさ”はあまり感じませんでした。

 

とくに検査中は、通常の胃カメラと違い、”眠くなる麻酔”を使って行われるので、吐き気が少なくて済みました。

 

胃に針を刺す”痛み”も、輪ゴムでパチンとされたくらいの痛みで済んだので良かったです。

 

 

※人によって、感じ方は違うと思いますが。。。_(._.)_

 

 

むしろ辛かったのは、退院後の3日間。

 

入院準備や退院手続き、移動で疲れてしまって、もともと悩んでいた、”眩暈”と”背中痛”、身体の”だるさ”がひどくなったんです。

 

胃のチクチクする感じも3~4日間続いて、痛み止めを飲みながらずっと横になっていました。

 

今の体力(普通に20~30分歩けるくらいの体力)があれば、「退院日からお仕事や家事を再開できたんじゃないかなー」と思うのですが、当時は動けなかったです。



検査後の体調が不安な方は、2~3日多めにお休みをもらった上で、検査を受けると良いかもしれません。

 

主治医の先生と相談してみてください_(._.)_

 

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の検査後

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)で採取した膵腫瘍の一部は、病理検査に回されます。

 

私の場合、「採取した組織を”培養”して顕微鏡で確認しないといけない」とのことで、検査結果が出るまで1週間かかりました。

 

 

1週間後に、外来を受診すると、、、

 

医師 「(核が無くて?)やっぱりSPNの所見とはちょっと違うんだよね。」


私 「SPN以外の病気ってことですか?」

 

医師 「完全にSPNじゃないとも言い切れないんだけど、他の病気、”膵臓神経内分泌腫瘍(NET)”や”膵癌”の可能性もあります。」

 

私 「そうなんですね……。」

 

医師 「病理の追加検査があと5日間くらいかかるので、手術は延期しましょう。もしかしたら、他の臓器に原因があって、すい臓に腫瘍が転移してきた可能性も考えられるので、”PET検査”を受けてください。」

 

と告げられました。

 

 

「生体検査が終わったら手術できると思ったのに・・・(´;ω;`)」

 

すい臓の病気は本当に厄介で、診断が難しいのです。


→やっぱり腫瘍発覚時点ですぐ手術しておけば良かったですーー。゚(゚´Д`゚)゚。


手術するか迷っている方がいたら、ぜひ放置した場合のデメリットも考えた上で、決断してください。

 

 

新しく出てきた”膵臓神経内分泌腫瘍(NET)”や”膵癌”の可能性に怖気づきつつ、次の”PET検査”に臨むことに…。


 

*******

次回、PET検査のお話に続きます (*- -)(*_ _)ペコリ

 

 

◆過去記事一覧◆

① 私がすい臓(膵体尾部切除)の手術をうけるまで

② すい臓に腫瘍が発覚!そして、病院選びで大失敗・・・

③ 担当医と合わなくて3年通院せず、腫瘍が肥大化。大病院ゆえの失敗。

④ 手術の同意書。身寄りなしの場合は?おひとり様はつらいよ…

⑤ 手術の順番待ちは常識?-医者にはあたりまえ。でも患者には…

⑥ 正しい転院先の探し方は?”自分で探す”のは大変?

⑦ え…、SPNじゃない?膵腫瘍の診断は難しい。