先日、東京芸術大学美術館で明日まで開催されている「大吉原展」を鑑賞してきました。私は学生時代から落語が好きで、良く聞いています。と言っても、最近はもっぱらYouTubeで深夜に及んで寝ながら聞くというのが日課となっています。

 

 

学生時代から聞いていたというのは、上方落語で、当時四天王と言われた「笑福亭松鶴 (6代目)」「桂米朝 (3代目)」「桂春団治 (3代目)」「桂文枝 (5代目)」の4人です。その弟子たちは、もっぱらラジオで活躍していました。深夜ラジオを聴きながら、京都での寂しい夜を過ごしました。私のひいきは桂枝雀で爆笑してました。

 

その後、ふるさとに帰り就職しましたが、東京落語では古今亭志ん朝(3代目)がひいきで好きでした。とにかく何度聞いてもうっとりとするほど上手です。東京落語の艶話では遊郭「吉原」が舞台となることが多く、実際は見たこともない「吉原」を想像しながら聞いていました。まあ、古典落語は江戸時代が舞台になりますから実際には見たことはありません。吉原も全然わからないので、どんな所かと、吉原があった一帯を歩いたこともありました。

 

吉原遊郭が舞台の落語には、「五人廻し」「明烏」「唐茄子屋政談」「文七元結」「三枚起請」「お直し」「お茶汲み」「木乃伊取り」「お見立て」「二階ぞめき」「干物箱」「六尺棒」「幾代餅」「居残り佐平治」など、たくさんあります。

 

その世界がどのようなものだったのかを、「大門」「見返り柳」など多角的に見せてくれたのが「大吉原展」です。あいさつ分では企画の趣旨を以下のようなものだと強調していました。

 

 

「江戸の吉原は、約250年続いた幕府公認の遊廓でした。遊廓は、前借金の返済にしばられ自由意志でやめることのできない遊女たちの犠牲の上に成り立っていた、現在では許されない、二度とこの世に出現してはならない制度です。一方で、江戸時代における吉原は、文芸やファッションなど流行発信の最先端でもありました。」