東京滞在中、旦那Dが一人で行動した日、食べ物の写真と共に、街中で見かけた摩訶不思議な英語表記の数々を送ってきました。

いわゆる「外人」と呼ばれる欧米人などの在日外国人や英語圏からの旅行者たちの間で人気の、日本人が英語の変な英訳を小馬鹿にした「Engrish .com」というサイトがあります。

 

 

最近は日本だけではなく他のアジアの国々で使われてる変な英語も投稿されているようですが、元々は日本語ネイティブスピーカーが「LとR」の発音の区別ができないことを文字って「Engrish」から始まったようです。個人的には心外なのですが、旦那がどこからか見つけてきて、そのサイトに投稿されそうなネタにアンテナを貼っているようです。とは言っても、投稿するのは心が痛むので実行するには至っていないようですが。そんな中、一人歩きをした時入った某チェーン系のお店で、1箇所しかない男女兼用のトイレの理解に苦しむ張り紙を見つけたとのこと。

 

それが、下の写真。ようは、お店のトイレを綺麗に使ってください、というメッセージをトイレの利用客に伝えようとしているのだと思いますが、特に2枚目の拡大写真「シャワートイレより、クリーントイレで外国人を感動させよう」というメッセージ。これがど真ん中にあって、さらには日の丸のイラスト。日本人の私が見れば、外国からのツーリストへのおもてなしの意味なんだろうな、と解釈しますが、英語が先に入ってくるDからしたら摩訶不思議なメッセージ。まるで外国人は皆トイレを汚く使うという前提があるような皮肉?嫌味?に捉えたようです。それと、致命的なミスだと指摘するのが、これがドア内側に貼ってあること。私もそうですが、旦那は大でも小でも便座に座って用を足すように家庭で躾けられたので、まず便座に座るとこの張り紙を目にすることになりますが、一番トイレを汚すであろう、便座に座らず、便座もあげずに立って小便をするタイプの男性には届いてほしいメッセージ。しかし、彼らがこの張り紙を見るのは、用を足し終わってトイレを出る時になります。というか、小便のしずくを撒き散らして次の人のことも考えないような男は、こんな細かい掲示などそもそもみないだろう、というのがDの意見です。

 

 

 

このくらいだったら面白いな〜とか、禅問答みたいで哲学的だと言ってしまえばそれで済むのですが、下の立て看には、おおらかなDも流石に、気分を害したようです。別行動したこの日、Dは日本在住のアメリカ人のお友達夫妻と3人でディナーに行き、都内某所の路地裏レストランで見つけた看板。その界隈には、古民家などを改装した隠れ家的な飲食店が点在しているのですが、そんなところにも、インバウンドの波は押し寄せていているようです。きっとこのお店も、英語が話せるスタッフがいないのに、外国人客が押し寄せたり、日本人の常連さん達が来れなくなってしまい困惑しているのでしょうけど、日本語が読める外国人には、なんだかとても残念。日本人である私がみても残念。嘘はいけないなと思います。Dと一緒だったアメリカ人の友人夫妻は日本在住20年で日本語もペラペラ。お二人によれば最近、色々なところでこういう看板を見るそうです。日本人側の事情もわかるけれど、一方で、日本語一生懸命勉強して喋れるようになった外国人としては複雑な気分になるようです。もっと工夫して、例えば「We don't speak English」とか「Japanese Language Only」にするとか、いっそ本当に全部予約制にして「会員制〜Members Only」とかにしちゃえばいいのにと思いました。

 

 

 

最後に、下の写真は、私のお気に入りの中華屋さん。ラーメン各種、回鍋肉、麻婆茄子、青椒肉絲など、日本化した中華を出すいわゆる街中華。ずっと銀座の路地裏で営業していています。数年前までは、店内に外国人の姿など全く見かけなかったのに、SNSでバズって中韓からの旅行者が大挙してくるようになったようです。元々日本人のお客さんだけで繁盛しているので、インバウンドが押し寄せることで、逆に迷惑しているような感じがありありでした。店先には、入店の前に確認して欲しい項目を書いた張り紙がずらり。きっとトラブルが起こることに、こういう張り紙が加えられていったのだと思います。


「豚肉しか使ってません」、「お子様入店ご遠慮」、「現金のみ」、「店内では静かにしてください」。いや、清々しい位ストレートですね。ブタ肉食べられないから、別の食材で作ってください、とかいう客がいるんでしょうね。子豚ちゃんの目立つイラスト付きとは、きっと、たまにではなくてほぼ毎日いたんでしょう。それと、子連れお断りも。ただ、店を知っているものからすれば、これ冷たいようで、実は親切です。このお店カウンター席のみで、子供が座れるような席はないし、椅子もハイチェアーなので、一人で座ってられない小さい子供には危険。

 

 

ここではナスの豚肉炒めか、回鍋肉がお気に入り

 

ということで、久々の東京。飲食店のどこへ行っても外国人旅行者がいるのには驚きましたが、それ以上に、多言語でのさまざまな注意書きを見るに、インバウンド受け入れで四苦八苦しているのだろうなと察しました。まさにインバウンド狂想曲。外国で勝負する日本料理店じゃなくて、日本にあるお店が、基本的に日本人相手にするビジネスモデルなのであれば、変に迎合せずに、「ここは日本です、」と従来のスタイルを貫いてくれた方がいいのにな、と思いました。